全国大会のため東京にいるのだけど、試合のない日は案外暇らしく
部長からおやつを買ってくるように頼まれてしまった。
これパシリじゃね? と思いつつも、別に断る理由もなかったので
東京にしかないような有名お菓子店がホテルの近にないか探してみたのだが、
全然見当たらない。いや、俺が見つけきらないだけか? 
仕方なくホテルから少し離れた所で見つけた全国チェーンのドーナツ屋に入った所、

「おいおい嘘だろ……」

隠れ家的お菓子屋よりも珍しいものを見つけてしまった


「ふむ、ぽんでらいおんか……」

物というか人だが……
そこにいたのはどんくさい幼馴染の姉だった

「なんでこんなところに宮永照さんが!?」

本当何でだよ、今日って確か白糸台は試合のはずじゃ?

「む? 誰?」
「あぁ、すいませんいきなり。 俺も麻雀してるんで宮永さんのことは知ってるんですよ。 今日は宮永さんの学校は試合があったはずでは?」
「ふむ、私の事を知っているのか。 なら話は早い」
「話?」
「うん、実は――」

「私の試合が終わったから、控室で待ってる皆のためにおやつを買ってから戻ろうと思ってドーナツ買いに来た」フンス

「はい?」
「む?」キョトン

……つまりこの人は、先鋒である自分の試合が終わったから、
残りのチームメイトのために差し入れを買って戻ろうと思った、ということだろうか?
優しい人なんだと思う、咲も優しい性格してるし、やっぱり姉妹なんだなと思う
咲が気まずい関係になっているとは聞いていたが、仲直りも案外簡単に出来るんじゃ?

「でもお金忘れてきて、ドーナツ買えなくて困ってたとこ」
「………」

ぽんこつ具合まで似てるのか?
まさか迷子になったりはしないよな?

「そしてここがどこか分からなくて試合会場にも戻れない。 困ったからここでぽんでらいおんのポスター見てた」

迷子でした……
てかなぜ電話で連絡とったりしなくてこんな所でポスター見てるのこの人

「あのー、ケータイで電話して迎えに来てもらえないんですか?」
「電話? 試合に持ってっちゃダメだから控室に置いてきた」

あー、この人咲よりぽんこつだった……
今頃控室の仲間の人たち焦りまくってるんじゃないか?


「あの、今やってる試合の会場なら俺分かりますから連れてってあげましょうか?」
「本当!?」
「ここで会ったのも何かの縁ですし」
「じゃあお願いしてもいいかな? えーっと…」
「あぁ、須賀です。須賀京太郎」
「須賀君か、知ってるかもしれないが私は宮永照。会場までの道案内をお願い出来るかな?」
「はい、もちろんです」
「ありがとう  それと、もう1つ頼みがあるんだが……」モジモジ
「なんですか?」



「お金は返すから、ドーナツ買ってくれないかな?」