───朝

目が、覚める。
カーテン越しに朝日が差し込んできているのが判る。
何故だろう、何か熱い物を抱きしめているのに暑くない、寧ろ心地よい。
それにこのカーテンは自分の部屋の物ではない、確か、良子さんの・・・良子?

ふと右隣に視線を移す、そこには他でもない戒能良子の顔があった…息がかかりそうなほど超至近距離に。

京太郎「・・・!?」

一気に京太郎の目が覚める。そして恐る恐る周囲の状況を確認してみると。
自分に抱きつく姿勢で寝ている良子、彼女を抱える形で寝ていた京太郎。

床には散乱した衣類・・・即ち一糸纏わぬ二人が一つの寝床に。
完全に【お楽しみ】をした後の状況である。

良子「すぅ・・・すぅ・・・」

京太郎はパニックのあまり大声を出しそうになったのを、どうにか堪えて一体何故こんな状況になっているのか思い出す事にした。

―――それは、昨晩の事。
戒能プロのマンションに招待された京太郎は彼女と共に夕飯を終え、後片付けをした後、家に帰る準備していたら急に大きな物音がしたので急いで駆け付けてみると。

良子「頑張っちゃった頑張った我々~…」

京太郎「どうしたんですか良子さん……ってこれは!」

良子「ウェルカム京太郎~……なんだか最高に良い気分ですよ~……」

京太郎「なんでこんな度数の高い酒を……確かこれは前に大沼プロが送ってきた……」

良子「京太郎も一緒に飲みましょう~…フゥー…!」

京太郎「何を言ってるんですか俺はまだみせいね……んぷっ!?」

良子「んっ……!んっ……!はぁむっ……!」

京太郎(良子さんの口移し……!しまっ……!)

ゴク・・・ゴク・・・

良子「ぷはぁ………美味しいですか……京太郎……?」

京太郎「う……あう……」

良子「なんだか熱くなってきましたね……あっちのベッドで服を脱いでスリープしましょうか……?」

京太郎「う……ん………」

良子「さあ……カモンです…京太郎……」

京太郎「う……良子……さん……んっ…」

───

以上、記憶のサルベージ完了・・・やっちまった事やられた事を思い出し京太郎の顔はみるみるうちに真っ青に。

ふと良子に目をやると、こちらの動揺など我関せず、すやすやと実に幸せそうに寝ている。

京太郎(全く……とても昨晩、あんなに乱れた人間の寝顔とは思えな───)

そこまで思い至って自分で自分の顔を真っ赤にする京太郎。昨晩のお楽しみの光景が鮮明に思い出されたのだ。
いわゆる一つの自爆である。

京太郎「と、兎に角何とかして起きないと……」

いくらなんでもこんな格好で朝のご挨拶は避けたい、主に両者の精神衛生上の問題で。
とはいえ良子にがっちり抱きしめられている状態ではどうにも動きようが無い。
何とか抜け出そうとする・・・が、寝ている良子は最高の抱き枕を放そうとする筈も無く。

京太郎「ぬわっ!?」

ベットから揃って転がり落ちる、しかも仰向けの京太郎に良子が覆いかぶさる形で。
そして転がり落ちるだけの衝撃が加われば流石に、良子の目も覚める訳で。

良子「ん~・・・京太郎?」

───グッドモーニング

その日、良子のマンションのベランダには昼を過ぎた辺りになってから、寝具一式と男女の衣服が干されていたとかいないとか。

カンッ