―――【神憑かり(かみがかり)】という言葉がある


『え?俺の親戚?ふーん、かごしまってところから来たんだ』


―――神霊が人の体に乗り移ることをいうが、それは裏を返せば「それほど神に愛されている」と言うことだろう


『こまきちゃんって言うんだ、俺は京太郎って言うんだ』


―――【子は七つまでは神のうち】と言われる


『じゃあ向うで遊ぼうぜ!こまきちゃん』


―――子供は七歳までは「神の子」であり、神の所有物であるということだ


『こ、こまきちゃん?!こまきちゃん!しっかり!』


―――ならばもし


『……え?あ、あなたは一体……?』


―――「神に愛される神憑かり」が「神の所有物」であるうちに神に隷属を誓ったのならば


『わかりました、俺は、貴女のものにあると誓います』


―――それは、「永遠に神の物となる」ということと等しいのではないだろうか


『だから、こまきちゃんを助けてください』

京太郎「んぁ……ん、うん……?ああ、またいらっしゃられたんですか」

『我の所有物の所に何時来ようと、我の勝手じゃろう』

京太郎『目覚めた時に全然寝た気にならないから、あんまり夢の中に出てきて欲しくないんですけど』

『良いではないか、基本的に現(うつつ)の世では憑代に譲ってやっておるのだから』

『夢の中でくらい存分にふれ合わさせろ』

『そもそもお主、所有物の癖に口答えとは生意気じゃぞ』グリグリ

京太郎「痛ててて!すいません!すいません!」

『それに、憑代だけで無く従者共にまでデレデレしおって』

『随分な女泣かせじゃの?あーん?』

京太郎「こ、小蒔さんは婚約者だから別ですけど、霞さん達には別にそんな……」ワタワタ

『まあ、よい』

京太郎「え?」

『人の世なぞ精々80余年程度、神からしたらほんの僅かな時じゃ』

『じゃが主が死んだら』

『その魂は永遠に我の物となる』

『精々一瞬の時を謳歌するとよいわ』

京太郎「俺は今の時点でも貴女の物ですよ」

京太郎「あの時誓ったときからずっと……ね」スッ

『……ふん、今宵も勢一杯我を愉しませろ』

『期待しておるぞ、京太郎』