京太郎「咲ー見ろよこれ!」

咲「何、京ちゃん?……市の文化コンクールの広告?」

京太郎「そうそう」

咲「京ちゃんもこういうのに興味あったんだね、ちょっと意外」

京太郎「まあな、で、この小説の部門のとこを見てみろよ」

咲「なになに…へえ、金賞には賞金が出るんだ……え、ひ、百万円!?」

京太郎「そうなんだよ!すげーだろ!?」

咲「すごいっていうか、何処からこんなお金が…」

京太郎「まあ細かいことは置いといて、俺これに投稿しようと思うんだよ!」

咲「はあ、まあ、がんばってね…」

京太郎「そういう訳で…」

京太郎「お願いします!先生!!」ドゲザー

咲「へ?」

咲「わ、私が書くの!?」

京太郎「当たり前だよ、なあ?」

咲「当たり前って……やだよ、めんどくさい」プイッ

京太郎「そう言わずによ~頼むぜ咲~」グリグリ

咲「いたい、いたい、いたいって!もう、いくらやってもそんな暴力には屈しません!」ツーン

咲「大体私、小説なんか書いたことないよ!」

京太郎「本当かー本当に書いたことないのかー?」

咲「な、ないよ↑?」

京太郎「仕方ない、こいつは使いたくなかったが…」

咲「な、何?」

京太郎「……ククク、実は~」ガサゴソ

咲「あ、そ、それは…まさか…!」

京太郎「そうよ!そのまさかよ!」


京太郎「お前が中学二年生の時に書き連ねた数々の設定と自作イラストの数々だ!!」

咲「いやあああああああああああああああああ!」

京太郎「ん~どれもこれも香ばしい臭いで溢れてるな~」

咲「やめてええええええええええええええええええ!」

京太郎「そうだ!一つ朗読してやるよ!どれにしようか…」

咲「やめて!もうやめて!お願いだからもう…!」

京太郎「よおし!この『マジカル雀士☆リんシャンちゃん♪』にするか!」

咲「だめええええええええええええええええええ!」



咲「グス…ヒッグ……バカぁ……京ちゃんのバカ、アホぉ…」

京太郎「わりぃわりぃ、何か楽しくなっちまって…でもよ、咲も悪いんだぜ?素直に頼まれてくれてれば…」

咲「ううぅ…」

京太郎「へっへっへ、まあ、こいつは今俺の手にある…意味はわかるな?」

咲「うう……わかったよ、書けばいいんでしょ!書けば!」

京太郎「うむうむ、そうこなくっちゃな!」

咲「分け前はもらうからね!」

京太郎「当然!……一万円でいいよな?」

咲「いいわけないでしょ!書くのは私だから普通に考えて五十、七十はもらってもいいよね!?」

京太郎「がめついなあ…金にこだわってもいいことないぞ?」

咲「京ちゃんが言うことじゃないでしょ!」


数日後


咲「できたよ」

京太郎「おお!早いな!」

咲「うん…でも…」

京太郎「何だよ?」

咲「ちょっと…自信ないかな?」

京太郎「そこのへんはどうしようもねえよ、という訳で」

咲「?」

京太郎「早速読んでみるとしますか!」

咲「ええ!?読むの…?」

京太郎「当たり前だよ、なあ?」

咲「まあ、いいけど……笑わないでよ?」

京太郎「出来によるかな」

咲「やっぱり返して!」

京太郎「冗談だよ、冗談」

咲「もうっ…」


京太郎「ふむふむ、タイトルは……『文学少女と金髪少年』か…普通だな!」

咲「別にいいでしょ!」

京太郎「どれどれ、しっかり読んでみますか」

京太郎「ふーむ、なるほどなるほどー」

咲(うー、なんか、ムズムズするよぉ)




京太郎「ふう…」

咲「ど、どうだった…?やっぱりダメかな…」

京太郎「いや、なかなか良かったと思うぞ?」

咲「そ、そう?よかった…」

京太郎「それにしても恋愛物を書いてくるとはな~」

咲「…え?」

京太郎「え?」

咲「い、一応、それ青春部活物のつもりで書いたんだけど…」

京太郎「そうなのか!?でもそれにしちゃあ『金髪少年』の『文学少女』へのアプローチが露骨過ぎないか?」

咲「ええ!そうなの!?」

京太郎「そうなのって…お前が書いたんだろ…」

咲「そ、そうだよね…アハハ…でさ…」

京太郎「ん?」

咲「どこらへんが、その…アプローチに見えたのかな?参考までに教えてよ?」

京太郎「そうだな、先ずは中学時代のこのシーンだな」

咲「傷心の『文学少女』に『金髪少年』が話しかけて友達になるシーンだね、これが?」

京太郎「いや、このあとの二人に交流を描くシーンがな」

咲「ああ、『ご飯の時はすぐに机を寄せてきたり、雨の日は傘を持って校門で私が来るのを待っていてくれた』うん、青春だね」

京太郎「これは確実に堕としにいってるな」

咲「ええ!そうなの!?」

京太郎「そうだろ?好きでもなけりゃこんなに世話やかねえって」

咲「そ、そうだったのかな…」

京太郎「それにここだけじゃない、高校に入ってからもまだ狙ってるな…」

咲「ど、どうして?」

京太郎「分かりやすいところはこの昼飯を二人で食べに行く件だな」

咲「それは『金髪少年』がレディースランチを食べたいから『文学少女』に頼んでるだけで…」

京太郎「そんなの会話するための口実に決まってるだろ」

咲「ええ!そうだったの!?」

京太郎「どんな瑣末なことでも一緒に居たい…いじらしい男心だな」

咲「そうだったんだ…」

京太郎「部活に誘った後も虎視眈々とチャンスを伺ってるのがわかるな…」

咲「ええ!で、でも部活にはわた、『文学少女』よりもずっと可愛い子が沢山いるよ?特に『巨乳天使』ちゃんとか…」

京太郎「そういえば『金髪少年』は巨乳が好きなんだっけ?」

咲「うん……」シューン

京太郎「これはカモフラージュだな」

咲「ええ!そうなの!?でも何で…」

京太郎「そりゃお前、好きな子が貧乳その子の前で貧乳好きですなんて言ったら告白したようなもんだろ?」

咲「で、でもさ、『タコス』ちゃんも貧乳だよ?」

京太郎「文面から察するに『金髪少年』は貧乳好きではあってもロリスキーでは無いな」

咲「そうなんだ…あ、でも他にも『ロッカー部長』と『海草先輩』とか可愛い人は沢山いるよそれでも…好きなのかな?」

京太郎「なんだよ咲、もしかして『文学少女』ちゃんはとんでもないドブスちゃんていう裏設定でもあるのか?」

咲「そ、そんなことないと思うなぁ~とっても可愛いと思うよ!うん!可愛い!」

京太郎「だよな、文面の端々から『文学少女』は上半身のボリュームは乏しいが下半身がそれを補って余りある淫猥な魅力を持ってることが読み取れるしな」

咲「い、淫猥って…」


京太郎「よし、感想も言い終わったし早速投函してくるか」

咲 (京ちゃん…昔から私を狙ってたんだ…)「金賞取れるかな…?」

京太郎「どうだろ…俺はいいと思ったけどな、何か温かくて…」

咲(い、今まで意識してなかったけど)「んん…ありがと…」

咲(京ちゃんなら、いいかな…?)「百万円もらえたらさ、どうしよっか?」

京太郎「買えるだけ宝くじ買って百倍位にする!ってのはどうだ?」

咲(そんなにアプローチかけてきてたんだもんね!)「微妙だね全部無くなっちゃいそう」

京太郎「じゃあ、部の皆でどっか旅行に行くのはどうだ?」

咲(こ、告白は京ちゃんからかな…)「うん、それはいいかも」

京太郎「海、行きたいな」

咲(砂浜…二人っきり)「うん…」

京太郎「水着、見たいな」

咲(お気に入りの水着で…)「うん……」

京太郎「特に和のが…」

咲「うん………うん?」

京太郎「むふふふ…」

咲「京ちゃん貧乳好きじゃなかったの!」

京太郎「はあ?なんのこったよ(すっとぼけ)」

咲「うう……京ちゃんのバカー!」ダダッ







京太郎「たく、こんなに分かりやすい物書いてくりゃすぐに気づくっての…」

京太郎「恥ずかしい奴め…」



カン!