石戸霞です。
須賀京太郎さんを頼って清澄に来て、早三日が経ちました。
しかし、身一つで来た都合上着るものがなくて困っていいるの。
私とサイズが近いという、京太郎さんの友達たちに聞いてみました。
……
…
「原村和さんはどのようなものを着ているんですか?」
「NAGANO STYLEです」
「えっ?」
「これが長野の標準ですよ」
「そ、そうですか」
…
……
ううっ、あんなはしたない格好をして外に出るなんて考えられないわ。
それにそれに、京太郎さんに見られるなんてその、恥ずかしい。
でもでも、京太郎さんとデートするときにはちゃんとした服装を着たいわ。
隣に立っても恥ずかしくない格好をしたいのよ。だって、京太郎さんは格好いいし……。
「何を悩んでいるんですか?」
「うひゃぁ!?」
「うひゃぁって……」
ケタケタ笑いながら私を見る京太郎さん。
もう! いきなり驚かせないでください!
「その、今度のデートで着る服について考えていたの」
「霞さんなら何でも似合いそうですよね」
「それがそうでもないのよね。
京太郎さんはどんな服装が好み?」
もし京太郎さんがあの服装を好みというなら頑張って着てみよう。
本当は露出の多い服装は着たくない。
小さい頃からこの大きすぎる胸をコンプレックスに感じていた。
でも、やっぱり男の人はああいうのがいいのかしら?
「なるべく露出の少ない格好、とか」
「へ?」
「俺の好みですよ!
霞さんならもこもこした服装とか似合いそうです!
今度俺がコーディネートしますよ」
そう言ってウンウン唸りながらコーディネートを考え出す京太郎さん。
きっと、私のコンプレックスなんて知らないんだろうけれども、それを気にしてくれているような振る舞い。
ドキッとした。
「もう、京太郎さんは卑怯よ!」
「?」
カン!
最終更新:2016年05月17日 16:15