京太郎「ふぅ、ご馳走さまでしたっと」

憧「……ご馳走さま」

京太郎「? 憧、調子でも悪いのか?」

憧「なんで?」

京太郎「や、何か反応が鈍いと言うか…」

憧「んー、ちょっと考え事してるからかな」

京太郎「そっか。なら洗い物は俺一人でやっとくよ」カチャッ

憧「別にいいわよそのぐらい。やることなんて洗った食器拭くぐらいなんだし」

京太郎「そか?お前が言うならいいが…」



◇ ◇ ◇


京太郎「…」ジャー カチャカチャカチャ…

   「ほい」スッ

憧「ん」パシッ キュッキュッ…

京太郎「さっきさ」ジャー カチャカチャ

憧「んー?」コトッ

京太郎「何考えてたんだ?」スッ

憧「んー、えっとねぇ……」キュッキュッ…

京太郎「?」ジャー カチャカチャ

憧「……なんであたしアンタと付き合ってんだろうなって」キュッ

京太郎「」ツルッ ガシャーン

憧「あっ!アンタ何やって……あーあー、もう、何やってんのよ」

京太郎「え、あ…悪い…」

憧「もー…手袋してたから怪我してないみたいだけど…ほら、ここに破片捨てて」

京太郎「あ、うん…で、その、あの…それは、それはどういう?」カチャッ カチャッ

憧「それって?」


京太郎「だから…なんで俺と付き合ってるのかって……」

憧「あぁ、別に深い意味はないのよ」

京太郎「…? えっと…?」

憧「んー、例えば…ほら、この前買い物に行ったときイチャイチャしてたカップルがいたでしょ?」

京太郎「あー、あの腕組みながら歩いてた二人のことか?」

憧「そそ。私達ってあんなことした覚えあった?」

京太郎「いや、そりゃお前……」

憧「あった?」

京太郎「……無い、かも?あれ?」

憧「あたしもした覚えないから気になってねぇ…そもそもいつから付き合ってたっけ?」

京太郎「……いつだっけ…あれぇ…?」

憧「告白したのって…あんたからよね?」

京太郎「それは覚えてるわ。確か『好きかもしれんから付き合って』つったら『いーわよー』って…今更だけど返事軽いなぁ」

憧「アンタこそ告白軽いっての…それで、そのまま特になにも変わらずズルズル今に至るわけよね」

京太郎「あぁ。そんでデート…っても学生だから映画館やら服屋やらを周ったりゲーセンとかで遊んで…」

憧「たまーに奮発して遊園地とか水族館も行ったわね…」


京太郎「割りと恋人してる…してるよな?」

憧「してるけど…こう、好きだー!ってあたしに抱きつきたい気持ちとかないの?」

京太郎「ない。お前は?」

憧「ない」

京太郎「……なんで付き合ってんの?」

憧「わかんない……」

京太郎「でも別れるつもりはないよな?」

憧「それは無いわね……居心地良いし、あって当たり前というか」

京太郎「だよなぁ……ん?あって当たり前……」

憧「どうしたの?」

京太郎「いや……お互いにあって当たり前と思ってて、デートとかもして、一緒に生活もしてて……これ夫婦じゃね?」

憧「あっ…あーあーあー…言われてみればそう思えて、というかそうとしか思えなくなってきたわ…そっか、これが夫婦か…」

京太郎「…なぁ」

憧「なに?」

京太郎「結婚すっか?」

憧「…そうね、いいんじゃない?」

京太郎「下手すりゃ一生ものなのに返事軽いなぁ…」

憧「だからアンタこそ軽いっての、バーカ」

カンッ