京太郎「我らが清澄麻雀女子部は全国で優勝した」

京太郎「だが俺はと言えば唯一の男子部員なのに県予選初戦敗退」

京太郎「雑用を全て担ってるとはいえ風元々あった嫉妬と合わさり風当たりが強くなった」

京太郎「清澄に俺の居場所はない」

京太郎「ハギヨシさんから教わった執事流護身術と料理スキルを活かして何処かでひっそり暮らそう……」

京太郎「みんな楽しかったぜ、じゃあな」


京太郎「そうだ、岩手に行こう」

京太郎「親戚もいた気がするしちょうどいいかな」


岩手県、宮守高校付近

新装開店:タコス屋ルルーシュ

京太郎「ハギヨシさんの伝手で空き店舗を譲り受けられるとは幸い、本当に頭が上がらないよ……」グスン

京太郎「タコスは優希のせいで作り慣れたからな……あいつ今頃どうしてるかな心配だ」


カランカラーン

京太郎「いらっしゃいませー!」

姉帯「こんなところにタコス屋なんてあったんだー、やってるよね?」

京太郎「いらっしゃいませ、今日開店したばかりなんですよ。一番最初のお客さんなんでサービスしますよ」

姉帯「わーい!ありがとうね。今度友達も連れてくるよー」

京太郎「ありがとうございます!それでは席へどうぞ」


注文取ってしばらくして

京太郎「こちらが当店の目玉商品のタコスでございます。味には自信があるのでどうぞ!」

姉帯「美味しそうだね、いただきまーす」

姉帯「そういえば、このお店1人だけなの?他の店員さんが見えないけどー」

京太郎「……その通りです。色々あって長野から1人で来まして」

姉帯「大変だね、若く見えるけど……もしかして同い年?」

京太郎「いやぁ、まだ16ですよ」ハハハ

姉帯「え!?わたしより年下なんだ…背も高いし大人びてるから年上だと思ったよー」

京太郎「背が高いって……貴女のほうがよっぽど高いですよ!!」

姉帯「気にしてるんだよ!本当はもう少し女の子らしい背丈がよかったのに……」グスン

京太郎「いやいや!!充分可愛いですから!!」

姉帯「……本当?」

京太郎「本当ですから!信じてください」

姉帯「ふふ……ありがとうね。こんなこと言われたの初めてだよー」

京太郎「それは何よりです」ハギヨシ流イケメンスマイル

姉帯「///……そ、それじゃあご馳走様!!お代は……」

京太郎「サービスするって言ったじゃないですか。お代は結構ですよ」

姉帯「申し訳ないよ…」

京太郎「岩手に来て始めてのお客さんが可愛い女の子だったんですから!むしろ俺のほうがお金払いたいぐらいですよ」

姉帯「……………///う、嬉しいな。じゃあ名前教えてくれる?わたしは姉帯豊音」

京太郎「俺は須賀京太郎です!またのお越しを!!」

姉帯「じ、しゃあね!京太郎君!」


カランカラーン

京太郎「背がすごく高いけど可愛い人だったなぁ……また来るって言ってたよな」ニヤニヤ

京太郎「俺にもやっと春が来たのか……」


次の日

カランカラーン

京太郎「いらっしゃいませー!」

京太郎「姉帯さん来てくれたんですね!嬉しいです」

姉帯「勿論だよー、今日は部活の顧問だったトシさんを連れて来たんだ」

トシ「あら若い店長さんねぇ、豊音が学校でもたくさん話してたからどんな人かと思ったけど良い人そうね」

姉帯「ト、トシさん!」

京太郎「あ、姉帯さん…そんなに俺のタコスの味が気に入ってくれたんですね!感激です!!」

姉帯「………そ、そうだねー」グスン

京太郎「姉帯さん!?ど、どうしたんですか!」

トシさん「おやおや、こんなに早く男友達が出来るなんてねぇ。将来は安泰かね」

姉帯「しょ、将来って……///」

京太郎「そ、そんなこと……///」

京太郎「ゴホン……気を取り直して席へどうぞ!こちらがメニューになります!」

姉帯「わたしは昨日食べたのが良いなー」

トシさん「タコスなんて食べるの何十年ぶりかしらねぇ。わたしも豊音と同じで良いよ」

京太郎「かしこまりました!しばらくお待ちを!」


タコスンマイー!

姉帯「やっぱり美味しいよー!」

トシ「こんなに美味しいタコスは初めて食べたねぇ。豊音が気に入るのも分かるよ」

京太郎「俺も美味しそうに食べてもらえるのはとても嬉しいです!」

姉帯「ご馳走様!!今日こそはお金払うよ!」

京太郎「さすがに毎日サービスすると生活出来ませんからね」ハハハ

京太郎「って……諭吉さんがなんか多くないですか?」

トシ「これはほんの気持ちだよ。岩手に1人で来て大変なんだろう?豊音の友達になってくれたお礼もあるしね」

京太郎「ありがとうございます!!俺っ……俺っ……実は不安で…」グスン

姉帯「わ、わたしも!少ししかないけd……」

トシ「こらこら、豊音はまだ高校生なんだから大人にこういうのは任せておきなさい。その代わり……」コソコソ

姉帯「ふえっ!……わ、分かりました///」ギュッ

京太郎「えっ……あ、姉帯さん………」

姉帯「こ、これは昨日の分のお礼なんだからねー///」


数分後

京太郎「すいませんでした。情けないところをお見せして……」

トシ「いいんだよ、16歳なんてまだまだ甘えていればいいんのさ。それにこういう時はありがとう、だろう?」

姉帯「そうだよ!わたしの方が年上なんだからね!」

京太郎「……ありがとうございます!!!」

姉帯「そ、それと……///わたしのこと豊音って呼んでもいいよ。毎日通うからっ!」

トシ「あらあら」

京太郎「姉帯さ……豊音さん!俺、頑張ってこの店を大きくするんでよろしくお願いします!」

姉帯「頑張ってね!」

ゴチソウサマデシター

カランカラーン

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京太郎「ここも繁盛してきたな。週刊誌のコラムの取材が来るなんて思っても見なかったよ」

現在は開店して数ヶ月、姉帯さん以外の宮守女子麻雀部のメンバーとも顔合わせした


カランカラーン

京太郎「いらっしゃいませー!」

豊音「京太郎君!今日も来たよー」

シロ「ダルい……早く席に行こう」

塞「まったく、シロは相変わらずなんだから。こんにちは京太郎君」

エイスリン「コンニチハ!」

胡桃「ここのタコスは何度食べても飽きないね」

京太郎「皆さんいらっしゃいませー!こちらの席へどうぞ!」


タコスクリムゾン

宮守メンバー「ご馳走様!」

京太郎「そういえばこの前週刊誌の取材が来たんですよ!今女子高生に話題のタコス屋って!」

豊音「凄いねー、わたし1人で通ってた頃とは大違いだね」

京太郎「もしかしたら皆さんのお陰かもしれませんね。皆さん美人ぞろいですから」

豊音「そ、そんなこと……///」

京太郎「そんなことありますよ。取材の時に皆さんがいてくれれば売り上げUP間違いなしです!」

シロ「私も取材受けることになる?ダル……」

塞「開店して数ヶ月で雑誌って京太郎君って才能あるんだね」

エイスリン「ギャラ?」札束の絵

胡桃「わたしより年下なのに稼いで羨ましい」

京太郎「師匠がとてもすごい人でしたから……元気にしてるかな」

京太郎「取材の時はお願いしますね!ありがとうございました!!」

豊音「は、恥ずかしいけど協力するよ!」

シロ「ダルいけど……いいよ。豊音の想い人さん」ボソッ

京太郎「シロさん今なんて?」

シロ「気にしないで。繰り返すのダルい……」

塞「私も良いかな。依頼があれば協力するよ」

エイスリン「ワタシモ!」金塊の絵

胡桃「でも今の小さいお店の方が通いやすいよね…」

京太郎「大きなお店になっても皆さんは特等席に招待しますから安心してください!開店当時からのお得意様ですからね」

京太郎「特に豊音さんはサービスしますよ!休業日にも食べに来てくれる人は豊音さんぐらいです」

豊音「あわわわ……///それは言わないでよー」

シロ「通い妻」ボソ

塞「私たちお邪魔だったかな?」ケラケラ

エイスリン「ケッコン?」ウエディングドレスの絵

胡桃「高身長の夫婦とか反則!」

京太郎・豊音「……///」


取材当日

京太郎「取材よろしくお願いします!」

記者「ここが最近有名なタコス屋かー。随分若い店主だなー」ワハハ

記者2「今日はよく通っている高校生がいると聞いておるぞ!!何処におるのだ?」

豊音「コ、コンニチハー。キョウハオヒガラモヨク」

京太郎「豊音さん!落ち着いて落ち着いて。テレビじゃないんですから、ね」ナデナデ

豊音「ふえっ?そ、そうだよね、雑誌だもんね」カオマッカ


物陰にて

シロ「何で私達がこんなことしなきゃいけないの……ダル」

塞「こんなチャンス一度きりしかないのよ!それに豊音の晴れ舞台見なくて何が友達よ!」

胡桃「そこっ、うるさい!バレるでしょ」

エイスリン「ギャラヤマワケ?」札束の絵

京太郎(あそこにいるのって……シロさん達だよな……)


胡桃「絶対ばれたよ!」


記者「これ全国で売られる雑誌だからね。君も有名になって商売繁盛だな」ワハハ

記者2「お主の故郷にも勿論発行されるぞ!」

京太郎「売り上げが上がるのは嬉しいですがそこまで大きな記事にしなくても良いですよ」

豊音「だ、ダメだよー!どーんと宣伝してもらわなきゃ!」

京太郎「いえいえ、俺は豊音やその周りの人達が来てくれれば充分ですよ」

豊音「京太郎君……///」

記者「はいはい惚気はそこまでなー」ワハハ

記者2「それでは取材に入る!!」


キングクリムゾン

全国で発売された週刊誌は勿論長野にも出回った
記事は京太郎の頼みにより小さく取り上げられた


竜門渕休憩室

ハギヨシ「どうやら成功したようですね京太郎君。色々と教えたかいがあったというものです」

ハギヨシ「しかし清澄は荒れてますよ……」


清澄

咲「京ちゃん……どこに行っちゃったの………京ちゃんを追い詰めた奴らはもういないから帰って来てよ………」

優希「京太郎……もう我儘言わないから帰ってきてくれ……」


そんな折、雑誌の京太郎の記事が咲たちの目にも止まった

まこ「ん?この記事は……京太郎?」

咲「!?見せてください!!!!」ゴッ

優希「!?見せるんだじぇ!!!!」ゴッ

まこ「ひえぇ……こ、ここの記事じゃ。岩手のタコス屋!」

写っていたのは田舎の一軒家を改装したこぢんまりしたタコス屋の前にツーショットで寄り添うように並んでいる京太郎と豊音
見出しには若い夫婦(仮)で経営する話題の美味しいタコス屋!!!
とだいぶ誇張して書かれている

咲「………京ちゃん、やっと見つけたよ……私に黙って駆け落ちなんて……」ギリッ

優希「よりにもよってタコス屋なんて……私に対する、いや……全てのタコスに対する侮辱だじぇ!!!」

咲・優希「岩手に攻め込む!」


数週間後

京太郎「雑誌掲載後にありがちな大量のお客さんの波もようやく打ち止めになったな……」

豊音「大変だったねー、注文取るのがあんなに大変だなんて思わなかったよー!」

京太郎「乗り切れたのは宮守の皆さんがアルバイトに来てくれたからですよ。ありがとうございます!!」

豊音「あわわ……そんなに畏まらなくても良いよー!それに……私達の仲じゃない///」

京太郎「そ、そうですね……///雑誌で夫婦って紹介されててびっくりしました」

豊音「あれにはびっくりしたよー///」


イチャイチャイチャイチャ

店外

咲「なにあれしにたいわたしのきょうちゃんがわたしいがいとしあわせそうなんでわたしじゃしあわせになれなかったの」ブツブツ

優希「タコスータコスー」ブツブツ

咲「ハッ!!あまりに絶望的な差を見せつけられておかしくなるところだった」

優希「雑誌でも見たけど清澄の頃よりタコスがパワーアップしてるじぇ……」

咲「取り合えずは客として乗り込んで幼馴染の差を見せつけるよ!」

優希「久しぶりに京太郎のタコスが食べたいじぇ」


カランカラーン

京太郎「いらっしゃいm………お、お前ら……なんでここに……」

豊音「京太郎君の知り合い?いらっしゃいませー」

京太郎「…………ハッ、接客接客と。こちらの席へどうぞー!」

咲「ありがとう"京ちゃん~!ずっと食べるの楽しみにしてたんだ!"幼馴染"が有名人になってからね」

優希「数ヶ月ぶりの京太郎のタコスだじぇ!!毎日作ってもらうっていうのがあんなに大切なことだとは思いもしなかったじぇ」

豊音「え……?幼馴染……貴女と京太郎君は凄く親しそうだけど…どういう関係なの」

咲「元いた学校では"嫁さん"なん「注文はどうしますか!!!!」京ちゃん……」

京太郎「注文は?」

優希「いつもやつ」

京太郎「かしこまりました。豊音さんちょっとこっちに……」


厨房にて

豊音「京太郎君……わたし……今まで邪魔だったのかなー……あの幼馴染の娘凄く京太郎君のこと好いてるよ」グスン

京太郎「……長野を出た時に師匠以外の人との関係は全て切り捨てました。あそこに俺の居場所はないと思ったから」

豊音「そ、それじゃああの娘は……」

京太郎「確かに咲は大事な幼馴染です。優希も気のおけない友人です。でもそれは岩手に来る前の俺です。今は……」ギュッ

豊音「え?…え?……///」

京太郎「貴女が一番大事なんです!!」ギュー

豊音「ちょ……ちょーうれしいよー」カオマッカ


厨房の入り口

咲「………………………負けた」

優希「仕方ないじぇ……京太郎が苦しんでるのを優勝したことに浮かれて気付かなかったんだから」

咲「最後に京ちゃんのタコス食べて帰ろうか」

優希「そうだじぇ」

京太郎「さて!長野から来た友人達にとっておきのを振る舞いましょうか!」

豊音「そうだね!頑張って作るよー!」


ホールにて

京太郎「出来たぞー咲!優希!とっておきだ!」

咲「美味しい……美味しいよ京ちゃん」グスン

優希「やっぱり京太郎、いや犬はこうでなくっちゃな!」

京太郎「咲!?泣くほど美味いのか!!作ったかいがあるな!!!」

豊音(厨房での話聞こえてたよね……ごめんね)

豊音「そ、それは少し違うと思うなー…」

咲「美味しくて泣いてるんです!!!」グスン

優希「美味いぞ!!」

京太郎「???」


カン