この夏、わたしは最後のインターハイに敗れ――

――気分転換にとこの夏に知り合った友人と親戚の家に向かい、
長い道を行く電車に乗り――

とても不思議な夢を見た

思い出せない赤い記憶

群れ飛ぶ蒼い光の蝶

そして、悲しい目をした懐かしいあの人――

わたしの生まれ故郷でもある経観塚

そこでわたしは誰かと出会い、
そこでわたしは誰かと別れる

過去と現在(いま)、夢と現(うつつ)、
わたしの記憶とわたしの血――

縁(えにし)の糸が絡まりあい、寄り合わさってひとつの絵を成し――

運命の輪が廻りだす――

――でも、きっと大丈夫
今のわたしの隣には――
縁を喜び、別れを悲しむ、
優しい人が隣に居てくれるから――


「……ん。…さ…さん。」

「むにゃむにゃ……天ぷらぷーらぷーら……」

「佐々野さん!」

「うにゃ……?」

「そろそろ経観塚に着きますよ、佐々野さん」

「……えっ?もうそんな時間?もーう京太郎、なんで起こしてくれんかったの?」

「いやぁ、起こすのも忍びない位熟睡してましたから……」

「ってありゃ?皆は?」

「あー……のどかな風景なんぞ見飽きたからと皆でトランプやってます」

「……ちゃちゃのん、悪い事したかのぉ……
皆もこの夏やりたい事とかあったんじゃろうし……」

「それは違うと思いますよ?優希のヤツはともかく、俺や智葉さん、染谷先輩や良子さんは好きで付いて来たワケですし。」

「そっか……じゃあ京太郎!こっちに居るうちに皆で良い思い出、作ろうな!」

「はい!」

――長い道を行く電車の中で交わした小さな約束、わたしはそれを護れるのだろうか――

カンッ――?