咲「ねえ京ちゃん、お願いがあるんだけど」

京太郎「うん?」

咲「こ、これ」 つ[婚姻届] ←妻の欄記載済み

京太郎「……」

京太郎「えーと、これはどういう――」

咲「京ちゃんお願い、何も言わずここにサインしてハンコ押して!」

京太郎「あー、もしかしてあれか、部長辺りがお前の誕生日にかこつけて仕組んだドッキリか何かか?
    わざわざ婚姻届けまで用意するなんて手が込んでんなあ」

咲「ひ、ひどいよ京ちゃん。せっかく結婚できる年になったから、勇気を振り絞って想いの丈をぶつけたのに」

京太郎(……何気に今すげー発言したなぁこいつ)

京太郎「いやいや、俺まだ年齢的に結婚できないっての」

咲「あっ」

京太郎「それにハンコももってねーし」

咲「うぅ……そんなぁ」シュン

京太郎「つーか、どう考えてもまだまだ結婚を急ぐような時期じゃないだろ」

咲「急ぐよ! だって京ちゃんはいつも周りに気配りしてくれる人で、麻雀だって上手くなろうって一生懸命だし、
  私が困ったら助けてくれて、高校は入ってからは前より背も伸びてかっこよくなって――」

京太郎(……)

京太郎(うーむ、こうもストレートに好意的な言葉をぶつけられると、さすがに少し気恥ずかしいよなあ)

咲「……だからこうでもしないと、他の誰かに取られ――」

京太郎「咲」

咲「っ」

京太郎「あのな」

咲「……」

京太郎「まあ、その、なんだ。……俺たちがお互い大人になったら、さ」

咲「……」

京太郎「ちゃんと俺の方から――貰いに行ってやるから」

咲「京ちゃん……!」

京太郎「だから心配せず待ってろって、な?」

咲「……うんっ!」