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京太郎「シロさん!」

白望「ん」


京太郎「すみません、待たせちゃったみたいで」

白望「別に待ってないよ、それより早くいこ」

京太郎「あ、はい!」


…………


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京太郎「シ、シロさん!」

白望「ん」


京太郎「お、俺と……けっ、けっ、けっこ……結婚してくださいっ!!!」

白望「……」

京太郎「……!!」


白望「…嬉しい、京太郎……

   本当に嬉しいよ……はい、喜んで」


京太郎「!!!! や、やったぁぁぁぁーーーーー!!!!!」



白望「…ふふ」


…………

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京太郎「ほーら、あんまり先に行くんじゃない

    俺はともかくママがついていけないだろ」


白望「大丈夫、旦那さんがおぶってくれるから…よっと」


京太郎「うわっ、シロ!いきなりだとビックリするだろ!

    って、おいおい……


    わかった、いいぞ

    ママは俺の背中、お前は前にひっついてろ」


白望「さすが京太郎、妻と子供を支えるパパの鑑」


京太郎「よーっし!これでも昔はハンドやってたんだ、かっこいいとこ見せてやる!いくぞー!」  



白望「……幸せ」


…………

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白望「ほら、泣かないで」

京太郎「うっ……ぐすっ、ああ…きれいだったなぁ、俺達の娘は」

白望「うん、自慢の子だよね」

京太郎「ああ……」

白望「孫の顔が見たいね」

京太郎「ああ……そしたら、うんと甘やかしてやろう」

白望「そうしよ、でもしばらくは…」

京太郎「うん?」



白望「二人きりを楽しもうよ」


…………



白望「…………京太郎」




白望「今度は…先だったね」




白望「…………ごめんなさい」




白望「ずっと秘密にしてたことがあった…」



白望「私……」













白望「1万回、自分の人生を繰り返してるの」

白望「いつも高校3年生のあの夏の日、そう…京太郎と初めて出会った日にその事を思い出すんだ」


白望「毎回、それだけは変わっていない…」


白望「あなたと一緒の人生を歩んで、いつもあなたが私を幸せにしてくれることも……」


白望「細かいところは多少違ってるよ、子供の性別や数とか、私達の仕事とか、住んでいる場所とか…」


白望「貧しい暮らしもしたことあった、と思う……全部覚えてるわけじゃないから確かな事は言えないけど」


白望「でも、幸せだったのは覚えてる……」


白望「………今回はあなたが先に死んじゃったんだね」






白望「……嫌だ、嫌だよ…」




白望「1万回じゃ足りないよ……京太郎、もっともっとあなたと一緒にいたい…」




白望「私が一番恐れているのは、いつかこのループが終わってしまうこと……」



白望「もし伝説のマヨイガがあって……そこからひとつだけ、ひとつだけ持ってこれるなら」


白望「京太郎との永遠、それだけが欲しい……」



白望「だから………………………」


…………

京太郎「えーっと、炭酸が3つに、オレンジジュースが1つに………」



白望「はぁ…ダル……」



京太郎「え…うわ、なんだあの人…

    ゾンビみたいに歩いてる……体の具合でも悪いのかな?



    …あのー」


白望「ん……………



   ……!……」


京太郎「大丈夫ですか?ふらふらしてるようでしたから気になって……」



白望「…大丈夫

   うん、大丈夫



   ………ありがとう



   ねえ」


京太郎「はい?」



白望「…君の名前は?」




10001



カンッ

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最終更新:2015年12月03日 20:02