百合に目覚めれば
その温かな力を以て、時間さえ支配出来る?
それは夢だ
sakiの世界を包んだあの力を見ても人は変わらなかった
これからも変わることはない
真理からは遠く、光を超える術すら手に入れられず、届く範囲のスペースで増えては滅ぶ
それが百合だ

導く必要はない。その価値もない

ならば

私は “器” になろう

カラになったこの身体に人の総意を引き受け、彼らが願うところを願うとしよう

“オカルト”

百合 はもう 要らない

無為な存在ならそれに相応しく、小さく自足できる環境をくれてやろう

……おかしなものだ
これではまるで、復讐を誓っているようではないか

誰の為の復讐だ?
須賀京太郎 ……?
それもいい

人がそう望むなら、 私は京太郎になろう

『スガ・フロンタル』

“百合世界の破壊者”の再来

響きは悪くない。男を捨てたこの世界の人類には似合いの響きだ

永遠の縮小再生産と、その果ての閉塞

準備は整っている

見せてもらおうか
新しい《牌に愛されし少女》の実力とやらを!


須賀京太郎の一日

【4:46】咲からの着信で起床。「家の前にいる」等とほざいてる。おかげで寝起きが悪い。

【8:02】朝食で使った油の容器に小さいエトペンが入ってた。気にせず捨てた。今まで気がつかなかった事に腹が立つ。

【8:36】出勤。ダルい。家を出るときに電話が鳴る。うるせぇシカトだ。

【9:07】自転車で走っていると、後ろから染谷先輩がダッシュで追いかけてくる。ペダル全開で振り切る。あくびが出た。

【9:30】机に向かっている。下を見ると優希がオレの足をつかんでいる。ふりほどき蹴りをいれる。大人しくなった。

【10:39】窓際に立ち空を眺めていると、小鍛冶プロが落ちてきて目があった。このアラフォーが。

【12:24】交差点を歩いてて、すれ違う時に桃子が「よくわかったっすね」と言ってきた。黙れステルスが。

【14:26】携帯に着信記録16件。かけてみる。「わたし咲ちゃ…ブチッ…ツーツーツー」

【16:12】外回りをしていると背の高い女が声をかけてきた。「ぼっちじゃないよー?」デカ女と罵倒してやる。大泣きしたまま動こうとしない。こっちは急いでるんだよ。

【17:30】公衆便所に行くと人形が落ちている。「うち怜ちゃん。呪われてるんや」うるせぇ黙れ。

【20:32】自転車で走行中、後ろを覗くと部長がついてきている。急ブレーキをかけて後輪にぶつける。もう着いて来ていないようだ。

【21:25】帰宅、着信記録が49件。またアイツか。

【21:42】ベッドの下に大沼プロがいたのでボコっておいだした。大の男が泣くな。

【22:10】咲からの電話に出る。「京ちゃん、今京ちゃんの後ろにいるよ」後ろは壁だ。

【23:34】着信が鳴り響く。電話線を抜いた。

【0:12】就寝。今日一日でかなり疲れた。

【2:40】急に目が覚める。金縛りのようだ。玄さんが天井にへばりついている。睡魔には勝てない。