須賀咲ちゃんです……。最近動くのが億劫です。

 いや、運動が嫌いだからって意味じゃないよ!? た、確かに普段からそう思ってるけど!

 それでも家事をして、みんなのために主婦をするくらいはしていたんだけれども……。

 さ、さすがに最近はお腹が張っちゃって動きづらいかな。

 それにしても全く動かないのは難しいので、動こうとはするんだけれども……。


 「ご飯作っちゃうね」

 「咲。そんなに無理するな。

  ほら、座ってて」

 「きょ、京ちゃん」


 もー、心配しすぎだよぉ。

 じゃあ、どうしようかな。


 「食器洗わないと」

 「咲! それくらい俺がやるさ」

 「お父さん」


 む、それじゃ


 「じゃあ私は洗濯物をたたんじゃうね」

 「咲。それは私がやる。

  ゆっくりしてて」


 お姉ちゃんまで!? というかお姉ちゃんが動いたのがビックリだよ!

 もー、みんなして大げさだなぁ

 実際落ち着かないのは三人だけみたいで、経験しているお母さんは割と寛容みたい。

 私も実際にこの立場になってみると、肝が座るというか、どうとでもなるなーって気持ちになる。

 妊婦さんを見た経験なんてほとんどないけれども、みんなこういう気持ちだったのかな。

 お産の時は男の人の方が焦るって聞いていたけれども、なんか面白い。

 「咲。何かして欲しいことはない?」

 「お姉ちゃんがそういうなんて……。大丈夫だって」

 「心配」


 普段私と京ちゃんに甘えてばかりでゴロゴロしていたお姉ちゃんが、ここ最近はキビキビと動いている。すごい。

 家で「営業スマイルモード」を見られるなんて本当に珍しいよ!


 『京ちゃん。お菓子』

 『照さん……』

 『京ちゃん。膝枕』

 『だめー! 絶対にだめ!』


 ……本当に珍しい。よくもまぁ人の旦那様に手を出せるよね!?


 「もう少しで産まれるんだよなー。

  いろいろ今のうちに買っておかないと!」

 「お金ならある」

 「こういう時は親に出させろって!」

 「私もお姉ちゃんとして出したい」

 「お二人とも気が早いですって」

 「こういうのは早く準備しておくべき」

 「そうだぞー、京ちゃん。夢があるじゃないか!」

 「あはは……」


 京ちゃんが二人を嗜めながらも、やっぱり気になるみたいでこっちをチラチラ見ている。

 ふふーん! 大きくなった私のおっぱいに興味津々なのかなぁ!

 妊娠してからワンカップ大きくなったんだからね! お姉ちゃんに 完 全 勝 利 !!

 ……やっぱりこれ、戻っちゃうのかなぁ。

 「ほら、蹴ったよ」

 「おお、本当だ!

  活発なら京ちゃん似だな!」

 「うん。京ちゃん似ならお姉ちゃんも安心。

  きっと格好良くなる」

 「京ちゃん似ならコミュニケーション能力もバッチリだろうなー」

 「高身長だったら俳優を目指させよう。

  私が今のうちにコネを作っておく」

 「え、私に似ていいところは?」

 「「……」」

 「二人ともひどくない!?」


 なんで家族にこんなにディスられてるの!?

 全く、私に似たらいいところだってあるんだからね!

 ……え、実際にどこかって?

 うぅぅぅぅぅぅぅ。

 お姉ちゃんの場合だったら麻雀の強さくらいでダラけものになるじゃん!

 あ、でも営業スマイルは出来るし……。ぐぬぬ。


 「二人とも! 今日の夕飯は白米だけにするからね!」

 「さ、咲ー!?」

 「それなら仕方ない。

  お菓子をおかずにする」

 「京ちゃん! お菓子没収!」

 「はいはい」

 「!?!?!?」


 ひょいっとお菓子を没収する京ちゃんに、涙目で京ちゃんにしがみつくお姉ちゃん。

 ……は! あれお菓子を取り戻そうとする振りをして京ちゃんに抱きついているだけだ!

 こっち見てニヤッとした! 京ちゃん、見て! ほら!




 「もー、二人ともひどいよね」

 「咲、落ち着けって」


 落ち着けないよ! ……でも、その通りなのかなぁ。

 家事を二人に任せて京ちゃんと部屋に戻る。

 私に似たらいいところってどこだろう?

 もし高校時代から麻雀を続けていたらお姉ちゃんみたいになれたのかな?

 そもそも麻雀の強さって遺伝するの?

 それなら京ちゃんの運と相殺してチャラだね。だめだー!


 「京ちゃん! 私のいいところってどこ!」

 「え、いきなりだな」

 「早く!」

 「そうだなぁ。

  咲は何やらせてもダメだからなァ」


 む! またそれ!


 「運動できないし、ものぐさだし、前は本ばっか読んでたし、家から出ないし、どんくさいし」

 「ひどい!」

 「でもまぁ、咲に似てくれた方が嬉しい」


 ……。

 そ、そう言っておけば喜ぶと思うんでしょ!


 その通りです。ハイ。

 京ちゃんの照れ顔ご馳走様です!! 




 おまけ


 「すごいじぇ。この中に赤ちゃんがいるのかー」

 「生命の神秘ですね」

 「えへへ。触ってもいいよ」

 「おお。張ってる」

 「そういえばセックスというもので異性間でも子供が出来るみたいです」

 「普通は異性でしか出来ないよ!」

 「むむむ。貧乳同盟から一歩抜け出すとは、咲ちゃんはいつも抜け駆けするんだもんな」

 「ふふーん。今はBカップはあるはずだよ!」

 「ははっ」

 「のどちゃんが嘲笑してるじょ」

 「おい原村」

 「なんですか宮永」


 カン!