京咲@部室


京太郎「壁ドンって言葉あるだろ」

咲「うん、最近よく聞くけど……それがどうしたの?」

京太郎「あれって全ての女子の憧れ~みたいに言われてるけどさ、絶対向き不向きがあるよな」

咲「向き不向き?」

京太郎「そうそう。例えば咲なんかは不向きの筆頭だよな」

咲「私?」

京太郎「だってお前気弱で泣き虫だから、壁ドンなんてされようもんならビビッて即涙目になりそうだしなー。
     そもそもシチュエーションそのものに耐えられねーだろ」

咲「な、ならないよ。そんなことぐらいで涙目になんて」

京太郎「いーや絶対なるね。お前の事よく知ってる俺が言うんだから間違いない」

咲「むぅ……そ、それなら男の人だって壁ドンに向いてない人絶対いるよね! 例えば京ちゃんとか!」

京太郎「はぁ? なんでそうなるんだ?」

咲「だって京ちゃんって見かけによらずナイーブで小心者だから、壁際で女の子に詰め寄る事なんてできるか怪しいもん。
  そもそもシチュエーションそのものが始まりそうにないよ」

京太郎「そ、そんなわけねーだろ。女子に壁ドンするくらい別になんてことねーよ」

咲「絶対無理だよ。幼馴染の私が言うんだから間違いないよ」

京太郎「ぐぬぬ」

咲「ふふん」 ←勝ち誇った顔

京太郎「上等じゃねえか……そこまで言うなら――」

咲「え?」

京太郎「壁際に行こうぜ……久しぶりに……キレちまったよ」

咲「えっ? えっ??」

京太郎「壁ドンしようって言ってんだよ。どっちの言い分が正しいか、今ここではっきり白黒つけようぜ」

咲「そ、それって……私たち二人、で……?」

京太郎「他に誰がいるんだよ」

咲「……!」

京太郎「お、なんだ怖気づいたのか? 今なら前言撤回して謝れば許してやらないこともないぜ?」

咲「……べ、別に怖気づいてなんかいないよ! き、京ちゃんに壁ドンされるぐらい全然怖くないし!
  京ちゃんの方こそ、あんまり見栄張らないない方がいいんじゃない?」

京太郎「べ、別に見栄なんて張ってねーし」








京咲@壁際


京太郎「……」

咲「……」

京太郎(やべぇ…なんだこれめちゃくちゃハズい――てか何だよその上目遣いわざとやってんのかいやそんなことより
     何かいい匂いするんだけどよく考えてみれば咲も女の子なんだよな……って何血迷ってんだ俺)

咲(うぅ…どうしようこれすごくはずかしい――というか何でそんなにまじまじ見るのいやがらせなのううんそんなことより
  京ちゃん胸板大きいなあよく考えれば京ちゃんも男の子なんだよね……って何考えてるの私)

京太郎&咲「…………」

京太郎「……おい咲」

咲「……な、なにさ」

京太郎「お前、顔赤いぞ」

咲「ひ、光の加減でしょ。そんなことより、早く壁ドンやったら?」

京太郎「言われなくても、今やってやるよ」


 ドンッ!


京太郎&咲「……」 ←放心して見つめ合い中

京太郎&咲「!」

咲「……ふ、ふーん、こんな感じなんだ壁ドンって。ま、まあほんのちょっとくらいはびっくりしないこともなかったけど、
  べ、べつに耐えられないほどでは全然なかったし、わりと余裕かなー」

京太郎「おいおい、いい気になるのは早いんじゃねーか? 壁ドンした後ってのはあれだろ、男が相手の耳元で
     さ、ささ囁いたりとかするんだろ? お前、それ耐えられるのかよ」

咲「そ、そそそんなのら、らくしょうだよ」



カン





おまけ


和・優希・まこ・久「お疲れ様です」「お疲れだじぇ」「お疲れさん」「お疲れ様―」

京太郎@窓際で黄昏中「……あっ、お疲れ様っす」

咲@ベッド端で読書中「お、お疲れ様です」

和・優希・まこ「?」

久「……ふぅん」

まこ「咲、その本、上下逆になっとるぞ」

咲「ふぃぇっ!? えっ、あっ、えっと、すみません」

優希「咲ちゃんはおっちょこちょいだなー」

京太郎@窓際で黄昏中「……」

和「須賀君は、何してるんですか?」

京太郎「あ、いや……ちょっと夕日が綺麗だったから、眺めてたんだ」

和「…見えます? そこから、夕日」

京太郎「あー、えーっと」

まこ「確かに、こっちからの方がよく見えそうじゃな」

優希「咲ちゃんが座ってる辺りが特等席っぽいじょ」

咲@ベッド端で読書中「……」

久「……」

久「ねぇ、咲、須賀君」

京太郎・咲「はい」

久「――どこまでいったの?」

京太郎・咲「!?」


もいっこ カン