塞「えーと、我々宮守高校のIHも無事に終わり、私たち三年生が卒業までの残りにやることと言えば受験勉強と須賀くんへの麻雀指導だけとなりました」

エイスリン「スタディ、頑張ル!」

豊音「ちょーがんばるよー!」

シロ「……勉強……ダル」

胡桃「京太郎も麻雀で分かんないことがあったらどんどん聞いていいからね!」

京太郎「ありがとうございます。……あー、でも受験勉強の邪魔になりませんかね」

塞「まさか! 須賀くんはこれまでずっと私たちの後ろに回って支えてきてくれたんだから、今度は私たちが須賀くんを支える番だよ」

豊音「そうだよっ! 京太郎くんはどんどんお姉さんたちに頼ってきていいんだよ? 豊音おねーちゃんがびしーっと導いてあげるよー」フンス

エイスリン「エンリョ、ヨクナイ!」メッ

胡桃「気にせずどんどん尋ねてきてよ」

シロ「……いっそ、京太郎も勉強すればいい。私だって麻雀は打ちたいし」

塞「うん、そうした方がいいかも。……さ、それじゃ早速始めようか」

シロ「……京太郎」スッ

京太郎「なんですかシロさん。……英熟語帳?」

シロ「私は寝てるから、京太郎は私の耳元でそれ囁いてて。……それならダルくない」

塞「……シロ? 真面目に勉強しなさいよ?」

シロ「……至って真面目だけど。睡眠学習って奴。寝てる時に聞き続けることで英熟語を脳に刷り込みさせる。これならダルくなくて、英語も覚えられる」グッ

豊音「そんなこと出来るの!? ちょーすごいよー! 私にもやって欲しいよー!」

エイスリン「イッセキニチョウ?」

塞「……あんたね、そんなの出来るわけないでしょ」

胡桃「ばかみたい!」

シロ「やってみなきゃ分からない。試してみて覚えられなかったらやめる。……それに、私が覚えられなくても他の人には合ってる学習法かもしれない。皆も京太郎に確認のために囁いてもらえばいい……耳元で」

塞・胡桃・豊音・エイスリン「!?」

塞「ま、まあシロがそこまで言うなら物は試しでやってみてもいいかもしれない」

胡桃「どうせ無理! だろうけど可能性はゼロってわけじゃないし、無理だったって確認する為にもやってみる価値はある」

豊音「そんなことないよ! きっと上手く行くよ!」

エイスリン「レッツトライ!」

シロ「じゃ、京太郎。私は寝るから、後よろしく」

京太郎「分かりました。けど上手くいくのかこれ……」

京太郎「それじゃあ行きますよ……I’ve totally fallen for you.」

シロ「!」ゾクゾクッ

……

京太郎「……I’m all about you.」

豊音「ふぁ……」トロン

……

京太郎「……My heart belongs to you.」

塞「……これ、ヤバッ」フルフルッ

……

京太郎「……Be mine forever.」

胡桃「悪くない……」モジモジ

……

京太郎「……I want you to go out with me.」

エイスリン「OK!」ダキッ

……

京太郎「I want to be more than just your friend……って、全員寝ちゃってるよ。……これ、本当に効果あんのかね……」

京太郎「……俺もちょっと眠くなってきた。少し眠ってもいいかな」

京太郎「それじゃ、ちょっとだけ、おやすみなさい」





塞「……ん、んぅ? ふぁ……ううん?」

塞「……ヤバ、本気で寝ちゃってた。……って、他の皆も寝てるし。……須賀くんも」

塞「寝てる、わよね。うん、間違いなく」

塞「それにしても、刷り込み、ねえ。……じゃあ例えば寝てる人の耳元で『君は私の事が好き』って囁き続けたらそうなるってこと?」

塞「……いやいやいや、それはない。それは流石にありえない」

塞「……シロー? 胡桃ー? 豊音ー? エイスリンー? 本当に寝てるー?」

塞「……須賀くんも、寝てるー?」

塞「ぐっすりよね……。うん、狸寝入りとかはしていない」

塞「……知的好奇心の発露って奴ね。うん、それだけ。絶対ありえないけど、いや、ありえないからこそ気軽に試せるしね?」

塞「ちょーっとやってみて、駄目でしたーって実証を得て、それで終わり。うん、放っておいたら喉に小骨が刺さったままって感じになっちゃうし」

塞「……それじゃ、少し失礼して」ススス

塞「ん、んんっ。あ、あ、あー。ごほん。すぅーっ……」

塞「『須賀京太郎は、臼沢塞のことが好き』」

塞「……」

塞「『須賀京太郎は、臼沢塞のことが大好き』」

塞「…………」

塞「『須賀京太郎は、臼沢塞のことを、愛してる』」

塞「………………」

塞「私、臼沢塞は、須賀京太郎くんのことを、愛しています」

塞「………………」

塞「…………」

塞「……」

塞「うっわあああああああ私は一体何をやってるんだあああああああ」ガタガタッゴロンゴロゴロバタバタバタ

カンッ