インターハイ六日目。

今日は二回戦目で宮守、永水、姫松と当たる。

だが二回戦で軽い騒動が起きた。





先鋒戦、照ちゃんを送った京太郎君が食い入るようにモニターを見ていた。

京太郎君はモニターを見ながら頻りに「パネェ……」とつぶやく。

私が問いかけても……


「あの京太郎君?」


「パネェ……」


「……京ちゃん?」


「パネェ……」

「照さんと変わりたい……パネェ……」


咲ちゃんが何かに気付いたご様子。

咲ちゃんは京太郎君の隣に行くと無言無表情のまま頬をつねる。

しかも何故か宮永ホーンがピクピクしている。

そしてモニターの中では何かを受信した照ちゃんの表情に青筋が入った。

そのあと照ちゃんは大暴れ。


「一体照はどうしたのかしら。」


「何か怒っているようにも思えるのう。」


「パネェ……」


「タコスうまー。」


「パネェ……」


「…………」


咲ちゃんの無言の圧力と京太郎君の言語がパネェ……

じゃなくてやばい。









照ちゃんが各校を攻撃しまくって(特に永水)計100000点を奪ってきた。

京太郎君が迎えに行かずとも即座に帰ってきた照ちゃんは京太郎君の隣に直行した後、頬を抓る。

続いて次鋒、京太郎君のテンションが落ち込んでいる。

無言で無表情である。

時折つぶやいたと思ったら……


「がっかりだよ。」


京太郎君の頭の方ががっかりである。








続いて中堅戦。

京太郎君のテンションがニュートラルに戻った。

だがたまにおかしなことをつぶやく。


「俺、永水の子になる。」


京太郎君の頬が伸びていく。

宮永姉妹に両サイドから引っ張られて整った顔が台無しになっている。

確かに中堅戦は永水一強だった。

更に続いて副将戦。

服装がアメノウズメの如く危うい永水に京太郎君が言った。


「永水には失望した。」

「だけど宮守と姫松は評価しよう。」

「特に姫松。」


君は何様のつもりだい。

君の頭の中はどういう構造してるのか中を見てみたいよ。

いややっぱり見たくない、碌な物が入ってなさそうだ。







そして大将戦、更なる凄惨な事件が……

京太郎君が咲ちゃんを送った後即座に戻ってきて開口一番に言った言葉が……


「録画出来ますか!」


竹井さんは完全に何言ってんだこいつ? 状態だった。

大将戦が開始されて理由がわかる。

そして京太郎君の脇腹を片岡さんと照ちゃんがドスドスと両サイドから攻め立てる。

意にも介さぬ京太郎君がモニターに釘付けになりながら呟く。


「やばいよぉ……すごいよぉ……おおきいよぉ……」


最早それしか呟けないほどモニター内の魔力にやられていた。

よく見ると照ちゃんのホーンがピクピクしている。

やばい、咲ちゃんが受信している。

放送出来ない顔になってる。

女の子がしちゃいけない顔になってる。

今にも人を殺しかねない顔をしながら和了る。

特に永水を狙って。

そんな中更に火に油どころかナパームを投下するかのような所業が行われた。


「ツモ、1000・2000。」

「あ……」


永水が和了る。

手牌を晒す時、彼女は手を使わなかった。

短く漏れた声と同時にその無駄にでかい胸で手牌を全て倒してしまった。

その瞬間ビシビキミシィとおよそ人体から聞こえないであろう音が鳴った。

咲ちゃんの顔からすごい音が鳴った。

京太郎君はそんな音など聞こえなかったとばかりモニターに齧り付いて


「やばいよぉ……すごいよぉ……おおきいよぉ……」


としか言わない。

咲ちゃんの顔が般若より怖い顔になったあと一旦落ち着けて普通の表情に戻った。

そして次の瞬間何故かゴルゴ13みたいな顔をしている。

だから女の子がしていい顔じゃないって。

そのあとは蹂躙、蹂躙、永水を念入りに蹂躙。

最終的には永水をトばし、宮守を巻き込んで永水を舞台から落とした。

まったくもって嫌な事件だったね……


現在清澄の控え室がやばい空気ですが京太郎君以外には無害です。












そのあと京太郎君が咲ちゃんを迎えに席を立ったかと思ったら……


「ちょっとトイレに行ってきます。」

「咲の事頼みます……」


そう言って京太郎君はトイレに行った。

サイテーだ。

何でこんな子に育っちゃったんだろう……











第二回戦が終わり、京太郎君がトイレから戻ってきた後。

京太郎君は宮永姉妹と片岡さんから完全に袋叩きにされていた。

ぼっこぼこにされた彼があまりに哀れになったので……


「あ、あのさ、もう少し…こう……何というか…手心というか…」


流石にやりすぎかと思い少し止めようとしたら。

咲ちゃん曰く。


「痛くなければ覚えませぬ。」


だそうだ。







さて、次の試合は明後日になるから一応コンディション等を万全にしておかないと。

皆でご飯を食べたあと、ホテルに戻る。

ちなみに足が出た分の宿泊費は私の懐から出ています。

ホテルの一室に全員集合した後準決勝の為の対策会議を開いた。

私達は相手校の映像を見ながら判断していく。

まずは有珠山高校。

先鋒の本内成香の映像を見る。

周りの反応は……


「…………」

「大丈夫。」


どうやらお許しが出たようだ。

次、次鋒の桧森誓子。


「…………」

「OK。」


これも大丈夫なようだ。

次、中堅の岩館揺杏。


「…………」

「問題なし。」


これもセーフらしい。

次、副将の獅子原爽。


「…………」

「次行っていいです。」


では最後の大将、真屋由暉子に移ってみようか。


「…………!」

「ギルティ。」


静かに咲ちゃんがそう呟いた。

有珠山の真屋由暉子、死亡確定である。


実はこの会議の目的はどこを残すかの会議である。

遵ってどこを残すかどうかは個々人の完成や好みによるものが多い。

一体どこを残すか、宮永姉妹の基準はお察しだ。






姫松は今日、直に対戦しているので飛ばして臨海女子に移る。

まずは先鋒、辻垣内智葉。


「…………?」

「……怪しいけどまあいいかな。」


照ちゃんには何か違和感みたいなものを感じ取ったらしい。

だが敢えて流した。

では次鋒、慧宇(ハオ・ホェイユー)。


「…………」

「へー、まぁいいんじゃないかしら。」


「ギルティ。」


「イエス、ギルティ。」


竹井さんは別に気にしてはいないが宮永姉妹は口を揃えて有罪だと言った。

どうやら宮永姉妹は潰したいらしい。

中堅、雀明華。


「…………」

「ギルティだじぇ。」


「ギルティ。」


「イエスギルティ。」


片岡さん、宮永姉妹から計3ギルティを頂きました。

相手が片岡さんでよかったね。

それでは副将のMegan Davin(メガン・ダヴァン)にいこう。


「…………」

「大丈夫です。」


あっさりめに許可が降りる。

最後のNelly Virsaladze(ネリー・ヴィルサラーゼ)。


「ノットギルティ。」


これで全員の吟味を終えた。

ここから決勝での相手校をどこにするか決める。

姫松は先鋒、副将にギルティ。

臨海は次鋒、中堅にギルティ、先鋒は保留。

有珠山は大将のみギルティ判定。

さて、どこを残すか。









結局中々決まらなかったので最終的には咲ちゃんに判断を委ねる事になった。

大将である咲ちゃんからの抱負を一言。


「巨乳は皆、惨たらしく殺します。」


なんとも言えない決意表明でした。








私は部屋に戻り、京太郎君のベッドの方を見ると本人はぐうすか寝ていた。

小さい頃と変わらず、かわいらしい寝顔である。

私も寝ようと思い、お手洗いに行く。

若干生臭かった。

そういえば男の人のアレって美容に良いって聞くけど本当かな。

生臭い原因をあまり考えないように別の方向に思考をずらしてお手洗いから出た。

オナ禁・誓いウォーカーが、一週間で暗黒面に堕ちました。

京太郎君がジェイク・ロイドのように変貌しなくてよかった思いながら私は寝た。






その日、加治木選手が踊りながら「るんるんりる らんらんらら」を歌っている夢を見る。

かなりシュールレアリスムだった。

ちなみに夢の中の私は弓道部に所属していた。


目覚めると彼は既に起きていた。

時間は既に9時、私は二度寝を敢行する。

だって今日は休養日ですよ、お休みですよ、だらだらしていい日ですよ。

27歳の体を無理させたらいけないってのは最早世界の常識である。

だけど京太郎君は構わず起こしにくる。

わかったよ、わかった。

着替えるから、ちゃんと朝ご飯食べるから布団を剥がないで。

ここの冷房は私の年齢と同じくらいの温度設定なんだから寒いんだよ。







折角の休みなので何かすることにしたがいい案が浮かばない。

京太郎君が休みなんだし海を見に行きたいと言う。

長野は内陸だから海を見たことが無いからとの事。

確かに夏だし海に行きたいって気持ちはわかる。

だが宮永姉妹はそれを却下した。


「だめ、京ちゃんの目的は海じゃなくて水着。」

「だから京ちゃんは私と特打ち。」


「いやー! 白い砂浜が! 青い海が俺を待ってるのー!」


「大丈夫、こっちには白い牌と卓の海があるから。」


「そうだよ京ちゃん、なんだったら私は水着で打ってあげるよ。」


「おー水着で特打ちか? 京太郎には目の毒だじぇ。」

「私のナイスバディを見て発情するなよ?」


「イ・ラ・ネー。」


む……今永水女子と宮守女子が水着を着ている電波を受信した。

これはナイス回避と言える気がする。










調整をかねて対局をしていると来訪者が。

天江選手と龍門渕選手、それに国広選手も。


「きょーたろ! 衣が来たぞ!」


「失礼しますわ。」


「こんにちは……」

「……なんで水着で打ってるの?」


面々の格好を見て固まった国広選手。

確かに水着で麻雀なんてびっくりするだろうけど。

でも水着くらいの布面積の服装の国広選手には言われたくないだろうね。

しかしこの格好はすごい。

申し訳程度の布を着ている感じだ。

私だったら恥ずかしくて着れない。

お尻なんて下手したら丸見えじゃん。

これがNAGANO Style……時代を先取りしすぎだね。

流石ファッションモンスター……たまげたなぁ……





その後も福路さんや池田選手やらなんやらが来て適当に打っていた。

友達たくさんだね。

主にフラットな相手と京太郎君は打たされていた。

例外はあるけどね。







三回戦当日、つまり準決勝に時は移る。

先鋒、照ちゃんが京太郎君に付き添われて対局室に向かう。

対局が始まると一局分待った後、鏡を出して狙う相手を決める。

およそ鏡が出たときだろうか、照ちゃんの顔に青筋が走る。

何があったのか、臨海と姫松を交互に直撃させていく。

照ちゃんの鬼気迫る迫力に負けて相手の三校は動けないままだった。


「意外ね、照が臨海を攻撃するなんて。」


「確かに、臨海の先鋒は胸が大きいって感じがしないじぇ。」


暫くすると姫松と臨海から五万点ずつ奪って帰ってきた照ちゃんが言った。


「あいつは裏切り者、サラシを捲いてまで胸を小さくしていた。」

「こっち側の人間だと思ったのに……」


どうにも許せないことだったようだった。

そのまま次鋒、中堅、副将戦と続いていく。

こっちの被害はゼロ。

二位との点数差は130000点弱だった。

そして迎える大将戦、咲ちゃんにとってのギルティは誰だろうか。

これより咲ちゃん裁判長による判決が下る。







始まる大将戦、咲ちゃんは臨海と姫松を狙っている。

どうにも咲ちゃんは有珠山を残す気の様だ。

意外だ、末原選手とネリー選手はお世辞にも胸があるとは言えない体系なのに。

それに対して真屋選手はかなり大きい、貧乳とは対極の位置にいる存在。

どうにも腑に落ちない。






大将戦はあっさりと終わり、結果として有珠山は残り、姫松と臨海女子は敗退。

末原選手がカタカタ震えていた気がするのは気のせいか。

その後、咲ちゃんは京太郎君の送迎で戻ってきた。

戻ってきた咲ちゃんが開口一番に発した言葉はこうだった。


「明日は決勝だからちゃんと対策会議をしておきましょう。」


「それもそうだね。」


照ちゃんが白々しく答えて対策会議開始される。

京太郎君は買出しと言う名目で席を外させました。

流石にこの会議は彼に見せるわけにはいかない。










決勝で当たる対戦校の資料を皆に回す。

千里山女子と新道寺女子だ。

そこで私はあることに気付く。

あれ? 対戦校に白糸台と阿知賀がいない……どういうことだろう……

白糸台は照ちゃんがいなくて勝てなかったってこと?

そういえば清澄には本来居るべき選手が居ない。

照ちゃんの代わりに出るべきだった選手。

それは清澄の副将のはずだった原村和選手。

更に言うなら阿知賀はそもそも全国に来てすら居ない。

確かその時は晩成を破って出場していたはずなのに……

……ああ、赤土さんが居ないからか。

私と対戦しなかったから、阿知賀の顧問になるはずだった赤土さんはそのままプロになった。

もしかして清澄に原村選手がいないのも……?

ちょっとした出来事なのにここまで変わるなんて……

バタフライエフェクト。

そんな言葉が浮かんで消えた。







ざっくりとだけど千里山と新道寺の映像を見終わった。

大体の相談が終わった後、咲ちゃんがあることをお願いした。


「皆にお願いがあるんですけど……」


そして翌日。

今日は女子団体決勝戦。

本来最も熱くなる日である。

いつもの如く京太郎君が照ちゃんを送って先鋒戦が始まる。

先鋒戦、千里山女子の園城寺怜。

新道寺女子の花田煌。

有珠山高校の本内成香。

そして清澄高校、宮永照。

先鋒戦の様相は地獄と化していた。

新道寺を削りながら千里山女子をピンポイントに狙って行くのだけれど園城寺選手は能力を使ってなるべく回避していく。

それでも容赦なく攻める照ちゃんは最終的には新道寺からは20000弱くらい千里山女子からは30000強も削る。







続いて次鋒戦、千里山女子の二条泉。

新道寺女子の安河内美子。

有珠山高校の桧森誓子。

そして私たちの悪待ち部長、竹井久。

結果としては悪待ちをかけた後、引っかかった二条選手を徹底的に引っ掛けて疑心暗鬼にさせる。

追い込んで、追い詰めて、徹底的に点数を搾取する。

その容貌はまるで悪魔か魔女のようだった。

がっつり搾取された二条選手は涙目になっていた。

仕方ない、勝負の世界は非情だし、なにより二条選手は戦犯顔してるからね。

竹井・ドS・久にしてみたらいいカモだったろうに。


その次の中堅戦、千里山女子の江口セーラ。

新道寺女子の江崎仁美。

有珠山高校の岩館揺杏。

そして通称ロケット豆タンクこと片岡優希。

今回も案の定というかなんと言うかロケットスタートを決めて他を圧倒するけど後半で背水の陣となった江口選手に相当稼がれる。

前半は片岡さんの独壇場、後半は江口選手の独壇場。

後二人は置物だった。






続く副将戦、千里山女子の妖怪データすすりこと船久保浩子。

新道寺女子の人妻(雰囲気)部長こと白水哩。

有珠山高校のチョコレ部長、獅子原爽。

二回戦の大将戦に眼鏡のレンズが割れた不遇の聖人、副部長の染谷まこ。

白熱する熱い試合というよりはじわじわと熱くする燻し銀の渋い戦いだった。

途中でデータを捨てた船久保選手に、次に託すために頑張る白水選手。

何考えているのかわからない獅子原選手と上手く邪魔しながら打ちまわす染谷さん。

全くもってあの子達は渋いぜぇ。








そして最後の大将戦。

千里山女子の清水谷竜華。

新道寺女子の鶴田姫子。

有珠山高校の真屋由暉子。

チーム豚汁の大将、宮永咲。

大将戦は一番ひどかった。

何がひどかったって新道寺は置物にしちゃうし、今まで貯めに貯めた有珠山の貯金を全額引き落としちゃうし。

千里山は今まで状況で残り点棒がよろしくないのに点棒を削られる。

有珠山が生牌(場に一枚も出てない牌)を切ると……


「カン、カン、もいっこカン。」

「ツモ、嶺上開花、責任払いで16000。」


「カン、カン、カン、もいっこカン。」

「ツモ、四槓子、責任払いで32000。」


ならば有珠山が生牌を切らなければ……と思ったのか既に2枚場に出ている牌を切る。

だけど咲ちゃんは生牌を切られなくなってからが真骨頂。

生牌を切らなければ安全と思ったところで……


「ロン、四暗刻単騎、48000。」


こうやって真屋・巨乳・由暉子選手を削っていった。

まるで「巨乳は駆逐する。」と言わんばかりに攻め立てる。

咲ちゃんが和了り続ける中、途中で変な幻聴が聞こえた。


「テーレッテー」

「デーンデーンデーン」

「アオニソマルマデー」

「コノメニウー」


よくはわからなかったけどとにかくそんな感じ。

結果としては清澄443600点。

千里山女子0点。

新道寺女子5000点。

有珠山は100000点強あった点棒が-48600になっていた。

そこまで巨乳が憎いのか。









対策会議のとき、咲ちゃんがお願いしたことはただひとつ。

有珠山から直撃を取るな、だった。

そして咲ちゃんは戦犯を作り出した。

今回は運が悪いのと巨乳が悪いのと京太郎君が悪い。

団体優勝したので大将の咲ちゃんがインタビューを受けていた。

本来なら咲ちゃんはあまり目立ちたがらないので他の人に回すかと思ったら意外にも喋っていた。


「貧乳はステータスです! 世の男子はそれがわかってないんです!」


ただ内容が内容なので会場内の空気は凍り付く。

そしてそれからまことしやかに噂が流れる。

「麻雀が強いのは貧乳。」と。

おっぱいと麻雀の腕は関係ないと思うんだけど……







これから個人戦に移って行くのだけれど、まだ時間がある。

個人戦が始まるのは来週からだ。

その間に京太郎君のフォローと各個人の対策などを講じないと。

個人戦に誰が参加するのか確かめておかないと。

女子個人の名簿に目を通す。

目に付くのは数人居た。

臨海女子、辻垣内智葉。

白糸台、大星淡。

同じく白糸台、原村和。


……ん? なんで原村選手がこっちに居るんだろ……?

まぁいいか、次を見よう。

阿知賀女子学院、松実玄。

晩成の小走やえ。

同じく晩成、新子憧。

……わけがわからないよ。


個人戦の説明をして気をつけるべき人物とその能力に注意を呼びかけた。

宮永姉妹は原村選手と松実選手にお熱のようである。


「巨乳(あいつ)ら……駆逐してやる! この世から……一匹残らず!」


ここに駆逐系女子が誕生した。

駆逐艦クラスが空母に立ち向かうなんて見物だね。

ジャイアントキリングは果たして成功するのか。

それにしても宮永姉妹は器が小さく感じる。

もっと巨乳に対して寛容になれないものか。

器が小さいから胸が小さいのか。

それとも胸が小さいから器が小さいのか。

かつてナイスバディ先輩の器と胸のでかさには恐れいった。

とにもかくにも来週には「胸なき戦い」が始まる。











そのころ貧乳の僻みを察知した巨乳系女子はマーライオンの如く噴出していた。














個人戦が始まるまでの間、京太郎君に特訓をする。

女子の方は団体戦が終わった後なので休憩だ。

そして特訓をしているとあっというまに個人戦である。

男子と女子は同時に個人戦が始まる。

正直男子の方は京太郎君の優勝は目に見えているので問題は無い。

女子の方はまぁ団体とか見る限り長野三強が全国三強だろうね。

京太郎君が個人戦の出場者を見てがっかりしていた。

無理も無い。

でも安心して、きっとどこかで出会えるって。

女子の方の個人戦をみると原村和と照ちゃんと愛宕洋榎、そして江口セーラが卓についていた。

全員が全員照ちゃんを警戒している。

それもそうだろう、団体女子でアレだけ派手に暴れたんだから。

だけど照ちゃんも負けてはいられない。

なぜなら個人戦で優勝したい理由があるのだから。







それは咲ちゃんもそして福路さんも同じだろうね。

何せ一位と二位にはそのあとのことがあるのだから。

私が考えながら女子と男子の個人戦をカフェのモニターで見ていると声をかけられる。


「隣いい?」


「どうぞ。」


私から承諾を受けると隣に座る女性。

確か臨海女子のアレクサンドラ監督だったっけ。


「個人戦、始まったわ。」


「そうですね。」


「ほしいわね、あれ。」


「監督としてですか。」


「それ以外にあると?」


「いえ。」


「でもほしいわ、彼?」


…………彼?

ちょっと待った。


「あの、彼って?」


「須賀京太郎。」

「間違いなくエースの一人よね。」


「いやいや、例え勧誘したいと思ってもそちらは女子高でしょ。」


「そうなんよ、そこがネックなんだけど監督権限で何とか出来ないかしら。」


「無理です、何より私が許しません。」


「それは残念。」

「彼ならうちでも上手くやってくれそうなのに……」

「でも小鍛治プロが言うならそうなんでしょうね。」


「なんやなんや~、面白そうな話をしとりますね~。」


「赤阪さん。」


「私も混ぜてもらってええ~?」


「どうぞ。」







姫松の監督代行の赤阪郁乃。

正直私この人苦手。

何か掴み所がないし、人を喰ったような性格してるし。

なによりちょっとめんどくさい人。

久保さんからも避けられている。

ついでに生徒からも避けられていると噂で聞いた。







「で、個人戦の話をしとったんですか~?」


「ええ、須賀京太郎のことで。」


「ああ、あの金髪のイケメン君?」

「てっきり私は女子の方を話してるんかと思ってたわ~。」

「長野の宮永姉妹と福路美穂子。」

「目が離せんわ~。」

「あ、もちろん男子のイケメン君もなぁ。」

「男子は近年レベルが低い言われとるけど、イケメン君うちのエースより強いんとちゃうかな~?」


「自慢の教え子ですので。」


「そっかそっか~、小鍛治さんの教え子なんか~。」

「それは強いわけやわ~。」

「うちの男子部員として欲しいくらいや。」


「だからあげませんって。」







この人たち何だろうね、あげるわけないじゃん。

ロン(範囲)で姫松と臨海を大気圏外から攻撃してやろうかと思った。

しないし出来ないけど。


「そんな怖い顔しないでください。」


「そうやん、ちょっとしたジョークやんな~。」

「あ、うちの子たち戻ってきそうやから戻ります~、ほなな~。」


「では私も……サトハが気になるから戻るわ。」


「え、ええ。」


二人は蜘蛛の子を散らすように去っていった。

え、私そんなに怖い顔してた?









それから少し経つと京太郎君が戻ってきた。

もうお昼の時間か。


「健夜さん、女子の方はどうですか。」


「うん、二人とも問題ないかな。」

「福路さんも危なげない感じだし。」


辻垣内智葉や荒川憩、原村和や大星淡とも当たったが宮永姉妹も福路さんも問題なく稼いでいる。

原村選手が上位に入るには若干きついことになってたけど精神的には問題なさそうだね。

ちょっと遅れて戻ってきた宮永姉妹や京太郎君と一緒にお昼を食べて個人戦に戻ろうとしたとき、一人の少女がこちらにやってきた。

確か阿知賀女子学院の松実選手だったか。


「あの……須賀君ですよね?」


「ええ。」


「よかったー……あ、私松実玄って言いますが、ちょっと後でお話してもらっていいかな?」


「ええ大丈夫ですよ。」

「それにしても一体何の話を? 記憶が確かなら俺たち初対面ですよね?」


「うん、私と君はそうなんだけど……」

「あ、話っていうのは……私のお姉ちゃんに関係することです。」

「時間は取らせないからこれからちょっとだけ話していいかな?」


「ええ、いいですよ。」


そういうと京太郎君と松実選手は人気のない方に行き、姿を晦ましてしまった。

さっきまでケーキを貪っていた照ちゃんが我に返り、慌て出す。


「え、今の何?」

「ナンパ? え、新手のナンパ?」


「落ち着いてお姉ちゃん。」

「きっとナンパじゃないよ。」

「例えナンパだとしても京ちゃんはほいほい釣られていかないよ。」


そういう咲ちゃんも手に持った食器をカタカタと鳴らしていた。

大丈夫かなこの子達……









暫くすると京太郎君が戻ってくる。

宮永姉妹はかなり落ち着きがないのに対して、京太郎君は晴々とした表情だ。

照ちゃんが京太郎君に聞く。


「京ちゃん、あのドラ玄ビッチに何かされなかった!?」


「いや、ちょっと話しただけですよ。」

「俺のこととか、俺の母親のこととか。」

「あとお礼を言われました。」


彼はそこまで言うと午後からの試合の時間に間に合わないと言ってその場から去っていった。

一方の宮永姉妹は腑に落ちない表情をしながらモニターに写る松実選手を睨んでいた。


「お姉ちゃん、あの胸はギルティだよね?」


「Yes、ギルティ。」


「京ちゃんを誑かすのもギルティだよね。」


「Yes、ギルティアンドギルティ!」


「だったら私たちがすることは一つだよね!」


「聖戦だ!」


完全に何か勘違いしたまま宮永姉妹は戦場に赴いた。

ああ、あの二人を止められるものは今この場には居ない。

一つ目のブレーキ役がアクセルになっているなんて誰が予想しただろうか。

もう一つのブレーキ役は三年前外れちゃったし。

もうどうにでもな~れ。








個人戦が進んで行き、女子最後の個人戦が始まる。

面子は松実玄、宮永照、宮永咲、福路美穂子。

モニターには四人が映し出されていて、周りがうるさくて音声は聞き取れないけど唇は読み取れていた。


『今日は勝たせてもらう、今年が最初で最後だから。』


『私もよ、何て言ったってエキシビジョンマッチがあるから。』

『照には負けられないわ。』


『お姉ちゃん、エキシビジョンマッチって何?』


『咲が勝ったら教えてあげる。』

『誰にも勝たせる気はないけど。』


『宮永さんや福路さんの意気込みがすごいですね、私も負けてられない。』


『貴女は泣かす。』


『え~!? 何でですか!?』


『京ちゃんに不用意に近付くとそうなる。』


『理不尽だよぉ……』


…………一体何を暢気に話しているのだろう。

緊張感の欠片もない感じだ。

だが一度対局が始まれば彼女達だって雀士だから空気は引き締まる。

実力に違いがありすぎるから実質三つ巴の戦いになるだろうね。








京太郎君があっさりと優勝確定した後、女子個人も決着が付いた。

松実選手のトび終了。

咲ちゃんが槓して槓ドラが増える。

そして松実選手が動けなくなったところで三人が止めを刺す。

ライオンの檻の中に獲物が入ったらそうなるよ。

勝負の世界では情けなんてないし容赦なんていらない。

隙を見せた者から食われていく。

それが理。

女子個人の成績が発表される。

一位、宮永照+287。

二位、福路美穂子+284

三位、宮永咲+255

咲ちゃんと照ちゃんは僅差だったけど最後の一戦で大きく突き放された。

福路さんはある程度アドバンテージはあったものの逆転を許してしまう形となった。

やはり全国と言うものは壁が中々に厚いものだ。

表彰式に移り団体戦を制した清澄二人が一位と三位。

福路さんは二位に甘んじたけど輝かしい結果となった。

京太郎君も一位なんだけど余り嬉しくなさそうだ。

だけどここから始まるものもある。

ここからが本番だと言う人が居る。

ゴールなんかじゃなくてここからが漸くスタートだと。







これから行われるのはエキシビジョンマッチ。

表彰式が終わった後、個人の男女の一位と二位、計4名で戦う。

そしてラスを引いたものが抜ける。

実力で言えば男子二位が圧倒的に劣っていた。

なので残ったのは京太郎君と福路さんと照ちゃん。

これが前段階。

それが終わるとある人物が呼ばれる。

それは大抵現在のプロ内でのトップランカーである雀士。

当然私にもオファーは来ていたが断った。

なぜなら私の教え子が残るとわかっていたからだ。

なので今回呼ばれたプロ雀士は……


「咏ちゃんだよ~ん。」


三尋木咏だった。


「よう坊主、久しぶりだねぃ。」


「え……俺会った事ないですよね。」


「え~? 私のこと忘れちまったのかい?」

「咏ちゃん寂しいぜ~……」


三尋木さんが着物の袖を目元に当ててわざとらしくよよよと泣く振りをした。

まさか……もしかして……

私が嫌な予感を感じているうちに三尋木さんが懐から帽子を取り出し被って京太郎君に見せる。


「氷見木太郎こと、みっひろっぎうったで~す。」


「…………!?」

「え!? え!?」

「三尋木プロが氷見木太郎!?」

「え、三尋木プロってあの時中学生だったの!?」


京太郎君が混乱していた。

空かさず三尋木プロが口を挟む。









「いや~、流石のあたしでも中学生は無理あるっしょ。」

「今年24だかんね。」

「まぁ規定破って坊主のとこに現れたのは頼まれたからなんだけどさぁ。」


「え、頼まれた?」


「多分お嬢ちゃんたちも坊主もよく知ってる人物だと思うよん。」


驚愕の事実(京太郎君にとって)に京太郎君は膝が崩れ折れかけて留まった。

そこから京太郎君が向き直って照ちゃんと福路さんの方に視線を送るが二人とも目を逸らしている。

京太郎君が何かに気付いたように問いかける。


「照さん、美穂子さん……もしかして全部知ってたんじゃ……」


「ごめんね……」


「健夜さんに口止めされてて……」


「健夜さああぁぁぁぁぁぁん!」


「京太郎君ごめぇぇぇぇぇん!」


多分私たちの絶叫は会場中に響いていたと思う。








ともあれ、盛大なネタばらしがあったとは言えエキシビジョンマッチはなくならない。

エキシビジョンマッチの概要は半荘二回の前半後半戦。

団体戦の一人分である。

さて、これが終わったら京太郎君に怒られる用意をしなくては。

きっとすっごく怒られて個室の中、十代の余った性欲で乱暴されちゃうんだろうなぁ。

エロ同人みたいに。










半荘前半戦、京太郎君が仕掛けて照ちゃんは様子見だろうか。

京太郎君が鉄火の鳥を立ち上げてブースターを噴かす。

鉄の風除けを持った火の鳥がぐんぐんと加速していく。

福路さんも京太郎君の加速に乗って更に加速させる。

京太郎君と福路さんは乱戦に持ち込む気だ。

三尋木さんも乗り気だ。

スピードで頭一個抜けていた京太郎君が仕掛けた。

牌を横に曲げて挑発。

更に一巡後、自摸った牌を強打で挑発。

自摸った牌を盲牌から判断して切る。

周りは乗った。

三尋木さんも乗った。

自摸って、判断して、切るの動作を無駄のない所作で行う。

その間わずか1秒。

別に速打ちなんてしなくていいのに三尋木さんは乗った。

マージャンズハイに陥りながら高速の乱打を打ち続ける。

だけどそこには1㎜の判断ミスもない正確さで牌を打つ。

機先を制したのは。


「ツモ、門断平ドラ2000・4000」


立直をかけた京太郎君だった。










東二局。

漸く準備を整えた照ちゃんが動き出す。

どうやら全員本気のようだ。

福路さんも照ちゃんも。

京太郎君も三尋木さんも。

加速し続ける世界で彼女たちは戦っている。

炎の嵐を起こし、炸薬の匂いが立ち込める中。

着物を着た彼女はタップダンスを踊るように鳥の追撃を躱していく。

鉄火の鳥が落とす攻撃が悉く外れる。

ミサイルも機銃も当たらない戦場の中、踊るように皆が動く。


「ツモ、8000オール。」

「もっとあたしを熱くさせてくれよ。」

「小鍛治プロの弟子なんだろう?」







三尋木さんに呼応するかのように回りも空気を張り詰めて行く。

照ちゃんは既に臨戦状態から仕掛けていた。


「ツモ、1300・2600は1400・2700。」


「ツモ、4000オール。」


連続で和了る照ちゃん、最後のインターハイに彼女たちは何を思うのだろうか。


「本気の京ちゃんと本気の美穂子、日本有数のトッププロと打てるのは今日くらいしかないかも。」

「咲に譲らなくてよかった。」


どうやら心配なんていらないようだね。








ライバルである福路さんも黙っては居ないようだ。

照ちゃんの牌を奪い。

三尋木さんが拾う牌だったものを掠め取って自分の手牌に加える。

必要な牌を必要な分だけずらして手に入れる、

駆け引きで言うなら一番強いのが彼女だ。


「ツモ、4000・8000。」

「ごめんなさいね……私、綱引きで負けたことないんです。」


それは単純な力比べではなくて。

タイミング、加減、読み合い、駆け引き。

綱引きには色々と必要なものがあったけど彼女は上手かった。

いろんな意味で。








南場にも入ると大分場も温まる。

しかしそれでも猫のように躱す三尋木さんには当たらない。

ならばどうするか?

簡単なことだ。

ピンポイント爆撃が当たらないなら絨毯爆撃すればいい。


「ツモ、3000・6000。」


残るのは、地表を焼き尽くす紅蓮の炎。

生きる者全てを焼き尽くしかねない真紅の炎。

そしてその上空を飛ぶ彼の姿。

まるでその姿はかつての彼女のようだった。







なおも加速し続ける彼の羽は細く、鋭くなっていく。

より適切な形に、より早く飛ぶために形を変えて飛び回る。

しかもブースターに更に燃料を吹き付けて再度燃焼させる。

いわゆるアフターバーナーと言うものだ。

現段階で止める手立ては無いに等しくなっていた。


「ツモ、1000・2000。」

「ツモ、2000・4000。」

「ツモ、500・1000。」


ただ目立ちすぎていたせいか前半戦オーラスに入ったときには全員が結束して止めに入る。


「ポン。」


福路さんが取っ掛かりを作り。


「チー。」


三尋木さんがアシストをして。


「ツモ、500・1000。」


照ちゃんが止めた。








前半戦は終わったもののプロと学生が打ったものとは思えない状況だった。

ただひたすらに鎬を削りあう攻防。

トップランカーのプロ同士でもこのレベルのものは滅多にお目に掛かれない。

それほどに優秀に育てた教え子たち。

それほどまで強く育った教え子たち。

一切気を抜けない戦い。

気を抜いた途端一気に食い潰される気迫が充満しているのだ。

そしてそんな緊張の後半戦がこれから始まる。








後半戦が始まる。

今は京太郎君の支配が効いてないから動きやすい人間が和了る、はずなのだけど。

好配牌だけど足が遅かった三尋木さんが立直をかけて牽制。

福路さんが邪魔に入ろうにも入れないくらい慎重な打牌だった。

結果三尋木プロは。


「ツモ、4000・8000。」

「倍満って結構痛いんじゃね?」

「あたしはあまり食らったこと無いけど。」


軽口を叩きながら和了る倍満。

だけどその和了りによって福路さんの目に火が灯る。

目を最大限使って和了りを目指す。

福路さんからみてずらされない事を確認した上で牌を曲げる。

そして一巡後、倒した手牌は大物となる。


「さっきの話ですが。」

「確かに倍満の親被りは痛いですね。」

「ツモ、6000・12000です。」

「でも、三倍満の親被りよりは痛くないと思いませんか?」


「……言ってくれるねぃ。」


点数がトップと肉薄して居るとき、京太郎君が動き出す。

懐から背中に抜けて羽を広げて鳴き声をあげる。

鉄の外装を脱ぎ捨てた火の鳥が真っ直ぐ福路さんの胸元を貫くように翔けて行った。


「ロン、6400。」

「皆で楽しんで俺を空気にしないでください。」

「じゃないと妬(焼)いちゃいますよ。」


照ちゃんは連続で和了らず強めに打っていく。

まるで魅せ付ける様に強打する。


「ツモ、3000・6000。」

「お菓子食べたい……」


何か色々と台無しである。









ともあれ、後半戦の後半(南場)に差し掛かりいよいよこのままでは京太郎君の独壇場になってしまう。

三尋木さんが取った対策や福路さんや照ちゃんによる妨害が功を奏して京太郎君一人を走らせることにはならなかった。

三尋木さんが取った対策、それは……


「ツモ、3000・6000。」


力技で稼ぎ切る。

ということだ。

照ちゃんもそれに倣って和了っていく。


「ツモ、2000・4000。」


ただし京太郎君の火(支配)が強くなっているのと照ちゃんには三尋木さんほどの火力は無いから飜数は下がった。

それに負けじと福路さんも食らい付く。

お互いどこが危険かわかるので振込みはしないものの(能力に関してはその限りではないけど)お互いが削っていく様は我慢比べに似ていた。


「ツモ、1300・2600。」


迎えたオーラス。

三尋木さんはゴミ手だろうと和了れば勝ち。

京太郎君は4飜が30符より上が条件。

ここからはスピード勝負である。

三尋木さんが動きにくいとはいえ限度がある。

京太郎君は妥協して点数下げた。


「ツモ、七対赤、3200オール。」


微妙に点数が足りない。

なのでオーラスの一本場に突入だ。

とはいえ京太郎君はトップとは1500点差。

出和了りだろうとツモだろうと一飜でも和了れば勝ちである。

だけど周りも京太郎君を簡単に和了らせるつもりは無いのは見て伺える。

三尋木プロは自分のスタイルまで崩して鳴いて安手を目指した。

京太郎君も最速で和了りを目指す。

そして先に牌を掴んだ勝者は宣言する。









「ツモ。」

「300・500は400・600。」


無慈悲にもその宣言で試合は終了した。