京太郎「背景に溶け込んでかなり立ったが潮時だ」

京太郎「このままこの立ち位置に居るだけじゃ世界から消されちまうな」

京太郎「……ん?前々から思ってたけど背景って何だ?」

京太郎「ま、まぁいいか。とにかく目立つに越したことは無いからな」

京太郎「おし、決めた!」

京太郎「せっかくのゴールデンウイークだし、一人で旅行でもしてみるか」

京太郎「そうと決まれば………かあさーん!旅行のパンフとか持ってないー?」


―――――――
――――――


ガタン ゴトン ガタン ゴトン

京太郎(うおおー!すっげぇな桜!)  マモナク ヨシノー ヨシノ

京太郎(長野も結構綺麗に桜が咲くほうだけど、奈良の桜はまた一段と格別だな)

京太郎(この"吉野"ってとこ選んでよかったぜ。母さんに感謝だなー)ウンウン


ガタン!!!


京太郎「うわっ!!?」

京太郎「な、なんだ今の揺れ!?」

京太郎「………」

京太郎「ん?ん?………あれ?なんでどんどん視界が斜めになって行ってんだ?」


―――――――――


TV『奈良県、吉野近くの電車が脱線事故を――――』

玄「っ!?よ、吉野ってお姉ちゃん!」

宥「吉野?」

玄「すぐそこだよ!すぐそこでおっきな事故がおきたって!」

宥「ええー!?」







京太郎「………ううっ」ムクリ

京太郎「!?」ズキッ

京太郎「いってててて!!」

京太郎(な、なんだよ……これ!?血?!一体何が起こったんだ?)

客「………」

京太郎「あ、あの!」トントン

客「…」グニャリ

京太郎「うわあああああああ!!」

京太郎(おええっ!内臓が全部飛び出てやがる……)

京太郎(と、とにかく誰かに助けを………!)

京太郎「………」

京太郎(誰かって誰だ?……というか何で俺はこんな所にいるんだ?)

京太郎「そもそも俺の名前って………なんだっけ?」

京太郎(……いや、そんなことよりここから出ないと……血の臭いで気持ち悪くて吐きそうだ)


―――――――――


京太郎「………はぁ…はぁ」フラフラ

京太郎「誰か……誰か……」

京太郎「………」

京太郎「……」

玄「おねーちゃん早く!」

宥「ま、待って玄ちゃん!まだマフラーしてないよぅ!」

玄「もう、急がないと怪我してる人………が……」

玄「………」

玄「ひいいいっ!!?」

宥「玄ちゃん?どうした……ひっ!?」

玄「な、なにこれ……人?どうしてうちの前に!?」

宥「あうあうあうあうあう」ガクガク

玄「…………」

玄「……っ」ソー

宥「玄ちゃん!?」

玄「……も、もしもし?大丈夫ですか?」ツンツン

「………」

玄「もしもーし!?」ツンツンツン

「………」

玄「……おねーちゃん」

宥「な、なに?」

玄「この人………もう息してないよぉ……!」グスッ


――――――
―――――


玄「えぐっ……ぐすっ……」

憧「ほら玄、もういい加減泣き止んで」

玄「だって……だって……あの人、助けられなかったもん!」

宥「ううん、玄ちゃんのせいじゃないよ。私がもうちょっと早く用意できてたら……」グスッ


穏乃「まさかこんな形で再会するなんてなー」

和「そうですね……」

穏乃「その、部外者の私がどうこう言える立場じゃ無いんだけどさ……あの人って」

和「須賀くんは清澄の麻雀部にとってすごく必要な人でした」

和「彼には何度も何度も助けてもらいましたから」

穏乃「……」

和「なのに……本当、こんなオカルトありえませんよね」ボロボロ

穏乃「の、和……」


久「咲と優希は?」

まこ「言わんでもわかるじゃろて」ハァ

久「ま、そうよね……」

まこ「お前さんは悲しくないんかい?」

久「あら?こう見えても結構やせ我慢してるのよ」

まこ「……そーかい」

久「なんていうか、皮肉な物よね……」

久「私ね、いつも大事な物って失ってから気づくのよ」

まこ「それは誰だって同じじゃ」

まこ「でもそんな事言ってもアイツはもう………二度と帰って来ん」





カン