京太郎「背景に溶け込んでかなり立ったが潮時だ」

京太郎「このままこの立ち位置に居るだけじゃ世界から消されちまうな」

京太郎「いつの間にかいなくなってました、なんてシャレにならねぇし……なんとか目立たないと」

京太郎「……あーあ、また長い一日が始まるなぁ」

京太郎「最近学校も楽しくねーしな……いっその事就活でもするか」

京太郎「そうと決まれば早速ハローワークだ」


京太郎「うーん……やっぱり最低条件は高卒ばっかりだな」

京太郎「中卒を雇ってくれるトコなんてそう簡単に………おっ!」

京太郎「これは学歴関係無しって書いてあるな。これにしよう」



面接官「採用」

京太郎「えっ」

面接官「この建物の中にある楽屋へと向かってください。そこにあなたの雇い主がいますので」

面接官「あ、地図をお渡ししておきますね」

京太郎「は、はぁ」

京太郎(何も喋って無いのに通ってしまった……)



京太郎「俺がマネージャーをすることになるのは、地図によるとここの部屋の人か」ピラッ

京太郎「怖くない人だといいけどな………よし、いくぞ」ゴクッ

京太郎「すいませーん」コンコン

ハーイ

京太郎「本日付けでマネージャーを務めさせていただくことになった者です」コンコン

京太郎「よろしければ入室してもいいでしょうか?」

ドウゾー

京太郎「失礼しまーす」



理沙「……」プンプン

京太郎(や、雇い主って野依プロだったのか……)

京太郎(まぁでもよかった。もし瑞原プロとかだったら)

理沙「名前っ!」

京太郎「おわっ!」ビクッ

理沙「名前!!」

理沙「自己紹介!!」

京太郎「……あっ、すいません!自己紹介忘れてました」

京太郎「今日からマネージャーを務めさせていただく須賀京太郎って言います」

京太郎「マネージャーの仕事なんて初めてで、色々と迷惑かけるかもしれませんが」

京太郎「精一杯やるのでこれからよろしくお願いします!」

理沙「よろしく!」プンスコ

京太郎(な、なんで怒ってるんだ?俺なんか気に障ること言ったのか?)

京太郎「……早速ですが野依プロ、この後のご予定は?」

理沙「婚活!」

京太郎「婚活……?」

理沙「結婚活動!」

京太郎「いや、それは分かりますけど……じゃあ俺はいらないですよね?」

理沙「いる!」プンスコ

京太郎「婚活ってマネージャーの仕事に入るんですか!?」

理沙「もちろん!」

京太郎「そ、そうなんですか……知りませんでした」

京太郎(てっきりスケジュールの管理とか試合のアポ取ってくる奴かと思ってたのに違うのか)

京太郎「……その、婚活って行っても色々ありますけど」

京太郎「お見合いパーティーとか予約してたりしますか?」

理沙「してない!」

京太郎「じゃ今から取りに行くってことでいいんですね?」

理沙「これ!」スッ

京太郎「?」

理沙「受け取って!」

京太郎「何ですかこの黒い箱?」

京太郎「中に何が……」パカッ

京太郎「!?」

理沙「指輪!」

理沙「お揃い!」

京太郎「ゆ、指輪?どうして指輪なんて……」

京太郎(しかもこの指輪の縁の所、よく見たら"KYOTAROU"って書いて……ない…か?)

京太郎「あの、その……これは一体?」サーッ

理沙「オーダーメイド!」プンスコ

理沙「いっこ五億!」

京太郎「五億!??」

京太郎(こ、こんなちっこい石が五億円…!)

理沙「あげる!」

理沙「貰って!」

京太郎「これ、本当に貰ってもいいんですか?」

理沙「あげる!」

京太郎「……そこまで言うなら分かりました」

京太郎「ありがとうございます」ニタリ

理沙「そ、その……!」モジッ

理沙「今……!はめてほしい!」

京太郎「あ、すいません俺予定思い出しましたんで帰ります」

理沙「……!?」

京太郎「今日は挨拶だけですからもうあがってもいいですよね?」

京太郎「指輪ありがとうございました。それでは、また!」ダッ

理沙「あっ……」


理沙「………」

理沙「……な、泣かない!」プルプル



京太郎「この指輪幾らで買い取ってくれますか?」

質屋「んー、相当高級品だなこりゃ……」





質屋「99億円で手を打とう」

京太郎「ぶふっ!!」ガタン

京太郎「きゅっ……99億!?」

質屋「ああ。それじゃ不満か?」

京太郎「いやいや、是非ともお願いします!!」


京太郎「ま、まさか手元にいきなり99億が転がり込んでくるとはなー……」

京太郎「人生なにがあるのか分からないもんだな」

京太郎「この99億使って早速何かしたいとこだけど、こんだけの大金になったら逆に使い道に困るな」

京太郎「匿名希望……っと」カキカキ

京太郎「後は金を詰めて、と」ガサゴソ

京太郎「あ、速達郵便でお願いしますね」


京太郎「これで世界の貧しい人々が救われますように」


―――――――
――――――


和「知ってますか咲さん?募金が日本からしばらくは無くなるそうですよ」

咲「え、どうして?」

和「なんでももう募金する必要が無くなったからと、テレビで言ってました」

咲「へぇー……募金する必要が無くなるなんて何があったんだろうね」

優希「きっとどっかのヒーローがもう募金しなくていいぐらい寄付したんだじょ!」

和「そんなオカルトありえません」

咲「だ、だよね……」



京太郎「Zzz……むにゃ」

京太郎「今日から野依プロの元で働かなくちゃいけないけど……」

京太郎「どうしようかな……指輪を売ってしまったから行きにくいぞ」

京太郎「でも今回の件で分かったことがある」

京太郎「"アラフォー雀士は婚活を急いでるから金を搾り取りやすい"」

京太郎「へへへ、間違いねー……そうと決まればさっそくマネージャーに応募だ」ピポパ

京太郎「別に二重契約は違反してなかった筈だしな」prrrr


――――――
―――――


面接官「合格」

京太郎「やったぜ」



京太郎「すいませーん」コンコン

ハーイ、ドナタ

京太郎「今日からマネージャーを務めることになりました者ですけど、お入りしてもよろしいですか?」

イイデスヨ

京太郎「失礼します」ガチャ

京太郎(今度の雇い主は三尋木プロか……)

京太郎(この人ふざけすぎて何考えてるのか分からねーんだよな)

咏「わっかんねー、なんでこんな時期にマネージャー変わるのかわかんねー」

咏「あ、とりあえず名前だけ教えといてくんない?」

京太郎「須賀京太郎です」

咏「ああ、あの須賀くんねー!」

京太郎「え、俺の事知ってるんですか?!」

咏「いや知らんし」

京太郎(うぜぇ)イラッ

咏「早速だけどマネージャー君。私この後予定入ってるからちょいと付き合ってくれ」

京太郎「え?今からですか?」

咏「あっ……そっかー、正式に仕事開始するのは次からだっけ?」

京太郎「俺はいいですけどね。この後特に予定もありませんし」

咏「マジで?それは助かるね、じゃあ早速だけど」

咏「婚活手伝ってくれないかねぃ?」

京太郎「それ、俺いりますか?」

咏「いるいる、いるよそりゃ」

咏「そもそも須賀くんがいなきゃ始まらないだろさ」

京太郎「つまりお見合いのセッティングとかすればいいってことですか?」

咏「いや、知らんし」

京太郎「……すいませんが意味が分かりません」

咏「鈍いなー、つまりこういうことだよ」

咏「私の婚活じゃないんだよなー、それが」

京太郎「……三尋木プロのじゃない?」

京太郎「それじゃ一体誰なんですか?」

咏「それはねぃ」ニヤッ












京太郎「布団が欲しんだ」

健夜「お布団……?」

京太郎「眠いんだ。ちょっと敷いてくれないか」

健夜「あ、そういうことだね。分かった、すぐ敷くね」


――――――
―――――


京太郎(さーて、どうやってあの人から財産を奪い取ろうかな)

京太郎(貢がせるにしても特に欲しい物は布団ぐらいしかないし)

ガラッ

健夜「きょ、京太郎くん……」

京太郎「健夜?どうしたんだ?」

健夜「その……私も一緒に寝ていいかな?」エヘヘ

京太郎「いいぜ。ホラ、来いよ」ポンポン

健夜「お邪魔します」トテトテ

健夜「よいしょっと」ゴロン

京太郎「……」

京太郎(……この人って俺より十歳以上年上なんだよな)

京太郎(しかしどう見てもそこらの少女と変わらないように見えるけど)

健夜「京太郎くん」

京太郎「ん?」

健夜「離れないでね……私から」

京太郎「そりゃそうだ。安心しろって」

健夜「えへへ………ありがとう……」

健夜「Zzz……」スヤスヤ

京太郎(で、どうやってこの人の財産を手に入れようかって考えてたんだっけ)

京太郎(……まぁいいや、今は寝よう)ファ

京太郎「一つ訪ねたいんだけどさ健夜」

健夜「なに?」

京太郎「健夜っていくらぐらい貯金あるんだ?」

健夜「貯金ならたくさんあるよ。今まで彼氏いたことないしずっと実家暮らしだし……」

京太郎「具体的には?」

健夜「具体的にかぁ……えーっと確か」

健夜「8200億ぐらいはあったかなぁ」

京太郎「!?」ギョッ

京太郎(さ、流石は何とか七冠……文字通り桁違いだ)

京太郎(あの某球団スポンサーの社長や某ブランド服の社長と同レベルってことじゃねぇか)

健夜「でもなんでそんなこと聞いたの?」

京太郎「あ、そのー……」

健夜「?」

京太郎「お……お小遣いくれないかなって思ってさ」

京太郎「俺まだ学生だけどバイトもしてないし全然お金無くてさ」

健夜「なんだそんなことだったの。いいよ、幾ら欲しいの?」

京太郎(うっし!)ガッツ

京太郎「そうだなぁ……」

京太郎「じゃあ、5万くらいで」

健夜「分かった。5万円だね」

京太郎(親に小遣い5万くれとか行ったら普通なら張り倒されるけど、流石億万長者は違うな)

健夜「ちょっと待ってね。えーとそれぐらいならお財布に……あったあった!」ガサゴソ

健夜「はい、どうぞ」

京太郎「ありがとう」

京太郎「それじゃ早速この5万で遊んでくるよ」

健夜「それはいいんだけど……あんまり遅くならないようにね」

京太郎「分かってるって、じゃあ行ってきまーす」



京太郎「さーて、この5万を使って何しようかな」



はやり「ねぇ、キミキミ!!」

京太郎「ん?」クルッ

はやり「あ、やっぱりだー!キミ、小鍛治プロの婚約者さんだよね?」

京太郎(誰だこの人……?立派なおもちをお持ちではあるけど)

京太郎「はいそうですけど、あなたは?」

はやり「あれー?はやりのこと知らないのー?」

京太郎「はやり……?ってまさか瑞原プロ!?」

はやり「大正解☆」キラッ

はやり「でもできれば瑞原プロじゃなくて、はやりのことは"牌のお姉さん"って呼んでほしいな」

京太郎(ってか自分の事名前で呼ぶ大人ってどうなんだ……)

京太郎「はぁ……それで牌のお姉さんが俺に何の御用ですか?」

はやり「ふふーそれはね」

はやり「はいこれっ」ピラッ

京太郎「何ですかその紙?」

はやり「指輪代と結婚詐欺の補填代で5億ちょっとってとこかなー」

京太郎「指輪代……結婚詐欺?」

京太郎「……はっ!」

はやり「でもでも、キミから詐欺にあったことは公にしないって!優しいよね野依プロ!」

京太郎(しまった、野依プロのことすっかり忘れてた……!)

京太郎「で、でもなんであなたが?普通なら直接野依プロが来るでしょう?」

はやり「分かってないなーキミ。そんなんじゃ女の子から嫌われちゃうぞっ」

京太郎「どういう意味……」

はやり「とりあえず渡したから、お支払よろしくお願いしますねー!」

はやり「………ちなみに」

はやり「払わなかった場合はどうなっても仕方ないよねー☆」



京太郎「ど……どうしよう」

京太郎「指輪代は全部募金しちまったし、手元にあるのは5万円だけ……」

京太郎「どうすればいいんだ……」

京太郎「しょうがない、直接野依プロに謝りに行くか」

京太郎「許してくれるといいけどなぁ」



京太郎「野依プロー」コンコン

京太郎「マネージャーが来ましたよー」

ガチャ

理沙「誰!」プンスコ

京太郎「おひさ、俺ですよ!」

理沙「………」

京太郎「わわっ!閉めないで、俺の話聞いてください!!」バッ

理沙「帰れ!」ググッ

理沙「指輪泥棒!」

京太郎「頂いた指輪は全部世界の貧しい子供たちに寄付しました!!」

理沙「うそ!」

京太郎「野依プロには本当に申し訳ないことしたと思ってます!」

京太郎「けど俺は今も死んでいっている世界の子どもを見捨てることはできなかったんです!」

理沙「………」

京太郎「信じてもらえなくても結構です……でも一言これだけはちゃんと言っておきたくて」

京太郎「詐欺するような真似をしてしまって、本当にすいませんでした!」

理沙「………ゆ」

理沙「許す!」プンス

京太郎「ほ、ほんとにですか?」

理沙「でも!」

理沙「結婚!」

京太郎「ぇっ」

理沙「結婚!それが条件!」

京太郎「……結婚ってちなみに」

理沙「私と須賀くん!」

京太郎「ですよねー……」

京太郎(いやいや、俺もう健夜さんと婚約しちまってるから無理だよそれは!)

京太郎(でもそんなこと言ったらもう次は無さそうだし……どうすればいいんだ)

理沙「返事!」

京太郎「あ、えっと……その」

京太郎「ごめん野依さん……実は俺」

京太郎「小鍛治プロと結婚します」

理沙「!」

京太郎「だからあなたとは結婚できません。本当にすいません」

理沙「……うそ!」

京太郎「いや、本当の話で」

理沙「信じない!」

理沙「そんなの!そんなの、信じない!」ガシッ

京太郎「ちょっ……」

理沙「やだ!」プンスコ

京太郎「離してくださいって!」グイッ

理沙「あうっ!」ドサッ

京太郎「誰が何と言おうと俺は小鍛治さんと結婚します」

京太郎「そういうことなんで……それじゃ」

バタン



京太郎「はぁ、謝りに行ったつもりがとんだ災難だったな」

京太郎「でも結局お金の件は解決してないし、どうしようかな……」

京太郎「いずれ自分で働いて返すんで、その時まで待ってもらえないでしょうか?」

はやり『うーん……はやりは別にいいんだけど野依プロは?』

京太郎「さっき話しにいったら"結婚するならチャラにする"って言われたんで断りました」

はやり『はやっ!?野依プロ意外に大胆だねー』

はやり『でも5億なんてそう簡単に稼げるのかな?』

京太郎「いつになるか分かりませんが……必ず返します」

はやり『いいよー、はやり別に闇金はやりちゃんじゃなくて牌のお姉さんだし』

はやり『でもアテはあるの?』

京太郎「アテ……?」

はやり『5億なんてお金、普通に働いても一生手に入らないよ』

京太郎「あっ、それは……」

はやり『まぁ、それは安心してもいいよ。頑張る男の子の為にはやりが仕事を斡旋してあげる』

京太郎「本当ですか!?」

はやり『うん。このお仕事ならすぐに5億稼げちゃうよ☆』

京太郎(……待て、すぐに5億貯まる仕事って何か胡散臭いぞ)

京太郎(でも四の五の言ってられる場合じゃねーし……なぁ)

京太郎「どんなお仕事なんですか」

はやり『野依プロが5億もポンと出せたのはなんでと思う?』

京太郎「そりゃ野依プロは麻雀のトッププロだからで……」

はやり『じゃあ君もなればいいんじゃないかな?トッププロに?』

京太郎「はっ?」

はやり『とりあえずコネで長野県のインターハイ個人戦出場枠は一つとっておいてあげるからさ』

はやり『そこからはキミ次第だよ!ファイト!』

京太郎「何言ってるんですかさっきから!?ちょ、ちょっと待ってくださいって!」

はやり『インターハイで活躍できればプロからもお誘いがくるはずだからさー』

はやり『それじゃ、頑張ってね☆』

京太郎「待っ……!」

京太郎「………」ツーツー


京太郎「インターハイって……三日後じゃねぇか」

京太郎「あと三日でどうすればいいんだよ」




京太郎「流石に今から三日で全国の奴らと渡り合うのは無理だ……」

京太郎「じゃあ……やっぱりアレしかないよな」


――――――――
インターハイ決勝
――――――――


京太郎(配牌を見る時に……全ての牌の柄を指の腹で消す!)シュッ

京太郎「ツモです」

上家 下家 対面「!?」

京太郎「天和・天地創世(ビギニングオブザコスモス)」ドン

恒子『まーたまた決まったァーーーー!長野県須賀京太郎の天地創造!これには小泉も真っ青だーー!!』

健夜『だから恒子ちゃん、そういうこと言っちゃまたスポンサーに怒られちゃうって!』

恒子『流石はすこやんの旦那様だね!』

健夜『え?そ、そうかなぁ……それほどでも』ニヘラ


―――――
―――


京太郎(な、何とか優勝できた。プロからもスカウトが来てくれたしこれで一安心堕)

京太郎(どのチームに入ろうか)




はやり「須賀くーん、優勝おめでとー!」

はやり「そしてようこそハートビーツ大宮へ!」

京太郎「ありがとうございます。これからお世話になります」

京太郎「でもいいんですかね?俺まだ高一なんですけど……」

はやり「大丈夫だよ、一応キミと同い年でプロの人もいるんだし。学校は行ってないみたいだけどね」

京太郎「へぇー、なるほど」

はやり「須賀君も活躍してトッププロになれば5億なんてあっという間だよ。これから頑張ろうね」

京太郎「はい!」



京太郎「っていうことで今日から大宮で暮らすことになった」

健夜「突然すぎだよ!?」

京太郎「大丈夫って、5億稼いだらすぐに帰ってくるから」

健夜「5億って……そう簡単に稼げる額じゃないよ!」

健夜「お金が必要なら私が……!」

京太郎「そういう問題じゃないんだ。これは俺が働いて返さなきゃ意味が無い」

健夜「そ……そうなの?」

京太郎「ああ。すぐに帰ってくるから、それまで待っててくれるか?」

健夜「……うん、分かったよ」

健夜「京太郎くんがそこまで言うなら……私、寂しいけど待ってるね」

はやり「うーん、須賀くんこれで二十連敗目だね」

京太郎「………」

京太郎(甘かった……イカサマでインハイ優勝した俺が5億なんてそう簡単に稼げるはずの額じゃ無かったんだ)

はやり「このままいくと野依プロに5億返すまで単純計算で100年はかかっちゃうよ」

京太郎「100年!?」

京太郎「それは困りますよ!!」ブンブン

はやり「はやや!?そ、そう言われても勝てないプロにお金は入らないよー!」

京太郎(くそ……何かいい方法は無いのか!?このままだとマジで100年経っちまうぞ)

はやり「てっとり早い方法は……勝つことだよ」

京太郎「そんなこと俺が一番分かってますよ!」

はやり「プロの世界は実力が全て。勝てさえすれば誰もが認めるからね」

京太郎「………」

京太郎(こうなったら、やるしかないのか……麻雀で勝つしか)

京太郎「これでお金、全部返しましたよ」

理沙「………」

京太郎「5年もかかってしまいましたけど、利子は?」

理沙「いらない!」

京太郎「野依大先輩にもホントご迷惑おかけしましたね」

京太郎「あの時は俺もガキで、色々すいませんでした」

理沙「もういい!」

京太郎「……じゃ、失礼します」

ガシッ

京太郎「………?」

理沙「まって!」

京太郎「えーと、まだ何か?」

理沙「また遊びに来て!」

京太郎「はい、何度でも遊びに来ますよ」

理沙「約束!」

京太郎「約束です」

理沙「絶対!」

京太郎「絶対です」

理沙「♪」ニコッ

京太郎(わ、笑った!?)



京太郎「長かった野依プロとの確執も終わったし、あとは健夜んトコに帰るだけだな」

京太郎「5年か、随分待たせてしまった。あいつももう三十越えてるんだっけ」

京太郎「帰ったらからかってやるか……会うのが楽しみだ」

京太郎「ただいまアラフォー」

健夜「久々に会って最初の一言がそれー!?」

京太郎「はは、すまん。アラサーだったっけ」

健夜「アラサーじゃないよっ!」

健夜「この前インハイ実況した時に恒子ちゃんに何か吹き込まれたでしょ!?」

京太郎「い、いや何も……!」

京太郎「でもその様子なら元気そうで安心したよ」

健夜「もう!」プイッ

京太郎「そういえば健夜また大会に顔出し始めたらしいな」

京太郎「しばらく大会から遠ざかってたのにまたどうして?」

健夜「っ!……だ、だって……」

健夜「大会に出てれば京太郎くんに会えるかもって思ってたから……」モジモジ

京太郎「何だよそれ。可愛い理由だな」

健夜「うぅ、笑わないでよ」


京太郎「でも、しばらく寂しい思いさせて悪かったな」

京太郎「もうこれからはずっと一緒だ」

健夜「……うん」

健夜(必ず帰ってきれくれるって信じてたよ……)

健夜「おかえり、京太郎くん」



カン!