IF ヤンデレ白望

俺がその人に始めて会ったのは一年の全国だった。
まだ雑用をしている事に疑問も不満も持つ事が無く、清澄の皆と中が良かった時に彼女と出逢った。
それが運命なのかと聞かれたら運命だと俺は思う。俺はシロとの出逢いに感謝してるしシロもきっとそう思ってくれてるはずだ……そうだよな?

「……感謝してるよ」

俺のベッドで生まれたままの姿でシロはゴロゴロしていた。

「暖房は効いてるからいいがそのままだと風邪をひくぞ?」

手に持ったペンを置き、俺はシロの方を見た。出会って7年、付き合って3年。明日は結婚式だと言うのにシロは変わらない…いや変わったかもしれない。

俺に対しては過保護なまで世話を焼きたがるのだから。

「なら暖めて」

枕に顔を埋めながらシロはそう言ってくる。さっきまでタイトル戦をしていた姿とはほど遠い、だらけっぷりだ。

「今日は駄目だ。約束しただろ」

これ以上シロの方を向いていると息子が反応してしまう為に机の方を向く。

『小瀬川白望について』

そう書かれたタイトルを見ながら過去を振り返る。出逢いから付き合い、結ばれ、今に到るまで…

今でも鮮明に思い出せるその思い出を紐解いていく。

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全国大会一回戦

「暑い…部長もこんな時にムヒが無いとかで買い出しをさせないでくれよ」

空を見上げれば太陽が激しく自己主張をしていた。雲一つ無く、見上げる限りの青空とビル群を見ながら俺は薬局を探す。

「…薬局どこだよ。コンビニにムヒは売ってないからな」

スマホのマップが正しいならそろそろ見える筈なんだが…顔をあげて辺りを見る。

右には公園がありベンチで高校生が横になって寝ていた。左には……寝ていた?

「えっ?ちょ、あんた大丈夫か?」

気がつくと身体が動いていた。こんな真昼間からしかも日差しが直撃している所で人が寝ているわけない。

「大丈夫ですか!?」

近づくと玉の様な汗を浮かべて女子高生は倒れていた。

「……ダルい…」

そう言って虚ろな目で此方をみてくる。

「大丈夫です、俺がどうにかしますから」

そう言ってスマホのマップ機能を落として救急車を手配する。





「…これまだ未開封のスポドリですゆっくりでいいから飲んでください」

スポドリの蓋を開けてを渡そうとするが身体を動かそうとしない。

「…飲まして」

重度の熱中症の場合、身体を動かせないのだろうか?

「わ、わかりました」

ゆっくりと女性の口にスポドリを近づけて、飲ましていく。少ししたら離してまだいるか聞いてみる。

「まだ…」

そう言われたのでまた同じ動作を繰り返す。三回ほど繰り返した所で満足したみたいだ。

「ハンカチか何かありますか?汗を拭かないといけないんですが」

「スカートの左ポケットの中…」

「出してもらっていいですか?」

「……やって」

女性はそう言って目を瞑った。

「ま、まってください。さすがにそれはマズイですよ!」

知らない女性のポケットに手を入れるなど俺にはできない

「……」

女性は何も応えないまま少しだけ息遣いが荒くなるここにきて悪化したのか?

「ああもう…すいません」

女性の下に腕を押し込んでお姫様抱っこして木陰にいく。

「もう少しで救急車が着ますから」

自分のハンカチで汗をふく。

「……ありがとう」

「お礼は治ってからにしてください」

それから十分後に救急車が到着するまで俺は女性の看病。何時の間にか女性の手には俺のハンカチが握られていた。

それが俺と小瀬川白望の出逢い。

俺は救急車で搬送されていくのを見送りながら俺は気がついた

「あっ…ハンカチ返してもらってない」