京太郎「いらっしゃい」

竜華(おおっ、なんやこの子すっごいかっこいいやん)

竜華(見せてもらった写真もなかなかやったけど本物はもっとすごいわ)

竜華「はじめまして、うちは清水谷竜華。よろしくな」

京太郎「はい、よろしくお願いします――」

京太郎「よろしくお願いします」

竜華「あはは、そんな気い使わんでええよ」

京太郎「じゃあ、よろしく竜華姉」

竜華「うんうん。それじゃうちは何て呼ぼっかな……」

竜華「そうやなぁ……じゃあ、京太郎くんで!」

京太郎「オーケー」

竜華「それで、午前中は何するん?」


【午前】

京太郎「竜華姉はいくつなんだっけ」

竜華「んー、今年で高3やで」

京太郎「なら俺と2つ違いかぁ」

竜華「そうやなー」

京太郎「へへ」

竜華「急に笑ってどうしたん?」

京太郎「いや、ずっと一人っ子でお姉さんとか憧れてたからさ。こんな理想の姉が家族になると思ったら嬉しくって」

竜華「理想の姉って、お世辞言っても何も出えへんで」

京太郎「お世辞じゃないよ、こんな綺麗で優しそうな姉さん。ずっと欲しかったんだから」

竜華「そ、そうなんや……」

なんやろ。

京太郎くんの笑顔見とると胸がキュンって……。

綺麗で優しそう、かぁ。

何でこんな嬉しいんやろ。

何でこんなに……。

うち、もしかして京太郎くんに……。



京太郎「竜華姉?」

竜華「ごめんな、ちょっと考え事」

京太郎「そっか」

竜華「そ、そうや!午後はどうする?」



【午後】

京太郎「何処か出かけようか」

竜華「お、ええな」

京太郎「それじゃ支度してくる」

竜華「うちもー」













京太郎「やって来ました映画館」

竜華「おおー」

京太郎「竜華姉は何が見たい?」

竜華「うちが選んでええの?」

京太郎「もちろん」

竜華「じゃあ、これ!」


竜華姉が選んだのは今話題の恋愛物の映画だった。

女子高生らしい映画選び、普段一緒に行く野郎どもとは絶対見ないジャンルだから少し楽しみだ。

それに……。


竜華「ま、まるでデートみたいやな!なーんて」


竜華姉がそんなこと言うからちょっとドキドキする。

それに言った竜華姉自身が真っ赤になってて可愛い。



二人で隣に座りポップコーンを片手に映画を見ているといよいよクライマックスに突入し感動のキスシーンが流れる。

ちらりと隣を伺うと向こうもこちらを見ていたらしくばっちりと目が合ってしまう。

竜華姉はすぐに視線を逸らしたけど顔が真っ赤になっているのは映画館の中でもわかった。

目と目が合う瞬間……なんて、まさかね。


竜華「え、映画良かったな」

京太郎「そうだね、最後のシーンとか結構感動した」

竜華「あー!そ、そうやな!」


二人並んで歩く夕暮れの帰り道。竜華姉はどこかぎこちなく、映画館を出てから俺をなかなか見ようとしない。

うーむ……。




【夜】

京太郎「ご飯、外で食べて行こうよ」

竜華「ん、そうやな」

京太郎「俺美味しい店知ってるんだ」

竜華「じゃあ京太郎くんに案内してもらおかな」



竜華「うん、美味しい」

京太郎「でしょ?」

竜華「京太郎くんの食べてるそれも美味しそうやな」

京太郎「一口食べる?」

竜華「ええの?」

京太郎「良いよ、その代わり竜華姉のも一口食べさせてよ」

竜華「よーし、わかった」

京太郎「じゃ、あーん」

竜華「へっ?」

京太郎「ん?食べないの?」

竜華「も、貰うわ。あーん……うん」

京太郎「どう?」

竜華(京太郎くんとか、かか間接キス……)

京太郎「竜華姉?おーい?」

竜華(やばい、なんやこれっ。別にあーんなんていつも怜としとるのにっ、全然ちゃうっ!)

京太郎「竜華姉ー!?……ダメだ、反応が無い」

竜華「ふぅ、お腹いっぱいや」

京太郎「はは、まあ結構量多かったしね」

竜華「そう言えばうちはどこで寝ればええの?」

京太郎「それは……」

京太郎「一緒に寝よう」

竜華「い、一緒……」

京太郎「ダメかな?」

竜華「うちはええけど京太郎くんは大丈夫なん?」

京太郎「大丈夫も何も、一緒に寝るって姉弟って感じでちょっとしてみたいから」

竜華「そ、そっか」



京太郎「……本当に同じ布団でいいの?」

竜華「う、うん。わざわざ出すの面倒やし、うちは気にせえへんから」

京太郎「それならいいけど」

竜華「じゃあおやすみ」

京太郎「おやすみ竜華姉」


竜華(京太郎くんがこんな近くで……なんか、幸せや……)


……やわらかい。

目を覚ましてみるとその原因は竜華姉だった。

眠っている間に抱き枕にされがっちりとホールドされている。

そのおかげで柔らかなものがおもいっきりあたっている訳だが……。




【朝】


折角だ。このままもう一眠りしよう。

というわけで二度寝を決め込む。

ああ、温もりとやわらかさが堪らない……。それに、なんかすげーいい匂い。



目が覚めるともう起きたらしく布団の中に竜華姉の姿は無かった。

眠い目をこすりながら自室を出ると竜華姉とばったり出くわす。

俺の姿を見た竜華姉は頬を染めて逃げるように去って行った。

抱き枕にしたの、恥ずかしかったのかな。

そんな後ろ姿を見て可愛いと思ったのは内緒だ。



竜華「あ、あー……何しよか」

京太郎「ん、竜華姉は何がしたい?」

竜華「うちは……」


【午前】


竜華「また、京太郎くんとお出かけしたいなぁ」

京太郎「じゃあ出かけよう」

竜華「へ?」

京太郎「ほら、行くよ」

竜華「ちょっ、手え引っ張らんでっ」

竜華(って、京太郎くんの手……おっきいんやな……)

竜華「うぅ、何でこここんな露出の高い水着しか売ってへんの……」

京太郎「似合ってるし可愛いと思うけど」

竜華「か、かわっ……ってそういう問題やなくてっ」


どうやら売店には露出の高い水着しか売っていなかったらしい。

正確には竜華姉に合う水着がそういうものばかりだっただけかもしれないが。

そんな訳で今の竜華姉はビキニタイプの水着姿で恥ずかしがりながら胸元を腕で隠している。

ただその行為は胸元を強調するだけで逆効果だ。

まあ俺としてはおいしいから指摘はしないけど。


竜華「あ、あんまり見んといてっ」



竜華「いっぱい泳いでつっかれたあ」


最初は恥ずかしがっていた竜華姉だったけど途中からは慣れたのか吹っ切れたのか俺の数倍は遊んでいた。

まあ楽しそうだったし来て良かったな。


竜華「なあ、午後はどないするん?」

京太郎「んー」

京太郎「そうだな、竜華姉ちょっと目瞑ってくれる?」

竜華「ええけど、何かあるん?」

京太郎「それは目を開けてからのお楽しみってことで、ちょっと動かないでね」

竜華「うん」

竜華(わっ、耳元で京太郎くんの声が……すごい近くに居るのがわかるわ)

京太郎「よしっ」

竜華(なんやろ、すごいドキドキするわ)

京太郎「目、開けて良いよ」

竜華「ん……って、これ」

京太郎「竜華姉に俺からのプレゼント」

竜華「ネックレス?かわええ!」

京太郎「気に入ってくれた?」

竜華「当たり前や!はーっ、大事にするわ!」

京太郎「喜んでもらえたみたいで嬉しいよ」

竜華「プレゼントかぁ、ふふっ」

京太郎「大分暗くなってきたなぁ」

竜華「……ふふっ」

京太郎「そんなに嬉しかった?」

竜華「うん!」

京太郎「そっかそっか」

竜華「こんな可愛いプレゼントくれるなんて、ほんまだいすきやでっ!」

京太郎「ちょっ、抱きつかないでっ!?」












【夜】


京太郎「それじゃ俺風呂入ってくるね」

竜華「なあ京太郎くん」

京太郎「はい?」

竜華「一緒にお風呂、入らへん?」

京太郎「えっ?」

竜華「ダメ、やろか」

京太郎「流石にそれは俺がというより竜華姉が……」

竜華「うちは構わへん。むしろ一緒に入りたいんや」

京太郎「んなっ!?」

竜華「だって、うちは京太郎くんのこと好きやから」

竜華「だから一緒に居たい……ダメ、かな?」

京太郎「竜華姉……好きって……」

竜華「家族としても、異性としても……やで」

京太郎「……なら、一緒に入ろう」

竜華「ええの?」

京太郎「だって、好きな女の子にそんなこと言われたら断れる訳ないじゃん」

竜華「京太郎くん……だいすきやーっ!」

京太郎「おいおい、抱きつくなよ。お風呂入るんでしょ?」

竜華「抱きついたまま行くー」

京太郎「全く……まあ、良いけどさ」


そして俺たちは二人で湯船に浸かっている。

竜華姉が俺を後ろから抱きしめるようにして入っているので背中に胸、脇腹にふとももが触れている。

肌が触れ合わないよう離れようとは試みたが竜華姉が腕を回してしっかりと抱きしめて来るせいで離れることも出来ない。

まあこの体勢なら竜華姉の身体を見なくて済むし俺の大変なことになっている部分も見られないからちょうどいい。

そもそも湯船に浸かる前に竜華姉の身体を洗わさせられたおかげで理性が限界だ。

「あらって、おねがい」なんて言われたら断れるわけがない。

手のひらには竜華姉の白くて柔らかくてすべすべな肌の感触が残っているし竜華姉のスタイル抜群の裸体は脳裏に焼き付いてる、

と、こんなことを思い出したら本当に理性を失いそうだ。

雑念を払っていると耳元で竜華姉が囁く。


竜華「京太郎くん、だいすきやで」


ああもう、本当に可愛いなあこの人は。



風呂を上がり服を着てさも当然のことのように同じ布団に入る。

竜華姉の笑顔を見ていたら何も言う気になれないし、なんだかんだ言って俺もこの関係を気に入り始めている。


竜華「おやすみのチュー」

京太郎「はい?」

竜華「だーかーらー、おやすみのチュー……して?」


そう言いながら布団の中で俺の服を引っ張る竜華姉。


京太郎「仕方ないなぁ」

竜華「やたっ」

京太郎「ほら、目閉じて」

竜華「ん」

京太郎「大好きだよ、竜華姉。おやすみ」


そう告げて俺は竜華姉の唇に自分の唇を重ねた。


起きて最初に目に入ってくるのは竜華姉の寝顔だ。

さて……。


のっそりと起き上がって竜華姉の耳元に顔を近づける。


京太郎「竜華姉……いや、竜華」

竜華「……っ」


囁いた瞬間竜華姉の方がびくりと震える。

竜華姉、起きてるのバレバレだぞ……。

でもまあ面白そうだということで続けてみる。


京太郎「好きだ、愛してる」

京太郎「世界で一番可愛いよ、俺だけの竜華」

竜華(ふぁ……なんやこれ、耳が幸せや……んぁ……)

京太郎「そろそろいいか」

竜華(え?)


思いっきり表情が緩んだ竜華姉の寝顔も見れたところで起こすことにする。

息を吸って……。

ふーーっ

っと竜華姉の耳に吹きかける。


竜華「ひうっ!?」

京太郎「はいおはよう竜華姉」

竜華「き、気付いてたん!?」

京太郎「だんだん頬が緩んでいく寝顔、可愛かったよ」

竜華「京太郎くんのあほっ!」

京太郎「ちょっ、叩かないで、ごめんてば」

竜華「ふんっ」



そんな幸せな三日間が終わってからしばらくしたある日、俺は結婚式に出ていた。

誰のかって?俺の母親のだよ。

これから俺の苗字は清水谷になる。

ぼーっとしていると後ろから誰かに抱きしめられた。


竜華「会いたかったで、京太郎くんっ」

京太郎「俺もだよ、竜華姉」

竜華「これからは、ずっと一緒やで」

京太郎「ああ!」



《清水谷竜華編 カンッ!》