須賀母「じゃあ私は池田さんと三つ子ちゃんと一緒にお出かけしてくるから」

池田父「華菜を頼んだよ」

京太郎「はい」

池田父「華菜も、京太郎くんと仲良くな」

華菜「わかってるし」

須賀母「それじゃあねー」

京太郎「行ってらっしゃい」

華菜「行ってらっしゃいだし」

華菜(須賀京太郎かぁ)

華菜(見た感じ普通っぽいけど)

華菜(まあ、話してみないとわかんないし)



緋菜「やだし、わたしたちもおねーちゃんといっしょがいいし」

菜沙「ぱぱとおばさんはいやだし」

城菜「ねー」

須賀母「おばっ」

池田父「おいお前たち、そう我儘を言うんじゃないぞ、京太郎くんも困るだろう」

京太郎「あの」

池田父「うん?どうかしたかい」

京太郎「俺は構いませんよ?」

池田父「そ、そうかい?」

京太郎「はい、それにその子達もこれから一緒に暮らすことになるだろうし、折角だから仲良くなりたいです」

池田父「しかし……」

須賀母「華菜ちゃんはどうなの?」

華菜「私も一緒でも構わないよ」

池田父「それなら頼んでも良いか?」

華菜「華菜ちゃんにお任せだし」

池田父「だそうだ、行っていいぞお前たち」

緋菜「やったー!」

菜沙「おねーちゃん」

城菜「わーい」

華菜「よしよし、でもちゃんといい子にしなきゃ駄目だぞ?」

「「「わかったー」」」


うん、良い姉妹みたいだな。

俺も馴染めると良いけど……。



京太郎「それじゃあ中へどうぞ、えっと……」

華菜「うん?」

京太郎「何て呼べば良いかなと」

華菜「ああ、そうだな。呼び方は……」

華菜(呼び方かぁ、どう呼んで貰えばいいかな)

華菜「姉さんでいいし、あと別に敬語じゃなくていいよ」

京太郎「ん、わかったよ姉さん」

華菜「それじゃあ入ってもいい?」

京太郎「ああ」

華菜「ほら、入っていいぞー」

緋菜「わたしがいちばんだし!」

菜沙「にばんー!」

城菜「さんばんー」



京太郎「お昼まではまだあるな……」

華菜「これからどうする?」

菜沙「どうするのー?」

緋菜「おやつたべるし!」

華菜「まだ3時じゃないからおやつは駄目」

緋菜「えー」

城菜「けちー」



【午前】

華菜「そうだ、それじゃあお前自己紹介するし」

緋菜「なになにー?」

華菜「これから緋菜達のお兄ちゃんになる人が自己紹介するんだよ」

城菜「じこしょうかい?」

菜沙「おにーちゃん?」

京太郎「ああ、俺は須賀京太郎。もうすぐ皆のお兄ちゃんになるから、仲良くしてくれよな」

菜沙「きょーたろーおにーちゃん」

緋菜「なかよくするし!」

城菜「するー」

京太郎「よしよし、ありがとうなー」


仲良くしてくれると言った二人の頭を撫でてやる。気持ち用に目を細めて、姉さんもだけど猫みたいで可愛いなぁ。


菜沙「ふたりともずるいし」

華菜「菜沙もお兄ちゃんと仲良くする?」

菜沙「するー」

華菜「いい子だな、それじゃあ代わりに姉ちゃんが撫でてあげる」

菜沙「おねーちゃんじゃやだし」

華菜「何をー!?」


華菜(でも、いい奴そうで良かった)

華菜(妹達もなついたみたいだし、上手くやっていけるかな)



華菜「お昼も済ませたし、次はどうしようか」

京太郎「午後かー、そうだな……」



【午後】

緋菜「ねーねー、おにーちゃんはまーじゃんするの?」

京太郎「麻雀?俺はやらないけど、何で?」

菜沙「おねーちゃんはまーじゃんつよいんだよ」

城菜「たいしょーだもんね」

京太郎「姉さん麻雀部なんですか」

華菜「まあな」

京太郎「そう言えば学校は?」

華菜「風越女子だし」

京太郎「へー、風越って麻雀強いって聞いた覚えがあるけど、全国とか行ったりしたの?」

華菜「風越は強いんだ……でも、去年はやばいのが居て負けちゃって」

京太郎「やばいの?」

華菜「そう、天江衣って言うんだけど、去年の私じゃ全く歯が立たなくて……」


無意識にか、拳を握りしめる姉さん。

よほど悔しかったのだろう、嫌なことを思い出させちゃったかな……。


華菜「でも今年は勝ってみせるし!」

京太郎「おお」

華菜「天江を倒して今年こそキャプテンと全国に行く!」


キャプテン……?チームメイトなのかな。

麻雀はよくわかんないけど、こういうの結構好きだな。


京太郎「姉さん」

華菜「なんだ?」

京太郎「俺応援するよ」

京太郎「そんで、かっこ良く麻雀打つ姉さんを見せて欲しいな」

華菜「とーぜん!」

華菜「って、もうこんなに暗くなったのか」

京太郎「時間が経つのは早いなぁ」

緋菜「おねーちゃんずっとしゃべってたし」

菜沙「わたしたちもはなしたかったー」

城菜「ねむいし」

華菜「は、恥ずかしいからやめるし!」






【夜】

緋菜「おなかへったし」

華菜「さっきおやつ食べただろ」

京太郎「晩御飯出来たぞー」

菜沙「わあ!」

城菜「おいしそー」

華菜「お前、料理上手いんだな」

京太郎「まあそれなりに」

緋菜「たべていい!?」

京太郎「いいぞー」

緋菜「わー!」

京太郎「待て待て、食べる前にいうことがあるだろ?」

緋菜「わ、わすれてただけだし」

京太郎「じゃあ皆で言おうか?」

華菜「菜沙と城菜も一緒に言うんだぞ」

菜沙「わかった」

城菜「うん」

華菜「それじゃあ、せーの」


「「「「「いただきます」」」」」








京太郎「空いてる部屋に布団四組用意したから姉さん達はそっちで」

華菜「ありがとな京太郎」

京太郎「まあ俺の家だから」

緋菜「ねむいし」

菜沙「んぅ」

城菜「むにゃ……」

京太郎「ありゃ、寝ちゃったか」

華菜「運ぶの、手伝ってくれる?」

京太郎「もちろん」


三つ子達を運び終えて自室に倒れこむ。

一気に姉と妹が増えて賑やかになったのは楽しいけど、結構疲れるな。

明日も姉さん達と一緒だ、今日は早く寝るか……。




……朝だ。

耳元でけたたましく鳴る目覚ましを止めたまま一向に布団から出れない。

このまま気持よく二度寝しちゃうかな……?



【朝】


うん、寝よう。

このまま起きるなんて無理無理。

少しだけ、少しだけだから……。



どたどたっ。


ん?何だか騒がしいような……。


緋菜「おにーちゃん起きるし!」

どすっ

京太郎「ぐおっ!?」


理解した時には既に遅く、俺の大事な部分に緋菜ちゃんが着地。

激痛が走り俺を三度目の眠りに誘う。


華菜「きょ、京太郎大丈夫か!?」

菜沙「すごいこえだったし」

城菜「めがしろいよ?」

華菜「きょうたろおおおおおおおっ」



京太郎「死ぬかと思った」

華菜「ごめんな……ほら、緋菜も謝れ」

緋菜「ごめんなさい……」

京太郎「あはは、緋菜ちゃんは起こそうとしてくれたんだから悪くないよ」

京太郎「ただ次から飛び乗るのはやめような?」

緋菜「わかったし……」




【午前】

京太郎「よし、そんじゃあ起こしてくれたお礼にお昼まで遊ぶか!」

城菜「ほんとう?」

京太郎「ああ!」

緋菜「わーい!」

菜沙「やったー!」

京太郎「よーし、それじゃあ何して遊びたい?」

緋菜「うーん」

菜沙「なにしてー?」

城菜「おやつたべる?」

京太郎「おやつ食べるのは遊びじゃねえ!ってかさっき朝飯食ったばっかだろ」

城菜「えー」

京太郎「なんかあるだろ?例えばー……おままごととか?」

華菜「何で疑問形だし」

緋菜「じゃあおままごとするー」

華菜「しかもそれでいいのか」

菜沙「わたしねこねー」

城菜「そしたらいぬー」

緋菜「えーと、えーっと……かえる!」

京太郎「動物ばっかだな!?しかも蛙!?」

緋菜「じゃあおねーちゃんがままでおにーちゃんがぱぱね」

京太郎「おっ、まともだ」

華菜(私がママで京太郎がパパ、か)

城菜「わたしむすめー」

菜沙「わたしもー」

京太郎「よーし、それじゃあパパが抱っこしてあげよう!」

菜沙「たかい!」

城菜「すごい!」

華菜(何だろ、この気持ち……)







京太郎は私にとってどんな存在になったのかな。

まだ曖昧だけど、言うなればそう、家族……って感じなのかな。

一日一緒にいてわかったけど、京太郎がいいやつだし、妹達の面倒も一緒に見てくれる。

きっと嬉しかったんだ、自分と一緒に妹達の面倒を見てくれる奴が出来て。

だから、これからもこんな関係で仲良くやっていけたら良いな。

姉弟として、家族として……。







京太郎「姉さん?」

華菜「なっ、なんだし!?」

京太郎「ぼーっとしてるけど大丈夫?」

華菜「ちょっと考え事してただけだから」

京太郎「そっか」

華菜「それより午後はどうするんだ?」



【午後】

京太郎「せっかくだから出かけよう」

緋菜「おでかけ?」

京太郎「お出かけだよ」

菜沙「どこいくのー?」

京太郎「それは……プールだ!」

城菜「おぉー」

華菜「温水プール?」

京太郎「そうだよ」

緋菜「いこういこう」

菜沙「はやくいこう」

京太郎「すぐ準備するからなー」







京太郎「というわけでやって参りました!」

菜沙「ましたー!」

緋菜「ねえ、もういっていい?」

京太郎「しっかり準備運動したか?」

城菜「したー」

京太郎「ようし、それなら存分に遊んでこい!」

「「「わーっ!!」」」


三つ子達が浅いプールで戯れる様子を姉さんと二人で座って眺める。

楽しそうな姿に思わず笑顔を浮かべていると姉さんの手が俺の手を包んだ。


京太郎「?」

華菜「ありがとな、色々」

京太郎「いやぁ、俺も楽しんでるから」

華菜「そっか」

京太郎「そう」

華菜「また、来ような」

京太郎「おう、何回でも来よう」

京太郎「プール楽しかったかー?」

緋菜「たのしかった!」

菜沙「さいこー!」

城菜「またいきたい!」

京太郎「そうかそうか、喜んでくれて兄ちゃん嬉しいぞ」




【夜】

京太郎「そろそろお風呂にするか」

華菜「それじゃあ私が緋菜達と……」

緋菜「おにーちゃんとがいいー」

菜沙「わたしもー」

華菜「何言ってるんだ、そんなの駄目に決まってるだろ」

城菜「えー」

華菜「えーじゃない」

京太郎「……」


これは……どうするべきなんだ。

俺は一緒でも良いけど。

三つ子と一緒に入るって大丈夫か……?


いや駄目だ、ここは姉さんに任せよう。


華菜「それじゃあ入ってくるよ」

京太郎「おう、ごゆっくりー」


ふぅ、何がとは言わないが危ないところだった。


「こら!しっかり洗え!!」

「湯船に飛び込むなぁ!!」

「まだ出ちゃだめだしっ!」


姉さん、大変そうだなぁ。

……気になる。

いや覗いたりしないぞ、絶対覗かないからなっ!!


華菜「あー、疲れたし」

京太郎「お疲れ様」

緋菜「きもちよかったし」

菜沙「あったまった」

城菜「ぽかぽかー」


耐え切った……よくやった、俺。






京太郎「それじゃあ寝ようか」

華菜「あ、京太郎……」

京太郎「ん?」

華菜「えっとっ……」

華菜「お前も一緒に寝るし!」

京太郎「へっ?」

華菜「いやその、チビ達が一緒に寝たいってうるさいから」

京太郎「ああ、わかった」

華菜「!」

京太郎「布団、もう一組持っていくな」

華菜「う、うん」



布団を運び、俺と姉さんで三つ子達を挟んで横になる。

すぐに寝息を立て始めた三つ子の寝顔を眺めていると姉さんと目が合った。


華菜「京太郎」

京太郎「うん?」

華菜「ホント、ありがとな」







もう朝かぁ。

朝日に目を細めて姉さん達の方を見る。

まだ皆ぐっすり寝てるみたいだ。

昨日は起こされちゃったけど今日は……なんて言いたいところだけど眠いんだよな。

どうしたもんかね。



【朝】

いや、起きよう。

あんまりだらしないところを見せるのもな。

ってことで、取り敢えず姉さんから起こすか。


京太郎「姉さ……」


起こそうとして、姉さんの寝顔を見て思わず声が止まる。

その寝顔はとても幸せそうで、起こすのが躊躇われた。

起こす代わりに手を伸ばし、姉さんの頭に起いてゆっくりと撫でる。

撫でると気持ちよさそうに頬を緩ませる様は猫の様で愛くるしい。


華菜「うん……?」


しばらくして起きた姉さんはぼーっと俺の顔を見たあと状況を把握して俺の手を払いのけた。


華菜「な、なにしてんだっ」

京太郎「いやつい」

華菜「ついじゃないっ!」


そう言い合っていると三つ子達も目を覚ます。


緋菜「どうしたのー?」

菜沙「けんかしちゃだめ」

城菜「あさごはんは?」


華菜「……朝御飯、つくろうか」

京太郎「うん」







朝食を終えると家の前で車が停まる音がして我が家のドアが開けられた。


須賀母「ただいまーっ」

池田父「いい子にしてたか?」

菜沙「ぱぱー!」

緋菜「おばさんもー」

城菜「もぐもぐ……」

京太郎「おかえり母さん」

須賀母「ただいま京太郎、華菜ちゃんとは仲良くなれた?」

京太郎「ああ」

池田父「三つ子の面倒を見させちゃってすまないね京太郎くん」

京太郎「いえ、楽しかったです」

池田父「そうかそうか、ありがとう」

華菜「それじゃ帰る支度をしようか」

緋菜「えー?」

菜沙「おにーちゃんとあえなくなるの?」

城菜「さびしい……」

華菜「大丈夫、またすぐに会えるよ。な、京太郎?」

京太郎「……もちろん!」


《池田華菜編 カンッ!》