夕方

京太郎「……疲れた」

ホテルB

和「須賀君」

京太郎「お、和久しぶりだな」

和「はいお久しぶりです」クマができていて

京太郎「どうかしたのか?」

和「えっ?」

京太郎「目元にクマができてるぞ」

和「そ、それは…」涙目になり

京太郎「…俺には話せないか?」

和「…転校するんです」

京太郎「えっ?」

和「全国一位になれませんでしたから…もう私は清澄を転校するしかないんです」

京太郎「……」

和「父との約束で…全国で一位にならなければ長野を離れると」

京太郎「咲達には話したのか?」

和「…いえませんでした」

京太郎「…時期は決まってるのか?」

和「二年に上がる前に転校だそうです」

京太郎「そうか…」

和「すいません、こんな話をして。最初に須賀君の男子優勝を祝うべきのに」

京太郎「……無理をしなくていい」

和「む、無理なんかしてませんよ」

京太郎「…そうか」

和「はい」

京太郎「……嫌だったらすまん」

ギュ…抱きしめて

和「す、須賀君!」

京太郎「……こうしないといけない気がした」

和「……汗臭いです」胸元に顔を埋めて

京太郎「すまん」

和「他の女の匂いがします」

京太郎「なんだそれ」

和「……もう少しだけこうしといてください」

京太郎「ああ」

和「…なんで転校してしまったんですか」

京太郎「…すまん」

和「転校してから部室が少し広く感じるんですよ?」

京太郎「…すまん」

和「みんなさびしかったんですからね」

京太郎「…すまん」

和「謝るしかできないんですか?」

京太郎「すまん」

和「…長野に帰ってきてください」

京太郎「……」

和「なんで返事してくれないんですか…」

京太郎「……」

和「謝ってくださいよ」

京太郎「……」

和「ずるいですよ…」泣き始めて

京太郎「すまん」

和「なんでそこで謝るんですか…」

京太郎「…すまん」

和「…須賀君なんて大っ嫌いです」ボロ泣きして










夜1

京太郎「……動きたくない」

京太郎「……過程が飛んで結果が残るんだったよな」石を眺めながら

京太郎「和が転校しないようにしてやってくれ…とかできないかな」

??「キングクリムゾン!」
鬼巫女「キングクリムゾン!!」

京太郎「えっ?」







夜2

京太郎「なんだったんだ今の…」

京太郎「ポカリが切れてる…」

ダヴァン「英(はい、京太郎」

京太郎「えっ?あっ…英(こんばんわ、ダヴァンさん」

ダヴァン「英(智葉が言っていた事は本当だったんですね。英語がペラペラだと」

京太郎「英(智葉さんから?なんで知ってるんだろ…それよりこんな夜にどうしたんですか?」

ダヴァン「英(さっきまでラーメンを食べてました。日本のラーメンは美味しいですから」

京太郎「英(ラーメンが好きですね…そう言えば知り合い(カピー)が言ってましたがAラーメンとか美味しいらしいですね」

ダヴァン「英(よく知ってますね。Cラーメンとかも美味しいんですよ」

京太郎「英(そうなんですか…ならDラーメンとか知ってましたか?」

ダヴァン「英(知ってますよ。それ位。それよりも…」

30分後

京太郎「英(そろそろ夜も遅いので俺はこれで」

ダヴァン「英(そうですね…また良かったらラーメンにでも行きましょう」

京太郎「英(はい、俺でよければ」






就寝前

京太郎「……爽さんからメールがこない…流石に凹んでるのかな?メールしてみるか」

From 獅子原爽

優しいですね。私は大丈夫ですよ。宮守には頑張って欲しいです。

京太郎「………してます、爽さん」

京太郎「寝よう…携帯の電源を切って」

ーーーーーーーーーーー

爽「……」メールを見て固まっている

成香「どうかしたんですか?」メールを覗き込み

爽「……」かたまっている


成香「……ふわぁぁぁ…、すいません!」真っ赤になりあたふたして

爽「…幸せ」









早朝

京太郎「どうしたものか」

ゆみ「久しぶりだな」

京太郎「そうですね…モモ達の応援ですか?」

ゆみ「ああ。二校を応援の為にきたんだがな」

京太郎「…そうですか」

ゆみ「…すまない、不謹慎だった」

京太郎「事実ですから仕方ないです」

ゆみ「……」

京太郎「それじゃあ俺はこれで」

ーーーーーーーー



京太郎「…暇だな」

京太郎「皆と合流しておくか」

ーーーーーーーー

京太郎「……シロ、なんで起きてるんだ?」

白望「…気分」

京太郎「…皆は?」

白望「まだ寝てる」

京太郎「……」

京太郎「ならせっかくだし、何処かに出かけるか」

白望「どこにいくの?」

京太郎「……どうしよう」

白望「……」

白望「…散歩しよう」

京太郎「外は真夏だぞ?」

白望「大丈夫…多分」

京太郎「シロがそう言うなら別にいいけど」

白望「うん…」手を差し出して

京太郎「…はいはい」

ギュ…手を握り

白望「行こう」

ーーーーーー

散歩中

京太郎「……」

白望「……」歩いていて

京太郎「案外、悪くないな」

白望「うん…ダルくない」

京太郎「…こうやって歩くのは北海道以来だな」

白望「うん」

京太郎「なあ、シロ」

白望「何?」

京太郎「臨海に勝てるか?」

白望「…勝てる」

京太郎「そうか」

白望「…清澄の為?」

京太郎「…それもある。臨海の選手に恨みはない。ただ臨海に俺の大切な幼馴染が泣かされた…ごめんな、こんな器の小さな話をして」

白望「構わない…私も決着をつけないといけないから」

京太郎「決着?」

白望「うん」

京太郎「…なら任せた」

白望「任された」








昼1.

京太郎「あの後、塞達に説教された…起きてない方が悪いと思うんだがな」

コンコン…

京太郎「はーい」

健夜「京君、私だけど」

ガチャ

京太郎「どうしたんだ?」

健夜「……」真剣な顔でガチメイク

京太郎「…?」

健夜「京君…いや京太郎」

京太郎「はい」

健夜「好きです」

京太郎「はっ?」

健夜「私は須賀京太郎が大好きです」

京太郎「………」思考停止

健夜「likeじゃなくてLOVEで…だからわたしと結婚してください」指輪をだしてきて

京太郎「え、えっ…?」

健夜「だ、駄目かな?」

京太郎「あっ、その…」思考がこんがらがり

健夜「……」涙目になり

京太郎「ほ、本気なのか?」

健夜「…冗談でこんな事は言わないよ」

京太郎「……」

京太郎「とりあえず中に入ってもらっていいかな?」

健夜「う、うん」

スッ…ガチャ…健夜が入ると鍵を閉めて

健夜「そ、それで応えを…」

京太郎「正座」

健夜「えっ?」

京太郎「そこに正座」怒っていて

健夜「な、なんで怒ってるのかな?」

京太郎「なんで怒らないと思うんだ?」

健夜「わ、わからないよ…」

京太郎「第一になんで朝にプロポーズなんだ?」

健夜「そ、それは…京太郎がいつ居るかが解らなくて…」

京太郎「第二に俺と義姉さんの関係はなんだ?」

健夜「義理の兄弟です」

京太郎「第三に…俺が悩んでるのになんでそう一直線にくるんだよ」右手で自身の頭を抑えて

健夜「えっ?」

京太郎「俺と義姉さん…健夜は一回り年が違う。しかも健夜は日本…いや世界最強の称号を持つプロ雀士だ」

健夜「そんな事関係…」

京太郎「あるんだ。俺達が関係ないと思っても周りはそうは思わない」

健夜「……」

京太郎「それに俺はどうしようもないクズだ」

健夜「えっ?」

京太郎「全国が終わったら墓参りに行って覚悟を決めたら、三十人近い人間と関係をもとうとしてる」

健夜「さ、三十人…?」ゴッ…

京太郎「そうだ…誰かが一番なんじゃなく皆が好きなんだ」

健夜「……それは流石にやりすぎだと思うけど」

京太郎「俺もそう思う。きっと三十人全員が俺の事をクズ認定して見限ってくれるはずだ。重婚の人数制限がないとはいえこの国で重婚したらそれだけでニュースになりかねないんだからな」

健夜「…待って、京太郎。その三十人の中に私も入ってるの?」

京太郎「当たり前。筆頭は健夜と良子義姉さん」

健夜「……」立ち上がって

京太郎(あっ…これは殴られる)

ギュ…

健夜「なら私のプロポーズを受けてくれるんだよね?」

京太郎「えっ?」

京太郎「いや、俺の話を聞いてた?」

健夜「聞いてたよ?三十人と結婚して29人に振られて私と結婚するんだよね?」

京太郎「……健夜…義姉さん…怒らないの?」

健夜「なんで怒るの?」

京太郎「いや普通怒るだろ。真面目にプロポーズしたのにその相手が自分を含めて三十人と結婚しようとしてるんだぞ?」

健夜「でも29人に振られる予定なんだよね?」

京太郎「……もしかしたらその29人が認めるかもしれないんだぞ」

健夜「別にいいよ。京太郎が私との約束を守ってくれたんだから」

京太郎「約束…まだ守れてないぞ」

健夜「うんうん…そっちじゃない。もう一つの約束。京太郎はちゃんと魔物になってくれた」

京太郎「魔物?」

健夜「そうだよ。魔物。私と同じステージにきてくれた。十年前に約束した事を覚えてる?」

京太郎「……健夜義姉さんに麻雀で勝つ事だろ」

健夜「うーん…やっぱり忘れてるんだね。京太郎の三つの約束をした」

健夜「一つは私を麻雀で倒す事」

健夜「二つ目は魔物になる事」

健夜「最後は私を独りにしない事」

京太郎「あっ……」

回想

健夜「…なら貴方は私と居てくれるの?」

京太郎「…いっしょににいてくれるなら」

健夜「なら私も約束する。京太郎が三つの約束を守ってくれたら私も京太郎と……」

ーーーーーーーーーー


健夜「思い出したみたいだね」

京太郎「あっ…ああ」

健夜「なら話ははやいよ」

京太郎「……」

健夜「私は君が…京太郎が欲しい。側に居て欲しい。側で君をみてきた。誰よりも長くね…君の成長が私の喜びで、君の悲しみが私の悲しみだった。必死に私と良子ちゃんの背中を追っていたはずの君はいつの間に私の隣に立ってくれた」

健夜「だから私も約束を護るよ…違う、そんな事はどうでもいい。私は京太郎が好きで好きで仕方がないんだよ」

健夜「京太郎…私と結婚してはくれないのかな?」

京太郎「……断る」

健夜「えっ?」

京太郎「俺はまだ義姉さんに勝ってない」

健夜「……」

京太郎「約束は全部護る。俺は義姉さんに勝つ。勝って俺から伝える。だから…」

健夜「待っとけばいいの?」

京太郎「ああ」

健夜「私は全力で打つよ?」

京太郎「当たり前だ」

健夜「…負けるつもりはないよ?」

京太郎「勝つのは俺だ」

健夜「わかった…全力で勝負だよ」

京太郎「ああ、絶対に勝つ」









昼2

京太郎「…zzz」

カピー「パカパカ(爆睡してるのに私を呼んだのか…何をするんだ主」

京太郎「…zzz」

カピー「パカパカ(煩悩の塊が。相変わらず女の事を考えない」

京太郎「…zzz」

カピー「パカパカ(ふん…まあ、惚れた私が言える事ではないがな。なあ主、
今の主ならあの時の私の問いに答えてはくれるのか?」








夕方

京太郎「はっ…凄く寝てた」

京太郎「…体を動かすか」

衣「義兄様、どこに行くんだ?」

京太郎「おう衣か。身体を動かすかついでに晩御飯でも食べに行こうかなって」

衣「衣も行っていいか!」

京太郎「別にいいぞ」

衣「やったー!」

ーーーーー

衣「♪ー」手を繋いで歩いている

京太郎(機嫌が良いな)

衣「…幸せは刹那の中にある」

京太郎「急にどうしたんだ?」

衣「…義兄様は衣と居て幸せか?」立ち止まる

京太郎「当たり前だろ」

衣「……衣も義兄様といられたら幸せだ」

京太郎「ならよかった」

衣「でもな義兄様…衣は本当の意味で家族になりたいとも思ってる」

京太郎「はっ?」

衣「男女七つにして同衾せず……あの時は深くは考えなかったが離れて想った。衣は義兄様と居たい」

京太郎「……」

衣「駄目か?」涙目

京太郎「……衣」屈んて衣と向き合い

衣「…なんだ」

京太郎「俺は衣が思ってる人間じゃない。30人と結婚しようとしているただのクズだ」

衣「ふぇ…さ、三十人?大奥でもつくるのか?」

京太郎「大奥じゃない。全員幸せにする」

衣「…衣はその中に入っているのか?」

京太郎「…ああ」

衣「そうか…それならいい」

京太郎「……衣も怒らないのか?」

衣「幸せにしてくれるんだろ?」

京太郎「それはそのつもりだけど…」

衣「それなら衣は文句は無い…ただ証だけは貰っておこう」

チュ…

衣「その時を待っているぞ義兄様…いや旦那様」ニコ









夜1.

京太郎(…結婚しよ)

寝る

京太郎「……zzzz」

カピー「パカパカ(疲れてるのか…それとも…まあいい。終わりと始まりはもう見えてきているのだからな」

カピー「パカパカ(夢の終わりは突然やってくる。迷い路を抜けた時、主は私になんと答えてくれるんだ?」

ーーーーーーーー

夜2

京太郎「……はっ…また寝てたのか」

京太郎「…熱帯夜の中を歩いて来るか」

京太郎「あれ…霞さん?」

霞「こんばんわ、京君」

京太郎「もう夜遅くにどうかしたんですか?」

霞「少し息抜きをしてたの…宮守に小蒔ちゃんがこてんぱんにやられたから落ち込んじゃって…」

京太郎「そうですか……」

霞「気にしなくていいわよ。小蒔ちゃんも神様を使ってたんだから」

京太郎「…そう言ってもらえると助かります」

霞「……ねえ京君」

京太郎「なんですか?」

霞「今でも鹿児島に行きたくない?」

京太郎「……」

霞「この前、当主と須賀分家当主がその地位を放棄した」

京太郎「はっ?それは嘘でしょ」

霞「本当よ。信じてもいない神の神罰を恐れて隠居したの」

京太郎「神の神罰?…滑稽ですね、金しか信じてないあの人達の隠居理由が神の神罰だなんて」

霞「…そうね。だから今の当主代行の権限を六女仙が分割して担当している」

京太郎「………つまり姫様の手助けの為に鹿児島に来て欲しいと?」

霞「それも無いとは言えないわ。でもね私はまた貴方と暮らしたいと思ってる」

京太郎「……」

霞「前にも言ったわ。私達は京太郎に抱かれたいのよ」

京太郎「…もし俺が他の女も一緒なら良いと言ったらどうしますか?」

霞「構わないわ」

京太郎「即答ですか…霞さんが想像してるより遥かに多いですよ?」

霞「構わない。小蒔ちゃん達はどうかはわからないけど私は貴方が愛してくれるならそれでいいわ」

京太郎「っ…」

霞「それに京太郎の性欲は私達だけじゃ処理できない」小声

霞「ただし証は貰って行くわ」

京太郎「証?」

チュ…クチュ…ぷはぁ…クチュ…凡そ二分

霞「ぷはぁ…これで良いわ。待ってるから。迎えにきてね」

京太郎「は、はい」真っ赤

霞「本当に初心なんだから」







就職前

京太郎「…宥さんからメールが着てるな」

From 松実宥

今日は皆と東京観光に行ってきました。そっちはどうでしたか?

京太郎「…今日一日の事か。寝てすこじてました」

From 松実宥

疲れが溜まってるのかな…ゆっくりして身体を休めてください。今日はこれくらいにしておきます。おやすみなさい。

京太郎君、愛してます

京太郎「………ありがとうございますと………もっと」

ーーーーーー

宥「あったかい…やっぱり私は間違ってなかったよ」ベッドの中で携帯を大事そうに持っていて









早朝

京太郎「今日は準決勝だな」

京太郎「少しだけ歩くか」

明華「あら…」

京太郎「お久しぶりです」

明華「また追い出されたんですか?」

京太郎「ち、違いますよ。ただ少しだけ身体を動かしておこうかなって」

明華「…合宿の時もそんな事を言ってましたね」

京太郎「ええまあ習慣ですから。そういえば足は大丈夫ですか?」

明華「大丈夫です。誰かさんにおんぶされて大事にされましたから」

京太郎「うっ…まだ怒ってるんです?」

明華「別に冗談ですよ」

京太郎「冗談に聞こえませんでしたよ。そういえば今日の夜は空いてますか?」

明華「大丈夫ですけど…どうかしたんですか?」

京太郎「約束を守ろうかなって」

明華「約束?…あっ、覚えててくれたんですか」

京太郎「美人との約束は忘れませんよ」

明華「相変わらず口は上手ですね、ロリコンさん」

京太郎「うっ…そ、それもできたらやめてくれませんか?」

明華「考えときます」ニコ

京太郎「いつもそれですよね…それで俺とデートしてくれますか?」

明華「はい、喜んで」









昼1.

試合観戦中

京太郎「…シロが抑えられてるのか…すごいな」

次鋒


京太郎「…エイスリンの後ろに阿修羅がみえる。やっと公式戦での戦いだからな」

試合終了

京太郎「……エイスリンを迎えに行くか」

ーーーーーーーーー

廊下

エイスリン「京太郎ー勝ったよ」

京太郎「いや、嬲っただろ」

エイスリン「嬲ってないよ。ただ本気で打ったらああなったんだよ」

京太郎「本音は?」

エイスリン「シロばっかり褒める京太郎が悪い」

京太郎「ああ…ごめん」

エイスリン「許してあげる…でも次は無しだよ」

京太郎「わかった」

ギュ…手を握られ

エイスリン「おんぶ」

京太郎「はいはい」








昼2

京太郎「エイスリンをおんぶして行ったら、豊音達もおんぶする事になった…どうしてこうなった」

ホテルB レストラン

久「……」隅で一人で飯を食べて居て

京太郎「ランチだランチ…あれ、久がいる」ちかづいていき

京太郎「相席大丈夫か?」

久「えっ、あっ、京太郎」わたふたして

京太郎「……寝てないのか?」

久「寝てるわよ、ちゃんと」

京太郎「嘘だな」

久「嘘じゃないわよ!」声を荒げて

京太郎「…ほら寝不足だから怒る」

久「だから…」

京太郎「俺は怒ってないぞ」

久「何を言ってるのかしら?」

京太郎「俺との約束を破ったからどうすればいいとか考えてたんじゃないのか?」

久「うっ…そんな事を思ってないわよ」

京太郎「そうか…てっきり咲達の前だと泣けないから内側に溜めたままだと思ったんだがな」

久「…どうしてそう思うの」

京太郎「久は良い女だから。強くなろうとする。一人で全部背負って。言っただろ、俺といる時ぐらいは素でいいんだって」

久「でも京太郎は私との約束を守らなかったわ」

京太郎「…そうだな。ずっと居るって言ったのに転校したからな」

久「そうよ。麻雀で私達を倒してね。咲達には連絡をするのに私にはしてくれなかったし」

京太郎「ごめん」

久「謝らないでよ…責めてるわけじゃないわ。私も貴方に連絡をとろうとしなかったし」

京太郎「……」

久「……私ね、本当は少しだけ怖かったの。京太郎が長野県大会で優勝して、私は個人に出られなかった。それでも団体で優勝したら大丈夫と思ったのに…二回戦で臨海に負けて…ごめんね、約束を守れなくて」泣いていて

京太郎「…泣く事じゃないだろ」

久「でも…悔しくて…」

京太郎「全く…久は泣き虫だな」

久「京太郎の前だけよ」

京太郎「…」

久「相変わらず純情なのね」

京太郎「久が可愛いからだ」

久「っ…」真っ赤になり

京太郎「久も相変わらず純情だな」ワハハ

久「……バカ」

久「…改めてだけど男子個人優勝おめでとう」

京太郎「ありがとう」

久「……」

京太郎「……」パク…もぐもぐ

久「ねえ京太郎」

京太郎「はい?」

久「長野にはもう戻ってこないの?」

京太郎「……」

久「考えてるみたいね」

京太郎「俺は岩手からでるつもりはない」

久「…嘘ね」

京太郎「どうしてそう思う」

久「勘よ」

京太郎「…はぁ、女の勘は卑怯だと思うな。大阪と鹿児島に誘われてる。多分、臨海にも誘われる気がする」

久「なら長野に戻ってくる選択肢もあるのよね?」

京太郎「二年になってから清澄に戻っても久は卒業してるだろ」

久「別に構わないわ。近場に京太郎が居るだけで嬉しいし」

京太郎「全く…だいたい俺は岩手を離れるつもりはまだない」

久「理由は?」

京太郎「宮守にだって友人達が居る。それに麻雀部がないから転校とかは無しだろ」

久「それもそうね…でも麻雀が無い環境に耐えれるのかしら?」

京太郎「……どうにかなるだろ」

久「目が泳いでるわよ。ああもう…なんで私がいつも後手なのよ。京太郎、私と転校する前に話した事は覚えてる?」

京太郎「…ああ」

久「ならいいわ。改めて言わしてもらうけど私は貴方の隣に立ちたいのよ」

京太郎「それは断ったはずだら」

久「生憎と諦めは悪い方よ。進学も貴方が岩手に居るなら東北大でも受けようかと考えてる」

京太郎「……」

久「だからはっきりとまた言っておく。私は須賀京太郎が好き。貴方の隣に立ちたい」

京太郎「俺は…」

久「言わなくていい…答えはわかってるから。流石に二回振られると今度は泣いちゃう」

京太郎「いや、久聞いてくれ。俺は久が好きだ」

久「えっ?」

京太郎「でもな…それと同じように宮守の皆や義姉さん達、他の人が好きなんだ」

久「つまり好きな人がたくさん居るの?」

京太郎「ああ…屑だと罵ってくれてかまわない。俺はケジメをつけたら全員に告白しにいくつもりだ」

久「因みに何人?」

京太郎「30人ぐらいだ」

久「……ふふふ…あははは」腹を抱えて笑って

京太郎「なっ、わ、笑いすぎだろ!」

久「だ、だって…30人と結婚なんて…普通考えないわよ?」笑いすぎて涙目になり

京太郎「そうだが…」

久「それにどうしてそれを覚悟したのか気になる」

京太郎「……カピーと約束したからだ」

久「カピー?あの言えで飼ってるカピバラの事」

京太郎「そうだ」

久「ふふふ…」

京太郎「なんでまた笑うんだよ」

久「いやだって…まあいいわ。なら覚悟が決まったら私の所にくるのね?」

京太郎「ああ」

久「ならその時に私をだきなさい」

京太郎「はっ?」

久「孕ましてくれてもかまわないわよ」

京太郎「何を言ってるのかわかってるのか?」

久「当たり前じゃない。好きな男が重婚する。なら一番最初に子供くらい生みたいじゃない」

京太郎「……」頭をかかえて

久「それにね京太郎…私はあの時からこの覚悟をしてたの」京太郎の頬を右手で触り

久「京太郎が私に女を意識させたの…責任はとってもらうから。覚悟してなさいよ」







夕方

京太郎「……預金大丈夫かな」ATMの前でカードの残高をみていて

憩「あれ須賀君?」

京太郎「えっ、あっ、荒川さん」

憩「こんな所でなにしとるん?」

京太郎「今からデートだから金を降ろしにきたんですよ」

憩「デート?」

京太郎「ああ…まあ、俺がそう思ってるだけですけどね」ワハハ

憩「……彼女と違うん?」

京太郎「違いますよ。ただ約束をしたからご飯に行くんですよ」

憩「そうなんや…なぁ、それやったらうちとも約束したらご飯に行ってくれるん?」

京太郎「ええまあ、荒川さんみたいな美人となら喜んで行きますよ」

憩「美人なんて…須賀君は口うまいんやから」

バチ…つっこみ

京太郎「はは、事実ですから…荒川さんどうかしました?」

憩「……」叩いた手を見ていて

京太郎「荒川さん?」

憩「……ん、ごめんな須賀君」

京太郎「えっ?」

憩「痛くなかった?大丈夫?」レイプ目

京太郎「大丈夫ですから落ち着いてください」

憩「本当?嘘とかついたらあかんで?」

京太郎「本当ですよ」

憩「なら私を一発殴って…それでおあいこや?」

京太郎「はっ?」

憩「一発は一発やから」

京太郎「いや、冗談ってわかってるからそんな事をしなくても…」

憩「ケジメは必要やで?」

京太郎「いや、男が女を殴るのはケジメ以前に屑がすることです」

憩「…それってうちの事を女の子と思ってるん?」

京太郎「いやまあ、荒川さんは女の子ですから」

憩「…女の子やから殴られへんの?」

京太郎「はい」

京太郎(爽さんと初めて会った時の感覚に似てる…でも麻雀を打った時は大丈夫だったし…)

憩「でもそれやったらうちの気がすまへん」

京太郎「そう言われても…」

憩「それにうちは京太郎に殴られてもぜんぜん平気やで」

ピキピキ…

京太郎「そんな事を言ったらダメです。暴力はいけません」

憩「暴力は確かにあかん。でも京太郎は別やから」

京太郎「はっ?」

憩「だから京太郎は別…」

京太郎「……」

京太郎(爽さんと同じパターンだ!!!)冷や汗だらだら

憩「なんでそんな汗かいてるん?」

京太郎「な、なんでもないです…すいません、俺もうそろそろいかないと」

憩「でもうちも…もしかして焦らしプレイ?」

京太郎(に、逃げないと)

スタスタ…

憩「あっ、言ってもうた…まあ、次はすごい事されるんやろうな」カァァ






ホテルB

京太郎「服は持ってきてたよな…たぶん明華さんもわかってくれてると思うし真面目に着飾っていこう」

京太郎「大丈夫だな」

カピー「パカパカ(今日は何時もじゃ考えられないほどにおしゃれだな」

京太郎「まあな…義姉さんのツテの店だから恥をかかしたら駄目だろ」

カピー「パカパカ(普段の三倍かっこよく見えるからな…相手は金糸雀か…交じりっけ無しの愛情か。珍しいな。願いの補正はあまり意味が無かったようだしな。影も鎖さえいまごろは…」

京太郎「何をいってるんだ?まあ、いって来るわ」

カピー「パカパカ(気をつけてな」

明華「おまたせしました」着飾っていて

京太郎「いえ、そんなに待っていませんから大丈夫ですよ」

明華「……」見惚れていて

京太郎「雀さん?」

明華「な、なんでもないです、はやく行きましょう」

明華(な、なんでいつもよりかっこいいんですか)思考回路がパンクして

ーーーーーーー

ウェイター「お久しぶりです、須賀様」

京太郎「あの急にすいませんでした」

ウェイター「かまいません。シェフも喜んでいました。須賀様の男子優勝とデートの場に使って貰えるんですから」

京太郎「あぅ…あまりからかわないでくださいよ」

ウェイター「そうですね。こちらです」

スタスタ…

明華「……」真っ赤

ーーーーーーー

明華「美味しい…」

京太郎「ならよかった」

明華「……高いんじゃないですか?」

京太郎「…ノーコメントで」

明華「まさかこのレベルだと思ってなくて…私その…」

京太郎「お金なら大丈夫ですよ。そんなにかかりませんから」

明華(…メニューが値段が書いてないから判断ができない。でも間違いなく私が行った店で一番高い)

京太郎「ほら次の料理がきましたよ」

明華(ごまかされた…)

明華「今日はありがとうございました」

京太郎「いえ、俺の方こそこんなに長くなってすいません」

明華「そんなことないですよ。私の方こそこんな所に連れてきてもらってなんて言えば…」

京太郎「約束でしたから。それに雀さんみたいな美人と食べれたら幸せですから」ワハハ

明華「明華です」

京太郎「えっ?」

明華「私も京太郎と呼びますから」

京太郎「は、はい」

明華「呼んでくれないんですか?」

京太郎「…明華…さん」カァァ

明華「はい…京太郎さん」カァァ

京太郎「また一緒にご飯を食べてくれますか?」

明華「はい。また誘ってくださいね、京太郎さん」

京太郎「是非」







夜2.

京太郎「……」本を読んでいて

売店

京太郎「……」物色していて

美穂子「何してるの?」

京太郎「えっ?あっ、読書してたからそれのつまみと飲み物の補充」

美穂子「なら甘い物は駄目よ?虫歯になるから」

京太郎「わかってるさ。珈琲にしとくから」

美穂子「…約束よ。あと男子優勝おめでとう」

京太郎「ありがとう…美穂子はなんで居るんだ?」

美穂子「…九月の国麻での情報収集の為よ」

京太郎「そうか」

美穂子「……聞かないのね」

京太郎「あの時に聞いたからな」

美穂子「そうね。なら私も待ってるから」

京太郎「えっ?」

美穂子「知らなかった?私と上埜さんとは仲良しなの」

京太郎「上埜さんって誰?」

美穂子「あら……秘密。それじゃあね京太郎」

京太郎「ちょっ、えっ?あっ、行ってしまった」

ーーーーーーー

就寝前

京太郎「ハオからメールがきてるな」

From ハオ慧宇

明日は全力で打ちます。私達は負けません。

京太郎「……気を遣わしたな。宮守が勝つ…」

From ハオ慧宇

楽しみにしてます。
それではもう夜遅いので。
おやすみなさい。

京太郎「…おやすみなさいっと」

ーーーーーー

慧宇「……勝つのは私達ですよ、ご主人様」ゴゴゴゴ










早朝

京太郎「…決勝だ」






京太郎「皆と合流するか」

ーーーーーーー

ホテルA

塞「あれ、京太郎はやいね?」

京太郎「流石に皆の決勝だからな」

白望「……大丈夫だよ」

豊音「勝つのは私達だから」

エイスリン【優勝している絵】

胡桃「京太郎は心配性なんだから」

京太郎「場なれしてる感じがする…なんなんだこの差は」

一同「経験(かな)」

京太郎「……ふっ…なんだそれ」少し笑い


白望「京太郎…おんぶ」

京太郎「どうかしたのか?」

白望「京太郎分の補給…」

京太郎「なんだそれ」

ギュ……

白望「勝つから…智葉を倒して神代さんを倒す」耳元で囁き

京太郎「お、おう…」

白望「だから応援してね…信じてるから京太郎」

京太郎「任せろ…今日だけは皆の応援しかしない」

白望「うん…でも」

京太郎「でも?」

白望「私の時は私だけを見ていて欲しい」

京太郎「……わかった」

白望「約束だよ」

京太郎「ああ、約束だ」

白望「ありがとう京太郎…好きだよ」








トシ「さあ今日が決勝だよ。悔いが残らないように頑張りなさい」

一同「はい!」

トシ「勝ったら個人戦まで遊んでもいい。ただし負けたら特訓だからね」

一同「えー」

トシ「信じてるよ。このメンバーなら優勝できるって」

京太郎「トシさん…」

豊音「大丈夫だよ。私達は負けないから」

胡桃「そうだよ」

エイスリン「勝ちます」

塞「気張っていくよ」

白望「ダル…でも頑張る」





塞「京太郎、ちょっとだけいいかな」

京太郎「別にいいけど」

ーーーーーーー

廊下

ギュ…抱きついて

京太郎「どうしたんだよ」

塞「ちょっとだけ…ちょっとだけこのままにしてて」震えていて

京太郎「……」

ギュ…

京太郎「大丈夫だ」

塞「……本当にそう思ってる?」

京太郎「思ってるぞ」

塞「……京太郎も決勝の時こうだったの?」

京太郎「…本当はな。だが俺には塞達が居た。惚れた人達の前で恥をかくわけにはいかないからな」

塞「…その言い方は卑怯だよ」

京太郎「そうだな…でも塞の後ろには豊音がいる。俺の後ろには誰も居なかった。だから塞は安心していい。団体戦は皆で戦うんだから」

塞「…京太郎は戦ってくれないの?」

京太郎「……俺も戦うさ」

塞「…ありがとう」

京太郎「どういたしまして」

塞「あともう少しだけ強く抱きしめて貰っていい?」

京太郎「…ああ」

ギュ…

塞「…勝ってくるから」









女子団体戦決勝

白望「よろしく」

智葉「よろしく」

小蒔「よろしくお願いします」

漫「よろしくお願いします」








漫(うちが親か…)

九面判定失敗

小蒔(頑張らないと)











白望(様子を見る…)

智葉「…立直」

漫(おりるしかないんか…)

白望(……役満?)

小蒔(…これで)

コトン

智葉「ロン、32000」








智葉(このまま決めさしてもらう)

白望「……ちょいタンマ…」

革新者発動!

ジークリンデコンマ判定失敗

智葉(小瀬川!!)

小蒔「……」

コトン…ザシュ

小蒔「えっ…これって…」

智葉(京太郎の槍!!)

白望「ロン、32000」







白望(親は全力で流す)

最善を引き当てる者発動!

乖離槍発動!

小蒔(力が出ない…何故ですか…)涙目

漫(…また何もできひんままなんか?)

智葉(……厄介だ)

コトン…ザシュ

白望「ロン、16000」

東四局

東家白望 148000
北家智葉 116000
西家小蒔 36000 能力全封印
南家漫 100000







白望(蓮荘する…私は誰にも負けない)ゴッ…

最善を引き当てる者発動!
乖離槍発動!

小蒔(皆…)涙目

漫(私は何もできないんか…)

智葉「…っ…」

智葉(厄介だ…あの能力だけは本当に)

コトン…ザシュ

白望「ロン、24000」






智葉(はった…)

白望「ちょいタンマ…」

革新者発動!

智葉(させるか…)

ジークリンデコンマ判定成功!

革新者を無効!

白望「あれ?」

智葉「カン!」

千刀一閃発動!

智葉「ツモ、4100.8100」








白望(聴牌…)

乖離槍発動!

智葉(させるか!)

小蒔(………)

??「させませんよ」

千刀一閃発動!
玉祖命発動!

乖離槍コンマ判定失敗

智葉(すり抜けられた?)

白望「えっ?」

白望(槍が消えた?)

漫以外「聴牌」

漫「ノーテンです」







小蒔(……)

智葉「ポン」

千刀一閃発動!

白望(仕方ない…)

漫「……」

コトン…

智葉「ロン、12000」









白望(今度こそ…)

智葉(させるか!)

ジークリンデ発動!

一同「聴牌」










小蒔(これ以上長引かすわけには…本気で行きます!!)ゴゴゴゴゴ

智葉(くっ…神代の能力か…)

白望(……安牌で逃げよう)

漫(なんや、何が起きてるんや!)

小蒔「ツモ、8000.16000」








白望(…ここで一つ多く上がっておく)ゴゴゴゴゴ

革新者発動!
乖離槍発動!

智葉(蓮荘などさせない)

ジークリンデ発動!

白望(目障り…)

乖離槍のコンマ判定成功

ジークリンデ場が終了まで封印!

智葉(…あの槍か!!)

コトン…ザシュ

白望「ロン、12000」



オーラス 一本場

白望(負けない…)

革新者発動!
乖離槍発動!

智葉(神代の能力が最後にくると読んだのが間違いか…京太郎、力を貸してくれ)

時を超えた絆発動!

白望(邪魔された…)

一同「聴牌!」







漫(きた……)

白望(…厄介だな。させない)

怠惰の真髄発動!

ジュ…火が消えた音がして

漫「えっ?」

一同「聴牌」









白望(……きた)

乖離槍発動!

智葉(打点を下げるだけでも…)

ブリュンヒルデ発動!
乖離槍判定成功!
ブリュンヒルデを場が終了まで封印

智葉(これも干渉してくるのか!)

コトン…ザシュ…

白望「ロン、36300」







白望「立直」

乖離槍発動!

智葉(止めれない!)

コトン…ザシュ

白望「ロン、24600!」









白望(…狙い打つ)

乖離槍発動!

小蒔(…はやく終わってください)涙目

漫(…うちにだって意地はあるんや)

智葉(……)

コトン…ザシュ…

白望「ロン、24900」









小蒔(聴牌です!)

白望(させない)

時を超えた絆発動!

漫以外「聴牌」

漫「ノーテン」涙目











小蒔(今度こそ!)

白望「ポン!」

怠惰の真髄発動!

一同「聴牌!」













漫(貼り直した…でもこれじゃあ辻垣内さんが飛ぶ…)

漫(きた…今度こそあがる!)

白望「ポン…」

コトン…

漫「ロン!34400!」

東家白望 221300
北家智葉 8500
西家小蒔 65900
南家漫 104300


先鋒戦が終了しました
小瀬川白望が勝ちました。








咏「一泡吹かせる事には成功したけど圧倒的だねー」

えり「後半戦に入るまでは臨海が有利だと思ったのですが…」

咏「英水の神代選手がタイミングを間違えたから仕方ない」

えり「はい?」

咏「オーラスにあれを打てばこうならなかった。まあ、私が神代選手の立場なら同じ事をしただろうけどね」

えり「……」

咏「それにしても今年のインターハイは怖いねー。どうしてこうなってるかわかんねー」

ーーーーーーー

京太郎「お疲れ様」

白望「ごめん飛ばせなかった」

京太郎「十分だろ」

ギュ…

白望「…疲れたからこうさせて」

京太郎「…部屋に着くまでだぞ」

白望「うん」










エイスリン「よろしくお願いします」

慧宇「よろしく」

巴「よろしくお願いします」

由子「よろしくなのよー」








エイスリン(親…終わらせる!)









エイスリン「立直!」

創造槍発動!

慧宇(させるわけにはいかない!)

時を超えた絆発動!

エイスリン(私の邪魔はさせない)

創造槍により無効!

慧宇「っ!」

コトン…ザシュ

エイスリン「ロン、18000」


東家エイスリン 239300
北家慧宇 -9500
西家巴 65900?
南家由子 104300





宮守女子が優勝しました。










京太郎「お疲れ様」

エイスリン「ありがとう…何もしなかったけど」

京太郎「シロが暴れたからな…」

エイスリン「豊音達も出番が無かったからね……それより京太郎」

京太郎「はい?」

ギュ…抱きついて

エイスリン「おんぶ!」

京太郎「…はぁ…今回だけだからな」

エイスリン「やった!」









女子優勝インタビュー

アナウンサー「この優勝を誰に一番伝えたいですか?」

白望「…同じ仲間の須賀京太郎」

アナウンサー「須賀選手ですか…小瀬川選手と須賀選手の成績から岩手の魔王夫婦と呼ばれてますがその点については?」

白望「悪くない」

アナウンサー「それは須賀選手に好意があるという事ですか?」

白望「ノーコメント…そろそろいいかな…ダルいんだけど」

アナウンサー「さ、最後に個人戦にも出場するそうですが一番好敵手になりうるのは誰ですか?」

白望「臨海の辻垣内…」

アナウンサー「えっ?先ほどの試合で倒されていましたが…」

白望「運が良かった…次やったらどうなるか解らない」

アナウンサー「はぁ…」

白望「それじゃあ…」

スタスタ…

アナウンサー「えっ、あっ、待って下さいよ!小瀬川選手!」

インタビューを受けている時

京太郎「……夕方までかかると思ったんだがな」

アレクサンドラ「少し話せるかな?」

京太郎「…誰ですか?」

アレクサンドラ「臨海の監督をしているアレクサンドラだ」

京太郎「は、はぁ…」

アレクサンドラ「単刀直入に言おう。臨海転校してこないか?」

京太郎「…何故ですか?」

アレクサンドラ「私の使命は麻雀が強く結果をだす子供を見つける事。だから君が欲しい」

京太郎「お断りします」

アレクサンドラ「理由は?」

京太郎「俺は宮守が好きなんです」

アレクサンドラ「なら取引をしよう」

京太郎「取引?」

アレクサンドラ「君はネリーを知っているそうだね」

京太郎「知ってますが…」

アレクサンドラ「ならあの子がお金がいる事も知っていたかい?」

京太郎「っ…下衆ですね。それが臨海のやり方ですね」

アレクサンドラ「私はまだ何も言っていないがネリーがこの大会で結果を出せなかったのは事実だ」

京太郎「……」

アレクサンドラ「返事は今じゃなくていい。良い返事を期待しているよ」

スタスタ

京太郎「ゲスが…」

??「っ!!」

スタスタ…

京太郎「えっ?」振り返り

京太郎「気のせいか」

ーーーーーー

??「ごめん京太郎…」涙を流していて









昼2.

京太郎「皆はインタビューとかで忙しいみたいだな」

和「須賀君!」

京太郎「うん?あっ、和かどうした?」

和「私が転校をする話をしたのを覚えていますか?」

京太郎「覚えてるぞ」

和「……何故須賀君は覚えてるんですか?」

京太郎「えっ?」

和「父は転校の話を知らないといっていました」

京太郎「…話がみえないんだが」

和「無かった事になってるんです。私が転校する話が…覚えてるのは私と須賀君だけです」

京太郎「つまり俺が何かをしたといいたいのか?」

和「そんなオカルトありえません…普段ならそう言ったんですが今回は別です。もし須賀君が何かをしたなら私はお礼がしたい」

京太郎「……ならお門違いだ。俺は和の話に合わせただけだ。転校の話なんて知らない」

和「須賀君!」

京太郎「和、誰も知らないことなんだろ。それならそのままにしておけばいい。和が泣かなくていい結果ならそれでいいだろ」

和「えっ?」

京太郎「…それじゃあな。俺も用事があるから」

スタスタ…

和「待って下さい!」

京太郎「…なんだ?」

和「……ありがとうございました」頭を下げて

京太郎「なんの礼かわからないな」ワハハ

スタスタ…歩き去り

和「……京太郎君」みていて









夕方

京太郎「……はっ…寝てたのか?」

カピー「パカパカ(どうした?」

京太郎「いやまあ抱っこしておこうかなって」カピーを抱きしめて

カピー「パカパカ(…ふん、まあいい」

カピー「パカパカ(知ってしまったのか…いや、欲望に取引を持ちかけられたか」

京太郎「よくわかったな」

カピー「パカパカ(境遇はどうにもならん。あの小娘を救いたいなら覚悟を決めろ。生半可な気持ちで関わるな。あの小娘は言っていただろ金は必要なのだと」

京太郎「…どれくらいいるんだ?」

カピー「パカパカ(さあな…まあ、主なら大丈夫だ」

京太郎「答えになってないんだが」

カピー「パカパカ(昔、当てた金は持っているか?」

京太郎「24個の数字を全部当てたやつだろ。一銭も使ってない」

カピー「パカパカ(上出来だ。大事にしておけよ。金はひとを救うからな」

京太郎「…わかった」










夜1.

京太郎「シロ達はまだ忙しいのか…男子より女子の方が需要があるからか?」

アレクサンドラ「さっきぶりだな」

京太郎「……」

スタスタ…ホテルに戻ろうとして

アレクサンドラ「嫌われたね…少し話さないかい?」

京太郎「貴女と話す事なんて何もありません」

アレクサンドラ「アプローチの仕方を間違ったか…」

京太郎「…それじゃあはこれで」

アレクサンドラ「…私はてっきりネリーが幾ら必要なのかを聞いてくると思ったよ。君の義姉に頼ってね」

京太郎「……」

アレクサンドラ「君の評価を一段階あげよう、須賀京太郎」

京太郎「…」歩き去り








夜2.

京太郎「……」ふてくされていて

公園

京太郎「あれ、ネリーか?」

ネリー「えっ?京太郎?」目が真っ赤で

京太郎「どうした?なんで泣いてたんだ?誰かに何か言われたのか?」

ネリー「違う…違うよ」涙目になり

京太郎「ならどうしたんだ?」

ネリー「ご、ごめんね、京太郎!」泣きながら抱きついてきて

京太郎「えっ?」

ネリー「聞いたんだ、ネリー…監督と京太郎の話」

京太郎「……」

ネリー「京太郎は関係ないのに…ネリーのせいで迷惑かけてごめんなさい」ボロ泣き

京太郎「…迷惑なんかかかってないさ」

ネリー「でも、でも…」

京太郎「大丈夫だ。それに俺はネリーの力になりたい」

ネリー「ネリーはそんな事をされる価値はない」

京太郎「俺には価値があるから大丈夫だ」優しく頭を撫でてやり

ネリー「うわぁぁぁん」感情が抑えきれずに泣き

十分後

ネリー「…ぐす…」なんとか泣き止み

京太郎「落ち着いたか?」

ネリー「うん…ぐす」

京太郎「……ネリー」

ネリー「何?」

京太郎「理由は聞かないがネリーはどうして欲しい?」

ネリー「……」下を向いてしまい

京太郎「……」

ネリー「ネリーは……京太郎に…」

ネリー「迷惑をかけたくない」

京太郎「…ならどうする?金がいるんだろ?」

ネリー「まだ個人戦があるから大丈夫…頑張る」

京太郎「そうか…ならどうしても駄目になってまた一人で泣きそうなときは呼んでくれ」

ネリー「うん…」

京太郎「約束だぞ」

ネリー「約束する」

ギュ…指切りをして

京太郎「それじゃあもう夜遅いから気をつけろよ」

ネリー「わかってる。京太郎も気をつけてね」

京太郎「おう」

スタスタ…

ネリー「…ネリーはね京太郎。個人戦でれないんだ。ごめんね」









就寝前

From ハオ慧宇

今日はお疲れ様でした。
次やる時は負けません。
後できれば…ネリーに連絡をとってやってください、お願いします。

京太郎「ネリーに?さっき会って話したぞ。個人戦を頑張るって言ってた…と」

♪ー着信音


京太郎「えっ…」携帯を見ていて

From ハオ慧宇

ネリーは個人戦に出ませんよ?

京太郎「……」携帯を閉じて

♪ー着信音が鳴る

京太郎「カピー」

カピー「パカパカ(どうした?」

京太郎「ネリーはどうなるんだ?」

カピー「パカパカ(…さあな」

京太郎「カピー!」怒鳴り

カピー「パカパカ(………猶予は三日だ。会え。会って話してこい」

京太郎「……わかった」

カピー「パカパカ(私は言っただろ。生半可な気持ちで関わるなと。強引に奪ってこい」

京太郎「……」








早朝

京太郎「…奪うか」

京太郎「身体を動かしてくるか」

小蒔「…」浮き輪装備で歩いていて

京太郎「………なんだあれ?まだ朝だぞ」

小蒔「あっ、京太郎様!」走ってくる

京太郎「姫様、走ったらこけま…」

バタ…こけて

小蒔「……」

京太郎「ほら言ったじゃないですか…」

スタスタ…

京太郎「大丈夫ですか?」

小蒔「……」倒れたまま

京太郎「姫様?」

ガシ…腕をつかまれて

京太郎「えっ?」

小蒔?「捕まえたぞ、須賀の子よ」

京太郎「な、何を言ってるんですか姫様?」

小蒔?「時間が無い。簡潔に言うぞ。お前は大社に戻るな。あそこにはしんじ………」

バタ…また倒れて

京太郎「なんだったんだ?…とりあえず姫様をおぶっていくか」

ギュ…おんぶして

小蒔「ふぇ…あれ、京太郎様?」

京太郎「今度こそ姫様ですか?」

小蒔「何がですか?」

京太郎「いやなんでもないですよ。それより海に行くんですか?」

小蒔「はい!姫松の皆様と鹿児島の海に行くんです!」ニコニコ

京太郎「鹿児島まで行くんですか?」

小蒔「はい!」

京太郎「楽しんできてくださいね」

小蒔「皆で遊んできます!」ニコニコ








昼1

京太郎「海か…いいな」

京太郎「……」出かける準備をしていて

カピー「パカパカ(探しにいくのか?」

京太郎「ああ。嘘をつかれたからな。そのケジメをつけてもらう」

カピー「パカパカ(主もあの女も素直じゃないな」

京太郎「……」

カピー「パカパカ(公園だ」

京太郎「えっ?」

カピー「パカパカ(この前、デートしただろ。あそこに居るから早くいけ」

京太郎「…ありがとう、カピー」

カピー「パカパカ(……ふん、早く行け馬鹿者」





神様なんてこの世にいない。

神様の代わりにお金がある。

お金さえあれば、私は良い。

だってお金が無かったら誰もたすけられない。親兄弟も自分すらも“お金”が無いから助からない。

でも何故だろ。

お金抜きで彼は私を助けようとしてくれた。
何も知らないのに彼の仲間のせいでこうなったのに。

彼は私を助けようとしてくれた。

「京太郎…」

差し出された手を掴みたかった。
縋り尽きたい気持ちを必死に私は抑えた。

私は知っていたからだ。

彼では私を助けられない。迷惑をかけるだけなのだと。ありもしないものに縋るのはそれだけで罪なのだから。

「京太郎…」

頬を伝う涙が私に問いかける。本当にそれでいいのか?本当に彼に助けを求めなくてよかったのか?救われたかもしれないのに…

「救われるはずなんかない…」

甘い考えを切り捨てる。それを認める訳にはいかない。認めたら私はもう立てなくなる。弱かったあの頃に戻ってしまう。

戻ってしまったら私は国に帰される。

帰ったら待っているのは地獄だ。

「どうすればいいの…誰か教えてよ…誰か」

私の言葉に誰も応えてはくれなかった。

「暑い」

気がついたら公園にいた。
彼とデートした公園。居るはずがないのに私はどうしたんだろう。
会ったら駄目なのに私は彼に会いたい。

「京太郎…会いたいよ」

「ハァ…呼んだか?ネリー…ハァハァ…」

「えっ?」

振り返ると汗だくの彼が居た。

「なんで…なんでここに居るの?」

「…なんでだろうな…自分でもよくわからない」

そう言って彼は木陰に歩くと座り込んでしまった。

「暑いわ…走って来たのは間違いだった…ハァハァ」

私は彼のその様子を黙って見ているしかできなかった。彼に何を話しかけたらいいのかがわからないのだ。

「…なあ、ネリー」

「な、何かな?」

彼の言葉にびくついてしまう。彼は多分知ってしまっている。ハオか智葉かどっちかわからないけど伝わってるはずなんだ。

私が個人戦に出ないって事を。

「…助けるのをやめるわ」

「えっ?」

今なんて言った?助けるのをやめるそれって私の事を見限ったの?やめて、それだけはやめて…

私を助けて(救って)よ京太郎!

「嫌だよ、そんなの…助けてくれるって言ったよ…」

「でもネリーは頑張るんだろ?」

彼の表情は見えない。いや私が見ようとしていない。見ようと思っても見えない。だって怖いから。

信頼した人に見捨てられるのが怖い。

「知ってるくせに…なんで意地悪を言うの?」

「俺が何を知ってるんだ?」

黙りこんでしまう。本当に知らないのだろうか…彼は私が個人戦に出ない事を…もし知らなくて他の事で怒ってるなら言う訳にはいかない。これ以上見捨てられる要素を作りたくはない。

「……なんでもない」

私はそう言って誤魔化した。

「そうか……それで頑張れそうかネリー?個人戦にでないのに」

「…っ!」

顔をあげて彼を直視する。その表情は害虫を見るようにとても冷ややかな表情だった。


「見捨てないで…お願い」

謝罪よりも先に私はその言葉を口にした。頭ではわかっているのに言葉にならない。言葉を発したら全く違う本音がでてしまう。

「……頑張るんだろ?一人で」

彼は冷酷だった…いや、私が馬鹿だったのかもしれない。思えばまだ出会って二ヶ月も経っていない。一回デートした位で彼の中では私の価値など女友達なのだ…私が想っている程に彼が私を想ってくれている訳がないのだ。

「違うの…ネリーは、ネリーは…」

「何も違わない。俺に嘘をついて頑張るって言ったんだ…頑張れよ、一人で」

身体が震えているなかで私は彼に向かって歩き始めた。違うの、本当に違うの…ネリーはハオにしたみたいにして欲しかっただけなの…

全部壊して欲しかっただけなの!

「許して、京太郎…ネリーを助けてよ」

「嫌だ」

彼は表情を変えないままこちらをみている。あと数歩でわたしは彼に辿り着く。

「どうしたら助けてくれるのかな?」

「何があっても俺はネリーを助けない」

彼の言葉を聞く度に身が震えて冷や汗をかく。私はこんなに依存していたのか…

「そんなの嫌だよ…」

あと四歩。私と彼の距離はそれ位に縮まっていた。

「嫌じゃないだろ。頑張るんだろ?なら頑張れよ」

彼はその場から動かない。私を見上げてるその視線に感情は篭っていない。

「………ないよ」

あと三歩。私は小声で言ってはいけない事を紡いだ。

「聞こえないな…はっきりと喋ってくれ」

「……ばれないよ」

あと二歩。私の中で大切な何かが崩れ落ちていく。私が言葉を放つたびにそれは私に返ってきて確実に壊していく。

「…聞こえない」

「頑張れないよ…」

あと一歩。私はついにその言葉をはっきりと宣言してしまった。身体から力が抜けていくのが解る。ダメ…このままではネリーはまた弱くなってしまう。

「誰が頑張れないんだ?」

私はその言葉を聞いて気がついた…彼はわざとそう言っている事に。そう考えると私はゾッとする反面に喜んでいた。ハオが言っていた事は正しかったのだから。

だから私は言ってしまう。

「ネリーはもう頑張れないよ…京太郎」

そう言った直後に全身から力が抜けていく。薄れていく意識の中で私は誰かに抱きしめられたような気がした。

目が覚めたら知らない天井だった。さっきまで公園にいたはずなのに…首だけを動かしてみると点滴が施されていた。

「目が覚めたのか?」

反対側を見てみると彼が林檎を剥いていた。

「京太郎…なんでいるの?」

私は彼に見捨てられたはずだ…なんで彼が居るのだろうか?

「ネリー」

ああ…まだ私の悪夢は終わってはいなかったようだ。

「本当にすまなかった」

彼は剥いていた林檎を皿の上に置き全力で土下座をしていた。あれ…私はせめられるんじゃないの?

「熱中症の危険性があるのを知ってたのにネリーを苛めて本当にすいませんでした」

彼は床に頭を擦り付けて謝っている…京太郎は謝る事なんて何もないんだよ?ネリーが嘘をついたから自業自得だよ。

「もういいよ、京太郎」

私は身体を起こしながらそう言った…確かに少しだけ身体がだるい。

「よくない。ネリーの事が心配で仕方がなかったのにネリーが今にも死にそうな顔をしてたから逆上させて元気にしようとつまらない事をしたせいでこうなったんだ…本当にすいませんでした」

「それって…怒ってないって事?」

「怒ってない。嘘をつかれたのは悲しかったが俺が逆の立場だったら同じコトをすると思うから」

怒ってない…京太郎は私に対して怒ってにない!それなら…あれも冗談だよね?

「なら助けてくれる?」

私は期待を込めてそう聞いた。彼はまだ私を見捨ててはいない。そう思えるだけで嬉しい。

「いや、助けないぞ」

「えっ?」

なんで?怒ってないなら助けてくれるんじゃないの?

「奪う事にしたから」

「奪う?」

何を言ってるのだろう…助ける代わりに奪う?意味が解らない。

「俺はもうネリーに選択権を与えない」

「それってどういう事なのかな?」

「考えたんだ。一人で背負い込んで今にも泣きそうな女の子がいるのに何もできないのかなって…そして気がついた。屑は屑の方法を相手に押し付ければいいかなって」

京太郎はそう言いながら顔を上げた。その目には決意と野心が浮かんでいた。

「ああ、俺はネリーを買おう。必要な金を全て俺が払おう。その代わりネリーは俺にその金を少しずつ返してくれ。返さなくてもべつに構わない。ただし一つだけルールがある」

「もう誰かの為にそこまで必死に頑張るな。泣きたい時に泣かないと人は壊れてしまう。おれは義姉さんにそう教わった」

「無理だよ…京太郎にそんなお金があるわけないよ」

私は彼が言った事を否定する。日本が幾ら裕福でもそれ程のお金を学生が持てるわけがない。

「ネリーはロト24って知ってるか?」

「100の数字の中から24回選ぶ宝くじだよね…絶対に当たらない」

彼が私に変な事を聞いてくる。同じロトでも6つの数字を当てるだけで遊んで暮らせるお金がもらえるのに24個の数字を当てて何世代も遊べるお金を狙うのか…私からしたら無駄でしかない。

「ならそれを全部当てた人間がいるのは知ってたか?」

「…知ってるよ。でもあまりにも金額が高いから秘密にされたんだよね?」

「そうだ。それでだネリー…もし俺がその当選者だと言ったらどうする?」

何を馬鹿な事を言ってるんだろう…そんな事はあり得ない。当選したのは何年も前のはずだ。

「むっ…信じてないな。通帳を見せてもいいんだが義姉さんにすら見せた事がないからな…昔話で勘弁してくれ。昔、ある少年がカピバラに願ったんだ。お金が欲しいと。その少年はお姉さん達にプレゼントがしたかった…お姉さん達から貰うお小遣いではなく自分で手に入れたお金で。カピバラは少年にこう言った。どれくらい欲しいんだと。少年なこう答えた。たくさん欲しいと…そして少年はカピバラから24の数字を聞いた。あとはわかるだろ。その数字がロトの数字だったんだよ」

嘘見たいな話を彼は黒歴史を語るように私に教えてくる。そんな事はあり得ない…カピバラがまず喋るわけがないんだ。

「仮にそれが本当だとしても京太郎が私にそうするメリットがないよ?」

至極まともな事を私は彼に尋ねた。彼にとって私は女友達ぐらいの勝ちしか無いはずだ。なのにあきらかにいまの説明は度を超えている。

「それは簡単だ。俺がしたいからするんだ。どうせ誰にも話せない事だしな…一人くらい共犯者がいてもいいだろ」

悪戯ッ子が浮かべそうな笑みを浮かべながら京太郎はわらっていた。

「私が裏切ったらどうするの?それに京太郎に必要以上にお金をせびったら?京太郎、何度も言うけどお金は…」

「俺は金よりもネリーの方が大事だ」

彼のその言葉に思考が止まる。
大事?何が?お金より私の方が大事なの?

「それにだ言っただろ、ネリーに選択権は無いんだ。俺はネリーに押し付ける。黙って従え。嫌なら一人で頑張れ。その代わり従う限り俺がネリーを救ってやる」

私は改めて気がついた。
この人に従わないといけないのだと。
ハオに教え込まれたあの日からこの日が来るのをずっと夢見てたのだと。
私は悪くない…悪いのは全部ご主人様(京太郎)なんだから。