日曜日

京太郎「ふわぁ…あれ…ああそういえば一緒に寝たんだったな」

京太郎「朝ごはんを作るか」

京太郎「起こすのも悪いし一人で作るか」

ガチャ…バタン…

カピー「パカパカ(ドッペルゲンガーがここまで成長したか…まあ、それも運命か。主の鋼の精神(笑)がどこまでもつか見ものだな。手を出したらロリコンとよんでやろう」

マホ「わふぅ…zzz」





京太郎「マホがパソコンで中学の友達と喋ってるからパソコンは使えないな」

カピー「パカパカ(どうした?」

京太郎「いや、なんかこう久しぶりだと思って」

カピー「パカパカ(私からしたらこのペースでいいんだがな」

京太郎「いや、この抽選券を手に入れてな」

カピー「パカパカ(ホームラン全く…デタラメだな」

京太郎「褒めるなよてれるじゃないか」

カピー「パカパカ(褒めてない」




カピー「パカパカ(結果だ」

カピー「パカパカ(また主にはいらないものばかりだな」

京太郎「でもまあ、もらえるだけいいだろ」

カピー「パカパカ(そうだな…麻雀の本はドッペルゲンガーにでも渡すといいぞ」

ーーーーーーー、

昼2

京太郎「どうしようか」

京太郎「出かけるか」

京太郎「バッティングセンターは疲れるからゴルフに来て見たが…なになに…網にぶち当てたら豪華商品だと。狙うしかないな」

京太郎「昔よんだ漫画の通りに打つと確か…チカラを抜いて笑顔を作って振り抜く」

カーーーーン…

京太郎「おう…凄く飛んだぞ」

バシュ…網に直撃

京太郎「あっ、当たった…」

店員「おめでとうございます。これが景品になります」







よる

京太郎「もしかしたらスポーツの才能があるのかもしれない…まさかな」

京太郎「マホに麻雀を教えるか」

マホ「よろしくお願いします!」ニコニコ

京太郎(そういえばアイテムを使えって言われてたな)

京太郎(どれを使おうか)

京太郎(これにしとくか)

マホ「それなんですか?」

京太郎「これは義姉さんが書いた麻雀の参考書だな」

マホ「参考書?」

京太郎「そうだ。理解すれば強くなるぞ」

マホ「ほ、ほんとうですか!」

京太郎「おう。わかり易くおしえてやるからな」







京太郎「ここでこれを切ると見えない圧力が下家にかかるから…」

マホ「あっ、だからこれを切る…す、凄いです!」

京太郎「いやまあ、マホもそのうち簡単にできるよ」

マホ「ほ、本当ですか?」

京太郎「嘘をついても仕方ないだろ」

マホ「が、頑張ります!」









マホ「あ、あの今日もいいですか?」

京太郎「また一緒に寝るのか?」

マホ「……」頷き

京太郎「……」

京太郎「別に構わないぞ」

マホ「やった!これからもいいですか?」

京太郎「まあしかたないからな」

マホ「ありがとう!京お兄ちゃん!」

ギュ…抱きつき

京太郎(夏場のパジャマだから生地がうすい…柔らかい…これ間違ったかもしれない)

京太郎(ゴルフで疲れたのかな…眠いや…z.zz)

マホ「…zzz」

カピー「パカパカ(寝顔はそっくりだな」










月曜日


京太郎「……眠い」

カピー「パカパカ(抽選券が手に入ったらくるんだな」

京太郎「…すまん」

カピー「パカパカ(ふん…まあいいがな」

カピー「パカパカ(特別抽選券…またややこしい物を手に入れたな」

京太郎「ゴルフで貰ったんだ」

カピー「パカパカ(常人は六番アイアンで250ヤードも飛ばせないと覚えておけ」

カピー「パカパカ(結果だ…またややこしいのを手に入れたな」

京太郎「愛欲の鎖ってなんだ?」

カピー「パカパカ(質問しにこい。今は答える気分じゃない」

京太郎「カピー…」

カピー「パカパカ(わかっている。ドッペルゲンガーの相手くらいしてやろう」

京太郎「すまんな」

ーーーーーーーーー


京太郎「どこで食べようか」

京太郎「さ、さみしくなんかないんだからな…次は部室で豊音と食べようかな」

ーーーーーーーー

放課後 部室

京太郎「どうしたものかな」

エイスリン「トックン!」

京太郎「今日は基礎をやってみるか」

エイスリン「うん!」






帰り道

京太郎「そういえばさ、俺の家に女の子が来たんだよ」

エイスリン「えっ?」

京太郎「義姉さん達の恩師の子なんだけどさ…」

エイスリン「そ、それで?」

京太郎「麻雀の基礎を教えないといけないんだ」

エイスリン「えっ?」

京太郎「健夜義姉さんが言ってたんだけどな基礎ができないとやばい事になるっぽいんだ…だからさ…力を貸してくれるか?」

エイスリン「麻雀を教えればいいのかな?」

京太郎「そうだ」

エイスリン「よ、良かった…それくらいなら大丈夫だよ」

京太郎「ありがとう、エイスリン。ところでさ」

エイスリン「ナニ?」

京太郎「日本語ペラペラなんだな」

エイスリン「あっ…」











京太郎「もうすぐ夏休みだな」









京太郎「智葉さんを誘ってみるか」

智葉「暇なのか?」








京太郎「勝った。たかみーさんは初手に字牌しか切ってないけど能力持ちなんだろうな。ウィスが着てるな」








京太郎「たかみーさんからだな」

たかみー「一位おめでとうございます」

京「ありがとうございます」

たかみー「あわあわが言ってた通り強い人ですね」

京「あわあわさんと知り合いなんですか?」

たかみー「ええ。貴方に負けた次の日は荒れてますから」

京「そうなんですか…なんかすいません」

たかみー「かまいませんよ。また良かったら打ってくれますか?」

京「此方こそお願いします」


ーーーーーーー

就寝前

京太郎「あれ、もう部屋に来てたのか?」風呂上がり

マホ「は、はい!」真っ赤

スッ…雑誌をベッドの下に隠す

マホ(ま、まさかあんな本があるなんて思わなかった!)

京太郎「とりあえずもう遅いし寝るか」

マホ「寝る?え、エッチなのはいけないと思います!」カァァ

京太郎「何言ってんだ?」

マホ「うわぁぁ…な、なんでもないです!」

マホ(お、落ち着いて私)

京太郎「…zzz」

マホ「……もう寝てしまったんですか?」

ツンツン…

京太郎「…っ…zzz」

マホ「男の人は溜まるってさっきの本に書いてたけど…何が溜まるんでしょう?それにマホの頭やお腹は熱いし…全部京お兄ちゃんのせいです」

ぎゅう…抱きつき

マホ「温かい…京お兄ちゃんはマホとあんな事したいのかな?…マホは別に…構わない…zzz」











京太郎「…なんで抱きつかれてるんだ?」

京太郎「とりあえず起こさないようにしてと…マホの昼ご飯も作っておかないとな」

ーーーーーー


京太郎「どうしようか」

京太郎「……zzz」

ーーーーーー

放課後 部室

京太郎「また寝てしまった」

胡桃「京太郎、全国の譜面をチェックするから手伝って貰っていいかな?」

京太郎「了解です」

胡桃「…この阿知賀の人、特徴的だね」

京太郎「染めてに寄ってる訳でもないですから、多分妹と一緒です赤い牌が来やすいんだと思うな」

胡桃「赤い牌…確かに中や赤ドラもきてるね」

京太郎「厄介な相手になりそうですね」


ーーーーー


帰り道

京太郎「なあ塞、頼みがあるんだけど…」

塞「待って当ててあげようか、その頼み」

京太郎「えっ?」

塞「京太郎の家に居る女の子に麻雀を教えてあげればいいんだよね?」

京太郎「そ、そうだけどなんで…ああ、エイスリンから聞いたな」

塞「うん。水臭いよ京太郎。私達仲間なんだから困った時は頼ってくれないと」

京太郎「ごめん…」

塞「皆知ってるからビシビシ教えられるよ」ニコニコ

京太郎「お、おう…」

京太郎(ある意味、マホにとったら地獄かもしれないな)


ーーーーー


京太郎「…昼間寝たからか身体が軽いな」

京太郎「アイテムはどうしようかな」

マホ「今日もよろしくお願いします!」

京太郎「今日は本無しで落ち着いて打つ練習だな」

マホ「はい!」

マホ「…ここ」

コトン…

京太郎(和の打ち方にそっくりだな)

マホ「こんな感じでいいですか?」

京太郎「ああ、最初の頃に比べて格段に良くなっなってきてる」

マホ「ほ、本当ですか!」

京太郎「嘘は言わないぞ」

マホ「やったー!」


ーーーーーーー

就寝前

ガチャ…

京太郎「さっさと寝る…あれ…」

マホ「えっ…?」手に妹物の秘蔵本

京太郎「な、なんでそれを…」

マホ「こ、これは違うんですー!!」真っ赤

五分後

リビング

京太郎「とりあえずあの…すいませんでした!」土下座

マホ「お、お兄ちゃんは悪くないです!」

京太郎「いやでも…あれは…」

マホ「それよりも聞きたい事があります」カァァ

京太郎「聞きたい事?」

マホ「お兄ちゃんはマホとあんな事がしたいんですか?」カァァ

京太郎「えっ?」

マホ「だからお兄ちゃんはマホとセックスがしたいのか聞いてるんです!」カァァ

京太郎「したい」

マホ「っ…!」カァァ

京太郎「って答えたらどうするんだ?」

マホ「えっ?」

京太郎「マホ、大事な事だから言っとく。男は皆、等しく狼だ」

マホ「京お兄ちゃんも?」

京太郎「そうだ」

マホ「それじゃあ…マホの事を…」

京太郎「それはしない」

マホ「マホに魅力がないからですか?」

京太郎「…マホは魅力的な女性だ。でも俺はマホを養う金も権力もないただの学生だ」

マホ「えっと…どういう事?」

京太郎「もし俺がここでマホを抱いて妊娠したらどうする」

マホ「妊娠?」

京太郎「そう妊娠だ。中学生の出産なんて世間は認めないし、俺やマホがその子を自分の手で養っていくには若すぎる」

マホ「その通りです…でもマホはお兄ちゃんとなら…」

京太郎「二年後だ。二年後、俺が18でマホが16になる時にマホがその気持ちのままならもう一度話し合うべきだ」

マホ「でもお兄ちゃんが他の人と交際してたら?」

京太郎「…諦めろ」

マホ「そんなのってないです!」

京太郎「そうだマホが好きな俺はただのクズなんだ…」

マホ「うわぁぁぁああん」泣き出して

京太郎「ごめんなマホ」

マホ「……zzz」泣きつかれて眠り

京太郎「ごめんな、マホ」

パタパタ…足音

カピー「パカパカ(酷な断り方をするな」

京太郎「…マホは岩手に来て俺しか頼れないから錯覚してるだけだ」

カピー「パカパカ(それでももう少しまともな断り方があっただろう」

京太郎「そうか?」

カピー「パカパカ(ああ…人の好意には相変わらず弱いな」

京太郎「そうかもしれないな」下を向いて

カピー「パカパカ(ふん…まあいい。義姉の部屋にさっさとその小娘を運べ。私が面倒を見ておいてやる」

京太郎「助かる」

カピー「パカパカ(これは貸しだ。まったく、主は世話がやける」

京太郎「カピーには頼りっぱなしだな」

ーーーーーーー

良子部屋

カピー「パカパカ(この娘も難儀だ。主に薬を盛られるかさっき以外の道なら今ごろ抱かれていたのにな…運命とは皮肉だな」

マホ「お兄ちゃん…zz」

カピー「パカパカ(仕方ない…縁を結んだあやつのためにも少しだけ力を貸してやるか」

カピー「パカパカ(夢見でいいか…面倒だからな。惚れた男の過去だ知っておいてそんはないだろ。あの賢母も知って居る事だしな…いや、ならもう一つ奥を観せておくか。今週末長野に魔王や満月に出会いそれを糧にさせるか…」

ビン…

マホ「っ…」











京太郎「……はぁ…」溜め息

京太郎「カピー、マホは…」

カピー「パカパカ(安心しろ爆睡してる。あれは昼過ぎまで起きないぞ」

京太郎「そ、そうなのか」

カピー「パカパカ(つまらん事を聞くなよ。あの小娘の事とか特にだ。振ったのに相手に幻想を魅せるな。それは正真正銘のクズだ。主の行動は間違いでは無かったが最善でもなかった。それが全てだ。それでなにが聞きたい?」

京太郎「ならあの鎖についてきかしてくれ」

カピー「パカパカ(あれは一種の増強剤だ」

京太郎「どういう意味だ」

カピー「パカパカ(そのままの意味だ。対象にした相手のある感情を爆発的に増加させ繋ぎとめる。ただそれだけの事だ」

京太郎「それは悪意とかの類いなのか?」

カピー「そうと言えばそうだが害は無い。使用者以外はな」

京太郎「対象者じゃなくて使用者に害があるのか?」

カピー「パカパカ(好きでも無い牝犬が発情してたら困るだろ?」

京太郎「笑えない冗談だな」

カピー「パカパカ(冗談に聞こえるなら冗談なんだろう。知らない方がしあわせな事もあるからな」

830 名前: ◆qV6dwdDny6[saga] 投稿日:2013/12/24(火) 05:29:23.86 ID:UuXEvxUVO [1/39]





京太郎「どうしたものかな」

部室

豊音「元気ないね」

京太郎「そう見えるか?」

豊音「うん。顔が暗いもん」

京太郎「そうか…」

豊音「噂の女の子の事かな?」

京太郎「そんなところ…自分の不器用さに呆れてただけだ」

豊音「…京太郎は優しすぎるからね。流されたらラクなのに立ち止まる覚悟がある」

京太郎「俺だって流され易いぞ」

豊音「うんうん、それはないよ。結局、覚悟を決めて行動してるよ。だからその女の子の事もそうした結果なんだと思う」

京太郎「……」

豊音「その子もきっと気付いてくれるよ。京太郎が伝えたかった事」









放課後 部室

京太郎「なにをしようか」

シロ「元気ないね」

京太郎「…すまん」

シロ「別にいい。ただちゃんと教えてね」

京太郎「おう、まかせろ」






ーーーーーーーー

帰り道

胡桃「……」

京太郎「……」

スタスタ…

京太郎「何も聞かないんですか?」

胡桃「うん。話してくれないでしょ」

京太郎「すいません」

胡桃「いいよ、別に。慣れてるから」

京太郎「慣れてる?」

胡桃「結婚式の時も両親に挨拶に行く時もそんな風だったからね」

京太郎「結婚式?」

胡桃「な、なんでもないよ!」

京太郎「でも…」

胡桃「は、早く帰ろうよ!」

ぎゅ…手を握って走り

京太郎「ちょっ、待ってください」







京太郎「……」


京太郎「ハオにメールしてみるか」

From 慧宇
なにかあったんですか?

京太郎「文面でばれたのか?…大丈夫、特に何もなかったぞ」

From 慧宇

それだったらいいんですが…何かあったら言ってくださいね。

京太郎「ああ、そうさしてもらうよと……周りの女性は勘がよすぎないか?」

ーーーーーー

慧宇「やはり岩手に行くべきなんでしょうか?」







就寝前

京太郎「義姉さんの部屋で寝たみたいだな…カピーも居るし大丈夫だろ」










木曜日


京太郎「…どうしようか」

京太郎「お弁当を作るか…マホにもお昼じゃなくてお弁当にしとくか。気分転換になるだろうしな」

ーーーーーーーーーー


京太郎「どうしようかな」

京太郎「熱い……間違ったな」

ーーーーーーーーーー

放課後 部室

京太郎「どうしたものか」

京太郎「今日はオカルトの
強化だな」

塞「うん。豊音や京太郎と比べると能力の競り合いになったら若干だけこっちが弱い気がするから」

京太郎「そんな気はしないんだどな…」

塞「私はするの」

京太郎「わかった…まあ、教えられる事は教えるよ」









帰り道

胡桃「……まだなにもしてないみたいだね」

京太郎「ああ…なんかこうどうすればいいのか解らない」

胡桃「方法は思いついてるの?」

京太郎「いや全く…」

胡桃「なら待つしかないよ」

京太郎「待つ?」

胡桃「うん。何も思いつかないなら相手の行動を待つしかない」

京太郎「…それしかないのか」

胡桃「うん。押してダメなら引くしかないよ」










京太郎「待つのか…」

カピー「パカパカ(落ち込んでいるな」

京太郎「カピーか…マホは?」

カピー「パカパカ(明日の準備で忙しいみたいだぞ。それに主も明後日には北海道だ」

京太郎「何がいいたい?」

カピー「パカパカ(何も。ただ主も人になり始めたと思ってな」

京太郎「俺は元々人だぞ」

カピー「パカパカ(そうだったな」

京太郎「胡桃とイチャイチャしたい」

カピー「パカパカ(はっ?」

京太郎「だからイチャイチャ…」

カピー「パカパカ(いやだからそんな願いじゃなくてもっとこう、具体的なのをな」

京太郎「じゃあなんだったらいいんだ」

カピー「パカパカ(知るか、考えろ。抱きたいでもなんでもいいだろ」

京太郎「いや、お願いで抱きたいはないだろ。そうだな…でもまあ、そうだな…繋がりをくれ」

カピー「パカパカ(いやいや、そっちの方がよっぽど…」

京太郎「カピーが言えって言ったんだろうが!」カァァ

カピー「パカパカ(……ふん、男が考える事は女よりメルヘンだから困る。まあいい二個分だ、その一個先にしてやろう。開ける事が無いはずのパンドラの箱だ。開けてみようじゃないか」ゴゴゴゴゴ…

京太郎「な、なんでそんなに張り切ってるんだろう」

カピー「パカパカ(こんな楽しい事、頼まれないとできないからな」

バン…












マホ「…マホはどうしたらいいんでしょう?」

ーーーーーーーーーーー


京太郎「…何があったんだ」

京太郎「…朝御飯だな。終業式だからお弁当がいらないしな」

京太郎「いってきます」

ガチャ…バタン…

スッ…

マホ「行きましたか?…これでいいのです」ポロポロ

カピー「パカパカ(ふん…不器用だな」

マホ「それじゃあね、カピー。また会えたらよろしくね」

カピー「パカパカ(月曜日には会えるだろ」

マホ「やっぱり何か喋ってるのかな?」








京太郎「終わった…明日から北海道旅行だからなどうしようか」

京太郎「部活に顔を出してからにするか」

ガチャ…

京太郎「こんにちは」

塞「あれ京太郎、今日きたんだ」

豊音「これで四人だよ!」

エイスリン「ソウダネ」

京太郎「シロと胡桃は?」

塞「シロも胡桃も用事だって」

京太郎「そうなのか」

京太郎「明日から夏休みだな」

豊音「うん…インターハイまでもうすぐだよ」

京太郎「そうだな」

豊音「祭りだよ。皆で楽しまないとね」

京太郎「楽しんで勝つ」

豊音「うん、私達が男女最強だよ」ニコニコ











帰り道 繁華街

京太郎「明日は空港集合だったよな」

白望「うん」

京太郎「あれ、用事だったんじゃないのか?」

白望「買い物してた」

京太郎「ああ、まだあるのか?」

白望「もう終わった」

京太郎「そうか」

白望「楽しみにしてるから」

京太郎「明日か?」

白望「うん。二人だけだから」

京太郎「…待て、それを言うとなんか恥ずかしいぞ」カァァ

白望「わざと…だるい…」

ギュ…おんぶ

京太郎「あーもう、なんかずるいぞ」

白望「気のせい。」










京太郎「…ふぅ、やっと準備が終わった」







京太郎「モモを久しぶりに誘ってみるか」

桃子「久しぶりに誘われたっすよ!」









京太郎「みほこさんに負けた…てかこれ、美穂子じゃないのか?モモからスカイがきてるな」

桃子「残念だったっすね」

京太郎「ああ、モブさんを操られたな」

桃子「そうっすね。見事に試合をコントロールされたっす」

京太郎「だが次は勝つ」

桃子「私が勝つっすよ」

京太郎「ああ、モモ。遅れたが個人戦出場おめでとう」

桃子「ありがとう…京太郎も岩手一位おめでとうっす」

京太郎「ありがとうな。東京で会えるな」

桃子「そうっすね。その時にまたご飯でも行くっす!」

京太郎「それもありだな」











菫「なんだまた来たのか?」

カピー「パカパカ(来てやったの間違いだろ!私は暇人じゃないんだぞ」ジタバタ

菫「まてまて、今日は和菓子があるぞ」ゴソゴソ

カピー「パカパカ(わ、和菓子……仕方ない待ってやろうではないか」

菫「ほらあった。それにしてもお前は何処からここに来たんだ?」

パク…もぐもぐ

カピー「パカパカ(私に不可能はない!」ポロポロ

菫「こら、口にいれすぎだ馬鹿者」

カピー「パカパカ(す、すまない…」ショボーン

菫「しょぼくれるなら最初からゆっくり食べればいい」

ナデナデ

カピー「パカパカ(和菓子が悪い」

菫「…今、どうせ和菓子が悪いとかおもったんだろ」

カピー「パカパカ(なぜばれた」

菫「カピバラがそんな事を思わないか。まあ、ゆっくり食べろよ。私は宿題をしてくるからな」

カピー「パカパカ(頑張ってこい。私はそろそろ帰るからな」

菫「明日はシュークリームだからな」

カピー「パカパカ(よし明日、願い事を叶えてやろう」










サイドストーリー 夢乃マホの合宿

マホ「久しぶりです!」

優希「久しぶりにムロマホコンビを見たジェ」

和「お久しぶりですね」

マホ「今日は呼んでくれてありがとうございます!」

ムロ「さっきまであんなに落ち込んでたのに…もう立ち直ってるよ」

優希「落ち込んでた?」

ムロ「はい、岩手で何かあったみたいなんですよ」

咲「岩手?」

和「なんでマホが岩手に行ってたんですか?」

ムロ「それは…家庭の事情とだけ聞いてるんですが」

マホ「あぅ…それは言えないんです」

優希「なら岩手で何があったか話すんだじぇ」

マホ「振られたんです…」

和「えっ?」

マホ「告白して振られたんです、マホ…」

一同「えっ、ええええ!!」

和「つまり合宿先のお兄さんに告白したら断られて、挙句にいま言った事を言われたんですか?」

マホ「はい…」ショボーン

優希「どうしようもない奴だな、そいつは」

ムロ「最低な人だな」

久「最低って人より大人よね」小声

まこ「そうじゃの…立派な大人じゃ」小声

咲(なんでだろう…京ちゃんが思い付く)

和「……その人は須賀京太郎って人ですか?」

マホ「えっ、なんでそれを…」

和「やっぱり…」

咲「京ちゃんだったんだ」

和「私は須賀君が間違ったと思いません」

マホ「えっ?」

ムロ「な、なんでですか!」

和「それは私の口から言っても意味がないです。マホが気付かないと意味がない…じゃないと須賀君が可哀想です」

マホ「あぅ…」

優希「のどちゃんは手厳しいんだじぇ」

和「私が言えるのは考えなさいって事だけです」

マホ「わ、わかったのです…」

和「それじゃあ、打ちましょうか。それが目的ですから」

マホ「は、はい!」








東一局

一同「よろしくお願いします!」

ムロ「久々にマホのタコスぢからがみられるね」

マホ(タコスの味…懐かしいです。ですが今のマホは姫君なんです!)ゴゴゴゴゴ…

咲「ひっ!」

妲己発動!

マホ「ツモ、16000オールです」

咲(東初に高打点…優希ちゃんに似てるけど何か違うような)

東一局一本場

マホ(次は…妖怪)

月光発動!

ムロ「ムッ…」

和「立直」

マホ「追っかけるよー、立直」

和「……」

コトン

マホ「ロン、4200です」

東一局二本場

マホ「…もしかして宮永先輩が待ってるのって白ですか?」

咲「えっ?」

マホ「マホ、嶺上でツモれる気がします。カン!」

ギュン…ボッ…

マホ「嶺上開花ツモドラ6…8200オールです」

咲「えっ?」

マホ「マホの勝ちです」

マホ「マホが勝ったのです!」

久「聞いてたとの違うわね」小声

まこ「ああ…これは魔物じゃ」小声

優希「マホが強くなったな!」

ムロ「長野の県大会が終わってから急にレパートリーが増えたんです」

マホ「♪~」

咲「…」ブルブル

久「でもそれは好都合よ。全国に行く前に魔物クラスと打てるんですから」

和「次は負けません」

マホ「マホだって頑張ります!」










マホ「あぅ……」真っ白に燃え尽きており

久「19局で燃え尽きたわね」

和「そこから後はチョンボとまではいきませんがミスが目立ちましたね」

咲「健夜さんや良子さんの能力もあったよ…」

優希「マホがこんなに成長するなんて思ってもみなかったじぇ」

まこ「そうじゃの…二試合は凌げる能力ばかりじゃったし…何よりどれも強力なのがタチが悪い」

久「その度に最善を引いてるみたいだし将来が楽しみね」

和「はい…私達も負けてられません」

優希「そうだじぇ、マホに負ける訳にはいかないんだじぇ」

咲「わ、私だって負けないよ!」

久「特訓頑張らないとね」


















早朝

京太郎「よし、空港に向かうか」

朝 空港

京太郎「あれシロが先に居る」

白望「ダルい」

京太郎「もしかして始発できたのか?」

白望「うん」

京太郎「な、何があったんだ」

白望「寝れなかったから電車で寝てた」

京太郎「……おんぶしてやる」

白望「ありがとう…」

ギュ…

白望「ダルくない…」








昼 札幌

京太郎「先にチェックインをすますか?」

白望「どっちでもいい」

京太郎「こっちは比較的に涼しいしな。どうしようかな」

京太郎「先にチェックインをすますか」

白望「うん」

ーーーーーーー

白望「ここ」

京太郎「……どうやったんだ?」

白望「悩んで福引で当てた」

京太郎「な、なんだって…」

白望「一番良い部屋だよ」

京太郎「えっ…別々部屋なんじゃ」

白望「違う」

京太郎「まさか最初から…」

白望「ダルい…」









ホテル最上階

白望「広い」

京太郎「ベッドが一つしかないんだが」

白望「問題ない」

京太郎「いや、俺からしたら…」

白望「問題ない」

京太郎「……今回だけだぞ」

白望「うん」

京太郎「それでどうする?何処で飯を食べる?」

白望「…」

白望「外」

京太郎「ホテルじゃないんだな」

白望「うん…せっかくだから」

京太郎「その代わりおんぶで移動なのか?」

白望「……手でいい」

ギュ…

白望「悪くない」ニコ

京太郎(やばい、シロが可愛い)

白望「それじゃあ行こうか」

京太郎「お、おう」

スタスタ

白望「ジンギスカン」

京太郎「えっ?」

白望「あそこ」指をさして

京太郎「ジンギスカンを食べるのか?ランチもやってるみたいだが」

白望「うん」

京太郎「…歩き疲れたんだろ?」

白望「それもある」

京太郎「はぁ…まあ、いいか」

白望「美味しいから大丈夫」

京太郎「行った事があるのか?」

白望「二回だけ」

京太郎「北海道に結構行ってるんだな」

白望「…まあね」

白望(家族としかきた事がない…)

京太郎「それなら味も期待できるな」

白望「…ダルい」

京太郎「結構量があるんだな」

白望「うん」

ジュウ…

京太郎「俺が焼かなくていいのか?」

白望「大丈夫」

ジュウ…ジュウ…スッ…皿によそい

京太郎「あ、ありがとう」

白望「食べないの?」

京太郎「いや、シロにこんな事してもらえるなんて思わなかったから」

白望「いつものお礼。世話してもらってるから」ニコ

京太郎「おっ、そ、そうか」カァァ

白望(……想定通り)



昼2.

京太郎「飯も食べたしどうする?」

白望「……」

白望「観光しよう」

京太郎「…ホテルに戻るって言うと思った」

ギュ…

白望「そんな事言わない」

白望(一瞬迷ったけど)

京太郎「何を見にいく?時計台や動物園とかもあるしな」

白望「何処でもいい」

京太郎「……」

京太郎「動物園に行くか」

白望「旭山?」

京太郎「いや近くに円山動物園ってのがあるらしい」

白望「……行くの?」顔をすこし歪めて

京太郎「嫌だったか?」

白望「うんうん…ただ、嫌な予感がしただけ」

京太郎「嫌な予感?」

白望「気のせいだった…行こう」

京太郎「お、おう」

白望(……会うはずがない。あの女なんかに)

ーーーーーーーー

動物園

京太郎「世界の熊館にフクロウ…どれから行く?」

白望「どれでもいい」ぐだぁ

京太郎「はは…おんぶするよ、シロ」

白望「別に…」

京太郎「はいはい、疲れてるんだろ」

ギュ…

白望「…ありがとう」

京太郎「凄え、まじでいろんなクマがいる」

白望「野生を感じない」

京太郎「なんだそれ。野生のクマがこんな所にいたら問題だろ」

白望「そうだね…戦ったら勝てる?」

京太郎「…素手なら無理だな」

白望「…ナイフがあるなら?」

京太郎「よく解ったな。三割は増えるな」

白望「戦う前に逃げる」

京太郎「それが最優先だな。でも誰かを護るなら勝つさ…なんてな」

白望「京太郎なら大丈夫」

京太郎「買いかぶりすぎだぞ」ワハハ

白望(豊音の村に行った時に倒してた……ナイフ三本で……死にかけてたけど)









夕方

京太郎「動物園はたまにくると楽しいな」

白望「そうだね」おんぶされており

京太郎「晩飯にはまだはやいしな。どうする?」

白望「……」

白望「これがある」野球のチケット

京太郎「野球観るのか」

白望「動かなくていいから」

京太郎「…なんとなくわかった」


札幌ドーム


京太郎「今から始球式みたいだな」

白望「うん」

解説「今日、始球式をしてくださるのは女子麻雀トッププロの一人、
野依理沙さんです!」

観客「わぁぁぁぁあ!」

京太郎「はっ?」

理沙「頑張る!」ピッチャーマウンドに立っており

白望「ダルい…」

京太郎「な、な、なんでいるんだ」

理沙「ふん!」

ひゅー……バシ…

京太郎「ど真ん中に投げれてる」

理沙「ふん!」

ヒュッ…バシ

白望「スピードが上がってる」

理沙「最後!」ぷんすか

シュン…バシュ…

審判「ストラーイク、バッター、アウト!」

理沙「やった!」

京太郎「……意外な特技だ」

白望「そうだね」

京太郎(後でメールしとこう)










楽天の勝ち

京太郎「完封か…さすがだな田中投手」

白望「……zzz 」

京太郎「つまらなくなって寝たな」

白望「京太郎…zzz」

京太郎「はぁ…ホテルに戻るか」おんぶして

ーーーーーーー

ホテル
部屋

京太郎「ほらついたぞ、シロ」

ボフ…ベッドの上にシロを降ろす

白望「眠い…」うとうと

京太郎「いやいや、とりあえず靴を脱げ」

白望「脱がして貴方…」

京太郎「貴方って、寝ぼけすぎだろ」靴を脱がす

白望「…みんなはどうしたの?」うとうと

京太郎「皆って俺とシロしかいないぞ」

白望「娘達は……zzz」

京太郎「娘ってなんだ…てか、おいシャワーを浴びろよ」

ゆさゆさ

白望「…zzz」

京太郎「駄目か…先にシャワー…いや、飯を確保してくるか」

白望「…京太郎…zzz」

京太郎「?」

白望「今年も……お墓参り……zzz」

京太郎「えっ?」

白望「二人で……zzz」

京太郎「なにを言ってるんだ?」

白望「…うん……愛してるよ……zzz」ニコ


京太郎「っ!……落ち着け…外の空気を吸ってくるか」









ホテル 外

京太郎「あれキグルミが風船を売ってるだと…」

バク「いらっしゃい…おや、迷い込んだみたいですね」

京太郎「迷い込んだ?」

バク「……気にしなくていいですよ。それでここで会ったのも何かの縁だ。一つ幸運を買わないかい?」

京太郎「幸運をですか?」

バク「ああ、この風船には幸運が詰まってる。にいちゃんが対価を払ってくれた分だけ私は幸運をにいちゃんに売ろうじゃないか」

京太郎「対価…広島の人と同じか」

バク「広島?侑子さんと縁があるのかい?」

京太郎「いや、店主にってよりカピーが…」

パク「カピー…まさかにいちゃんあの方の主か!」

京太郎「あの方がカピーならそうです」

パク「かぁ…奇縁だ。にいちゃん、あんたに要求する対価は一つだ。あんたの夢をくれないか?」

京太郎「夢?」

バク「ああ、あんたの視る夢を悪夢をくれ。そうしたら最高の幸運をあんたにやろう」

京太郎「悪夢で幸運が貰えるんですか?」

バク「ああ」

京太郎「……」

京太郎「すいませんがお断りします」

バク「…そうかい残念だ。にいちゃんの夢はさぞ美味かっただろうな」にたぁ

京太郎「悪夢だろうが夢は大切ですから」

バク「流石はあの方の主だ…なら一つこれをやろう。にいちゃんとの縁は大切にしたいからか」風船を一つ渡し

京太郎「これは?」

バク「他人の夢を視る夢が詰まってる」

京太郎「なんですかそれ?」

バク「まあ、そろそろ時間が迫ってるし持っていたら解るさ」

京太郎「えっ?」瞬きをして

バチん…

京太郎「居ない…でも風船はあるんだな」










夜2

ホテル 部屋

ガチャ…

京太郎「起きてるかシロー」

白望「…zzz」

京太郎「寝てるな…もうとりあえずおにぎりとか買ってきたんだけどな。まあ、シャワーを浴びて寝るか」

ーーーーーーー

就寝前

京太郎「…この風船は意味があるんだろうか?」







入学式

男「そんなに硬くならなくていいだろ」

少女「か、硬くなってない」

男「安心しろ母さんはきちんと来るぞ」

少女「…本当?」

男「ああ。来るって言ってたからな」

少女「でも大切な試合があるんじゃないの?」

男「はは、娘の入学式より大事な事なんてない。」

わしゃわしゃ…

少女「でもお母さん…一緒に来てくれなかったよ?」ウルウル

男「母さんを信じろ。家族の中で一番しっかりしてるだろ」

少女「うん…そうだね」

男「だろ」

少女「でも胡桃お母さんもしっかりしてるよ」

男「おう…」

少女「エイスリンお母さんだってしっかりしてる…」

男「そ、それでも母さんはしっかりしてるだろ」

娘「…そうだね。お父さんを独占できるからいいけど」

ギュ…

男「ああ娘は可愛いな」

女「楽しそうだな?」

男「おっ、来たか」

娘「お母さん!」

ダッ…ギュ…抱きつき

女「待たせたな」

なでなで

少女「うん、私待ってたよ」ニコニコ

男「それじゃあ行こうか」

女「ああ、京太郎もすまなかっな」

男「いや智葉が…」

バチん……

京太郎「はっ…あの夢ってまじなのか?…あれでも風船が割れてる」

白望「……zzz」

京太郎「もう一回寝よう」

ーーーーーー

智葉「な、なんだったんだ今の夢は?」











早朝

??「……」

白望「……朝?」

京太郎「……zzz」ソファーで寝ており

白望「…野球で寝たのか。失敗した」

クンクン…体の匂いをかいで

白望「シャワー浴びないと…」ノソノソ




「寒い…」

クーラーの風が体を冷やしていく。下着姿のままで服を取りにきたが京太郎はまだ寝たままだ。
??荷物に向けていた身体を京太郎の方に向けて歩き出す。

「…すぅ…すぅ」

?何度も見た事があるはずの寝顔を彼はしていた。中腰になりながながら彼の顔に頭を近づける。

(なんでこんなに好きなんだろう)

ゆっくりと顔を近づけながら私はそう思った。

初めて出会ったのがGWの時。公園で彼と初めて出会った時の印象は今も覚えている。その印象の通りに彼は優しかったし豊音達とも仲良くしていた。

もう会う事もないと思っていた。だけど二週間後に彼は転校してきた。嬉しかったし柄にも無く運命かもしれないと思った自分が恥ずかしい。

「三回結婚したから?」

一回目は宮守の皆と。二回目は12人と。三回目でようやく一人で結婚ができた。夢の様な記憶に想いを馳せる度に考える。

なぜ、記憶が存在するのだろうか。

当たり前の様に受け入れてる事だがどう考えてもおかしい。例えるならTVの内容を覚えている感覚に近い。結婚して、子供が産まれて…人生の中でこれから経験して行く事を私は記憶している。それが嫌だとは思わないし、気持ち悪いと思った事もない。

ただ寂しく思う。

誰よりも共有したい人が忘れている。
誰よりも話をしたい人が知らないでいる。
一方通行の片思いが嫌なんじゃない。
私はただ寂しい。
愛してると言ったあの言葉も。
娘達が産まれたあの瞬間も。
最後を迎えたあの日の事も。

全てが嘘だったと思ってしまう自分がいる。

「京太郎…寂しい」

目から涙が流れる。頬を伝い覗き込んでいた彼の顔に落ちる。




「泣いてるのか?」

どうやら彼を起こしてしまったみたいだ。涙を手で拭う。

「うんうん…髪が乾いてないだけ」

彼にこの感情をぶつける訳にはいかない。ぶつけたら彼は多分、信じてくれる。そして私を受け入れてくれるだろう。だけどそれはただのエゴ。誰も幸せに慣れない。

「…嘘だな」

「えっ?」

彼の言葉に反応してしまう。彼は完全に目覚めていた。

「寂しそうに視える。何があったシロ」

彼はそう言って私の頬を右手で触る。暖かい手だ。お日様の様に暖かく安心を与えてくれる。

「なんでもない」

何時もの様に振る舞い誤魔化す。

「…俺のせいか?」

「違う!」

条件反射でわたしはそれを声を荒げて否定してしまう。

「やっぱりそうなのか」

身体を起こして彼と私は向かい合った。

「俺には話せない事なのか?」

彼の問いに答える事ができない。今、口を開けば何を喋り出すか解らない。

「答えてくれシロ」

話す訳にはいかない。話したら私は京太郎を…

「娘ってのに関係してる事なのか?」

「思い出したの?」

身体が震える。思い出していたのなら…

「やっぱりか…シロ、未来の記憶があるんだな」

「っ!」

思わず黙る。彼は私をカマにかけたのだ。

「そしてその記憶の俺と今の俺とは違うんだな」

答えられない。彼が知らないからこそ真実を突きつけてくる。

「並行世界の記憶…カピーの専門分野みたいな事なんだがな」

頭をかきながら彼はわたしから目を逸らさない

「結論から言おう…シロは記憶があるから苦しいんだな?どんな記憶かは知らない。多分俺と居てくれるって事は幸せだったんだろう。だから俺は聞かないといけない」

やめて…それ以上言ったら私は答えられなくなる。

「シロは俺にどうして欲しいんだ?」


「私は…」

何を言って良いかが解らない。愛して欲しいと言えば望んだ通りになるのに私はその言葉が言えなかった。

「…」

彼は黙ったまま私を見ている。その表情からは何も読み取れない。

「私は京太郎に……」

喉元まで出かかっている。あと一言を言えばいいのに…

「…シロ」

「はい」

彼が言葉を紡ぐ。何を言われるか解らない。記憶の中の彼と現実の彼とを重ね合わせていた事を責めてくるのだろうか?それとも…

「記憶の中の俺はどんな奴だった?」

想像していた斜め上をいく質問だった。故に…

「変わらない」

即答してしまう。

「成長してないって事か?」

苦笑いを浮かべる彼は私にそう聞いてくる。

「違う…優しくて暖かくて…いつも私を支えてくれた」

頬が熱くなる。思えばあまり彼にこんな事を言った覚えがない。信頼してるといえば聞こえはいいが言葉にしないと人は分かり合えないとエイスリンと話していて私は知っていた筈なのに。

「そ、そうか…そう聞くと何か照れるな」

頬をかきながら彼は笑顔になっていた。

「……よし、覚悟を決めるか」

彼はそう言って立ち上がり私を見下ろす。今更ながら身長は彼の方が随分と高い。

「何をするの?」

彼の行動の意味が解らない私はそう聴くしかなかった。

「一回だ。一回しか言わないからな」

「う、うん」

「俺は小瀬川白望の事が好きだ」

「えっ?」

思考が止まる。京太郎の言った言葉が頭でハウリングする。好きだって言われた。三回目の時と同じように。

「記憶の俺よりも俺はシロを幸せにできる自信無い。ただ…シロに寂しい思いはさせない」

胸が熱くなる。私の中で何かが溶けていく。

「だから俺と付き合ってください。あったか解らない幻想よりも俺をみてください。俺は今のシロが好きなんだ」

「私でいいの?」

頭の中で3つの記憶が蘇る。皆で京太郎のお嫁さんになった時の記憶、私だけがお嫁さんの記憶。幸せだったが何処かで思っていた。私だけを見て欲しいと。

「シロじゃないと駄目なんだ」

その記憶が消えていく。正確には溶けていく。あった筈の記憶が私の中に戻っていく。

「信じるよ?」

お互いの距離が縮まっていく。

「信じろ。嘘は言わない」

京太郎を抱きしめて上をむく。

「私も好きだよ、京太郎」
初めてのキスは涙の味がした。

END