《一つの影法師》


俺の彼女、野依理沙はスキンシップが好きだ。
口下手というのもあるからなのか、くっついたり、触りあったりというのが多い。
まぁ初めての彼女だから普通なんて知らないし、もしかしたらこれが普通なのかもしれないが……

もちろん嬉しいのだが弊害もある。

一つは、ちょっと興奮してしまうことだ。
理沙さんはスレンダーだが胸が無いというわけではない。限りなく無いに近いけど……
というか好きな人と密着してるという状況が欲を掻き立てる。

もう一つが―――


京太郎「熱い……」

理沙「!?」

京太郎「あ、いや、その……」

理沙「…………」スッ


京太郎(言っちまった……いやいや確かに熱いけど、嬉しいんだよな……)

京太郎(でもなんかこれ言ったらがっついてるように思われるかな。うーん……)

京太郎「あ、これ理沙さんに似合いそう。ほら」

理沙「」ウズウズ

京太郎「理沙さん?」

理沙「!」ハッ

理沙「い、いらない!」

京太郎(可愛いネックレスなんだけどなー)

京太郎(というかもしかしてくっつくのめっちゃ我慢してる?)

京太郎(理沙さんならあるな。黙って我慢しちゃうタイプだからな)

京太郎(……よし)

京太郎「理沙さん、散歩しよう。最近近くの川沿いにクレープ屋が来るんだけど、評判いいらしい」

理沙「行く!」

京太郎(よしよし、やっぱ理沙さんも女の子だもんな。美味しいクレープという魔力には勝てまい)フッフッフ



京太郎「お、いけるじゃん」

理沙「美味しい!」

京太郎「生クリームがくどくなくてペロッと食べれるな。こっちの味も食べてみる?」

理沙「……」コクリ

京太郎「ほい、あーん」

理沙「パク……こっちもいい!」

京太郎(やっぱ理沙さんの笑顔はいいなぁ)

理沙「京太郎!」アーン

京太郎「あーん……んー!ベリーの爽かな酸味がマッチしてる!」

理沙「! ついてる」フキフキ

京太郎「むぐ……ありがとう」

京太郎「そろそろ帰ろっか」

理沙「」コクリ

京太郎「はい」スッ

理沙「!?」

京太郎「腕組もうぜ」ニコ

理沙「」アセアセ

京太郎「確かにちょっと熱いけど……それ以上に嬉しいから」

京太郎「なんて」ボソ

理沙「……」オソルオソル

 ギュー

京太郎「見て」

理沙「?」

京太郎「影、一つになってる」

京太郎「結婚したけどさ、まだまだお互い知らないことってあると思うんだ」

京太郎「だからこれから先もこうやって寄り添って知っていけたらなって思う」

理沙「……離さない」ギュー

京太郎「俺も」ギュー

京太郎「あ、そういや理沙にプレゼント買ったんだ」

理沙「!! 何を?」

京太郎「帰ってからのお楽しみってことで」

理沙「けち!」

理沙「……!」コチョコチョコチョ

京太郎「あはははははは! ちょ!それやめ、あははははははは!!」


カン!