「はぁ…はぁ…」

森の中を1人の少年が走る。
時折を後ろを見ながら走り、躓いたりしながらも必死に足を動かした。
目的地まで後少しなのだ、ここを抜ければ―――

「まじかよ!!」

そんな少年の願い虚しく後ろから少年を執拗に追いかけていた生物は少年へと火炎液を放った。
少年は慌てて背中に背負っていた゛大剣 ″を構え盾にすると火炎液を受け止めた。
大剣についた火炎液は勢い良く爆発し少年を吹き飛ばした。

「っぁ!?」

少年は勢いのまま森から抜け地面の上を何度も何度も転がる。

「いってぇ~」

ある程度転がると勢いが弱り止った。
少年は痛みを抑えながらなんとか立ち上がる。

「げぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ」

ふらふらと立ち上がると森の中から奇声を上げながら大きな生物が飛び出してきた。
その生物は180cmある少年よりも大きく硬そうなピンク色の鱗を身に纏っていた。
顔には大きな黄色の嘴があり顔の周りには襟巻きがついている。

「ぐぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

その生物が少年を見つけると大きな両翼の翼を広げ大きな声をあげた。
生物の名前は怪鳥「イャンクック」鳥竜種に属する大型のモンスターで別名「大怪鳥」とも呼ばれる飛竜種だ。
飛竜種といっても他より弱く、゛ハンター ″になった際初めて狩るであろう飛竜種な為、イャンクック先生とも呼ばれている。

「…弱くねーじゃん」

酒場の先輩達に聞いてたイャンクックは1人でも倒せるぐらい弱いと聞いていたのだが
少々少年には荷が重い相手のようだった。


「げぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ」

「…(あと少し)」

イャンクックは何の警戒もなくこちらへと突進してくる。
そんな様子を見ながらも少年は息を整え腰へと手を伸ばす。

あと5M――

あと3M――

残り1M――

「今だ!!!」

腰から目的の物を取り出すとすぐさまイャンクックの顔の前に放つ。
投げたボール状の物は上手い事、顔の前で破裂する。

軽いボシュっと言う音と共に眩いぐらい輝く閃光を放った。

「支給専用閃光玉」

投げると空中で破裂し、強烈な閃光を放つ手投げ玉。
この凄まじい閃光によってモンスターの目をくらませ、その動きを制限する事を目的としている。

「いけ!゛姫子 ″!!」

手で自分の目を隠していた少年は光が収まるとふら付いてるイャンクックを確認し仲間へと声をかける。

「お任せばい!」

物陰から人が飛び出してきた。
飛び出してきた人物は150cmと少年と比べても小さい体格で髪の毛を黄色いピンで留めている。
髪の色は茶色であり悪魔チックな目つきをしていた。
少年のPTメンバーの゛鶴田 姫子 ″だ。

姫子は少年の声に即座に反応し武器を構える。
見た目てきにも重そうな大型の銃だった。
火薬と弦を併用した重量級の銃-ヘビィボウガン-それが姫子の武器だ。

姫子はすぐさましゃがむとヘビィボウガンを体全体を使って押さえる。
その後、イャンクックの頭にピントを合わせると引き金を引いた。

バン、バンと大きな音を立て何度も何度もヘビィボウガンから弾が放出される。
出た弾丸は外れる事も無く全てイャンクックの頭に命中した。
何度も続けられイャンクックも嫌がるように首を振るった。


「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」

そうしていると天に向かって大きな叫び声を上げ姫子へと向き直る。
どうやら閃光玉の効果が切れたらしい。
イャンクックは少年から姫子と敵意を向けた、それほど先ほどの攻撃が気に入らなかったのだろう。
ドタドタと走り姫子に攻撃を仕掛けようと走り出す。

「無駄っすよ」

だが突如足元から声が聞こえバランスを崩しイャンクックが倒れこむ。

「何度も足切ってたっすからね」

影からぬるりと1人の少女が顔を出す。
その少女は少しばかり古いおかっぱ頭に髪の毛は黒色で語尾にっすをつける少女。
影が薄そうで個性の塊の少女の名前は゛東横 桃子 ″彼女も少年のPT仲間だ。

彼女は気づかれない事をいい事にずっと両手で持っていた゛双剣 ″で切っていたのだ。
イャンクックはドタドタと倒れながらも何とか立ち上がろうともがく。
その間にも桃子と姫子の攻撃は止まない。

「おいでませ~や♪」

何とか立ち上がったイャンクックの前にごつい大盾と槍とヘビィボウガンを合体させた様な筒が現れた。

「ファイヤ~♪」

何とも気の抜けるような声と共に病弱そうな少女゛園城寺 怜 ″の武器である゛ガンランス ″が火を噴いた。
槍と違い突進等の身軽さを捨て手に入れた力である必殺技「竜撃砲」が大きな音を立て炸裂する。

大きな爆音と共に現れた爆発にイャンクックは抵抗虚しく大きく吹っ飛ばされた。

「っ」

竜撃砲を撃った怜もただでは済まなく大きく後ろへと吹き飛ばされる。
盾を地面に突きたてなんとか足を踏ん張り転ばずに後退した。

「武器変えたらどうっすか」

「ロマンあるやん、この武器は」

辛そうにする怜に桃子が心配そうに声をかけるも怜はお構いなしだった。
この愛用の武器を怜は誰に何を言われても変える気がないのだ。

「こいで終わいたい」

そんな2人の横で姫子がしゃがんでいた体勢から立ち上がると武器をしまった。
3人の目線の先では先ほどのイャンクックがまだもがいている。
まだ終わっていない……だが姫子は終わりと言った。


「よぉ……さっきはよくもやってくれたな」

イャンクックの頭付近に先ほどの少年ことPTリーダー-須賀 京太郎-が待ち構えていた。
愛用の大剣を両手で掴み上げると貯めていた力を一気に放ちイャンクックへと止めを刺した。


「お疲れさん」

「囮お疲れっす」

「ホンマ疲れたわ」

「京太郎!私頑張ったばい!ご褒美ば♪」

京太郎が皆を労うとそれぞれが近寄ってきた。
姫子は京太郎の腕にしがみ付き、桃子は笑いながら、怜は本当に辛そうだ。
そんな個性豊かなメンバーに苦笑しながら皆で手を交わした。

そんな時だった。

「GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」

今まで聞いたことの無い大きな咆哮が京太郎達を振るわせた。
何事かと空を見上げると1つの大きな影が降りてくるのが見えた。

赤い赤い鱗にイャンクックより大きな両翼、ギラつく強い眼差し
空の王者と名高い「リオレウス」がこちらを見据えていた。

京太郎達はリオレウスの登場に身を固める。
暫く見つめていたが視線を皆合わせて相談する。
どうする?…そりゃ決まっとるやろ、まぁ1つしかないっすね、ぬっかにゃあ

全員が(約一名以外)が頷き武器に手をかけた……そして

「逃げろーー!!」

「無理、無理っす!」

「げほげほ…辛いわ」

「剥ぎ取いしてなか!」


そんな場合かーと叫びながら逃げ帰っていく。
まだまだ駆け出しの4人には荷が重過ぎる相手だった。

<MH 京太郎! カンッ>