須賀家・京太郎の部屋


ガチャ

京太郎「あーつっかれたなぁーただいま~っと」

照「おかえり、京ちゃん」

京太郎「……は!? 照さん!?」

照「久しぶり」

京太郎「……なんで照さんが俺の部屋に居るんすか。つーか、長野に来てたんですか」

照「今日は、私の誕生日だから」

京太郎「あ、そうなんですか。おめでと……って、いやいや。理由になってませんからそれ」

照「そう?」

京太郎「いや、そんな心底不思議そうな表情されても……」

照「それより京ちゃん、おめでとうキャンセルはよくないと思う」

京太郎「おめでとうキャンセル? なんすかそれ……って、ああなるほど」

京太郎「……それじゃ、まあ、改めて」

京太郎「誕生日、おめでとうございます。照さん」

照「うん、ありがとう。京ちゃん」

京太郎「あー、でもすいません。俺、今初めて照さんの誕生日知ったもんで、

     あいにくプレゼントとか全然用意してなくて……」

照「それなら問題ないから、大丈夫だよ」

京太郎「いやーすいません。じゃあプレゼントはまた後日ってことで……って、

     いやいやいや!」

照「どうしたの? 京ちゃん」

京太郎「危うく自然に流させる所でしたよまったく。

     それで、照さんがこんな所にいるのは一体どういうわけなんです?」

照「だから誕――」

京太郎「誕生日だからって理由は駄目ですからね」

照「……」

照「じゃあ」

照「そういうお年頃だから?」

京太郎「ますますわけ分かんないっすから」

照「そうかな」

京太郎「そうですよ! この世のどこに、年頃って理由で同年代の男子の部屋に入り込んで、

     おまけにそいつのベッドの上でくつろぐ女子がいるんですか!」

照「ここにいるよ」

京太郎「だーかーらー!

     ああもう……しかもふっつーに横になってるしこの人……」

照「これでカピちゃんを抱き枕にできたら最高だった」

京太郎「え、カピー? ああ、見に行ったんすか」

照「うん、さっきね。でも、長いこと会っていなかったせいかな、避けされちゃった」

京太郎「あー、あいつ結構臆病っすからねぇ……って、

     いやいやいやいや!」

京太郎「まーたそうやって話をそらす!」

照「酷い。私は京ちゃんの質問に誠心誠意答えているのに」

京太郎「はぁ……あーもう分かりました、分かりましたよ。

     ここにいる理由ははもう追求しませんから、せめて客間に移動しましょうよ。

     お茶くらい出しますから」

照「そんなに気を遣ってくれなくても、私は京ちゃんの部屋で問題ないよ」

京太郎「いや、そっちが良くても、こっちは問題あるんですってば。

     自分の部屋に女の子が居るってだけでも男子高校生的には色々よろしくない状況なのに、

     その上そんなラフな格好でベットの上に居られると……」

照「……オオカミになっちゃう?」

京太郎「いや、そういうのはないですから」

照「むぅ……」

京太郎「てか、さらっとすごい発言するのやめてください。

     大事なことなんでもう一回言っときますけど、俺にはそういう気、無いですからね」

照「……下、ホットパンツにするべきだったかな」

京太郎「いやーこの時期にそれはさすがに寒いでしょ」

照「もちろん、厚手のタイツ穿くよ?」

京太郎「あ」

照「京ちゃん、今、私の素足を想像したの?」

京太郎「……」

照「京ちゃんムッツリスケベ」







数分後


照「ねぇ京ちゃん」

京太郎「……何ですか」

照「どうして、さっきからそんな部屋の隅っこの方に居るの?」

京太郎「いやぁー所詮オレはムッツリオオカミ野郎ですからねー女の敵ですからねー」

照「……」

京太郎「照さんの身の安全のためにもできるだけ距離を置くべきかと思いましてねー」

照「ごめん京ちゃん、さっきの言葉、傷ついた? デリカシーのないこと言ってごめんね」

京太郎「……」

照「お願い、京ちゃんゆるして」

京太郎「……いや、まあ、そんなマジで謝られるほどの事ではないっすけど」

照「じゃあ、ゆるしてくれる?」

京太郎「許すも何も、別に怒っちゃいないっす」

照「それじゃあ、こっち来て。隣、空いてる」ポンポン

京太郎「……」

照「お話、しようよ」

京太郎「……」

照「京ちゃん」

京太郎「あ~もう!」

 ズカズカズカ

京太郎「これでいいんでしょこれで!」ドスン

照「うんっ(o^-^o) 」

京太郎「っ……!」





数十分後


照「それでね、菫ったらひどいんだよ」

京太郎「いやーそれは割と照さんの自業自得のような」

照「酷い。京ちゃんまで」

京太郎「ははは」


 ガチャ 「ただいまー」


京太郎「……あ」

照「……おばさん?」

京太郎「ええ、多分」

照「……そっか」

照「じゃあ、そろそろお暇しないと、だね」

京太郎「えっと……」

照「今日は、断りもなく来てごめんね」

照「でも、いっぱいお話できて楽しかった」

照「京ちゃんとまたお話したいって、ずっとずっと、思っていたから」

照「願いがかなって、嬉しかった」

照「京ちゃんが、かなえてくれた」

照「ほんとうに、ありがとう」

京太郎「……!」

京太郎「俺も……」

京太郎「楽しかったし、嬉しかったです」

京太郎「こうやって久々に、照さんと昔みたいに話せて」

京太郎「……よかったらまた、いつでも来てください」

京太郎「また色々と話しましょう、今日みたいに」

照「今日みたいに……」





照「ベッドの上で、ピロートーク?」

京太郎「だからさらっと爆弾発言すんのマジで勘弁してくださいよ!」


カン








おまけ


てるてる帰り道


照「……はぁ」

照「結構、いい雰囲気だったのに」

照「やっぱり、最後は怖気づいて茶化しちゃった」

照「……」

照「結局、言えなかったな」

照「……」

照「京ちゃん」

照「私ね」




照「誕生日だから」




照「好きな人と、一緒に居たかったんだ」


もいっこ カン