京太郎「んんー……」

咲「どうしたの、京ちゃん?」

 麻雀雑誌を見て、唸る京太郎。

京太郎「いや、麻雀やってる高校生って、何でこんなにレベル高い人が多いんだろうって」

 和だったり、風越の部長さんだったり。
 雑誌の内容は、『女子高生美少女雀士・大特集』という煽りに、制服姿の見た目麗しい女子高生たちがポーズをとった写真が掲載されていた。

咲「京ちゃん!もう!」

京太郎「だってさ、気にならないか?ウチだって和は言わずもがな、部長と染谷先輩だって美人だし、あのタコスも……まあ、やかましいのを大目に見れば、可愛いと認めてやらんでもない」

咲「むー」

 ──愛も変わらず、京ちゃんは京ちゃんであった。可愛い女の子にデレデレする、私の嫌いな京ちゃん。
 膨れっ面で咲が睨みつけても、京太郎には怖くもなんともない。逆に、愛らしさすら感じられる。

京太郎「……ま、お前も良く見りゃ可愛いけどな」

 ぼそりと小さく呟いた、京太郎の独り言。
 咲にだけは聞かせられない、だが思ったことが口に出てしまうくらいには、咲のことを可愛いと認めている。
 世間は、麻雀を打っている時の凄まじい雰囲気を纏う宮永咲をよく取り上げるが、普段は大人しい文学少女で、何もないところで転んで迷子になる、ドジでポンコツな、愛らしい少女だ。
 不意に魅せる小動物的な可愛らしさで、つい抱きしめそうになった衝動は両手の数では足りない。

咲「えっ……今、なんて……」

 その独り言が、咲の耳に届いてしまっていた。
 恥ずかしいなんてどころではない。穴があったら今すぐ入りたい。京太郎はそんな気分だった。

京太郎「あ、いや……咲も色気があったらと思うと、残念だったなと思ったりな!はははっ!」

咲「怒るよ、京ちゃん!」

カン!