―それでですね。今日は…

―へえ、そんなことがあったんですか?

―じゃあ今日は遅いのでこの辺で…                     

―あっ、待ってください。

―どうかしましたか?

―その…会いませんか?

―えっ!?

―悪い人ではなさそうですし…いつまでも待たせておくのも申し訳ないですし。

―ほんとですか…?

―急で申し訳ないのですが…明日か明後日なら時間が取れるのですが…

―ずいぶんと急ですね。でもえりさんと会うためなら急だろうと問題なしです!

―そういってもらえるとうれしいです。では……



京太郎「……マジで?」

 いやさ、”今年の夏に童貞卒業してやる”とか思っていたよ。
 だからって昔登録していた出会い系からメールが来てこんなうまく話し進むとかいまだに信じられん。

京太郎「でもサクラじゃないんだよな…」

 サクラかと思ったら金かからないLINEでやり取りしようとか。
 ポイント使わせる目的のサクラじゃないことは分かったけど…

京太郎「やっぱ釣りかな…?」

 流石に話ができすぎだよな…
 なんか危ないのだったり…

京太郎「ええい! ここでビビッてどうするんだ!」

 釣りであれ何であれここまで来たら行くしかないだろ!

京太郎「ちゃんとホテル代は持ってるしゴムも買って着け方も勉強した…」

 明日童貞を卒業してみせる!

 …頼むから怖いお兄さんとか出てこないでくれよ?

 …というわけで俺は待ち合わせ場所の駅にやってきたわけだけど

京太郎「えっと…どこにいるんだろうか…?」

 確か上が白でグレーのスカートって言ってたよな…

京太郎「…あの人かな?」

 あの人はえりさんの言っていた通りの恰好してるな。
 ちょっと聞いてみるか…

―いまもしかしてケーキ屋の隣にいますか?

―ええ、今ケーキ屋の隣の看板の前にいますね。

京太郎「やっぱあの人か…」

 かなり美人だな、出会い系だし化け物が来るかと…
 とりあえず声をかけないとな。

京太郎「あのすいません……えりさんですか?」

えり「あなたが京さんですか…?」

 うわっ、近くで見てもマジで美人だな。てか釣りじゃなかった!?
 ほんとにこの人と…できるのか…?

えり「よかった…初めての場所だったのでここでいいのか不安だったんです…」

京太郎「俺もほんとにえりさんだったのか不安でしたよ」ワハハ

 やばいやばい! めっちゃ緊張してきた!

えり「京さんが思ってたよりかっこよくてよかったです」

京太郎「…ほんとに俺でいいんですか?」 

えり「京さんこそ私で本当にいいんですか? 帰るなら今のうちですよ?」

京太郎「…ここまで来て帰るなんてできませんよ」

えり「それじゃあ…近くに車停めてあるのでホテルに行きましょうか…」

京太郎「シャワーアビテキマシタ…」カチコチ

えり「ふふっ…そんなに固くならないで、ほら隣に来て」

京太郎「しし失礼します…」ストン

えり「ほんと可愛いですね♪」チュッ

京太郎「あっ…」ドキッ

えり「キスも初めてでしたか?」

京太郎「……」コクリ

えり「じゃあ京くんの初キスもらっちゃったんですね♪」

京太郎「えりさん……」

えり「私も経験豊富ではないですけどできるだけリードしますから……来て?」

京太郎「……」ブチッ



京太郎「……」ポケー

えり「ふふっ…卒業おめでとうございます。どうでしたか?」

京太郎「いや…なんか今でもえりさんとしたことが夢みたいというか…」

えり「私では不満でしたか?」

京太郎「いやっ! むしろえりさんでよかったです!」

えり「そういってもらえてよかったです。ちゃんと気持ちよかったですか?」

京太郎「ええ…とっても…俺のほうこそちゃんと気持ちよくできたましたかね…?」

えり「もう…私の反応みてわかりませんでしたか…//」カァァ

京太郎「でもちょっと不安で…」

えり「ちゃっ…ちゃんと気持ちよかったですよ…//」

京太郎「えっ…あぁ…ならよかったです…//」

えり「そろそろ帰りますか? それとも……もう一回しますか?」

京太郎「えりさんっ!」ガバッ

えり「やっ…そんながっつかない……ひゃんっ!」ビクン

カン!

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最終更新:2014年09月20日 22:44