~~朝・部室~~

京太郎「あ、菫さん、この牌譜なんですが……」

菫「ん?ああ、松庵女学院か。それは去年の練習試合の時のものだからあっちの方にしまっといてくれ」

京太郎「はい、わかりました。あ、それと今年の県大会の(ダダダダダ)ん?」

淡「おっはよー!」ダキッ

京太郎「うわっ!?っとと……おい、淡。急に抱きついてくんなっていつも言ってるだろ?危ないんだからさぁ」

淡「え~、いいじゃん、別に~。むしろこの淡ちゃんがこんなに近くにいるんだよ?感謝して欲しいくらいだね!」

京太郎「こんな夏場にくっつかれても暑いだけだろ?それに俺は今仕事中だ。早く退いてくれ」

淡「む~…………」

菫「須賀の言うことは尤もだ、淡。いつも言っているが、もう少しレギュラーとしての自覚を持て」

淡「へ?ちゃんと成績残してるじゃん?」

菫「だからそういうことじゃなくてだなぁ……」

淡「あっ、テルー!何食べてるの~?私にもちょ~だい!」ピュ~

菫「…………」##

京太郎「あ~……いつもすいません、菫さん」

菫「……いや、須賀が謝ることでは無いさ。それに、私よりもお前の方が大変だろう?」

京太郎「あはは、もう慣れましたよ。なんせ長いもんで」

菫「ふぅ、全く……人がいいのも大概にしておいた方がいいぞ?ああ、それと今年の牌譜だったな。あれはまだ使うからこの部屋の棚に纏めといてくれ」

京太郎「はい、分かりました。ではあっちの方を先に片付けてきます」

菫「ああ、頼む」

ガチャ パタン

京太郎(はぁ、全く……淡ももう少し、落ち着いてくれたらなぁ……)

京太郎「なんて、ボヤいてる暇あんだったら仕事仕事!」


~~夜・淡自室~~

淡「はぁ~~…………」

淡(どうしたらいいのかなぁ……折角また会えたのに……やっぱり、忘れちゃってるのかなぁ……)

淡「…………」

淡「うぅん、グジグジ悩むなんて淡ちゃんらしく無い!ぶつかってぶつかって、ぶつかりまくるのみなのだ!」

アワイー、シズカニナサーイ

淡「は~い、ごめんなさ~い」

~~~翌日以降~~~

淡「どーん!ねーねー、なーにしてるのっ?」

京太郎「のわっ、危ねっ?!コーヒー入れてるんだよ。危ないから離れろって」

淡「ちぇ~っ」

~~~~

淡「キョ~タロっ!一緒に打とうよっ!」

京太郎「あいよ~。わかったから降りてくれ~」

淡「え~っ」

~~~

淡「とうっ!んへへ~」スリスリ

京太郎「今日は理由も無しかよ」

淡「理由なんていいじゃん♪」

京太郎「だから暑いんだって」

淡「う~っ」

―――
――

~~数日後 夜・淡自室~~

淡「はぁ……やっぱりこれじゃダメなのかな?」

淡(でも、あの時は……)

淡「…………もうこうなったら……」

~~翌日朝~~

京太郎「ふぅ……」

京太郎(なんか最近いつにも増して淡のスキンシップが増えてきてる気がする……どうすべきかなぁ……)

京太郎「もうそろそろ、限界も近いんだよな」ボソ

淡「ションボリしてどーしたの、キョータロー?」

京太郎「うおっ!?あ、淡!?い、いや、何でもないぞ?」アセアセ

淡「そう?あ、ねぇねぇ、キョータロー。今日の部活終わった後、時間ある?」

京太郎「部活後?まあ、大丈夫だと思うが……」

淡「だったら部活終わったら教室に来て。ちょっと話したい事があるの」

京太郎「話?今じゃダメなのか?」

淡「うん」

京太郎「……分かった。部活後だな」

淡「ありがと。約束だよ?それじゃあ、私は先に部活行ってるね~」タッタッタッタ

京太郎(話?それも今はダメなこと……ん~……考えても分からんな)

京太郎「まあ、変なことでは無いだろうからいいけどさ」

~~部活後・1年教室~~
ガラララ
京太郎「んお?早いな、淡」

淡「あ、キョータロー。ありがと、ちゃんと来てくれて」

京太郎「約束したんだし、当然だろ。で、話ってなんだ?」

淡「あ、うん。そうだね……」

京太郎「……?」

淡「スー……ハー……よし。ねぇ、キョータロー。キョータローは小学校の頃のこと、どの位覚えてる?」

京太郎「え?小、学校?」

淡「私はね、もう大分曖昧になっちゃったけど、たった一つだけ、はっきりと覚えてることがあるんだ」

京太郎「…………」

淡「私って小学生の頃からこんな感じでさ。お昼休みには男子に混ざってよくグラウンドで遊んでたの。

  当然男子たちとも仲が良くってさ。でも、それがある女子たちには気に食わなかったんだろうね。ちょっとした嫌がらせ、されてたの。

  最初は気にしてなかったんだけど、だんだんヒートアップしてきて……それで私も嫌になってきたんだけど、ある時」

京太郎「同じクラスの男子が助けてくれた。『同じクラスの仲間なのに、争うようなことはやめろよ!』って言って。だろ?」

淡「あはは。なんだ、覚えててくれたんだ。ねえ、分かる?キョータローがあの時助けた女の子って、私なんだよ?」

京太郎「……ああ、分かってた。入学試験で淡を見た時にピンときたから」

淡「…………ねえ、キョータロー。ずっと黙ってたのって、やっぱり、もう私とは関わりたくないから?

  スキンシップしようとしても最近のキョータローは嫌がるし……私、ウザかった?」

京太郎「違う!そうじゃない……そうじゃないんだ。黙ってたのは、あのことは淡にとっては辛い思い出かも知れないと思ったからだ。

     スキンシップはだな、その……い、意識してしまうから(ボソボソ)」

淡「……ぇ?え?」

京太郎「だ~っ、もうっ!そうだよ、お前がくっついてくるとどうしても意識してしまうんだよ!

     お前分かってんのか?自分がどんだけレベル高いのか!めちゃくちゃ可愛いんだよ、ちくしょうっ!」

淡「あわ、あわわわ////」

京太郎「もうこの際だからぶっちゃけるよ!俺、いつの間にか淡の事が好きになってたんだよ!

     だから、淡!もし良かったら俺と付き合ってくれ!」

淡「」

京太郎「だ、だめ、か?」

淡「ハッ!そ、そんなこと無い!っていうか、それ私の台詞!わ、私もキョータローが好きなんだから、付き合いたいに決まってるよっ!////」

京太郎「ほ、ほんとか?」

淡「あぅ……ぅ、ぅん////」

京太郎「そ、それじゃあ……これからよろしくな、淡」

淡「うん!こっちこそ、キョータロー♪」

京太郎「それでさ。一つだけ約束してくれないか?」

淡「ん?何?」

京太郎「お前の過剰なスキンシップだけど、あれ、他の男にはするな。いや、しないでくれ」

淡「そんなのするわけないよ!テルーとかにはするけど。キョータローは大好きだからやってただけだよ♪」

京太郎「な、なるほど。ん?ってことはさ。淡はいつから俺のこと好きだったんだ?淡のスキンシップなんてもうずっとだろ?」

淡「え~~?知りたい?私はね~……もうずっと前から……


  ふぉ~りんらぶ!!


  だったよ♪」

カン!




京太郎「そう言えば、淡。なんで頑なに落ち着いた態度を取ろうとしなかったんだ?」

淡「え?だってキョータロー、昔言ってたじゃん?『俺は元気な子が好きだ』って。だからキョータローに好きになってもらうために、元気いっぱいでいたんだよ♪」

京太郎「……俺さ、その後こうも言ったよな?『あ、でも、礼儀正しいのは絶対条件だな!』って」

淡「え?」


淡「ええええぇぇぇぇ!?」


モウイッコカン!