下駄箱から靴を取り出し下へと投げ出す。
学年ごとに分かれたスペースから合流して歩き出す。

「そういえば、今度の休みってどこに行くんでしたっけ?」

「え?」

「ほら、どこか行くって約束してたじゃないですか」

俺の言葉に、はたと思い出した顔をした後、チロリと舌を出して答えた。

「ごめん京太郎君!その日はもう怜と出かける約束してもうたんや…」

「そうですか…。なら、しかたないですね」

「あはは…。ほんまにごめん…」

「いえ、気にしないで下さい」

ごめんごめんと謝りを繰り返す彼女を連れたまま帰り道へ。
季節はもうすぐ夏。照りつける日差しは痛いくらいだ。

適当な会話をしながら歩いていると、唐突に沈黙が訪れた。
黙った彼女がポツリと、言葉をこぼす。

「なぁ?ほんまにうちでよかったんか…?」

「え…?」

「うちじゃなくて、怜のほうがよかったんちゃう?」

不安気にこちらを見つめる彼女に、湧いてきたのは呆れと、ほんの少しの怒り。

「あのですね…。怒りますよ?」

「…ん。怒って!そしたら…。少しは安心できるから」

「それって倒錯してません?」

そういうと、今度は俺の腕に抱き着いてきた。
まったく…。この人は…。

「なぁ京太郎くん…」

「はいはい。今度はなんですか?」

「夏になるなぁ…」

カンッ