神様というものは、なかなかに皮肉屋だと思った。
故郷の地で、数年前に会った妹の親友とこうして顔を合わせることになるなんて。

当の本人はそんなことすっかり忘れているようで、私の顔を見てもケロリとしているけれど。

私に妹はいない。そう決めたはずだったのに。
自分は、思っていたほど強くはなかったみたいだ。

「先輩の事、なんだかほおっておけなくて…。似てるんですよ…。長野の友達と」

そんな何気ない言葉に、責められたような、許されたような気持ちになって。
いつの間にか流れていた涙を、止めることは出来なかった。

「うぇぇ!?どうしたんですか先輩!?」

「ありがとう…。京ちゃん…」

「え?い、今京ちゃんて…?」

「…なんでもない。須賀君。これから、よろしく」

「は、はぁ…」

貴方は何も知らなくていい。
貴方が貴方でいるだけで、救われる人もいるのだから。

「私の名前は宮永照。これから、よろしく」

願わくば、歩む道が同じでありますように。

カンッ