姉帯豊音という少女は見かけに寄らず、ミーハーである。

加えて言うなら同年代との触れ合いが殆ど無かった彼女にとって、娯楽と言えばテレビ番組くらいのもので。

東京に来た彼女が、ドラマの撮影現場として使われていた舞台に来れば、テンションが抑えきれなくなるのも仕方のないことであり。


京太郎「あの、大丈夫ですか?」

豊音「あわわ……」

思わず階段から足を滑らせて、転びそうになったところを、京太郎に抱き留められたのも、必然のことだったのかもしれない。


京太郎「あ、あの……?」

豊音「あぅ……」

ちなみに彼女、月9や学園ドラマといったものも数多く見て来たが、実際に同世代の異性とは会話をしたことすらなく。

「いつの時代だよ」と突っ込みたくなるような、コテコテの恋愛に憧れていたりもする。

そんな彼女が、所謂「お姫様抱っこ」に近い体勢で、しかも自分の危ないところを助けてもらったとしたら


豊音「お、王子様……!」

京太郎「は、はぁ……?」


恋に落ちるのもまた、仕方のないことだった。



続かないカンッ