牌に愛された人間

それは則ち、神の愛し子

この世界の神は不平等であり、快楽主義だ

それ故、気に入った人間にのみ戯れに奇跡の行使権を与える

与えられた愛し子達は卓上において奇跡の行使を許される

奇跡の形は千差万別

なれど、その力は凡夫の努力を容易く超える

凡夫がそこに至るまでに費やした物を、敗北をもって無価値に変えてしまう

理不尽

この一言に尽きる

神はそれを愉しんでいる

凡夫の足掻きを

苦しみを

悔しさを

絶望を

涙を

これ以上の喜劇は無いと、神の傲慢により見下し、笑っている

そして、ある時、神はまた戯れを思いついた

己の敵を作ろう、と

人を駒にし、自身が作り出した敵と遊ぼう、と

愉快に笑いながら

神は“それ“を生み出した


“悪魔“

神の被造物にして、神に敵対するもの

その存在意義故に、悪魔もまた人に力を与える権限を持つ

ただし、悪魔が人に与えるのは奇跡の行使権ではない

“呪い“

敵対するものに

行使者自身に

災厄を齎す、負の力

悪魔は探る

自身の眼鏡に叶う人間を

そして、見出だす

神に愛された者達に囲まれ、苦しみの渦の渦中にいる少年を

少年は愚かにも望む

その“力“を

「京…ちゃん?」

「須賀くん…?」

「ど、どうしたって言うんだじぇ!?犬!?」

「…くききき。俺の勝ちだ」

これが、始まり

神の愛し子達と

後に、“悪魔憑き“と呼ばれる事になる人間達の最初の戦い

現代の神話の始まりであった

カンッ