最後の夏が終わった

あの日から死に物狂いで走り続けてきた

自分の才能の無さに絶望しながら

あいつらの才能に嫉妬しながら

それでも、努力が足りないからだと自分に言い聞かせて走り続けた

だけど…

「…結局インターハイには行けなかった」

全て無駄だった

全て無駄になった

あいつらが活躍するのを指をくわえて見ているだけだった


「…ちょっと疲れたな」

引退前、最後の部活の後。お世話になった部室を一人で掃除した

この3年間で雑用の腕だけは上がっていた為、すぐに終わった

それでも、一人で掃除するには広い部室だ

疲れからか、欠伸が出る

そこで、部室のベッドが目に入る

「…最後だし良いか」

他の部員、というか女子達が頻繁に使うベッドだから自分は使わないようにしていたが、最後だし使ってしまおう

それ位許される筈だ


ベッドに寝転がる

どこか甘い匂いがして、理由を考え頬が紅くなった

「ふぁっ…」

それも束の間。予想以上に疲れていたのか、瞼が自然に落ちる

そして、すぐに眠りに落ちた

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「…太郎!京太郎!起きなさい!」

「んぁっ?」

どれ位寝ていたのか

誰かの声で起きる

…あれ?でも今の声って?

「母さん?」

「やっと起きた!もう起きる時間とっくに過ぎてるわよ!急いで準備しなさい!」

「え?あれ?」

言うだけ言って部屋から出ていく自分の母親

え?何で母さんが?

っていうか、ここ俺の部屋?

え?あれ?え?

?が頭の中に広がる


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あれから、混乱の極みに落ちた俺は、再度襲来した母親に急かされ頭に?を大量に浮かべながら学校に行く準備を始めた

だが、すぐにまた手が止まる事態が起きた

「あれ?何で中学の制服が?」

壁に掛けてあった制服は、3年前に押し入れ行きになった中学時代の制服だった

慌てて母親に確認するが…

「何寝ぼけてるの?あんた?今日から3年生でしょ?」

…え?

…え?

…えぇぇっ?


次回へ続く?