なんとか2回戦を勝ち今日はAブロックの準決勝の日。

和に優希はなにやら中学の先輩がいるからと咲を連れて出かけてしまった。

戦いの後の休息といったところか…だが俺にとっては今日が一番の戦いだ。

親父は輸入雑貨を扱う会社の社長をしている、そんな親父から昨日連絡があってな。

明華「お久しぶりですね。京太郎様」ペッコリン

馴染み取引先の社長令嬢、明華さんが久しぶりに会いたがっているからデートして来いだと。

あとでデート代は払ってやるからちゃんと楽しませて来いだとさ。

京太郎「お久しぶりです。今日はお誘いありがとうございます」ペッコリン

明華「こちらこそ急な誘いでごめんなさいね」

親父もいきなりデートしてこいとは無茶振りをする。

こっちは年齢=彼女いない=童貞だというのに…

明華「それではエスコートをお願いしますね?」

…まあなるようになるか。

別に咲と遊びに行くようなもんだと思えばどうってことない。

明華「うふふ…えいっ♪」ムニュ

問題があるとすれば咲と違って腕に抱きついてきてくることだな。

それに和ほどではないがそれでも大きいおもちが俺の腕を挟みこむ。

耐えてくれよ、長野に帰ったらこれで思う存分遊んでやるからな。



明華「~~♪」

はぁ…きつかった。

洋服を見て欲しいというから適当に店を回って見繕っていた。

それで洋服を買って次どこに行くかと考えていたらまだ終わっていないと一言。

まさか下着まで選ぶことになるとは…

肌が綺麗でスタイルもいいから眼福なのだが息子に悪すぎる。

店とかそんなの関係なしに襲い掛かろうとする衝動を抑えた俺は褒められていいはずだ。

京太郎「そろそろいい時間ですけど夕食はどうしましょうか?」

楽しい時間はあっという間だ、昼過ぎからデートが始まったと思ったらもう夕食について考える時間だ。

親父にデート資金は後でやるから飯はちゃんとしたところに連れて行けといわれているがどうするか。

高級レストランでディナーと行きたいが流石にジャケット着用していないとそういうところは入れないなぁ…


明華「あっ、ディナーならばもう予約してありますよ」

京太郎「予約していてくれたんですか、ちなみにどこのお店です?」

明華「ふふっ…お寿司屋さんです♪」



京太郎「お寿司屋さんってここだったとは…」

ここは数年前に明華さんと始めて会って食事をした寿司屋じゃないか。

親父の商談ついでで連れられて出合って仲良くなったんだよなぁ。

明華「覚えていてくれていたようで何よりです」

ここでは寿司に皆集中し店内には心地よい静寂と緊張感が漂っている。

ガキの頃はこれがきつくて仕方なかったけどな。

「……」スッ

さっそく出てきた、最初は海老か…

色鮮やかな模様が美しく芸術品かと錯覚してしまうな。

明華「……」

明華さんも心なしか顔が緊張しているように見える。

これからはお互いに出てくる寿司を集中して味わうとしよう。

京太郎「……」パクッ

醤油は向こうで一塗りしてくれているのでそのまま口に入れる。

口に入れた瞬間に噛んでもいないのにシャリが崩れ口に広がる、なんという技術だ!

茹でたてでのほんのり暖かい海老と人肌程度に暖かいシャリと混ざり合う。

軽く火を通した海老は生食べるよりも数段甘い、火の通り加減を完璧に調整しているからだ。

そして噛む度にまるではしゃいでいるかのように口の中を飛び跳ねる。

京太郎「…うまい」

ついその言葉が漏れてしまう。とにかくそれだけうまい。

明華「……♪」ニヤニヤ

明華さんのほうは口に出していないものの顔がにやけて止まらないようだ。

「……」ササッ

そして次の寿司が出てくる、今度はアワビか…


京太郎「……」モグモグ

アワビというと硬いイメージがある、このアワビはそんなイメージを覆してくれるな。

柔らかくなるように煮てあってシャリだけが先に喉を通ってアワビが口に残るなんてことはない。

弾力があるがしっかりと噛み切れる絶妙な加減だ。

アワビの香りと歯ごたえを思う存分楽しんだ後一緒にするりと胃に落ちていく。

「……」キュッ

今度は巻物か…だがこれはなんだ?

ハマグリか…いや、これはアサリだ!

アサリを漬け汁に漬け込んでそれを叩いてミンチ状にしてあるんだ!

海苔とシャリの味のあとにじわじわとアサリのじんわりとした旨みが染み出てくるぞ!

「……」シャッ

今度はいくらの軍艦巻きだ、だがこれは海苔でなくかつら?きの大根で巻いてあるぞ!

ふむ…大根とシャリの間は山芋で接着してあるのか…

触感も大根だからまた海苔とは違うしゃっきりとした感じで新しいな。

そして海苔の香りがない分いくらの味がより一層引き立つな。

明華「あふぅ…おいしいですぅ…」トローン

そういえば明華さんはいくらが好きだったな。

気に入ったようで何よりだ。

「……」スッ

ここでマグロか、高級店のマグロは期待しか持てないな。

明華「はわぁ…//」ポワーン

これってただの赤身のはずだよな…なのにまるでトロのように口のなかでとろける。

噛まずともマグロの強烈な旨みが溢れかえってきて溺れてしましそうだ。

これはきっちりと熟成しれて濃縮した旨みだな。

ただ高いマグロを買って握っているだけの寿司には出せない味だぞ!

明華「あぁ…おいしすぎまふぅ…」トローン

まったく本当にうますぎる。さすが○万もするコースだな。

親父ごめん、ここめっちゃ高かったんだな…でも払ってくれるよな?

これもデート代の一部だし。







明華「今日は楽しかったですね」

本当に楽しかったなぁ…洋服買って下着姿見ておいしいご飯を食べて…

明華「でも明日の準決勝は手加減しませんから」

明日は明華さん達と戦うんだよなぁ…

明華さんだけじゃない、また洋榎さん絹恵さんとも戦わないといけないんだよな。

京太郎「お互いに勝ちあがれるように応援します!」

明華「あら、じゃあ決勝ではどっちを応援してくれるのですか?」

ぐっ…確かに決勝では勝者は1人なんだよな…

清澄を応援しないといけないけど明華さんも応援したいし…

てかAブロックの準決勝は全員知り合い居るし下手すると決勝は全校に知り合いがいるんじゃないか?

明華「あらら…すいませんすこし意地悪でした」

京太郎「ほんとですよ…」

明華「じゃあこれは意地悪したお詫びです…んっ」チュッ

……………………へっ?

なんか目の前に明華さんの顔があって唇に柔らかい何かが…

明華「じゃあ私はこれで失礼します…//」カァァ

ちょっ…これって…!?

京太郎「明華さん待って!これって!これってどういう…」

明華「それではまた明日です…//」タタッ

うわぁ…明華さんとききききききき…

やっべぇ、顔が熱くなるの止まらんぞ。

京太郎「少し遠回りして帰るか…」

今夜は比較的涼しい夜だからな。

宿に戻るまでにはこの顔の熱もとれているだろう…たぶん。

カン!