【劔山高校】

莉子「私のせいでみんなの大会が終わってしもた……どうしたら責任取れるんやろ……」(ドヨン……

莉子「先輩らは今年で卒業やし……私にできること言うたら……」(ドヨヨン……

莉子「……もう麻雀……止めようかな……」

心が折れる……届きかけた全国準決勝を、目の前でかっさらわれたことに、心が挫けるっ……!

莉子「このまんま続けても、きっと戦犯やとか……もっ回絶望したとこ見てみたいとか、そういうこと言われそーな気もするし……」(グスン

――やれやれ、目が曇ってやがる……

莉子「え……?」

その時、莉子に天啓下りるっ……!
神域からの天啓……地獄に垂らされる蜘蛛の糸っ……!

――皆よくやるのさ、土壇場に追い詰められるとそのすりかえを。自分の身さえ捧げれば、自分の身とひきかえならば……どんな違法も通るという誤解。それで責任をとったような気になるヒロイズム…………とんだ勘違いだ。……責任をとる道は身投げのような行為の中にはない……責任をとる道は……もっとずーっと地道で全うな道…………

莉子「そうや……ここでメゲてたらただのモブや……!限界までいくで……倍プッシュやっ……!」

――――ククッ、そうこなくっちゃな……

始まる……ここから安福莉子のレジェンドロードが始まるっ……!
部の大切な仲間、椿野美幸・古塚梢・森垣友香に暫しの暇を乞い、旅立つ彼女の向かった先は――――遠くは長野の地・清澄高校麻雀部!

京太郎「どうしてこうなった……」

莉子「さあ、いきましょう師匠!ネト魔(麻)界のUMAの力の秘密を知るまで離れませんから!」

まこ「のう、久……」

久「…………私知ーらない」




莉子「カクカクシカジカ」

京太郎「ざわ……ざわ……モコ……モコ……」

莉子「(モコ……モコ……?)と、というわけなんです。来年こそは全国制覇するために、私は強くなりたいんです!」

京太郎「安福さん、だっけ……それで俺を訪ねてくる時点で失敗してると思うぜ?っていうか、喋り方……」

莉子「ホ、ホンマはこんな感じで訛るんですけど、標準語使わないとバカにされるかな、って……」

京久まこ(東京……怖いところ!)(電流走る!

京太郎「まあ、俺なんかでいいならいくらでも力を貸すんだけど……一ついいか?」

久(また安請け合いした……)

まこ(知らんぞー、どうなっても)

莉子「なんですか?」

京太郎「ネト魔界のUMAって……なんだ?」(ざわ……ざわ……

莉子「い、いわく、対局でハコにすれば家内安全学業成就交通安全安産祈願、スランプ脱出に婚期が早まるオマケ付きというネット麻雀界のはぐれキングだって、先輩や友香ちゃんが……」

京太郎「船久保さんに聞いた時よりランクアップしてる!?」

久「まあ……あの赤木しげるさんやヒロさん、天さんと面識あるだけでも相当だもんね……」

まこ「わし京太郎にお茶奢ってもらってからここんところ、落とした財布が返ってきたり、店の集客率が上がったりでええこと尽くしじゃ」

莉子「ほ、ほらっ!」

京太郎「ほらっ、じゃねーし!つーかスゲエな神域パワー!?」


莉子「そんなことはどうでもいいですから、早く特訓しましょう師匠」(キリッ

京太郎「師匠って……」

京太郎「ま、まあいいけど……じゃあ――」

莉子「ハイッ、まずはどこへ行きますか!雀荘ですか、それとも全国の強豪校に遠征ですか!?」

京太郎「いや、あそこのロッカー」

莉子「…………え?」

京太郎「なんていうか、これから直に見るとヤバいことが起きるから、ロッカーさんに守ってもらった方がいいぜ」

ロッカー「Welcome!」

莉子「は、はあ……まあ、師匠がそー言うなら入りますけど」(渋々


咲「ごめん、遅くなっちゃった!」

和「少し図書館で話し込んでました……」

優希「真打ち登場だじぇ!」

莉子(えっ……ま、まさかあの三人って……!?)(ざわ……!

京太郎「お、おぉー、咲待ってたぜー」

咲「んー?どうしたの京ちゃん。いつもなら、私が遅れたらブーブー言ってくるのに」

京太郎「そ、そんなことねーって。さー、みんなそろったことだし練習開始ですね、部長!」

久「そーねー。じゃあ、最初は……咲・和・優希・まこで打ってみて。ちょっと今回は趣向を変えて、みんな本気の本気でやっちゃっていいから」

京太郎「ちょっ」

優希「おおー、ホントか!?これは腕が鳴るじぇー……!」(ゴゥッ!

まこ「(ヤレヤレ、あなたの知らない世界ー、って奴じゃのう)気づかんうちに終わっても恨みっこなしじゃからな?」(カチャッ……!

和「そんな馬鹿げた話、あり得ません」(エトペンッ!

咲「私……頑張る。相手を見下した打ち方は、もう絶対にしたくないから……!!」(ゴッ……!!

莉子(な、なんなんこの寒気……!?)(ぞわわっ!

ロッカー「HEY、絶対に声を出しちゃいけないぜ、お嬢さん」

咲「カンッ、もいっこカンッ……さらに、カンッ!!リンシャンカイホウツモ……!」

和「なかなかやりますね、咲さん……ツモ!大三元!!」

まこ「純正緑一色じゃあ……!!」

優希「私の東場で好き勝手はやらせないじぇ!!ダブリー一発門前ツモ……16000オール!!」

莉子(…………なんなのこの人たちコワイ)

京太郎「(きっと今、おいてけぼりくらったZ戦士の心境だろうなあ)さ、さーて、俺はネト麻でもやろーっと」

【京たろー】さんがログインしました

【堂嶋】さんの発言:「おお、久しぶりじゃねーか!」

【K】さんの発言:「全国以来だね」

【風間】さんの発言:「…………よう」

京太郎「ククッ………………面白い……死ぬ気でやらせてもらうぜっ……!」(ざわ……ざわ……!

莉子(ええー……あっちまで雰囲気変わっちゃった……)

久「みんな元気よねー」(ヤレヤレ



それからどうした―――

京太郎「ぐあー、負けたやられた……ククッ……残念っ……!」

咲「疲れたー……京ちゃんもへとへとだね。今日はどうするの?また龍門渕……ってゆーか、透華さんのところ?」(じとー

京太郎「んー、たぶん……つーか、その非難の眼差しやめれー」

咲「べーつーにー非難なんてしーてーまーせーんー」(べー

咲「じゃ先に帰っちゃおっか、和ちゃん、優希ちゃん!」

和「フフッ、そうですね」

優希「やーい、咲ちゃんに愛想尽かされて絶望するがいいじぇ!」

咲「あ、愛想尽かしたりはしないよぅ……」

京太郎「へいへーい、気を付けますよーっと……」


ロッカー「―――――」(ガタガタガタガタ

久「大丈夫かしら、あの子?」

まこ「……とりあえず開けてみるかのう」

莉子「こ、こんなのって……は、牌が……凍えて……!」(ぜつぼう!

久「ロッカーさんでも完全シャットアウトは無理だったか……」

莉子「なななななにいい言ってるんんでですか!だい、だだい大丈夫ですっ!」

京太郎「本当に大丈夫なんだろーか……」

ここでやっぱりいいですと謝っておけば……後悔先に立たずという言葉を莉子が思い出すのは、さんざんっぱら京太郎に連れ回され、その全てで未知の世界を垣間見てからのこととなる……!




透華「ご機嫌ようですわ、京太郎。今日も特訓に来たんですの?」

京太郎「ええまあ、それとついでになんですけど――」

透華「ついでに……な、なんでしょう?あ、明後日の休日でしたら私、たまたま、そう久しぶりにたまたま暇してますので付き合っても構いませんけど――」(モジ……モジ……

京太郎「いやー、そうじゃなくて今日は特訓ついでに『彼女』を紹介しにきたんですよ」

莉子「ど、どうもー……」

透華「彼……女?」(ピシッ……

純(なあ、これヤバくねーか?)

一(ニュアンス的に『お客様を』紹介って感じにしか取れなかったけど……)

智紀(デートの誘いを期待したところにカウンター……精神的にだから、ミラーコート?は痛い……)

京太郎「それで悪いんですけど、こいつ……莉子もまぜて打ってくれませんか」

莉子「よ、よろしくお願いします!」

透華「…………え、えぇ構いませんわよ……。きょ、京太郎がわざわざ紹介しに来るほどなのですから……さぞ、素晴らしい方なんでしょうね。に、人間的にも……」(プルブル

純(おい、なんかものすげー無理して平静保とうとしてやがるぞ)(オロオロ

一(涙溜めて声震えさせながらだから、意味ないけどねー)

智紀(透華、ダダこねないいい子……)

京太郎「……ぁ、ち、違いますよ透華さん!こいつは別にそーいう仲ってわけじゃ――!」

透華「グスッ…………あなたが真に相応しい女かどうか、対局で見極めて差し上げますわ――――!」

莉子「ひ、ひい……これって!?」(ゾゾッ

冷透華「さあ、覚悟の準備はよろしくて?今日の私……少し荒っぽくいきますわよ」

莉子「熱っ……!つ、冷たすぎて逆に熱いっ……!?」

一(あー、霜焼けって死ぬほど熱く感じるって言うよねー)

純(一応、京太郎の奴フォローしようとしてたのにな)(ホロリ

智紀(透華ったら、うっかりさん)

衣「おお、なにか楽しそうなことになってるな!今宵は満月、黄泉への道先案内、衣自らがしてくれる!」

ハギヨシ「皆様、お茶の用意が……おや、何事ですかこれは?」

莉子「ひ、ひいぃぃっ!?」





莉子「………………ひどい目に遭いました」(ボロ……

京太郎「こっちはとんだとばっちりだっつーの……最終的に誤解は解けたからいいものの」(ボロッ……

莉子「あれはどう考えても師匠が悪いと思うんだけど……」(ブツブツ

京太郎「とりあえず龍門渕での特訓は終わったし、次行くぜ」

莉子「や、休みなしですか……」

京太郎「バカッ、これから行く風越には和に匹敵する美少女のオモチが待ってるんだぜ!?すばらなオッパ……オモチのためなら、例えフルマラソンの直後でも俺は走っていけるね!」

莉子(今更だけど私、強くなりたいってお願いする人間違えたかも……)


いちご「あれ、あなた……劔谷の安福さん、やったっけ?」

莉子「そ、そういうあなたは、広島県鹿老渡高校の佐々野さん!?」

京太郎「おおっ、この子のオモチもかなりすばら……!」

いちご「!!」(ビョクッ

莉子「あ、いいんです、師匠のことは無視で。そ、それで、佐々野さんがどうしてここに?」

いちご「んっとな、ここら辺で強いって有名な風越の部長さんとちゃちゃのんで話するって企画で来たんよ」

京太郎「なん……ですと……」

いちごの答えに、京太郎に電流走る……!

京太郎(風越の部長さんと佐々野さんことアイドル雀士ちゃちゃのん……それぞれ単品でも素晴らしい破壊力を秘めたオモチだというのに、それが……それが言葉を交わせる位置に同時に存在する……!ククッ……それはずい……この企画を考えた奴、只者じゃない……狂ってやがるぜっ)(ざわ……ざわ……ざわ……ざわ……!

華菜「あ、いたいたー、ちゃちゃのんさん発見だしー……って、なんで清澄の雑用係がいるし!?」

京太郎「雑用じゃねー、男子部員だ!」

美穂子「ダメよ、華菜。須賀さんだって立派な学生雀士なんだから、そんな失礼なこと言っちゃ……」

美穂子「えっと、佐々野さん、ようこそ風越へ。お待ちしておりました……どうぞ、こちらへ」

いちご「どもですー」

京太郎「あ、ご丁寧にどーもどーも」

莉子「お、お邪魔しまーす」

美穂子「はーい♪」

華菜「今日はお客様いっぱいだし!お茶菓子足りるか心配ー………………って、なんでお前らまでついてくるし!?」

京莉「え?」

華菜「首傾げんなー!!」

久保コーチ「うっせえぞ池田ァーーー!」

華菜「ヒイィッ!?華菜ちゃん悪くないし!」



で、風越麻雀部部室

いちご「――――すみません、撮影の方が少し遅れるみたいで」

美穂子「ええ、構いませんよ――――」

京太郎(オモチが一つ、オモチが二つ、オモチが三つにオモチが四つ…………し、至福……これが愉悦の味か……!)(お茶飲み飲み

華菜「なんかいつもに増して、雑用係の気配がヤバいし……」

華菜「ま、まあそれはさておき……」

莉子「……………………」

華菜と莉子の視線が交錯……!

華菜(こいつ……なかなかやるな)

莉子(なんでだろ……この人からは、すごく親しみを持てる気配が漂ってくるよ)

華菜(実はあのちゃちゃのんからも同じものを感じてるし……!)(ボショボショ

莉子(あなたもですか!?じ、実は私もさっきから……!!)

華菜(フフフ、これはきっと類い希なる才覚の持ち主同士だけに通じる第六感的な何かだし!)

莉子(ほ、ほんとですか!?じゃあ、私もついに覚醒の時が……!)

華莉「!?」

その時、二人に電流走る……!

星夏「お疲れ様です……あ、すみません、お客様でしたか」

莉子(…………こ、この人からも私たちと同じ気を感じます!)

華菜(文堂の奴……いつの間に)(ゴクリ

星夏(あのキャプテンと話してる人に、池田先輩と囁きあってる人…………なにか、すごく身に覚えのある気配を感じる……)

星夏「みなさん……只者じゃないようですね」(キリッ

久保コーチ「只者じゃなくてバカ者の間違いだろ……」(雑誌めくり




華菜「次会う時は全国だな……」(フッ

星夏「今から楽しみです」(フフッ

莉子「ええっ、約束です……全国で会いましょう!」(フフフッ

華星莉「じーっ」

いちご「えっと…………ちゃ、ちゃちゃのん、負けることとか想定してへんからー」

華星莉「負けませんから(負けないし)!」


久保コーチ「おい、須賀ァッ、あのバカ共どーにかしろコラ」

京太郎「いや……いいんじゃないですか、やる気だしてんですし」

美穂子「そうですよコーチ」

京太郎(うひょうっ、美穂子さんと意見が一致した!これはもう脈ありって考えてもいいんじゃねえか!?)

久保コーチ「あいつらどうにかしないなら、小鍛治プロ……とコンビ組んでるアナウンサーがテメエん家の住所知ると思え」

京太郎「俺を社会的に消しに来た!?」

久保コーチ「それは言い過…………いや、スマンこれはさすがになしだったわ」

美穂子「マスコミの力ってすごいんですね……」

京太郎「マスコミ………マスコミか」

京太郎「――――学生雀士強化企画、なんてなっ……!」(ざわ……ざわ……

久保コーチ「おい待てお前なに怖ぇこと考えてる」

それからしばらくして、どこから話を聞きつけたのか、長野ローカル局にて福与恒子主催の『麻雀どうでしょう―全国強豪校制覇の旅―』が開始。

【千里山】

怜「あー、京ちゃん久しぶりー。なんなん、私が元気してるか見に来てくれたん?」

京太郎「それもありますけど、今日はちょっとしたサプライズ企画でいろん学生雀士に『彼女』を紹介するために――」

怜「ぇ……か、彼女――」

莉子「ヒィッ……こ、これって!?」

恒子『さあ、またしてもこのパターンで始まった有名美少女雀士との対局!今回こそ安福莉子ちゃん、跳ばずに終えられるのかー!?』

怜「せめて痛みは感じんように跳ばしたる……リーチ一発ツモ!もういっちょリーチ一発ツモ、さらに――」(バトーワンデッサイダデステニーナギッペシペシナギッペシペシハァーンナギッハァーン!

莉子「またこんなパターンですかーーー!?」

竜華「怜……強うなったなぁ」

セーラ「ちゅうか、もう治ってんのとちゃう?」

浩子「まさにストロング病人ですなあ」

怜「命は投げ捨てるもんちゃうで……!」(キリッ


三箇牧でも――

憩「京太郎君の頼みやしな……ほな、うちらでお相手いたしますー♪」

もこ「…………」(ぎひっ!

絃「よろしく」

莉子「こ、これって……!?」(ゾゾッ

恒子『またいただきました、莉子ちゃんの「これって……!?」!というか須賀師匠、交友関係がいろいろと広すぎないかー!?』

憩「あ、あとで利仙さんとか藍子さんも合流するから、思いっきり練習してってなー!」

京太郎「ククッ……地道に行こうっ……!」




さらに事の発端となった阿知賀では――

穏乃「あっ……き、君……!」

莉子「う、うぅ……あなたのせいで私はー!責任取ってよバカー……!!」

穏乃「せせせ、責任!?」

憧「えっなに、どーいう状況!?」

灼「…………修羅場?」


宵「もしかしてー、これって…………麻雀どうでしょうの撮影ー?」

玄「あ、お姉ちゃん最近、あの番組よく見てるよねー……って、須賀君も出てたような」

晴絵「ほんと君、赤木さんのお茶目な部分は似てきたね……悪い意味で」

京太郎「フフッ……タチの悪い冗談はよしてくださいよっ……」

莉子「それは私の台詞です、師匠ーーー!」


ついには……

京太郎「てなわけで、里帰りしてるエイスリンさんに宮守女子の人達から渡されたビデオレターを渡しにニュージーランドに行くんだってさ」

莉子「師匠、一度腹を割って話しましょう……」

華菜「っていうか、なんで華菜ちゃんまで一緒に行かなきゃだし!?」

星夏「それを言ったら私もですよ、先輩!」

恒子「いや、だって三人とも似た者同士じゃん。大丈夫、ちゃんと旅行用の雀卓とか用意してあるから♪」

莉子「こ、これって……!?」(ゾゾッ

恒子「どこへ行くかは莉子ちゃんのプラマイ点数次第!南国縦断ニュージーランド完全制覇の旅ー♪」

莉子「……この麻雀やろおぉぉぉぉぉーーーー!!」

華菜「ちょっと待つし、華菜ちゃん完全に巻き添え……!?」

星夏「だから私もですよ先輩……!!」

世界へと飛び出した安福莉子with池田華菜&文堂星夏!
彼女達の明日はどこへあるのか……!


麻雀どうでしょうで一躍有名になってしまった安福莉子の旅は続く……!!
頑張れ安福莉子!戦え安福莉子……!!