10月某日

穏乃「山登りがしたい!」バンッ

京太郎「そうか、じゃ行ってこい」バイバーイ

穏乃「うん!いってきまーす……って止めてよ!?」

京太郎「いきなり山に登りたいとか訳のわからん事言われても反応に困るんだが……」

穏乃「いやー最近体が鈍ってるような気がしてさ、やっぱりたまには山に登んないと体にも悪いもんね!」キラキラ

京太郎(別に山に登らんでも体調は悪くならんと思うんだが……)

京太郎「そんなに行きたいなら一人で行けばいいじゃん」

穏乃「一人でなら中学で散々登ったよ、今は他の誰かと一緒に登りたい気分なんだ」

京太郎「それなら憧でもいいだろ……何で俺なんだよ?」

穏乃「だって憧ったらさ『今しずと登ったら途中ではぐれて遭難しそうだからやだ』って言うんだもん……憧も衰えたものよ……」ヨヨヨ…

京太郎(その場にいたら憧に全面同意してたな、俺)

穏乃「憧がだめなら消去法だと京太郎しかいないんだもん……ダメかな?」ショボン

京太郎「……はぁ、分かったよ付き合えばいいんだろ?その山登りとやらに」

穏乃「ほんと!?」バッ

京太郎「どのみち今日は暇だしな……仕方ないから一緒に行ってやるさ」

穏乃「へへ……ありがとう、京太郎!」ニコッ

京太郎(山登りねぇ……まぁ正規のルートを通ってけば簡単に山頂までつくだろ)ウンウン




翌日

穏乃「うっおりゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」ダダダダダダダダダダッ


京太郎「ちょっ……!まて……ぜっ、はぁ…少しはスピード緩めろ……!」タッタッタ

穏乃「へっへへーん、なにいってるの!その調子だとお昼までにつかないよー!?」クルッ

京太郎「つかなんだよこの道!……いやもう道じゃねえし!お前いっつもこんな獣道通ってたのかよ!?」ハァ…ハァ…

穏乃「え、だってこっちの方が早く着くでしょ?」ニッコリ

京太郎「こっの……猿めぇ」ゼェ…ハァ…

穏乃「ふっふーん!私が猿ならきょーたろーは猿以下だねー♪それじゃあ山頂目指してペース上げるよーーっ!!」ダッ

京太郎「くっ……ぬぉ、負けてたまるかよぉぉぉ!!!」ダダダダ

京太郎(早く……あいつに追い付かねえと……!じゃないと……!!)チラッ





穏乃「いやっほぉぉぉーーー!!!」ダダダダダダダダダ………フワッ

京太郎(さっきからジャージの中が下から見えてんだよぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!上見て走れねぇから滅茶苦茶おっかねぇんだよこんちくしょぉぉぉ!!)チョクシガデキマセーン

穏乃「きょーーたろーー!!足元ばっかり見てると危ないよーーー!?」ダダダダダダダダダダッ

京太郎「おまえがっ!それを言うなぁぁぁ!!!」ダダダダッ



数十分後

穏乃「とーっちゃく!!お疲れさま、京太郎!」ニコッ

京太郎「………ーーーっ!」コヒュー…コヒュー……

穏乃「………ありゃ?」

京太郎(キツかった……体力的にも精神的にも……っ!!)ゼェ…ハァ…←結局抜かしきれないから諦めて正面から向かい合った人

京太郎「な、……何でおまえ、そんなに息とか切れてないの……疲れてないのか……?」プルプル

穏乃「んー……山に登ってるからかなぁ?」

京太郎「わっかんねー、お前の言ってることがわっかんねー!」

穏乃「でも京太郎やるねー!ここまで着いてこれたのは京太郎が初めてだよ?」

京太郎「そりゃ男子だからな……意地とかもあるし」

穏乃「ふふ……ならここまでこれた京太郎にご褒美!見よ、この景色を!!」バッ

京太郎「ご褒美って……………うわぁ……っ!」

眼前に映るのはどこまでも続く山
そして赤と黄が織り成す紅葉…
広がる山々の紅葉に澄みきった青空……見たことも無い絶景が目の前に広がっていた


京太郎「………すっげぇ」

穏乃「でしょ?」ヨイショ

京太郎「うん……すげえよ、よくこんな絶景が見れるとこ知ってたな」ペタッ

京太郎(普通に登って着く山頂でもここまではいかないだろ……)

穏乃「……中学のときにこの場所を見つけてね、そのときは麻雀教室も無くなってて、和も憧もいなくてね……」




穏乃「何もないときは一人でこーやって後ろの樹にもたれかかってずっとこの景色を眺めてたんだ」


京太郎「……穏乃」

穏乃「本当はね、ずっと前からこの景色を誰か他の人にも見てもらいたかったんだ……」

京太郎「……じゃあ俺が」

穏乃「うん!他の人に見せれたのは京太郎が初めて!だから……」

穏乃「今日はホントにありがとね、京太郎!」ニコッ

京太郎「……ったく、そーいう事なら始めっから言えっての」クシャクシャ

穏乃「えっへへ……///」

京太郎(マジでいいとこだなここ……景色もキレイで風もきもちーし……なんっか…………疲れて……ねむ……)ウトウト

穏乃「……京太郎?」

京太郎「………」スー…スー…

穏乃「……もう、こんなとこでお昼寝なんてさすがに私でもやらないよ?」ヤレヤレ

穏乃「でもなんか私も眠くなってきたなー……やっぱり鈍ってるからかなぁ……?」

穏乃「……うん、決めた、私も一緒に寝よっかな」ポフッ

穏乃「……京太郎のとなり、なんか落ち着くなぁ……」ウトウト

穏乃(………できればずっと)


穏乃(きょーたろーとこうしていたいなぁ……)ギュッ





京太郎「………」スヤスヤ

穏乃「………」グゥ…


起こすのは野暮ってもんよ……カン