8月某日……午前7時30分



晴絵「……ぐぅ」スヤスヤ

ピピピピッ……ピピピピッ

晴絵「……むぅ……ん、むにゃ……うるしゃい……」モゾモゾ

ピピピカチッ

晴絵「………ぐぅ」スヤー


 ̄ ̄ ̄
午前10時15分



晴絵「………」ボーッ

晴絵(………うーん、久々の休日だからって少し寝すぎたかな……こんなに寝たのって学生のとき以来かも)ポリポリ

晴絵「仕方ない……とりあえず起きるとしますか………」モゾモゾ

晴絵(……そういえば、昨日は望(憧の姉)が家に来て一緒に飲んでたんだっけ……やば、思い出したら頭痛くなってきた……)ガンガン

晴絵「まぁしばらくしたら治るでしょ……ひとまず部屋の片付けから始めようかなぁ……」ズルズル

 ̄ ̄ ̄
午後12時50分


晴絵「……あー、よーやく終わった!」ドサッ

晴絵「我ながらよくこんなにゴミ溜めてたわねぇ……ま、これで部屋もスッキリしたから良いか」ぐぅ?

晴絵「……って、朝から掃除してたらすっかりこんな時間か……さすがにお腹減ってきたかなぁ」ガチャッ

晴絵(……うーん、冷凍庫にはなにも無いし……仕方ない、買い物でも行こうかな……ついでに今日の昼ごはんは外食にでもするか)ウンウン

晴絵「そーと決まれば財布……うわ、こりゃお金も少し下ろしとかないとなぁ」

晴絵「あとは車の鍵っと………え?」ガサゴソ

晴絵「あ、あれ?無い!?うそ、カバンの中に入れといたのに!?」

晴絵「……ど、どうしよう」ズーン



午後13時45分……某ファストフード店

晴絵「……まいったなぁ」ハァ…

晴絵(結局鍵が見つからないから諦めて徒歩……朝ごはん食べてないから我慢もできずとりあえずハンバーガーで空腹を満たす……と)モグモグ

晴絵「ってなんか久し振りの休日なのにどんどん悪い方向に進んでいってる気がする!?」ハッ

晴絵(とりあえず早く買い物終わらせて車の鍵を探そう!車が動かせなかったら休日なのにドライブすらできないじゃない!!)

晴絵「あーもう、ふぁふぁしのふぁか……」モキュモキュ

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午後14時


アリガトウゴザイマシター!


晴絵「さてと、とりあえずコンビニでお金下ろして……あ」ピタッ

晴絵「そういえば今度の小テストで使うプリントまだ途中のまんまだっけ……」

晴絵(プリントは確か学校よね…………仕方がないか、先にそっちを終わらせよう)ハァ…

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午後15時30分


晴絵「……はぁ、しんどかった」ガラッ

晴絵(まさか坂道でこんなに体力削られるとは思わなかったなぁ……学生時代は苦でも何でもなかったのに……)フゥ…

他先生「……おや、赤土先生?今日は部活はおやすみではなかったのでは?」ガラッ

晴絵「いやぁー、課題の製作がまだ終わってなかったので今日中に終わらせちゃおうと思いまして……」アハハ

他先生「そうだったのですか、仕事熱心なのは良いですがあまり無茶をしてはいけませんよ?インターハイが終わってまだ間もないのですから…」

晴絵「これくらいなら平気ですよ、それに頑張ってくれたのさあの子達ですからね……」

他先生「……そうですね、私も歳ながらテレビの前で興奮したもんですよ、あの子達は本当によくやってくれた」

晴絵「ええ……自慢の教え子ですよ」フフッ

他先生「羨ましい限りです、……それでは私はこの辺で」スッ

晴絵「はい、お疲れ様でーす」

晴絵「…………ふぅ」ギシッ

晴絵(……そうね、灼やしず、須賀くん達は本当によくやってくれたわ……けど、私は?)

晴絵(私はあの子達に何かを残せたんだろうか……いや、それ以前に)

晴絵(私は自分自身のトラウマにけりをつけれたんだろうか?)

晴絵「……わかんないなぁ、自分の事なのに」ハァ

晴絵(……まぁ、一つわかることといえば)チラッ

晴絵「目の前のタスクを一つずつ……か」

晴絵「考えてても仕方ないし、まずはプリント製作だけでも終わらせておきましょうか」トントン



午後17時45分

晴絵「……すっかり遅くなっちゃったわね」

晴絵(まさかこんなに遅くなっちゃうなんて……ダメだなぁ私……)

晴絵「なんかご飯作る気が起きないなぁ……コンビニ弁当で済ませちゃおうかな」

晴絵(……なんだろ、どんどんダメな方向に進んでいってる気がする……)スタスタ

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午後18時15分

アリガトウゴザイマシター

晴絵「……はぁ」

晴絵(せっかくの休日なのに朝から掃除やって朝ごはん食べ損ねてお昼はファストフード)

晴絵(午後は結局、テストの準備で全部潰れたし、夜は一人寂しくコンビニ弁当……)

晴絵「…………なんだかなぁ」ハハ…

晴絵「なにやってんだろ……私………」

晴絵(………こーやって灰色の日々を過ごしながら歳だけとってくのかな……はは、おっかないなぁ)ジワッ

晴絵「……優雅な休日なんて、ほど遠いわね…………」ポツリ


京太郎「あれ?赤土先生じゃないですか!」

晴絵「」ドキーン

晴絵「す、すすす須賀くん!?な、なんでここに!!?」ザザッ

京太郎「夕ごはんの買い物帰りっすよ、今日はおばさん達が旅行でいないんで俺が食事当番なんです」

晴絵「へ、へー……そうなんだー」

京太郎「赤土先生は何でここにいるんですか?」

晴絵「え!?わ、私も……夕ごはんの……買い物を、ちょっと……」カァァ

京太郎「そうなんですか」チラッ

京太郎(夕ごはんがコンビニ弁当……)

晴絵(とか思われてるんだろうなぁ……いい歳の大人が夕飯にコンビニ弁当ってカッコ悪いなぁ……)ハハッ

京太郎「そうだ!赤土先生、うちで食べていきませんか?」

晴絵「えっ!?」

京太郎「弁当だけですと栄養とか偏っちゃいますし、正直材料買いすぎて灼さんと二人じゃ余しそうだったんですよね」

京太郎「もちろん赤土先生が良ければですけどね」

晴絵「い、いやぁーでもこの時間によそ様の家にお邪魔するのはちょっと……」シドロモドロ

晴絵(さ、誘いは嬉しいけど……教師が生徒の世話になるなんてダメすぎるわよね)

京太郎(とか思ってるのかなぁ……よし)

京太郎「あー、保護者がいないのに子供二人だけじゃ不安だなー」棒読み

晴絵「う……」

京太郎「どっかに頼りになる大人の人はいないかなー」棒読み

晴絵「うぅ……」

京太郎「赤土せんせーが来てくれたら買いすぎた材料もはけるし灼さんも喜ぶのになー、困ったなぁー!」チラッ

晴絵「……ああもう!わかったわかった私の負けよ!」

京太郎「へへ、ありがとうございます!」

晴絵「まったく……どういたしまして」ヤレヤレ



午後18時30分


晴絵(やれやれ……まさか自分の教え子に気を使われるなんて思ってもみなかったわ)スタスタ

京太郎「……それじゃあ灼さんは先に食器を用意しててください、それじゃあまた後で」ピッ

京太郎「灼さん喜んでましたよ、『ハルちゃんが来るの!?』って言ってました」

晴絵「なんか悪いわね、わざわざ気を使ってもらっちゃって……」

京太郎「別に気なんか使ってませんよ、俺も灼さんも純粋に赤土先生が来てくれて嬉しいですしね」

晴絵「ほぅ、嬉しいこと言ってくれるねぇ……ま、お世辞でも嬉しいよ、ありがとう」ニコッ

京太郎「……お世辞じゃないんてすけどね」ボソッ

晴絵「んー?何か言った?」ニヤニヤ

京太郎「なんでもないですよ!……さ、行きましょう、赤土先生」ニッ

晴絵「ええそうね、遅くなる前に帰りますか!」



晴絵(……どんなに惨めでも、私を慕ってくれる子達がいてくれる)チラッ

晴絵(そんなこの子達に私ができることってそんなに無いかもしれない……)

晴絵(だけど私は……)グッ

京太郎「どうかしたんですか?赤土先生」

晴絵「んん、何でもない……ただね」

晴絵(もしこれから先みんなが悩んだり迷うような事があるのなら、それを解決するのは私でありたい!)


晴絵「……ただ、悪くない休日だったなーって思っただけ」

京太郎「……」ジーッ

晴絵「……ってなに人の顔ジロジロ見てるのよ?」

京太郎「いや、だって赤土先生……」



京太郎「なんか凄く良い笑顔してましたから」


カン