みなさまこんにちは

鹿児島で巫女の端くれをやっております、石戸明星です

さて私には想い人がいます

「でへへへ…霞すわぁ~ん……」

アレです

姉をながめて鼻の下のばしてる金髪ノッポです

あるときはテレビに出ている牌のお姉さんだかいう年増に熱を上げ、

またあるときは長野にいたときに仲が良かったとい原村和?でしたっけ、

一緒に写った写真を見せてもらった事もありますが(やけに距離が近いので腹立ちました)、

確かに可愛らしい女の子だとは思いましたよ


しかしですね、しかしですよ?

なんで、そういう遠いところにいるおっぱいさんを好きになるんでしょうか、この人は

姉は男にかまけている暇はないので、いつも袖にされていますし、

牌のお姉さんはテレビの中の人ですし、原村和も長野住まいでは会いに行く事も難しいでしょう

それよりかはもっと身近なおっぱいさんでしょう?

そんなわけで姫様もなしです

彼女は恋愛のれの字すら分からないでしょうから

すなわち導かれる答えはただ一つ、それは……


「京太郎……また霞さん見てる…」ポリポリ

「げぇっ!は、春…」

「手が止まってる、早く掃除終わらせて…」ポリポリ

「へ、へい…」ザッザッザッ

「…まったく、胸なら私だって……」ブツブツ

……春さん

忘れてました…

確かに身近で、彼とも距離が近いおっぱいさんです

でも、ちょっとトゲがありませんか?

端から見ていると彼に恋心を抱いているのは分かりますが、

なんか不自然に厳しくしているせいで、肝心の相手にはちっとも伝わっていません

恋する女の子としても、神社での先輩としても、あれじゃダメです、ダメダメです

彼は素直な方なので、言葉はそのままの意味でとってしまうんです

そもそも人は褒めたり、頼ったりしないと伸びないのは常識です

そうです

ここは私が年下らしく、どーんと甘えていくしかありません

そうすれば彼も自分が頼られていると感じて、日々の仕事にやる気を出せるでしょう

そしてその原動力となった私との距離もぐんぐん、いえぐーんぐんぐぐんと縮まり、

ある夜、彼はとうとう我慢できなくなり、自分の部屋へ私を呼び出して、


ああっ!待ってください!私はまだ中学三年生で、六女仙としての役目が…!
いっ、いけません!そんな…そんなはっきり愛しているなんて言われたら…私…私……

……もうダメです、恋に落ちました、霧島の神境なんかポイーです
女として生きる事にします、てか結婚式は教会であげたいですし

そして二人は幸せなキスをして、後ろでぐぬぬとハンケチーフを噛む原村和と春さん、その他大勢の姿……

更にそのままハネムーンへ…
初夜のベッドの中では夫として妻を優しく抱くあの方の姿が……

ぐふ、ぐふふふ……おっとよだれがじゅるり…


「明星ちゃん?」

「ふへへへ…なんでしょうかアナタ」

「いや、そのさ、さっきから突っ立ちながら表情ころころ変えてるから気になって…」

「うへへへへへ…いえいえ素敵な未来予想図を広げていただけですので」

「そ、そうか…ていうかアナタって俺のことか?」

「ええ、そうですよ京太郎さ……………あれ?」

「どした?」

「ふぇっ!?きょっ、きょきょきょ京太郎さささささん!?」

「ああ、さっきからこの辺を箒で掃いてたんだけど……」

「あ、あはははは!」


オーノーずら、私もうおしまいずら…

可愛らしい妹キャラとして媚を売ってきたのに、

きっと「京太郎さんとの結婚生活ver.6」を妄想していた私の顔は

そんな妹キャラとはかけ離れたみっともないものだったにちがいありません

以前、鏡を見ていたときにふと「もしも京太郎さんが私の同級生だったらver.1」というのを思いついてしまい、

はからずも妄想中の自分の顔を見てしまった時がありますが、我ながらドンビキものでした…

あんな顔を京太郎さんに見られていたら……ああ~~~!


「明星ちゃんさ…もし疲れているなら、そっちで膝枕してあげようか?」

…なんですと?

「…なんですと?」

「いや、長野にいたとき同級生で俺に膝枕を要求してくるのが二人いたんだよ
『あー食った食った、昼寝するから膝かすんだじぇ!』とか『本読みたいから膝かして』とか言ってな

野郎の膝で良いのかよって聞いたら、癒されるとか落ち着くって言われてさ、

だから疲れてるなら、俺の膝でよければ…って」

……おいおい、これ夢でしょうか?

あのめちゃんこ甘い恋愛映画「ノッティン○ヒルの恋人」のラストシーンじゃないですか

そんな言われたら選択肢なんてないじゃないですか

「お願いします!!!」バッズザー

…ふっ、決まりました!

京太郎さんに「抱いていいか?」って言われた時のために練習してきたバク宙土下座!

え、こんなん出来るなら疲れてるって思われないんじゃないかって?

知るかボケ

……

「ぶひゅっ、ふひょっ、ふへ、ふへへへ…う、くひひ」ニヨニヨ

「普段あんなにしっかりしている明星ちゃんがこんな七面相を……やっぱり疲れていたんだな」


今、縁側に腰掛けた京太郎さんに膝枕してもらってるんですがやばいですよコレ、

頭には京太郎さんのたくましい大腿筋、かすかに感じる血の流れ…

すぐ目の前には京太郎さんの端正なお顔、私を見下ろすその慈愛に満ちた瞳…

マジでパないです、金取れますよ本当

これニヤニヤ止まらないです、止められるわきゃないです

ニヤニヤし過ぎて、急性過剰ニヤニヤ病にかかって死ぬかもしれません

ああ、京太郎さんの顔見ながら死ねるならそれもいいですね

「明星ちゃんはさ、まだ中学三年なんだしもっと年上に甘えなよ…俺にとっては可愛い妹みたいなものなんだしさ」

妹、ですか……う~ん……ん?妹…?

妹………妹背…………妻…………妻!?

「ほひょぉっ!!」

「うわっ、どうしたんだよ明星ちゃん」

「い、いえ!な、なんでもありません!い、妹!私は妹ですよね!あはは!」

「あ、ああ…」

そう、古い言葉では妹という字は親しい女性、すなわち妻を指しているのです

これはもう遠まわしのプロポーズでしょう、たとえ本人にその気がなくっても私はそう解釈します

言霊イヤッホー!



「京太郎……掃除サボって……何…してるの……」ポリ・・・ポリ・・・

うげ…

「は、春…これは、その……お、俺が明星ちゃんが疲れてるんじゃないかと思って膝枕させてくれってお願いして…その…」

ああ、京太郎さん…本当に優しいお方です……さすが私の未来の旦那様

「ふ~~~ん………」

うわ、春さん目こわっ

「…なら私も」

え?

「え…っておい春…?」

「私も…疲れてる……膝は明星に譲るから私はこっち…」

え、ちょっと、なに京太郎さんの体をゆっくり倒してるんですか

おい、ちょっと、ねえ、あのさ、なあ

「ん……いい感じ」ポス

「腕枕、か……」

キー!なんですか見せつけてくれちゃってー!!

「……ふふ」ニヤ

こ、こっち見て笑った…?

お…おのれ~~!


この人は…やっぱり強敵なのかもしれません


しかし私は石戸明星、一歩も退く気はありません


京太郎さんに一番お似合いなのは私に決まってるんですから!

チェストー!


カンッ


霞「三人とも……ずいぶんお疲れのようねぇ~……」ゴゴゴゴ



京春明「あ」



もいっこカンッ