【第四章復活Start】

良子「とりあえず、一件落着ということで」

巴「そうですねー、まあ全員生きててよかったですね」

ハギヨシ「ええ。辛く、厳しい戦いでした」

春「そして、結ばれる二人」

京太郎「いやいや、結ばれてないからな。どさくさ紛れに何を言ってるんだ」

春「チッ」

京太郎「キャラ変わってるよぉ!」

良子「夫婦漫才はそこまでにしておこう」

春「わかった」

京太郎「だから、夫婦じゃねーっつの」

春「京のいけず」

巴「それよりも、これからどうしましょうかね……」

良子「家に帰ればいいんじゃないかな。最も、そんなぼろぼろな姿を見られたら何が起こるかわからないけれど」

ハギヨシ「でしたら、私達の別荘へ招待いたしましょうか?
本来ならば、主の許可無く決めるのは執事としてはどうかと思いますが、事情が事情ですし」

良子「別に、私の家に全員で押し寄せてもいいんだけどね。狭いけど」

京太郎(うーん、どうしよう?)

京太郎「じゃあ、戒能さん家に突撃するということで」

春「良子さんの家……なにかでそう」

良子「ノーウェイノーウェイ、何も出ないから」

巴「ですよねー」

ハギヨシ「では、私は衣様の元へと戻らないといけませんのでこのあたりで……」

良子「遠慮しなくてもいいんですよ?一人増えた所で変わりはありませんし」

ハギヨシ「そうしたいのはやまやまですが……仕事があるもので」
また誘ってくださるならばぜひとも参上致しますので」

春「さすが執事。有能だ」

京太郎「そうですか……今回は本当にありがとうございました。感謝してもしきれません」ペコリ

ハギヨシ「よして下さい。私は友達を助けたかっただけなのですから」

京太郎「それでも、です……本当に、ありがとうございました」

ハギヨシ「ふふっ……こうして感謝されるのも悪い気はしませんね。
では、皆様また会う日まで」シュタッ

良子「消えた……ブラボー」

巴「うーん、摩訶不思議な人ですね」

春「そういう問題じゃないと思うけど……」

京太郎「と、ともかく!行こうぜ、戒能さん家に!」



【良子の家】

良子「ここが私の家だ」デデーン

春「いつも通りのかっこいい部屋だね」

良子「褒めてもパンツァーファウストしか出せないよ、ハル」

京太郎「……えー」

巴「銃刀法はどこにいったんだろうね……」

京太郎「というか、おかしいでしょこの部屋ァ!何で至る所に重火器、刃物があるんですか!」

良子「来るべきに備えてだよ。もし、ゾンビが発生して武器が必要になったら困るでしょう?」

京太郎「あるか、そんなもん!」

良子「少年、これが現実だ」

京太郎「んな現実あるかああああああああ!!!」

春「京、落ち着く。良子さんの下着をあげるから」ポイッ

京太郎「え、マジで!?いぇーい!この部屋最高ーーーーーーーッ!」

良子「……」

巴「……」

春「……」

京太郎「ちょ、なんですか!そりゃあ綺麗な女性の下着を渡されたら喜ぶじゃないですか!」

良子「…………」ポッ

巴「またフラグを立てましたね!」

春「やったね!」

京太郎「何でだよ!綺麗な女性に綺麗だって言って何が悪いんだよ!」

春「このジゴロスキルですよ、巴さん」

巴「そうですね、はるるさん」

春「でも、年上よりも同年代が一番だよね、京」

巴「本当の所はどうなのかな、きょーちん」

京太郎「俺は……」


京太郎「俺は衣と添い遂げる!」

春「……」

巴「ひゅー」

良子「ロリコン……だと?」

京太郎(まあ、ここはそう言ってお茶を濁しておくとして)

京太郎「それよりも、四人寝れるんですか?こんなに物があるのに」

良子「ノーウェイノーウェイその心配はしなさんな」

春「確かに狭くて寝れないけど」

良子「夜を過ごすお供はあるんだな、これが!」パンパカパーン

春「全自動麻雀卓~」

京太郎「……えっ」

良子「これがあれば夜はバッチシだ、少年」

春「完璧だね、良子さん」

巴「…………」

良子「どうした、少年?ああ、そうか。麻雀ができないのか。それならば無理だな」

京太郎「いや、できますけど……その、俺は……」

巴「きょーちん!む、無理にやらなくてもいいんですよーぅ!」

京太郎(俺は、今まで逃げてきた)

京太郎(過去が怖くて……清澄からも、麻雀からも)

京太郎(それと、誰か大切な人もいた気がする。何でか、思い出せないけどな)

京太郎(わっかんねー…………どうするべきなんだろう、マジで)

春「……京が嫌ならやらなくてもいいんだよ?」

京太郎「はるる……」

春「京が麻雀に対して何か思う所があるのはわかってるから」

京太郎「……ありがとうな、気を使ってくれて」ガシガシ

春「ひゃっ」

京太郎「戒能さん、やりましょう」

良子「いいのかい、少年?」

京太郎「ええ、大丈夫です」

京太郎(ただの夜を過ごす為の遊びに何を悩んでるんだか)

巴「……へェ」

京太郎(一局ぐらい、平気さ)

京太郎「さあ、やりましょうか」

良子「まあ、最初は小手調べということで東風で」

春「わかった」

巴「妥当ですねー」


東一局0本場:親(京太郎)
配牌
京太郎(微妙……)

春(だめかもしれない)

巴(いいかも!)

良子(まだ慌てる時間じゃない)

京太郎(後少し……!)

春(無理ゲー)

巴(うん、聴牌。後は上がるだけ)

良子(諦めるって大事だよね、うん)


春(通るかな……)タンッ

京太郎「悪いな、ロンだ」パラララッ

京太郎「12000だ」

春「……京の嘘つき。全然弱くないじゃない」

良子(へェ……なかなかやるな、少年)

京太郎37000
春13000
巴25000
良子25000

――――
東一局1本場:親(京太郎)
配牌

京太郎(アカン)

春(取られた分は取り返さないと……!)

巴(んー。これは厳しいですねー)

良子(一応プロだからね、これぐらいは)
京太郎(持ち直した!このまま連荘するぞ!)

春(まだ、慌てる時間じゃない)

巴(出来れば止めたいんですけどねー)

良子(駄目だわ、これ)
京太郎(このまま押し切るッ!)

京太郎「リーチッ!!」

良子「通らないなあ、ロンだ」

良子「む……2000だ」

京太郎「高くなかったか……」ホッ

京太郎34700
春13000
巴25000
良子27300

――――
東ニ局零本場:親(春)
配牌

京太郎(ちょーっと微妙だな)

春(よし、京から取り返す)

巴(普通としか言えませんね)

良子(これはひどい)
京太郎(あー、だめだー-!!)

春(京待っててね……すぐに狙い撃つから)

巴(何か、私のこと忘れられてません?)

良子(もうどうにでもな~れ)
春「揃った。ツモ、点数は……」

春「500オール……うん、やすいね」

良子「むぅ……」


京太郎34200
春14500
巴24500
良子26800



京太郎(連荘か……くそっ)

京太郎(今は一位だけど……流れは持っていかれてやがる)

京太郎(遊びとはいえ、勝ちたい。飛んで負けるってのは嫌だ)

京太郎(は……俺、やっぱり捨てきれねーみてーだな、麻雀)

京太郎(勝ちたい、その為の力が欲しい)

京太郎(俺は――)

京太郎(欲しい……)

京太郎(俺が永遠に強くいられる世界が欲しい)

京太郎(強い意志で世界を塗り潰して、変えるんだっ!)

京太郎(そうさ、そうすれば俺はいつまでも勝てるんだ)

京太郎(ここからが本番、いくぜェ!)

巴(ふむむ……発動しちゃったか。やっぱり、麻雀が反応してるのかな)

春(何か、変な感じ。気持ち悪い……)

良子(私の第六感が……何かを告げている。少年、君は何者だ?)


―――――
東ニ局一本場:親(春)
配牌

京太郎(…………)

春(運が京に吸い取られてる?全然、上がれない)

巴(いやはや……化けましたね)

良子(……ッ!)
京太郎(……不思議と頭がすっきりしている)

京太郎(清澄で打っていた時よりも……やれる。このまま、押し切らせてもらうっ!)

良子(思えば、最初の局で予感はあった)

良子(彼自身は弱いと言ってたけど、それは周りにいる人達が異質すぎるから気づかないだけなんじゃないかな)

良子(現に打ってても、彼は決して弱くはない)

良子(それに、今の局から彼が纏うオーラが変わった)

良子(この麻雀が終わったら少年に聞かねばならないな)

春(親だから、今の内に稼がなきゃ)

春(これ以上失点したら……負ける)

春(他の皆が手を揃える前に安手で早上がりするっ!)タンッ

京太郎「……ロン」

京太郎「一本場だから1300だ。悪いけど連荘はさせない」

春「はい……」

良子(ハルの十八番を奪っていくとはね……)

良子(私もちょっと本気を出すべきかな?)

巴(うーん、この焼鳥状態)

京太郎35500
春13200
巴24500
良子26800

―――――
東三局零本場:親(巴)
配牌

京太郎(……っ!畜生、さっきの冴えは何だったんだよ)

春(ラス回避……一位は無理でも!)

巴(今日はついていませんねー。親なのにこれは無理かもしれません)

良子(悪いけど、一位を狙わせてもらうよ)

良子(さて、少年。君はどうするかな?打って出るか、出ないか)
春(確かに今から一位を狙うのは無理)

春(でも、それだからって諦めるのは別。ラス回避する為に狙うのは――巴)

巴「これかな?」タンッ

春「残念、それが当たり。ロン」

春「1000だけ」

巴「はぁ……ここで大きな手を食らっていたらどうしようかと」

京太郎(次さえ乗り切れば一位……勝つぞ)

良子(私の見せ場がない……最後の親で稼ぐしかないね)

京太郎35500
春14200
巴23500
良子26800

―――――
東四局零本場:親(良子)オーラス
配牌

京太郎(戒能さんには絶対に上がらせないとして……後は巴さんがよさそうな手を作ってるかな)

春(……)チーン

巴(うん、なかなかのなかなかだね。逆転はまだ可能かな)

良子(ノーグッドな手だね、せめて二位は死守したいけど……)
京太郎(……)タンッ

春(ラス回避ラス回避)タンッ

良子(ここから挽回する……連荘にすれば勝機はある)

巴(皆、はしっていますねー。いつのまにかに真剣になっていますし)

巴(だけど、足元がお留守ですよ?)

巴「リーチ」

良子(……!くっ!)

京太郎(何とかしないといけないけど……今の手牌からして無理だ)

春(駄目……オリれない)

良子(むむむ……親だし降りたくはないけど)タンッ

巴「それです、ロン」

巴「裏ドラはー、乗らないかー。1000のみですね」

良子「むむむ……順位が変わらない上がりはどうかと思いますよ」

巴「いいんですよ、遊びですしね。真剣勝負の時はもっと本気出しますし」

巴「今回はあくまで暇つぶし。だから、点数もそんなに関係ないんです」

春「……そういえばそうだった。つい熱くなって」

巴「本当ですよ。私以外は鬼気迫る表情でしたし」

京太郎「ともかく、これで終わりですね」


最終結果。

京太郎35500
春14200
巴24500
良子25800

京太郎「ふぅ……勝てた」

春「京の嘘つき。弱くないじゃない」

京太郎「いやいや。たまたまだからな。実際前のとこでは……ボコボコだったし」

巴「……まぁね」ボソッ

京太郎「?巴さん?」

巴「いや、何でもないですよぅー!」

京太郎「はぁ、ともかく一旦休憩しますか」

良子「オーケー。コーヒーでも入れてくる」

春「私、砂糖多めで」

巴「私はブラックでお願いします」

京太郎「じゃあ、俺も同じくブラックで」

京太郎「そういえば、一位になったことだし……何か気分がいいな」

巴「何かあるかもしれませんねー」

春「私の好感度ボーナスを誰もあげないなんておかしい」

京太郎「はるるの言ってることはおいといて……よく勝てたな、俺」

巴「ま、東風だけでしたし。きょーちんこそ、言う程弱くないじゃん」

春「ぐぬぬ……」

巴「はいはい、ラスだからってうならない」

春「京の前でかっこいいとこ見せたかったのに」

春「そして、私のことを見なおしてゲロインからヒロインに」

京太郎「……別にもうきにしてないんだけどなぁ」

春「これは乙女の問題だから」

巴「乙女?」

春「疑問符をつけないで。私はこの中では一番若い。食べごろなんだから」

良子「ウェイトウェイト。そんな面白そうな話、聞き逃す訳にはいかないなあ」

春「……年増め」ボソッ

良子「ハル、後でお仕置きな」

京太郎「……何やってんだか」

巴「まあ、従姉妹同士ですからちょっとしたじゃれあいみたいなものでしょう」

京太郎「そういうもんですか」

巴「そういうものなんじゃないかな?」

春「若い方がいいから!」

良子「いやいや、年上の魅力が一番だから!」

京太郎「あんなことがあった後なのに、元気だなあ」

巴「というか、寝なくていいんですかね」

京太郎「そもそも、本家に連絡しないで大丈夫なんですかね……」

京太郎「あーすいません、巴さん。俺眠くなってきちゃって……」

巴「遠慮しないで寝ちゃえば?」

京太郎「コーヒー飲みかけだしもう少し……あー」ポスン

巴「はいはい、眠くなったら寝る。膝枕してあげるから」

京太郎「すいません……色々と迷惑をかけて」

巴「別にいいよ。きょーちんと私の仲だしね」

京太郎「……ありがとうございます。色々と」

巴「改まってどうしたのさ」

京太郎「巴さんには助けてもらってばっかりで……俺は何も返しちゃいない」

京太郎「思えば、最初の……出会いの、時……も」

巴「はぁ……調子が狂うなぁ」

巴(後悔なんてある訳ないって思ってたけど……君との出会いを書き換えたのはちょっと後悔かもしれませんねぇ)

巴「全く、恋する乙女みたいですよ……そんなことはないのに」

巴「君にはもっと相応しい女の子がいるんだから」




京太郎「…………あれ」

京太郎(俺、いつの間にかに寝ていたんだろう)

京太郎(巴さんに膝枕してもらった所までは覚えているんだけど)

京太郎(最後に何か言ってた気がするけど。半分寝かけてたから思い出せない)

京太郎(とりあえず、変に目が冴えちまったし夜風でも当たるか)

良子「やあ、少年。奇遇だね」

京太郎「戒能さんですか。どうしてベランダに」

良子「君と同じさ。ちょっと風に当たりたくてね」

京太郎「そうですか」

良子「そうなんだよ」

京太郎「運命の赤い糸で結ばれていたりして?」

良子「ふふっ。本当に結ばれていたとしたらどうする?私をもらってくれるのかな?」

京太郎「その時は全身全霊を持ってお迎えいたします、お姫様」

良子「ふふふっ」

京太郎「はははっ」

良子「なんてね」

京太郎「うーん、やっぱり大人ですね。からかいがいがない」

良子「そりゃあね。君より年上というプライドもある」

良子「そう簡単に揺らがないさ」





良子「一つ、聞いていいかな」

京太郎「どうぞ」

良子「君は麻雀が弱いと言ったね」

京太郎「はい。実際その通りなんで」

良子「だが、君は一位を取った。東風とはいえ一位を最初から最後まで死守し続けた」

良子「それに、途中から君の纏うオーラが変わった気がするんだ」

良子「君は一体何者なんだ?」

京太郎「俺は……」

京太郎「何者でもありません」

京太郎「穿って考えすぎですよ、戒能さん」

良子「君自身はそう思っていても周りはそうは思わない」

良子「それだけの影響力が君にはあるんだよ」

良子「途中から見せたアレはまさしくそれだった」

良子「まるで、運を吸い取られているような。いや、奪われているといった方が正しいかな」

京太郎「それじゃあ、俺がオカルトを持っているみたいじゃないですか」

良子「私はそう言ってるんだ。君に覚えはないのか?」

京太郎(覚えがあるって言われても、アレしかないよな……悪霊にもらったやつ)

京太郎(まだ俺の中に残ってるなんてな)

京太郎「そうですね……今すぐには思い出せません」

京太郎(まあ、言う程のことではないか……)

良子「そうか。なら、忠告しておく。アレはもう使わない方がいい」

京太郎「どうしてです?オカルトを持つなら使った方が強く……!」

良子「あのオカルトからは禍々しいオーラを感じたんだよ。
使い続けると黒に染まるぞ」

良子「約束して欲しい。絶対に使わない、とな」

京太郎「黒のオーラに巻き込まれるか、はるる達が心配なんですよね」

良子「それだけじゃない、馬鹿者。君のことも心配しているんだ」

京太郎「ご冗談を。俺の心配の分は他の人にやってください」

京太郎「それが一番ベストな選択ですよ」

京太郎「一度染まったら、もう戻れませんよ」

良子「……染まったら洗えばいいじゃないか」

京太郎「どうしようもないぐらいの汚れの場合は?」

良子「うまく折り合いをつけろ。あー、こういうのは柄じゃないんだがな」

良子「君はどこか危ういんだ。ちぐはぐなイメージがある」

良子「均衡が取れてないんだ、君はどこかそう思う所はないのか?」

京太郎「…………あったとしてどうしればいいんですか?」

京太郎「過去に立ち向かう勇気がない臆病者ですよ、俺は」

良子「はぁ……それならば誰かの助けを借りればいい。
助けてもらうのは別に悪いことではあるまい」

良子「話してみたらどうだ?君のその根源を」

良子「話さないことには始まらないぞ?半歩でも前に進んでみろ。
そこから見える世界は違って見えるかもしれないよ」

京太郎「……考えておきます」

良子「今はそれでいい。私が言いたいのはオカルトを無闇に使うなってことだ」

京太郎「確約はできませんが、覚えておきます」

良子「それに、オカルトを抜きにしても君はいい線いくと思うしね」

良子「どうだい、私の弟子になる気はないかな?」

京太郎「ははは、保留ということで」

良子「むぅ……断られたか。まあ気が向いたらでいいよ」ピッ

京太郎「これは……」

良子「私のメルアドと電話番号だ。気軽にかけてくるがいい」フンッ

京太郎「じゃあ、困ったときは相談させて頂きますね」

良子「うむ、苦しゅうない」

京太郎「何口調ですか、突然」

良子「ノリだよ、ノリ。気にしたら負けだ」

良子(もう少し、強かったら来月にある全国大会のエキシビションマッチにでも推薦するんだがな……)

良子(面白い素材を腐らせるには勿体無いしね……)




【朝・良子家】

京太郎(……うーん)

京太郎(いつもながら寝起きが悪い)

京太郎(誰か寝起きが良くなる手段を知ってはイないだろうか)

京太郎(社会人になったら毎日だしなー)

京太郎(というか、重いんだけど何か乗ってるの!?)

京太郎(はるるかよ!重いよ!)

春「zzz」

京太郎(何で俺の上に乗っかってるんだ!寝苦しいわ!)

春「……寝起きでラッキースケベイベント期待」ボソッ

春「zzz」

京太郎(だから、どけろってぇ!!!)



春「……何もなかった」シュン

京太郎「お前は何を言ってるんだ。乗るなら戒能さんにしろ」

良子「申し訳ないが私を身代わりにするのはNG」

巴「普通に寝ましょうよ、普通に」

良子「そのことについては置いといて。朝食を食べたら本家に帰るよ」

春「えー」

良子「えーじゃない。私の家にいつまで寄生するつもりなのさ」

春「無論、死ぬまで」

良子「斉藤乙」

京太郎「どうでもいいけど劇場版のるろ剣はぶっとんでましたね」

巴「観柳ははまり役だったねぇー」

良子「うん、このままだと話がそれるからごはんを食べるよ」

「「「はーい」」」

良子「ハルと巴の服は私のを貸すとして……少年はどうする?」

京太郎「全裸で行きます」

良子「は?」

京太郎「全裸で行きます」

巴「きょーちん、まだ寝ぼけてるんだね……」

京太郎「ということで脱ぎまーす」ポイヒョイッ

良子「ちょ、ちょっと待ったあああああああああ!!」

京太郎「何ですか、一体……!脱いだ服なら袋に入れて持っていきますけど」

良子「いや別にここに置いていっても……って違う!違うよ!」

京太郎「ああ、そうですね。このままだといけませんね」

良子「そうだよ!服ならどうにかするから!」

京太郎「このままだったら股間丸出しで不審者ですからね。
小蒔さんのお父さんから借りたゴッドモザイクを使えばオッケーですよ!」

良子「そういう意味じゃないからね!?」

京太郎「何でも、天照系の光学神奏術で股間の大切な所は見えないにくいやつということらしいです」

良子「そんな説明はいらないよ!」

京太郎「逆に考えたらいいんですよ、服を着たら負けだと」

良子「負けじゃないからね!?」

京太郎「さあ、脱ぎました!行きますよ!」

良子「行く訳ないでしょう!」

巴「さすがに私もどうかと思うね……」

春「筋肉の均衡が絶妙……ウホッ、いい身体」

良子「ハルは黙っていようか。第一警察に見つかったらおじゃんでしょう!」

京太郎「戒能さん、こういう言葉を知っていますか?バレなきゃ問題はないって」

良子「犯罪者のセリフだよ!」

京太郎「ともかく、俺はこれで行きますから」

良子「止めて!私の家からその姿で出ないで!お願い、何でもするから!」

京太郎「ん?今何でもするって言ったよね?」

良子「えっ、それは言葉のあやで……」

京太郎「ん?今何でもするって言ったよね?」

良子「だから」

京太郎「ん?今何でもするって言ったよね?」

良子「……何が望みなの?」

京太郎「こんどデートするんだよおうあくしろよ」

春「!?」

巴「~~♪」

良子「デ、デートって!?そういうのはハルの役目であって!」

京太郎「俺は、戒能さんとデートしたいんです(迫真)」

良子「う、ううっ!」

春(私や霞とのデートは断ったのに……)ズズズッ

京太郎「いいんですか?このままだと俺は全裸で出ますよ?」

京太郎「そしたらご近所付き合いで全裸の家って噂されますよ!」

京太郎「さあ!さあ!」

良子「ぐぬぬ……!全裸の家という呼ばわりは嫌だ!だけど、デートも恥ずかしい!」

春(良子さんなら断ってくれるって信じてるから)

京太郎「俺は恥ずかしくありませんよ。あるェー?もしかして、そういう経験がなかったり?」

良子「で、デートの経験ぐらいあるから!」

京太郎「ならデートぐらい余裕じゃないですか。そんなに慌てるなんてまるで中学生みたいですよ。
戒能さん程の美人でしたら男の人とデートなんてお茶の子さいさいですよね」

良子(言えない……麻雀にずっとかまけててそういう経験が全くないなんて!)

良子「見たところ少年は経験豊富……!クールなイメージがある私を保たなければ!)

良子「ふふっ。少年、大人をからかうもんじゃない。君にはもっとお似合いの娘がいると思うな」

良子(話題を逸らしてハルにぶつける!これで私はフリー!)

京太郎「それとこれは別です。今の俺には戒能さんしか見えませんから」

良子「…………」ボンッ

京太郎「あれれー。顔が真っ赤ですよ、戒能さん。熱でもあるんですかー」

良子「な、ないない!ノーウエイノーウエイ!」

京太郎「いえいえ、心配ですから。ちょっと失礼しますね」オデコニテヲピトー

良子「ひゃっ!」

京太郎「うーん、熱はないみたいですねー。どうしたんですか、突然真っ赤になって」

良子「つ、冷たい……」

京太郎「これで少しは落ち着きましたか」ニコッ

良子「う、うん……」

巴(全裸だから如何わしい姿になっているのは誰も突っ込まないんでしょうかね……)

春(あばばばばば)

京太郎「深く考えることはありませんよ。ちょっとしたお礼を兼ねて出かけるだけですから」

良子「そ、そうだよね!」

京太郎「その過程でデートと呼ばれるかもしれませんが……やましいことなんてこれっぽっちもありませんよ?」

良子「全裸と一緒に外を出るか……それとも、デートをするだけか」

京太郎「大丈夫です、俺がエスコートしますから」

良子「な、なら……お願いしてもいいかな?」

京太郎「もちろんですよ、お姫様をエスコートするのは王子の仕事ですから」

良子「キザだね。口ではなんとでも言えるよ?」

京太郎「いえいえ、これぐらい気取らないと戒能さんの相手なんてとても出来ませんよ」

京太郎(それに……デートの時に全裸にならないでとは言われていませんしねー)

キャッキャウフフ

巴(ひゅー……これはかすみん達は荒れるだろうなぁ。面白そうだからフォローしないけど
あ、はるるの魂が抜けかけている)

春()シロメ

京太郎「ということで服は戒能さんのを借りました」

良子「Tシャツとジーパンだね」

春()シロメ

巴「はるる、いい加減戻って」バシッ

春「はっ!悪い夢を見ていた気がする……」

巴「残念ながら現実なんだよね、その夢」

春「ぐぬぬ……」

巴「はいはい、唸らない。大丈夫だって、ちょっとしたお礼を兼ねて出かけるだけだから」

春「いいや、良子さんは男に飢えているね!京の始めてを散らす気でいる!」

春「だって、良子さんの学生時代なんてそれはもう……」

良子「それ以上言ったら黒糖取り上げるよ?」ニッコリ

春「それだけはやめて」

良子「なら、変なことは言わない」

京太郎「従姉妹漫才を見ているみたいです……」

巴「関係ない顔をしてるけどきょーちんが原因ですからね?」

京太郎「戒能さんをからかう為にデートとはいいましたが、大したものではないですよ。
御礼をするだけなのに大げさですって。そういう意味では巴さんとも後日……」

巴「私はいいよ。これ以上はるる達の胃を壊したくないし」

京太郎「巴さんのお礼とはるる達は関係ないと思いますが?」

巴「乙女心というものがあるんだよ。男の子には難しいものだけどね……」

京太郎「とか、言っている内に到着しましたね」

巴「っと、門の前に誰かいますね」

霞「あらあらこれは全員お揃いで」ニッコリ

巴(こ、これは……)

霞「私達に何も言わないでどこに行ってたのかしらねぇ」ニッコリ

春(ヤバい、かなりヤバい)

霞「とーーーーーーーーーっても、心配したのよ?朝になったら三人ともいないし」ニッコリ

京太郎(戒能さん!連絡しなかったんですか!)ヒソヒソ

良子(すっかり忘れてた)テヘッ

京太郎(ヤバいですよ、あの状態は!殺されますよ、俺ら!)

良子(ドンウオーリー。私に任せて)

良子「ちょっと待って欲しい」

霞「戒能さんは黙っていて下さい」ニッコリ

良子「……はい」

京太郎(ちょおおおおおおおおお!!)

春(良子さん何やってるんですか……)

巴(折れるの早すぎですよ、ちょっと!)

良子(無理無理、アレは無理。私握りつぶされる)

京太郎(うっ……何か股間が……痛い)

春(た、たたたたすけて)

京太郎(無理無理無理!俺が死ぬ!)

巴(あ!逃げようとしないで下さいよ!)

良子(私は部外者だから)キリッ

巴(ここまで来たら巻き込みますからね!)

京太郎(霞さんに俺らだけで挑めとか無理ですよ!)

春(黒糖美味しいな)ボリボリ

京太郎(現実逃避するなぁ!)

霞「さっきから何をコソコソとしているのかしら?
言いたいことがあったらハッキリと言いなさい」ニッコリ

(こ、怖い……)

京太郎(誰か!誰か助けに来てくれー!!)

春(無常にも助けは来ない)

京太郎(そんなナレーションはいらねぇよ!)

小蒔「どうしたんですか~霞ちゃん」

京太郎(きたああああああああ!)

春(さすが姫様)

巴(来て欲しい時に来てくれる!)

良子(これで勝つる!)

霞「あら、小蒔ちゃん。ちょっと、お仕置きをね……」ニッコリ

京太郎(え!?されること確定なんですか!)

春(笑えない……)

巴(朝帰りしただけなのに!?)

良子(神代さんなら説得してくれるから大丈夫)フルエゴエ

霞「連絡もなしに朝帰りはいけないと思うのよ、ね?」

小蒔「まあまあ。落ち着いて下さい」

小蒔「確かに、私達は連絡もなしにいなくなった三人を心配しました」

小蒔「ですが、三人も悪気があって連絡できなかったわけではありませんよね?」

京巴春「「「エベレストよりも高く反省しています!」」」

小蒔「ほら、皆さんこの通りにすごく反省している訳ですし」ニコニコ

霞「……はぁ。まるで、私が悪者みたいじゃない」

京太郎(小蒔さんから後光が……!)

春(何とか助かったね)

巴(本気を出してトリプルアクセル土下座をする所だったよ)

良子(これ、私完全にとばっちりだよね)

霞「いいですか、今後このようなことがあったらちゃんと連絡するように」メッ

霞「皆心配するんですからね。ここにいないはっちゃんも心配してたんだから」

京太郎「はい!」

春「この度は!」

巴「誠に!」

京春巴「「「申し訳ございませんでした!!」」」

霞「そ、そこまでされるとこっちが悪いわね……」

良子「まあともかく、事情は私が説明しとくから君達は部屋に戻っていなよ」

京太郎「わかりましたー」


【自室】



京太郎「という訳で帰ってきたぞ」

京太郎(小蒔さんから午前中は休んでいて下さいと言われたけど戒能さん家で寝てるんだよなぁ)

京太郎(何をするにも思い浮かばないし……)

京太郎(……同じく休みのはるるか巴さんに会うべきかな)

京太郎(そういえば、オフ会とかあったな……早い内にメールを打っておくか)ピコピコ

『おはようございます。そういえばオフ会の日程とか決めてなかったと思いますが決めませんか?』

京太郎(まあこんな感じで大丈夫だろう)

ヒエア!ヒエア!アクセルワールド!

『覚えてくれてたの?ちょーうれしいよー。別に今日でも大丈夫だよー』

京太郎(今日、か……さすがに朝帰りの後の外出は霞さんが怖いし……
仕事の休日は明日まであるし今日はゆっくりしよう)

『急ぐことでもないですし、今日じゃなくても大丈夫ですよ。
明日とかどうでしょうか?』

京太郎(うん、これでよし)

ヒエア!ヒエア!アクセルワールド!

『大丈夫だよー。明日の何時に待ち合わせかなー』

京太郎(朝はさすがに辛いし……昼近くがいいかな)

『昼近くでどうでしょうか?待ち合わせ場所は……』

『近くの公園で。西郷公園の西郷隆盛像の前とかどうでしょうか?』

ヒエア!ヒエア!アクセルワールド!

『りょーかいだよー。じゃあお昼近くに待ってるよー』

京太郎(完璧だ……まあ、小蒔さん達にはちょっと出かけます程度で大丈夫だろう。
ちょっとしたオフ会なだけだし)

ゾクッ

京太郎(大丈夫、だよな……?)

京太郎(うーん、何でだろう。大丈夫なはずなのに不安だ……)


【昼・大部屋】

小蒔父「別にいいんじゃないかな」

京巴春「「「「えっ」」」

小蒔父「いや、戒能君から聞いたよ。
朝帰りについて。突如悪霊が現れたことを察知した君達は夜に抜け出して退治したんだろ?」

京太郎(ほぼそのまんまじゃないですかー!)

春(もっと誤魔化すべき)

良子(こういうのは噓を言わずにちゃんと本当のことを言うべきだからね)

小蒔父「まあ、私も若い頃は朝帰りをしょっちゅうしていたからね。気にしてないよ」

小蒔母「」ギロッ

霞「」ニッコリ

初美「」ムスッ

小蒔「」ニコニコ

小蒔父「ああ、うん。一応は連絡してくれると嬉しいなーって」アセダラダラ

京太郎(弱っ!立場弱っ!)

巴(尻にひかれてますねー)

京太郎(あれ?こんな状況で明日ちょっと出てきますーって言ったら俺死ぬんじゃね?)

京太郎(でも、逆に考えるんだ。ちょっとしたメル友と一緒に出かけるのにやましいことなんてあるのだろうか)

京太郎(むしろ、それをやましいことだと考える相手サイドに問題があるのだろう)

京太郎(ならば、俺は悪くないのではないか)

京太郎(まあ、そもそも行きたいんだからしょうがないよね!)マジキチスマイル

小蒔父「ということだから、まあ程々に……あ、はい。連絡はきっちりとして下さい」

京太郎「あっ、すいません。俺、ちょっと明日出かけますんで」

小蒔父「ほう、天江君との逢引かね。素晴らしいことだとアダダダダダダ!」

小蒔母「な~にを言ってるのかしらね~」

巴(この状況で地雷を投入するとは……)

良子(え、これってもしかして私とのデートのこと?)ドキドキ

春(ぐぬぬぬ……良子さんにラブ臭が)

京太郎「ああ、違いますよ。ちょっとした友人と出かけようかなって」

良子(私じゃなかったのか……)ショボン

巴(地雷じゃないかー。つまんないなぁ)

春(友達……京の友達……。普通に考えると男の友達だから安心安全だね)ニッコリ

小蒔父「うん、友達と遊ぶのは若い内にできるだけやっておくべきだからね。
楽しんできたまえ。あ、後、天江君との逢引の時はぜひ……あだだだだだっ!」

京太郎「大丈夫なのか、この家……」

巴「多分、どうにかなるんじゃないかな?それよりもこっちに友達がいたんだねー」

京太郎「いえ、メル友ですよ。その人がたまたまこっちにいるみたいで会ってみようかなって」

初美「それって誰なのですか-!」

京太郎「うわっ!薄墨さん、すごく久しぶりですね……」

初美「そんなことはどうでもいいのですよー!」

京太郎「まあ、ともかく……別に普通のメル友ですし怪しくもなんとも無いですってば」

霞「……本当かしらね」

小蒔「私、気になります!」

春「本妻は慌てない、クールにいく」

良子「……私にはデートを誘ったのに」

巴「収集がつかないですねー。きょーちん、どうするんですか?」

京太郎「どうするも何も!やましいことなんてないですってば!
関係ないですって!もう!」




京太郎(とりあえず、色々と追求されたけど何とか逃げきれたぞ……)

京太郎(しかし、皆の目つきが変わってたのは気のせいだろうか)

京太郎(さてと、昼からはどうしよう?)

京太郎「ということで見送りに来ました」

良子「物好きだね。全くこっちの気も知らないで……」ブツブツ

京太郎「へ?」

良子「少年には関係ない!と、ともかく……デートについてはどうするんだ?」

京太郎「そうですねぇ……明日は友達と出かけますしね」

良子「確か、一日フリーは明日までだったはずだ。私もプロだから多忙だ、大変残念に思うがこの話は……」

京太郎「夜、夜とかどうですか?」

良子「えっ?」

京太郎「戒能さん、この街について詳しいですよね?」

良子「ん……まあね」

京太郎「美味しい夕食が食べれたり、綺麗な夜景が見える所とか色々と連れて行ってもらえませんか?
俺、こっちに来た時は小さくて名所とか覚えていないんですよ」

良子「夜のデート……ホテル……わわっ」

良子(ど、どうする!予想外だぞ、この展開は!まさか、一目惚れとか言われるんじゃないんだろうな!
そして、そのまま流されて……あわわわわわ!)

良子(だ、だめだ、ここで断ったら男性経験がないって笑われる、大人の余裕を少年には見せておかなくては)

良子「ふふっ、いいのか?ハル達に変な噂を立てられるかもしれないぞ?」ニヤッ

良子(完璧な切り返し!これで少年は恥ずかしがって……!)

京太郎「?別にいいですよ?やましいことなんてないですしね。
戒能さんと出かけるのにハル達は関係ありませんよ」

京太郎「……戒能さんは俺と一緒じゃ嫌ですか?」ニコッ

良子「別にそういう訳じゃ」

京太郎「なら決定ですね。こういうのは早い方がいいですし明後日、俺が仕事終わった後とかどうでしょう?
明後日ならまだこの街にいますよね?」

良子「あ、ああ」

良子(また流されてる……!くぅ……っ!)

京太郎「それなら、仕事終わった後に連絡するんでケータイはチェックしておいてくださいね」

良子「わかった……」

京太郎「楽しみです、戒能さんと夜のデートなんて」

良子「からかうなっ!全く、恥ずかしいったらありはしない……」

京太郎「そうですか?俺は全然恥ずかしくないですけど。
戒能さんみたいな綺麗な女性と一緒に歩けるなんてすごく嬉しいじゃないですか」

良子「君はまたそういうことを……!まあいい、そろそろ行く」

京太郎「はい。明後日、楽しみに待っていますね」ニコッ

良子(その満面の笑みはずるいよ……)