高校生になって初めて彼女ができた。

学校では変態と人くくりされた友達はなんだかんだ妬みながら祝福してくれた。

そして今日は初めてのデート。

洋服や小物を買ったりファミレスでお昼をとったりと、まさに高校生といった感じのデートを楽しみ最後に来たのは夕暮れの公園。

町外れにあるから人気もなく俺ら以外いなかった。

そのおかげか思春期特有のエロい妄想が沸き上がりながらも、二人きりの時間を楽しむ。

「今日は楽しかったわね」

微笑みを浮かべる彼女。


「ねぇ、京太郎くん」

「私たちの記念すべき初デートってことで、1つ、お願いを聞いてくれるかしら」

否応なしに心拍数があがる。


「死んでくれるかしら」



時が止まった気がした。


聞き間違いかと思い、訊き返す。



でも──

「死んでくれるかしら」


また、はっきりと俺に言った。笑いながら。

俺が冗談だと笑い飛ばそうとした瞬間──


彼女の背中から黒い翼が生えた。


何が起きてるのか理解出来ない。

意味がわからない。


そして、彼女の手に一本の光の槍が現れ、そして──


俺を、貫いた。

いつの間にか槍は消えポッカリ空いた穴からは血が吹き出す。


意識がだんだん薄れていく。


今際のきわ、俺が思い浮かべたのは1人の女の子だった。

学校でよく見かける黒い髪をしたあの美人。

どうせ死ぬのなら彼女の腕の中で……と思ってしまう俺は浮気性なのだろう。


でも、死ぬなら彼女の胸を揉んで死にたかったなぁ……と死ぬ前でもエロ妄想は止まらない。


……生まれ変われるなら、俺は……


「あんたやね、うちを呼んだのは」

目がボヤけて誰なのか分からない。

「死にそうやな。傷は……ふぅーん、面白いことになっとるやないか。あんたがねぇ……。ホント、面白いやないか」

「どうせ死ぬなら、うちが拾ったるわ。あんたの命。うちのために生きてくんやで」


意識が途絶える寸前、俺の目に黒い髪が写りこんだ。