ノドカ姫


昔むかしあるところにノドカというそれはそれは美しい女の子がおりました

ノドカは毎日毎日いじわるな義理の姉達と継母にいじめられていました

キヌエ「なんやこの趣味悪いぬいぐるみ!こんなもんキーーーック!!」

キラメ「ノドカはみすぼらしい服で掃除をするのがお似合いですばら!   

    スゥーバッラッラッラッラッラッラ!」

タカコ「ノドカァ!今日はお城で舞踏会だぞノドカァ!私らの服を用意しろぉ!」

ノドカ「ああ、お姉さま、お母様、私もお城に行きたいです…」

キヌエ「なんや生意気いいよって!このエトペンだかいう気色悪いのみたいに蹴り上げたろかー!」

キラメ「ノドカにお城とか10年早いですばら!スゥーバッラッラッラッラ!」

タカコ「そういうことだノドカァ!お前はここで留守番だぁ!」


ああ!なんと可哀想なノドカ!

彼女は継母達を見送ると、窓から星を見上げて祈りました


ノドカ「ああ、私の本当のお父様、お母様……天国なんてありえないので信じてはいませんが、

    どうかこの哀れなノドカのお願いごとを聞いてください…

    私もお城の舞踏会へ行って楽しいひとときを過ごしたいのです…」

そのとき、どこからともなく謎の女性があらわれたではありませんか!


トモキ「ども…」

ノドカ「あなたは何者です!刑法130条の住居侵入罪で…!」

トモキ「あなたの願い事を聞いた…数学的にドレスを着せて、馬車を用意してあげる…」

ノドカ「なんと数学的に!?それは素晴らしい!」

トモキ「この世の全ては数学で出来ている…数学がわかればドレスも馬車も調達できる…

    それっ、ハイゼルベルグの不確定性原理にベンフォードの法則、ラマヌジャンデルタに伊藤過程

    ポアソン分布に回帰ツリー、そして最適化問題を組み合わせることで…あら不思議」


なんと!驚くべきことに謎の女性が美しき数学の理論を述べていったことで

ノドカは綺麗なドレスを身にまとい、外には馬車が馬付きで用意されていたではないか!

ああ!素晴らしきかな数学の世界!讃えよ数学の世界!


ノドカ「ありがとうございます、これで私もお城に行けます!」

トモキ「礼には及ばない、さあ楽しんでおいで…馬よ走りなさい」

馬(ユーキ)「ヒヒィーーン!」

そうしてお城へ到着したノドカ、初めてきたお城に緊張を隠せませんでしたが、

お城の兵たちも愛らしい容姿に立派な身なりのノドカを見て、どこかの高貴な方であると思い、恭しく案内をしました

通された会場では聞いた事もない音楽が演奏され、会場も人々も目もくらむような豪奢な装飾をまとい、

楽しそうに踊っていました

いまきたばかりのノドカは相手を探そうにも誰と踊ればよいのか分かりませんでした

途方にくれていると


キョウタロウ「何と美しい方でしょう!どうかこの僕と踊っていただけませんか?」


声をかけてきたのは、会場内のどの人よりも立派な服装、それにつつまれた四肢もしなやかで、

気品に満ち、背の高い整った顔立ちの男性でした

こんな美少年と踊れるなんて…ノドカは夢を見ているようでした


ノドカ「喜んで」

キョウタロウ「リードは僕にお任せを」


二人は時間が経つのも忘れ、優雅に舞い続けました

ノドカの心にも暖かい感情がわきあがっていました

そう、恋をしたのです

と、そのとき壁掛け時計が12時を指そうとしているのが目に入り…


ノドカ「ああ、いけない!今日は麻雀放送大学で『塔子落としから読む手牌構成その2』が入るのでした!」

ああなんと真面目なノドカ!可憐な容姿だけではなくこの勉強熱心な姿こそが彼女の最大の魅力なのです!

ノドカは急いでお城の出口まで駆け出しました

階段をおりていく途中で靴が片方脱げてしまいましたが構いませんでした


キョウタロウ「お待ちを!あなたのお名前だけでもお聞かせください!」


男性が後ろから叫びますが、ノドカは馬車まで走ると馬に鞭を打って走らせました


キョウタロウ「行ってしまわれた…一体、どこの方だったのだろう

       おや?これは…」


残された男性はノドカが落としていった靴を拾い上げました


後日、お城よりこんなお触れが街中に伝わりました


『先日催された舞踏会にて靴を落とされた女人あり

 その靴に「ノドカ・ハラムラ 住所○○-○○○」とあり

 この所有者は名乗りでよ』


ノドカの継母達はこのことを聞いて驚きました


キヌエ「なんやノドカのアホゥ!お城に盗みに入ったんか!」

キラメ「これであの子も終わりですばら!早速お城に突き出してやるですばら!スゥーバッラッラッラッラァー!」

タカコ「罪人をとっつかまえったってことで褒美があるかもしれないぞ!いくよあんたらぁ!」

ノドカ「……」

ノドカと継母達はお城に着き、門番に「ノドカをつれてきた」と伝えました

それを聞くと門番は慌ててお城の中へ入りました

しばらくしてお城の中から出てきた人物を見て、一同はびっくりしました


キョウタロウ「おお!まさしくあの夜の女性だ!身なりこそみすぼらしいが見間違えるはずもない!」


ノドカ「あなたは…あの時の…!」


タカコ「お、王子様!?」


ノドカ「え…?」


ノドカはここで初めて男性がこの国の王子、キョウタロウであることを知りました


キョウタロウ「ノドカさん…どうかこの僕の妻になっていただけませんか」


王子はひざまずき、ぼろ布で繕った衣服を着た庶民に求婚しました

ノドカの返事は決まっていました


ノドカ「はい…喜んで…」


こうしてノドカは意地悪な継母達の家を出て、キョウタロウ王子の妻となりいつまでも幸せに暮らしましたとさ

翌日、ベンチで冷たくなったヒッサが発見され、まこと咲が病院内で息を引き取った

めでたしめでたし


…………

久「…」

まこ「…」

優希「…」

咲「…」


久「これ、和が書いたのよね…?」

咲「はい…クラスメイトが文芸部にいて、その子が和ちゃんがある日…

  『一晩かけて書き上げました!評価のほどをお願いします』って、

  ふんすって感じでドヤ顔しながら持ち込んできたのが、この小説だって…

  困るから麻雀部に引き取って欲しいって言われて……」


優希「私…馬……?」

久「…出番があるだけいいじゃない」

まこ「わしらなんか最後の一文で死んどるからのう…入れ忘れたからとってつけたように書かれとるわ」

優希「のどちゃん、花田先輩のこと…あまり好きじゃなかったのか……そっちの方がショック大きいじぇ」

咲「どうしましょう…これ…」

久「焼きましょう、徹底的に」



和「あ、須賀君!」

京太郎「ん?おお、和!奇遇だな!今日は部活がなくなったから会えないかと思って寂しかったぜー!」

和「も、もう…須賀君ったら…!」

京太郎「へへ…なんてな、これから帰りか?なら一緒に帰ろうか」

和「はい!喜んで………私の王子様…」

京太郎「ん?なんか言った?」

和「い、いえ!何でもありません!」

京太郎「…?」


しばらく久達は和と顔を合わせるのが辛かったそうです


カンッ