美穂子「……えと、綺麗な玄関?ですね」ニコ

京太郎「あ、ありがとー……ございまーす……」

美穂子「わあ、あれ、あの、あれですね、あの、綺麗な玄関」ニコ

京太郎「玄関……お好きなんですか?」

美穂子「い、いえ……」カアア

京太郎「あ、そうなんすか……えと」ウツムキ

美穂子「……」ウツムキ

京太郎「(……なんでこんなことになったんだったかしら……)」

……


優希「おお犬!見ろ!まるで城のようではないか!」

京太郎「え、お前そんなあれだっけ、口調だっけお前」

優希「そうだじょ」

京太郎「それそれ!なんだお前普通じゃん」

優希「おかしなやつだじょ。あの城にいってみよう」

京太郎「あの城って魔王が住んでるって噂じゃん、なんかこえーよ」

優希「マジ?ちょー行ってみたいんだけど」

京太郎「いやだなー」グイグイ

そして俺は引っ張られるままに魔王の城へ向かったのだった……

……


京太郎「う……むにゃ」パチン

京太郎「?」キョロキョロ

京太郎「あれ、ここは……」

美穂子「あ、あの……」

京太郎「?」

美穂子「あの、清澄高校の方、ですよね……」

京太郎「ええ……そちらは……」

美穂子「あ、えと、風越女子高校麻雀部のきゃぷてんをやっております、福路です」ペコリ

美穂子「あの、もう決勝始まってるんですけど……」

京太郎「え、マジっすか!?」

美穂子「おはなをつみに……その、きたんですが、気持ちよさそうに寝てらしたので……」モジモジ

京太郎「あ、すみません、どうも……」ポリポリ

美穂子「宮永さんが活躍されてますので、早く見に行ってあげたほうがいいんじゃないでしょうか?」ニコ

京太郎「そうですね……起こしてくれてありがとうございます、じゃ、行ってきます!」タタタ…


ポツーン

美穂子「(かわいい……)」


タタタ

美穂子「あれ?」

京太郎「あの、メルアド聞いてもいいッスか?」チャラッ

……


京太郎「(そんで、決勝終わってメールしたら……)」



無題
京太郎ッスけど、さっきは本当にありがとうございました!

Re:
いえいえ、まにあってよかったですね

Re:
あの、怒ってます?

Re:
おこってないです

Re:
……あの、今度食事とか一緒にどうです?

Re:
いいです

京太郎「(どっちなんだ……!!!!!!!!!)」



~食事処『でいさーびす・ぱらだいす』~

京太郎「……変な店名っすね」

美穂子「しーっ、ですよ」クスッ


京太郎「福路さんはその、キャプテンとかやっててよかったって思うことあります?」

美穂子「そうですね……なんていうか、私だけ三年生で、みんな年下なんですけど」

美穂子「みんないい子たちなんです。かわいくて、大好きで」

美穂子「目に入れても痛くないっていうか……そんな子たちと一緒に麻雀してると、ぽかぽかするんです」ニコッ

京太郎「そうなんですか……いいなあ」

美穂子「須賀くんも、そうじゃないんですか?」

京太郎「あ、そういえばそうっすね。……みんな、良い奴だし……大好きっす。でも……」

京太郎「……や、なんでもないっす」ニコ

美穂子「?」


……


美穂子「らからぁ、もうすぐそつぎょーなのぉ!!!!!!!」机バーン

美穂子「もう……これまでみたいに、みんなに会えなくなっちゃうの……」グスッ

美穂子「もーどーしていいかわかんないよ!!!!!!」

京太郎「(コーラでめっちゃ酔ってる……)」

京太郎「……でも、それはみんなも同じことっすよ」

美穂子「ふぇ?」

京太郎「みんな、福路さんがいなくなるのが悲しいんです。でも、しょうがないじゃないっすか」

京太郎「学校っていうのはいつか卒業しなくちゃいけないものなんす」

京太郎「そういうシステムなんすよ……」

美穂子「しすてむ……むーっ……!!!」

美穂子「……ふふっ」

美穂子「ありがと、須賀くん、おもしろかったよ」ニコッ

京太郎「いえ」ニコッ

美穂子「……あ、須賀くん、さっきなんか言いかけてなかった?」

京太郎「あ、いや、あれは……しょーがないことっつーか」

美穂子「……つべこべいわず、お姉さんに打ち明けるのだーっ!!!!!!」ガバッ

京太郎「」ジタバタ

京太郎「……実はその、麻雀は俺からっきしで……」

美穂子「ふんふむ……」

京太郎「いっつもみんなに迷惑かけるんすよ。俺がもっと上手かったら、咲の練習相手にだってなってやれるのに……!」

美穂子「……咲?ああ、宮永さんのこと……」ムスッ

京太郎「……でも、しょうがないんすよ……そんな早く強くなれるわけねーし」

京太郎「だから、もっと頑張らなきゃ、ダメなんす……」ニコ

美穂子「……い」ボソッ

京太郎「へ?」

美穂子「しょーがないことなんてない!!!!!!!」机バーン

美穂子「きょーたろーくんわぁ、つよくなりたいんでしょ?」

京太郎「……はい」

美穂子「じゃあ甘えんな!!!!!浸るな!!!!!貪欲になればいーじゃん!!!!!!」

京太郎「」

美穂子「男の子がそんななよなよしてちゃダメだよ!!!!!」

美穂子「私が見こんだ男の子なんだから!!」蒸気プスーッ

京太郎「……え?」

美穂子「あ、えと、そーゆう意味じゃないから!!!!!!」アタフタ

美穂子「えっと、」

美穂子「今度から特訓だよ!!!!家に雀卓あるんでしょ?私が特訓してあげるよ」

京太郎「ま、マジっすか……?」

美穂子「うん、マジ」

京太郎「……ありがとう……ございます!!!!!!よろしくお願いします……っ!!!!」ペコ

京太郎「……俺、強くなりたいっす……!!!!!」ポロポロ

美穂子「泣くな泣くなー」ナデナデ

……

美穂子「」ハッ

美穂子「あ、あれ……?」

美穂子「ここは……」

美穂子「京太郎くん……あ、肩貸してもらっちゃってる……ありがとうございます……」ペコ

美穂子「あ、あれ……?なにこれ」

路上 吐瀉物

京太郎「福路さん、その……さっき」ユビサシ

美穂子「……まじ、ですか?」

京太郎「マジっす」


……

京太郎「(……ってことが)」

美穂子「(あったんだっけ……)」

二人「………」

二人「……えと」

京太郎「あ、お先に」

美穂子「う、うん……あの、ですね」

京太郎「はい」

美穂子「かえって、いいですか?」

京太郎「だめです」

美穂子「そう、ですか」

京太郎「いや福路さんが言ったんじゃないっすか来るって!!!!!!」

美穂子「私はその!!!!!酔っただけでその……あれだし……勢いっていうか……」ゴニョゴニョ

京太郎「……俺、あのとき嬉しかったんすよ」

美穂子「……それは……ありがとう、ございます……」カアア

京太郎「……福路さん」

美穂子「はい」

京太郎「お願いします」ペコ

美穂子「(……断れないの、知ってるくせに……)」

京太郎「」チラ

美穂子「……いいです」

京太郎「どっちですか!?」

美穂子「いいですー」ニコッ



後ろ手にドアが閉じられて、カン