咲「東京で迷子になってたら京ちゃんとお姉ちゃんが歩いてるのを見かけた」

咲「京ちゃんの心は私から離れちゃったんだ…」


京太郎「いやあ、すみません。一緒に咲を探して貰って」

照「問題ない。私には咲センサーがある」

照「私の咲センサーによれば……むむむ……」

照「あっち!」ビシッ

京太郎「茶店? 居ますかね、こんなところに」


咲(京ちゃんとお姉ちゃんが一緒に喫茶店に……)

照「センサーによれば……この席!」ビシッ

京太郎「日当たりいいっすねここ。 それで、咲は?」

咲(あの席……カップル専用席じゃ……)


照「センサーによれば……このコーヒーおかわり!」ビシッ

京太郎「うまいですねこのアイスコーヒーねぇ咲は?」


咲(二人でコーヒー飲んで談笑して……)

咲(これじゃあまるで……デートみたいな……)

咲「……グスン」


照「ごめん。 咲ここじゃなかった」

京太郎「俺ら何してたんスか。一時間も」


咲(やっと出てきた……)


京太郎「それで、咲は何処スか?」

照「うーん……うーん……。 こっち」ビシッ

京太郎「甘味処? ホントでしょうね?」

咲(あ、あそこは! いつか京ちゃんと一緒に行こうとしてた甘味処!)

照「らぶらぶはあとごま蜜団子1つ」

京太郎「ネーミングセンスの欠片もありませんね。 で、咲は?」

咲(あ、あれは! いつか京ちゃんと一緒に食べようとしてたごま蜜団子!)

照「京ちゃん。 ごま蜜団子っていうのは互いに食べさせあうのがマナーなんだよ」

京太郎「へぇ。 じゃあ、咲はどこなんですかあーん」

照「あむっ。 ~♪」モッキュモッキュ


咲(あああああれはぁっ!! いつか京ちゃんと一緒にやろうとしてた食べさせ合いっこおおおお!!)

咲「……京ちゃぁん……」メソメソ


照「京ちゃん。甘い物を食べた後は甘い物が飲みたくなるね」

京太郎「全然わからないですし、咲はどこですか」

照「うーん……。 ……あそこにならいると思う」ビシッ

京太郎「スタバ? 一人でスタバとかやるなぁ咲のやつ」


咲(い、行ったことないよあんなリア充の巣窟……)

咲(……どうせ二人だって行ったこと無いくせに……)


京太郎「ホワイトチョコレートモカフラペチーノのグランデで」

咲「 」

照「キャラメルソースヘーゼルナッツシロップチョコレートチップエキストラホイップのエスプレッソショット一つ」

咲「      」


京太郎「行き慣れてますねぇ、照さん」

照「この日の為に練習しといたからね」

京太郎「へぇ」

京太郎(……どういうことだ?)

照「美味しかったね京ちゃん」

京太郎「美味いのはいいんスけど、咲いませんでしたよ」

照「居なかったね。                                                 やっぱり」

京太郎「ん? 今何て言いました?」

照「食べたり飲んだりした後はきちんと運動しなきゃだよね」

照「というわけでゲームセンターに行こう」

京太郎「東京のゲーセンはデカイっすねぇ。 ところでさっきまさかとは思いますけどやっぱりって」

照「グズグズしない」グイッ

京太郎「うおっ」


咲「      」

咲「( ゚д゚)ハッ!」

咲「あ……京ちゃんとお姉ちゃんがゲームセンターに……」

咲「……」

咲「ていうか二人共行ったことあるんだ……スタバ……」

咲「……グスン」


京太郎「……」

照「見て見て。また勝ったよ京ちゃん。 これで5連勝」ドヤッ

京太郎「運動うんぬん言ってたのになんで麻雀格闘倶楽部なんですか」

照「あれ……京ちゃんはMJ派?」

京太郎「いやそうじゃなくて。……というか咲は何処っすか」

照「咲ならいるよ、ほらここ」

京太郎「それは対戦相手の名前が偶然にも『saki』なだけでしょうが」

照「ふふっ。 バレちゃった」

京太郎「……まぁいいや。 ちょっと周り見てきますね」

照「うん」


照(これで……和了りっ)

咲(うひゃあっ! また振り込んだぁ……)

照(……弱いなぁ……この『saki』って人)

咲(うぅ……強いよぉ……この『teru』って人……)


京太郎「うーん……やっぱいねえなぁ」

照「おかえり京ちゃん。 やる?」

京太郎「いや、遠慮しまうわぁ、1コインで12連勝する人はじめて見た」

照「もう飽きちゃった」

京太郎「んじゃ移動しましょうか。 ていうか咲は何処なんですか」

照「あ、そうだったね」

京太郎「素で忘れてらっしゃったなこのぉ」

照「ん~……」

照「あ、そうだ」

京太郎「何か思いつきました?」

照「京ちゃんこっち」グイッ

京太郎「うおっと」


咲「あうぅぅ……3000円も使ったのに全部負けて結局昇格しなかったぁぁ……」

咲「……」

咲「あれ? 京ちゃん達は?」

照「着いた」

京太郎「あの……ここって」

照「入って入って」

京太郎「いや、でも流石にここは……ていうかなんでここに」

照「はーいーるーのっ」ギュルギュルギュルギュル

京太郎「ぐはっ」


咲(あー良かった、日頃から京ちゃんの匂い嗅いでて。 )

咲(さてと、京ちゃんの匂いは……こっちだっ)

咲(……って、あれ? ここって……)


「ちょっ、テルー! 誰その男ー!!」

「昼間から見せつけてくれますねぇ。 畜生」

「……爆発しろ」

「……というか、誰なんだ? その男子生徒は……」


咲「し、白糸台の控え室ぅ!?」


照「清澄高校麻雀部の須賀京太郎。通称京ちゃん」

菫「はぁ」

照「新入部員に迎えようかと」

菫「……はぁ」


誠子「あっ、寝顔かわいい」

淡「ペンでイタズラ書きしちゃえっ。 うりゃりゃー」

尭深「……」ナデナデ


咲「きょ……京ちゃんが……」

咲「お姉ちゃんだけじゃなく……白糸台の皆にまで……」

咲「……寝取られたぁぁ……」グスッ



―カンッ




―――
――


淡「ちょwwwww何この顔wwwwwwワロwwwwwwwwww」

誠子「おもしれー。 魚拓取ろ魚拓」

尭深「………」ナデリナデリ



照「ほら、皆にも評判良さそうだし」

照「……ダメ?」

菫「ダメに決まってるだろ」

照「……グスン」




―もいっこカンッ






京太郎「咲の奴どこに行ったんだ?」キョロキョロ

?「京ちゃん?」

京太郎「え?」クル

照「やっぱり京ちゃんだ」

京太郎「て、照さん!? うわ懐かしい、お久し振りです!」

照「うん久し振り。こんなところでどうしたの?」

京太郎「いや、実は咲が迷子になりました……」

照「そう……」

京太郎「ええ……」

照「よし、じゃあお姉ちゃんが手探すのを手伝ってあげよう」

京太郎「そんな悪いですよ」

照「咲は私の妹。なにもおかしくない。それに私には咲センサーがあるからすぐに見付かる」

京太郎「そうですかね? じゃあお願いします」

照「じゃあ、はいこれ」スッ

京太郎「なんですか? これ」

照「お菓子。しばらく私とここでおじゃべりしようか」

京太郎「いや、さっきの手伝うって発言と前後がぜんぜん繋がってないんですけど」

照「大丈夫大丈夫。後で探しに行くから」

京太郎「いや今すぐ探しに行きましょうよ」


京太郎「で、結局おしゃべりに付き合っちゃったてるし」

照「どうかした?」ポリポリ

京太郎「いえ自分の流されやすさを再確認してただけで」

照「そう」

照「咲は……」

京太郎「はい?」

照「咲はどうしてまた麻雀をやり始めたか知ってる?」

京太郎「ああ、それは俺が誘ったからですよ」

京太郎「頭数合わせで適当に誘っただけなんですけどね、まさかそんなあいつが全国大会に出るなんて」

照「そう」

京太郎「あいつの事、なんでも知ってるつもりでしたけど、なんか俺の勝手な思い込みでしたね」

京太郎「っと、すみませんこんなこと。つい昔の感じでしゃべっちゃって」

照「良い。私も聞きたかったし」


咲「ふぇぇ、ここどこ~」

咲「うう、ちょっとおトイレ行こうと思っただけなのに」グスッ

テクテク、キョロキョロ

ワイワイ

咲(あ、人の話し声。うう、知らない人に話しかけるの恐いけど迷ってられないし……)

咲(頑張って道聞こう)

咲「あの、……!?」ササッ


京太郎「ワイワイ」

照「ガヤガヤ」


咲「なな、なんで京ちゃんとお姉ちゃんが?」

咲「っていうか、なんで私隠れちゃったんだろう……」



照「咲、最初は麻雀嫌いって言ったでしょ?」

京太郎「? ええ、まぁ」

照「京ちゃんから見て麻雀打ってる咲はどう?」

京太郎「楽しそうだと思ういますよ。これは主観とか抜きにして」

京太郎「なんだろう。前まではぜんぜんそんなイメージなかったんだけど」

京太郎「今は咲が麻雀を楽しそうに打ってるがすごくあいつらしいって思える」

京太郎「そういう咲を見てるのが好きなんだ俺」

照「……」

照「それは、恋愛感情とかを含めて?」

京太郎「ファッ!?」

照「単刀直入に聞こう。京ちゃんは咲が好きなの?好きじゃないの?」


京太郎「いや、ちょ、なんでそういう方向の話になるわけ!?」

照「女の子はお菓子と恋バナが大好きなんだよ。さぁお姉ちゃんに白状してごらん」ジリジリ

京太郎「いやぁ、あー……好きじゃない事もない。……って感じですか?」

照「好きじゃない事もない。二重否定か、二重否定は強い肯定。つまり京ちゃんは咲が大好き、と」メモメモ

京太郎「それは英文法の話でしょう! ってかなにメモ取ってるんですか!?」

京太郎「つーか、俺は今恋愛とか誰かと付き合うとかそういうのはあんま考えてないっていうか」

照「枯れてるんだ。可哀想、若いのに」キャッ

京太郎「そういう話じゃねぇよチクショウ!?」

京太郎「とにかく、俺は今は部活を一生懸命やりたいからそっち優先っていうか……」

照「けど聞いた話だと京ちゃん万年雑用係って」

京太郎「一々人の精神を抉るのやめてもらえません!?」


咲「2人とも楽しそう……なに話してるんだろう」コソコソ


京太郎「そうじゃなくて、そろそろいい加減に咲を探しに行かないと」

京太郎「あいつどっかでベソかいてるかも」

照「話逸らした」

京太郎「こっちが本題だからね!?」

照「ちなみに咲ならさっきからあそこにいるよ」ピッ

京太郎「え?」クルッ

咲「あ……」

京太郎「咲?」

咲「いや、あのこれは違くて……」ワタワタ

京太郎(!)

京太郎「ほーら、怖くないよーよーしゃよしゃしゃ、こっちおいでー」チッチッチッ

照(猫相手じゃないんだから)

咲「……」クルッ、ダッ!

京太郎「逃げんなコラァ!」ダッ



京太郎「ご迷惑をお掛けしました」ペッコリン

咲「……ました」ペッコリン

照「迷惑とか別に。私は久々に2人のやり取り見れて楽しかった」

京太郎「っていうか、照さん咲が近くにいることわかってたんですか?」

照「はじめに言ったよ。私には咲センサーがあるから。ここで待ってれば咲が通りかかるって踏んでた」

京太郎(冗談じゃなかったのか……)

照「咲」

咲「ん、なにお姉ちゃん」

照「今はまだちょっと、けど大会が終わったらちゃんと話そう?たぶんお互い話したいこといっぱいあると思うし」

咲「うん……」

照「それと、はいこれ」

咲「なにこれ?」

照「そこの売店で買ったカップケーキ。餞別にあげる」

咲「あ、ありがとう」

照「じゃあまたね2人とも」

京太郎「俺達も戻るか」

咲「うん……」

京太郎「ほれ」スッ

咲「え?」

京太郎「え? じゃあるか、手。握ってないとまたまた迷うだろお前」

咲「そ、そんなにしょっちゅう迷子になってないもん!」プンスコ

京太郎「説得力ゼロ!」

咲「ま、まぁ……京ちゃんが? どうしても? 繋ぎたいって言うなら? 繋いであげなくもないけど?」チラチラ

京太郎「なんでそんな上から目線なんだよ……」ゲンナリ

咲「ど、どうするの!? 繋ぐの!? 繋がないの!?」

京太郎「はいはい繋ぎたいですよお姫様」

咲「も、もぉ! 仕方ないな京ちゃんは!」

京太郎(なんか釈然としない)

京太郎「……」

咲「……」


ギュッ

京咲(か、会話がない……)

京太郎(ああクソ。照さんがあんな事言うから、咲の事変に意識してなにしゃべっていいかわからん)

咲(京ちゃんとお姉ちゃん。楽しそうだったな、なに……話してたのかな)

咲(3年振りに会ったのに、京ちゃん私なんかよりぜんぜん普通に話せてたし)

咲(昔から2人仲良かったもんな……)

咲(好き……なのかな)

咲(なんか……ヤだな)



白糸台控え室

ガチャッ

照「ただいま」

淡「おかえりテルー」

誠子「お疲れサマです!」

尭深「お疲れ様です」ズズ

菫「お疲れ。遅かったな、なにかあったのか? ……ん?」

照「? 菫、どうかした?」

菫「いや、なにか機嫌が良さそうに見えたからな」

照「わかる?」

淡「なになに!?テルーなにか良い事あったの?」

照「うん。実はさっき未来の義弟に………………あ」

菫「どうした?」

照「お菓子買いなおすの忘れた……」


カン!