京太郎「何でそんなものを…」

久「知り合いに貰ったのよ。でも正直胡散臭いから須賀君で試してみようと思ってね。あとどうせ私ならみんな100%だろうし」

京太郎「ひでぇ…この人ひでぇよ…」

京太郎というか俺でやっても大して面白くないでしょう。影も薄いし…」

久「でも意外と分からないわよ?」

久「取りあえずやりなさい」

京太郎「酷いお人だ…」


京太郎「何々…この装置を頭に装着することで、半径5m以内の女子のあなたに対する好感度を受信」

京太郎「手持ちのタブレットに表示します…意外と範囲狭いんすね」

久「まだ実験段階だからね」

京太郎「というか半径5mって…部長しかいないじゃないですか」

久「あら、私の好感度気にならないの?」

京太郎「いや、気にならない訳では無いですが…」

久「じゃあやってみなさい。私まどんな数値が出るか楽しみだわ」


京太郎「えーと、きゅ、95…」

久「あら、意外な結果が出たわね」

京太郎「ぶ、部長、まさか俺のことを…」

久「寝言は寝て言いなさい」

久「そうね、須賀君のことは嫌いじゃないわ。信頼もしてる。ただ恋愛対象として見てる訳じゃ無いわね」

京太郎「あっ、そういう…」


優希「話は聞かせて貰ったじぇ!!この私を計測するんだじぇ、京太郎!」バン

京太郎「あ、機械が勝手に…」ピピピピ

久「8だって」

優希「」

京太郎「優希…お前実は俺のこと嫌いだったのか…」

優希「そ、そんなことないじぇ!京太郎を嫌いな筈が…き、機械が壊れてるんだじぇ!そうに違いない!!」

優希「再計測を要求する!!」

京太郎「ちょ、ちょっと待って、再計測の方法分からん…」


咲「じゃあその前に私を計測してみたら?」

京太郎「咲」

優希「いつの間に!」

久「5ね」


京太郎「」チーン

咲「」チーン


優希「や、やっぱり壊れてるんじゃないかだじぇ」

久「うーん、でもそうすると私の時の95って数字が分からないのよね」

優希「きゅうじゅうごおおお!!??」


咲「やっぱり…私の京ちゃんへの思いが5な訳無い…こんなの絶対おかしいよ…」ブツブツ


和「これは何の騒ぎですか…」

京太郎「」ピピピピ

久「あ、機械が勝手に」


久「ひゃ、100…」

咲「」

優希「」

京太郎「ヒャッホホオオオオオオウ!!!!」ガタッ

和「え、な、何ですかこれは」

久「端的に言うわ。あなた須賀君が大好きなのよ」

京太郎「ありがとう和!!」

咲「和ちゃん!この機械壊れてるの!!絶対信用しちゃ駄目なの!!」

優希「そうだじぇ!!この機械実は嫌われ度を表してるんだじぇ!!」

優希「京太郎はいつもいつもいっっっっつも和ちゃんの胸ばかり見てるから嫌われてるんだじぇ!!」


和「えっと…あの…その……///」カアアア

咲「」

優希「」

久「あらあら…」


まこ「何じゃこの騒ぎは、やかましいのう」ピピピピ


久「36…普通ね」

咲「普通ですね」

優希「普通だじぇ」

和「…///」

まこ「な、何じゃいお主ら…」


京太郎「いやー、嬉しいなあ!和がこんなに俺のことを思っていたとはなあ!」

咲「いい加減うるさい!」ゴッ

優希「今私たちは虫の居所が最悪なんだじぇ」ゴッ

京太郎「はいすみません」

まこ「ほう…好感度測定器か…胡散臭い代物じゃのう」

久「そうね。今回のデータを開発者に送って更に精度を高めて貰わなきゃね」

まこ「ところで、おんしはどのくらいだったんじゃ?」

久「私?95よ」

まこ「おぉ…随分高いのう…」

久「でも正直意外だったわ」


久「てっきり私の好感度は100以上出るだろうと思ってたから。もっと改良して貰わなきゃね」



カン



********************************************



優希「へぇ…好感度測定器…」

久「私の知り合いがくれてね」

京太郎「何故か有無を言わさず俺に装着しやがったんだ」

優希「ちなみに、部長はいくつだったんだじぇ?」

久「私?17だったわよ。あまり当てにならなさそうね」

京太郎「本当に17だったら流石の俺でも寝込みますよ」

優希「とりあえず、この私を測って見てほしいじぇ」

優希(この機械の真偽の程は定かじゃないけど、90以上じゃなかったら何となく悔しいじぇ)

京太郎「えーと、ちょっと待ってろ」ピピピピ


京太郎「おっ、91か」

優希「!!!」

久「中々高いわね」

優希「ど、どうだじぇ京太郎!91だって!!嬉しいだろ!!私に好かれて嬉しいだろ!!」

京太郎「まあ、低いよりはマシだけど…結局ただの余興だからなあ」

優希「…何かテンション低いじぇ。もっと喜んでもいいんだじょ?」

京太郎「いや、ランダムっぽい数字を喜べって言われても」

優希「で、でももしかしたら本当かも…」

久「こんなので人の好感度が測れたら苦労しないわよ」

優希「でも…………私は……………」

優希「私は………グスッ…………なんだじぇ……」

京太郎「!?お、おい、突然泣き出してどうした!」

久「だ、大丈夫?」

優希「わ…私は!グスッ……」

優希「この数と同じくらい……グスッ……いやこの数以上に……」

優希「京太郎のことが………!!」

優希「好きなんだじぇ!!!」


京太郎「………え?」

久「あ~……」

優希「なのに……京太郎は全然気にしてないし……」

優希「私はあんなに嬉しかったのに……」

優希「少しくらい………少しくらい嬉しがっても………罰は当たらないじぇ…」


京太郎「………優希、これを被って見ろ」

優希「へっ?」

京太郎「俺のお前への好感度、測って見ろ」

優希「う、うん」ピピピピ

優希「…………」

京太郎「この数が、俺の思いだ」

優希「………!こ、この馬鹿犬~~!!」ポカポカ

京太郎「お、おい!痛い!!やめろって!!」


優希「やっぱりこの装置は本物に違いないじぇ」



ナン



********************************************



京太郎「ふう……」

ハギヨシ「今日のレッスンはこれで終わりにしましょう。お疲れ様です」

京太郎「お疲れ様です。もう何日も通ってますけど、ハギヨシさんの域にたどり着ける気がしませんよ」

ハギヨシ「いえ、須賀君の上達は目覚ましいものがありますよ。うちのメイドやお嬢様達とも打ち解けているみたいですね」

京太郎「はは、そうですかね」

京太郎「あ、そうだ(唐突)。部長にこんなものをもらったんですよ」

ハギヨシ「これは……何の機械でしょうか?」

京太郎「好感度を計るものらしいです」

ハギヨシ「好感度、ですか。何だか疑わしさもプンプンしますが」

京太郎「とりあえず、これを使ってどのくらい打ち解けてるか計ってみようかな、と」

ハギヨシ「ふむ。今ならメイド達も休憩してるでしょうし、話のタネには良さそうですね」

京太郎「結構手厳しいですね……」

京太郎「じゃあ、衣さんで!」

ハギヨシ「あー……」

京太郎「何ですかその顔」

ハギヨシ「いや、衣様は須賀君を気に入っていらっしゃるようなので」

京太郎「そうですかね? ところで衣さんはどこに?」

ハギヨシ「衣様なら今……」

衣「キョータロー!!」バタンッ

京太郎「うおっ!?」

ハギヨシ「嗅ぎ付けてこられたようですね」

衣「ハギヨシもいるではないか! キョータローが来ているなら言ってくれたら良かったのに」

ハギヨシ「はっ」

京太郎「いや、そんなわざわざ……ええと好感度、好感度と」

衣「なんだそれは? 奇怪千万」

京太郎「これは好感度を測定する装置で……89!? 高っ!」

ハギヨシ「やはりそうですか」

衣「好感度……それはつまり衣はキョータローのことを」

ハギヨシ「!!」

京太郎「いや、それは……友達! そう、親友と思ってるってことですよ!」

衣「友達……うん! キョータローは衣の莫逆の友だ!」

ハギヨシ「……」グッ

京太郎「友達イエーイ!」ハイ

衣「友達イエーイ!」ターッチ

京太郎(ところでバックギャグってなんだろう)

衣「よし、キョータロー! 衣が遊んであげよう!」

京太郎「そうですねえ、この装置をもっと試したいから智紀さんのところへ行きましょうか」

衣「おー!」

ハギヨシ「私は用事があるので失礼致します」

京太郎「頑張って下さいね」

衣「大儀だ」

ハギヨシ「いえいえ」

京太郎「さて、メイド部屋へ行きますか」

衣「そっちにはいないと思うぞ」

京太郎「そうなんですか?」

衣「うん! トモキは引きこもり時代の陋習で暇を見つけてはゲーム部屋にこもっているんだ!」

京太郎「あっ、そっすか」

衣「智紀ー!」ガチャ

智紀「……? 何?」

京太郎「すみません、遊びに来たんですけど……」

智紀「遊びに来たって言われても、ゲームしかないけど」

京太郎「うってつけじゃないですか」

衣「智紀! 見よ、好感度を計る機械だ!」

智紀「好感度……!?」スチャ

京太郎「うわっ、目が光った」

衣「とりあえず計って見よ、キョータロー!」

京太郎「はい。……56ですね」

智紀「私の好感度?」

京太郎「はい、俺への好感度……らしいです」

智紀「……普通」

京太郎「普通より気持ち上、ぐらいですかね」

衣「衣には適わないな」フフーン

智紀「普通に友達だとは思ってるけど」

京太郎「50超えたら友達でいいんじゃないですかね」

智紀「衣は?」

京太郎「それは

衣「89だ!」

智紀「……」ジィー

京太郎「そんな目で見ないで下さい智紀さん!! 親友なんです、竹馬の友なんです!」

衣「いや、それは違う」

智紀「やっぱり……」

京太郎「無実ですって! ほら次、次いきましょう!龍門淵さんのところに!」



京太郎「何でついてきてるんですか」

智紀「面白そうだし……」

衣「トーカー!」ガチャッ

ビュオオォ

京太郎智紀「!?」

衣「トーカ?」

透華「……」ビュオオォ

京太郎「これって例のあれですか?」

智紀「冷やし透華……」

衣「おお! 京太郎、智紀、千載一遇、せっかくだから一緒に麻」

透華「はっ!?」

智紀「あっ、融けた」

京太郎「良かったあ」

衣「むっ……」

透華「あら、須賀さん。これは失礼致しました」

京太郎「いえいえ」

透華「あら、衣も一緒ですの?」

衣「うむ」

智紀「ほら、好感度好感度」

京太郎「は、はい」

透華「どうしましたの?」

智紀「好感度を測定する装置」

透華「……何怪しげなものに手を出してますの」

智紀「私じゃない」

京太郎「あー、31ですね」

智紀「うわ……」

衣「トーカは友達じゃないのか……?」

透華「ちょっ、ちょっと、何ですのこの空気は!?」

衣「トーカ……キョータローと友達になってあげて」

京太郎「何か俺が可哀想な子みたいになってる!!」

透華「そんな装置の数字なんてバカバカしいですわ! 大体あなた達はいくらでして?」

智紀「私が56」

衣「衣は89だ」

透華「……」キッ

京太郎「またこの展開……」

透華「こほん、失礼しました。貴方のことはハギヨシから聞いていて、評価していない訳ではありませんのよ?」

京太郎「そうなんですか、それは良かったです」

透華「……ちょっと疑わしいところはありますが」

京太郎「あの、俺と衣さんとは親友、親友ですから」

衣「その通りだ!」

透華「それは……いいことですわね」

京太郎「あはは……(この疑いが、好感度低めな原因なんだろうなあ)」

衣「よし、次に行こう!」

京太郎「そうですね、次は一さんで」

京太郎「一さん、こんにちはー」

一「やっ、今日も来てたんだ。衣と智紀も一緒だなんて、珍しいね」

衣「遊んであげているんだ、京太郎とは管鮑の交わりだからな」

一「遊んでもらってるんだ、京太郎君」クスクス

京太郎「……後輩ですからね」

一「うん、いい子だね。京太郎君は。頭撫でてあげようか?」

京太郎「そんな子供じゃないんですから……ねえ、衣さん?」

衣「……」ムー

京太郎「衣さん?」

衣「……はっ! いや、何でもないぞ!」

京太郎「ちょっと疲れてます?」

衣「い、いやいや大丈夫、万事如意万事如意」アタフタ

京太郎(バンジーニョイーン?)

一「……」

智紀「てれれれっ、ドキドキ好感度測定機~」

京太郎一衣「……」

京太郎「智紀さん、疲れてます? 休みますか?」

智紀「その本気で心配してるって顔止めて。ほら、好感度好感度」

京太郎「随分熱心ですね」

一「何それ?」

智紀「好感度を計る装置」

京太郎「単純明快ですね」

衣「……衣は、もう計らないでもいいと思うな」ボソッ

京太郎「えっ、衣さん今なんて……」

智紀「78! 現在二位!」

一「えっ、今測ったの? えっ、78?」

京太郎「なかなか……高いですね」

衣「89には猶足らず!」

智紀「透華31、私56、衣89」

一「えっ、衣89? ともきー、それ本当?」

衣「正真正銘、真実だ!」

京太郎「はい、俺達親友なんで」

衣「衣は、一よりもずっとキョータローのことを―――」

一「大好きなんだね」

衣「ふえっ?」

京太郎「えっ」

智紀「うむ」

一「だってそうでしょ? 友達のともきーが50超えてるなら、89ともなれば、最早恋とか愛の部類に入るんじゃないかな」

衣「そ、そんなこと」

京太郎「一さん、ちょっとコームダウン、コームダウン」

一「認めちゃいなよ、京太郎君のこと好きなんだって。ねっ、衣?」

衣「……!!」

京太郎「あの、一さん? 衣さんはそんなこと……」

衣「衣、衣はキョータローのこと……」

京太郎「衣さん?」

衣「!? ……っ!」ダッ

京太郎「ちょっ、衣さん、何処に!?」

一「京太郎君、早く走って追いかけてあげなきゃ」

京太郎「そ、そうですね」

一「うん、行ってらっしゃい」

智紀「……意外と早く落ちたな」

一「89だからね、もしかしたら89.9だったかもよ? あとほんの一滴で溢れてしまいそうな、そんな感じだったんじゃないかな?」

智紀「90が恋との境目かは分からない」

一「まあそうなんだけど」

智紀「一は、78はどんな感じ?」

一「どんな感じ……悩ましい感じ、かな? 嬉しいような、悲しいような」

京太郎「走って追いかけたはいいけど……すぐに追いつきそうだ」

衣「……」タッタッタッ

京太郎「でもこの状況だと、捕まえるより立ち止まるのを待った方がいいような……」

京太郎「あっ、純さんだ」

純「衣!? お前何で泣いて……」

衣「じゅん~」ウエェ

京太郎「げっ、純さん!?」

純「てめえ、よくも衣を泣かせやがったな……」

京太郎「違います! いや、俺かもしれないけど、とにかく話を聞い……ヒィッ!?」ビュオンッ

純「てめえ須賀避けるんじゃねえ!!」

京太郎「いきなりハイキックかまさないで下さいって! 純さんのは当たったらマジで命に関わりますから!」

純「須賀が衣に手を出したからだろがァ!!!」

京太郎「誤解!! 誤解です!!」

衣「純、止めてぇ!!」ウェエエエン

純「……こ、衣」

京太郎「……ハァ。ええと、とりあえず何から話せばいいんだろう」

純「つまりそこのロリコンが衣をタコスで誘ってイタズラをしようと……」

京太郎「ロリコン違います」

衣「純、京太郎は悪くない。全部衣が悪いんだ」

純「そんなことはねえ!」

京太郎「……まあ俺も悪いところはあるよ。好感度測定機なんて怪しげなもので遊んでたのがそもそも……」

純「何だそれ?」

衣「名の通り、好感度を測定する装置だ。それで、衣の好感度は……89だった」

純「やっぱりロリコンじゃないか!」

衣「違う、衣の京太郎に対する好感度だ。あとちょっと五月蠅い」

純「お、おう。スマン」

京太郎「それで、衣は俺のこと友達だと思ってるんだな、ってなったんですけど……」

純「けど?」

京太郎「一さんが言ったんです。89もあるなら、それは恋とか愛……そういう感情なんじゃないかって」

京太郎「それで衣さんは困惑しちゃったみたいで……」

純「そりゃそうだ、そんな頭涌いたような発言されたら、誰だって嫌に……」

衣「違う」

純「衣?」

衣「違う、衣は嫌だった訳じゃない。ただ衣は、この気持ちが本当はどうなのか分からなくなって、混乱して」

京太郎「衣さん……」

衣「本当に友情なのかなって、本当は恋慕なのかなって……」

衣「でも、それってキョータローに失礼なんじゃないかって……キョータローは友達だって、親友だって言ってくれたのに」

京太郎「失礼なんかじゃないですよ、衣さん」

衣「でも、衣は……」

京太郎「……ほら」ギュッ

衣「わわっ」

京太郎「嬉しいです。そう思ってくれて。だから……泣き止んで下さい」

衣「ううっ。ううぅぅ……」

純(かわいい)

京太郎「大丈夫ですか?」

衣「……うん、平気だ。平気の平左」

純「それで……どうすんの?」

京太郎「はい?」

純「だからよ、恋とか愛とか言って、それって告白みたいなもんだろ? 須賀はどう答えるんだ?」

京太郎「俺は……」


京太郎「……衣さん」

衣「い、今のアレは告白という訳では……」

京太郎「好きです」

衣「ふえっ」

京太郎「正直に言って始めは、可愛い人だな、と。そういう風にしか思ってませんでした」

純「まあ可愛いのは確かだな」

京太郎「でも、何度も会って遊んでいる内に、衣さんのこと……俺も悩んだんですよ。この気持ちは本当にそういうものなのかって」

衣「キョータローも?」

京太郎「はい。今日あんな装置を持ってきたのは、それを確かめたかったからかもしれません」

京太郎「ともかく、今日衣さんと居て、衣さんの気持ちを聞いて……ようやく確信が持てました」

京太郎「衣さん、好きです。俺と付き合って下さい」

衣「キョータロー……」

衣「本当に、そう思ってるのか?」

京太郎「はい」

衣「本当に本当?」

京太郎「はい! 衣さんを大切にしたい、衣さんと一緒にいたい、あと頭ナデナデしたい。そう思ってます」

衣「……本当にそう思うなら、頭撫でてみて」

京太郎「了解です」ポスッ

衣「んっ……えへへっ」

京太郎「どうですか、お嬢様?」ナデナデ

衣「お嬢様じゃない、衣だ」フンーッ

京太郎「どうですか、衣さん。俺と、付き合ってくれますか?」ナデリナデリ

衣「……うむ、付き合ってしんぜよう!」

京太郎「有り難き幸せにございます」ファーブルスコファー


純「……はいはい、大変結構なこって」

一「あっ、もう大団円?」

京太郎「えーっ、そういう訳で俺達は交際することと相成りまして……」

透華「はいはいそうですの」イライラ

京太郎「……やっぱり怒ってらっしゃる?」

一「単に告白という一大イベントで目立ちたかっただけでしょ」

衣「トーカ! 衣は京太郎と恋人になれて欣喜雀躍の想いだ!」

透華「衣……」

純「俺は認めてねーぞ」

智紀「お前あの子の何なのさ」

純「家族だ」

透華「そう、家族ですわ! 子細はともかく、あなたもこれで龍門淵家の一員!」

京太郎「いや、結婚はしてな」

ハギヨシ「ハッ」

透華「ハギヨシ! 歓迎会の用意を! 今宵は祝宴ですわ!!」

一「なるほど、そっちで目立つつもり……」

京太郎「えっ、俺もう龍門淵なのか?」

衣「天江だ、天江京太郎!」

京太郎「そうですよね、そっちですよね……そうなの?」

衣「キョータロー、忝ない。トーカは祭事が好きなんだ」

京太郎「……それくらい知ってますよ。それに、これから付き合っていく家族ですから」

衣「……そうだな、これから一緒に」

京太郎「はい、ずっと一緒ですよ」

衣「うん! ずっと一緒にいよう、比翼連理のように!」

京太郎「ああっ、そうだな!(ひよこヘンリー?)」



カンッ



京太郎「……そういえば、ハギヨシさんの好感度はいくつなんだろう」

智紀「今すぐ測ろうさあ測ろう」

京太郎「うわっなんだこのひと」

ハギヨシ「どうしました?」

智紀「ハギヨシの好感度」

ハギヨシ「私の……ですか?」

京太郎「一応、測っておこうかなと。ええと……52」

智紀「……ふ、普通」

ハギヨシ「友達だとは思っていますよ?」

京太郎「あ、あざっす」

智紀「何故だ」

ハギヨシ「それじゃ、今日のレッスンはタルタルソースの作り方です。これは必須ですからね」

京太郎「はいっす」

智紀「何故……」



もいっこカンッ



********************************************



京太郎「46…微妙ですね」

ちゃちゃのん「微妙じゃね…」

京太郎「まあ普通の先輩後輩ですしね」

ちゃちゃのん「…ひょっとしてちょっと惚れられてるかもとか期待してた?」

京太郎「え!?い、いやそんな…」

ちゃちゃのん「…もう、京太郎はいちいちかわいいのう!そんなに焦って」ナデナデ

京太郎「むう…(からかわれたか)」

ちゃちゃのん「恋愛感情は無いけど京太郎のことはかわいい後輩じゃと思うとるよ」

京太郎「先輩…ありがとうございます」

ちゃちゃのん「ん」

京太郎「あの、先輩」

ちゃちゃのん「ん?」

京太郎「これからもよろしくお願いしますね」

ちゃちゃのん「うん、よろしくの」

カンッ!



********************************************



京太郎「好感度を数値化できる装置か……」

京太郎「よし、淡に見せてみよう」

京太郎「淡に見せてみようか。同じ白糸台麻雀部一年の仲間だしな!」

京太郎「おーい、淡ー!」

淡「ん?」

京太郎「よ、淡。久しぶりだな」

淡「誰だっけ?」

京太郎「……うん、昨日一緒に麻雀打ったよな?」

淡「麻雀弱い人の名前とか覚えてないんで」

京太郎「そっか。……ところで淡! これ何だか分かるか!?」

淡「人の話聞いてる?」

京太郎「これな、実は好感度を測定する機械なんだよ!」

淡「……」

京太郎「ほら、これで淡を見てみると……おっどろきぃ!! 4! すげぇ!!」

淡「高いね」

京太郎「んー、俺としてはもう少し手心というか何というか……」

淡「ねえ」

京太郎「ん?」

淡「あそこの壁さん、あんたの友達だったりしない?」

京太郎「壁?」

淡「壁さんに話しかけてあげたら?」

京太郎「……うん。ごめんな、邪魔して」

淡「いえいえ」

京太郎「……亦野先輩のところに行こうか」



京太郎「亦野先輩のところに行こうか……」

亦野「……」

京太郎「こんにちは、亦野先輩」

亦野「……お前か」

京太郎「あの……先日は本当にご迷惑をおかけしました」

亦野「いや、いいよ。もう済んだ話だ」

京太郎「本当すみません……」

亦野「お前みたいなのでも、一応は後輩だ。ただもし次があったら……」

京太郎「はい、分かってます」

亦野「ん。じゃあな」

京太郎「……あの、亦野先輩。これ、好感度を測定する……」

亦野「須賀、そんなおもちゃで遊んでる暇があったら真面目に部活に励んだらどうだ?」

京太郎「はい、すみません!」

京太郎「……あの事件の爪痕は深い」

京太郎「ああ、心が痛い。癒やされたい」

京太郎「こんなときカピがいてくれたら……」

京太郎「次は部長のところへ行こうか」



京太郎「こんにちは、菫部長!」

菫「ん? ああ、ええと君は……」

京太郎「須賀です、須賀京太郎」

菫「ああ、そうだな。いや、忘れていた訳ではない。あー……須賀、そういえばあのことは」

京太郎「……もう、大丈夫です。謝罪もしました」

菫「そうか。それは良かった」

京太郎「ご迷惑をおかけしました」

菫「何があったのか詳しくは知らないが……気をつけるように」

京太郎「はい」

京太郎「ところでここに好感度を測定する装置があるんですが」

菫「……」

京太郎「いや、何でもないです」

菫「好感度……それで確かめてみたのか?」

京太郎「亦野先輩は測ってないです。淡は測りましたが」

菫「どうだった?」

京太郎「ん、あー……40、くらい、ですかね? うん」

菫「低いな」

京太郎「そ、そっすね」

菫「同じ一年同士、仲良くやってくれ」

京太郎「精進します。ところで菫部長は……」

菫「須田」

京太郎「はい」

菫「そんな機械に頼るな。麻雀に雑務に、刻苦勉励を重ね、見なくともいいくらい好感度を上げてみせろ」

京太郎「はい、頑張ります!」

菫「いい返事だ。ではまた」


京太郎「あの、ところで俺の名前は」

菫「須磨栄一郎、だろ? ちゃんと覚えてるよ」

京太郎「あっ、はい」


京太郎「……うん、優しい人だよな」

京太郎「……誰か俺のグリーフシードを、浄化……」

京太郎「俺は一人ぼっちなんかじゃない……」

京太郎「俺には照さんが……」

照「……どうしたの」

京太郎「照さん!」

照「浮かない顔してるけど」サッ

京太郎「いや、それが……今チョコバットしか無いですよ」

照「十全。チョコバットは至高」

京太郎「はい」ドサッ

照「ありがと。ここ座っていい?」

京太郎「……拒否はしませんけど」

照「なら座る」

照「それで」

京太郎「あー、これ、何だか分かります?」

照「ガラクタ」サクサク

京太郎「好感度を測定する装置です。これで好感度を測定して……あっ、淡しか測ってないや」

照「好感度?」

京太郎「はい。それで麻雀部のみんなと打ち解ける方法を考えようかなー、と思いまして」

照「それで、どうだったの?」

京太郎「あー、4でした」

照「五段階評価で」

京太郎「百点満点です」

照「……あっ」

京太郎「昨日はボロクソに負けたけど、少し距離が縮まったんじゃないかと思ったんですけどねー」

照「淡はいい子」

京太郎「あー、照さんには懐いてますよね」

照「ほっぺをつついてみれば仲良く……」

京太郎「しばかれますね。確実に」

照「……打つ手無しか」

京太郎「それしか無いんですか」

照「ん……私はどれくらいだろう」

京太郎「じゃあ見てみますね、ええと……82。たけぇ!!」

照「82?」

京太郎「82!? 俺内心、この装置もしかして最大30くらいなんじゃないかと思ってたのに!!」

照「高いの?」

京太郎「高いでしょ。8割って言ったらセンター試験も合格ですよ」

照「そういうシステムじゃないけど」

京太郎「うーん、照さんの好感度がこんなに高いとは」

照「……」サクサク

京太郎「照さんってもしかして俺のこと好きなんですか?」

照「好きだけど」

京太郎「ですよねー……って、えっ」

照「大切なお菓子係、兼座椅子、兼友達」

京太郎「そこは真っ先に友達が来て欲しいんですが」

照「次のチョコバット」

京太郎「無いです」

照「えー」

京太郎「後は部活までお預けです」ナデナデ

照「ん……我慢する」

京太郎「よしよし」ナデナデ

京太郎(友達かー、友達なー……)

照「んぅ……ちょっと眠たくなってきた」

京太郎「寝ないで下さいよ。部長にも先輩にも怒られますから」

京太郎「……そういえば、尭深さんはどれくらいだろう?」

尭深「……ここにいた」ガラッ

京太郎「あっ、噂をすれば尭深さん」

照「……」ウツラウツラ

尭深「部長が探してたから……その、宮永さんを」

京太郎「すみません、お手間かけさせて」

尭深「ううん、大丈夫。……京太郎君」

京太郎「はい」

尭深「大丈夫。きっといつか許してくれるよ」

京太郎「はは……そうだといいんですが」

尭深「だって京太郎君は悪くない。あれは不幸な事故、ね?」

京太郎「いや、それでも俺が」

尭深「例え京太郎君が悪魔の誘惑に負け欲望を解放したとしても、全てはあのロッカーが元凶……」

京太郎「ロッカーは悪くないですから! あとそこまではしてません!!」

尭深「だからメゲないで頑張って」

京太郎「は、はい。しかし亦野先輩は時間が解決してくれるとしても、淡はどうしようもないな……」

尭深「淡ちゃん?」

京太郎「麻雀弱い奴と仲良く出来ないって言われても、麻雀なんてそんな楽に強くなれるもんじゃないしなあ」

尭深「うーん、淡ちゃんは他に理由があるんじゃないかな」

京太郎「理由、ですか?」

照「……」ムニャムニャ

淡「テルー、ここー?」ガラッ

京太郎「あっ、淡」

淡「げっ」

淡「……なんであんたがテルーを抱っこしてるの」

京太郎「抱っこではないけど」

淡「邪魔! テルーが汚れる!」シッシッ

京太郎「と言われても」

尭深「淡ちゃん……」

淡「テルー、早く部活行くよ、テルー!!」

照「……」ンガググ

京太郎「照さん照さん」

照「ん……なに?」

淡「!?」

京太郎「もう部活行く時間ですよ」

照「ん……あと3本」

京太郎「そんなこと言ってないで早く」

淡「行くよテルー!!」グイッ

京太郎「ちょっ、やめっ」

照「あっ」バサバサッ

京太郎「チョコバットが!!」

淡「えっ」

照「チョコバットが……もうダメだ、死のう」ズーン

淡「て、テルー?」

照「菓子の多い生涯を送ってきました」

淡「あわ!? あわわわわ、テルーが死んじゃう!」

京太郎「大袈裟過ぎだっての」ビシッ

照「あう」

京太郎「ほとんど包装入ったままじゃないですか。食べかけのは諦めて捨てましょう」

照「MOTTAINAI」

京太郎「帰り買いに行きましょう、ね?」

照「……」コク

淡「……むう」プクーッ
照「……」プス
淡「わひゃ!?」プシュ

照「……淡」

淡「なあに、テルー!?」

照「京太郎君と仲良くしてあげて」

淡「!? ……イヤって言ったら」

照「どうもしないけど。でも、私は二人が仲いい方が嬉しい」

淡「……」

京太郎「じゃ、行きますか」

照「うん」

淡「……キョータロー!」

京太郎「うおっ!? ああ、淡も。……あれっ、お前俺の名前……」

淡「テルーは私のだから。あんたみたいな雑魚には渡さないから。それだけ!」

京太郎「……はあ」

淡「今日も百回倒してやる!」

尭深「名前覚えてもらってるみたい」

京太郎「はは、仲良くはなれてませんけどね……」

照「……ねえ」

京太郎「はい?」

照「淡に返答しないの? 照は俺のものだって」

京太郎「えっ」

照「……しないならいいけど」

京太郎「はあ」

照「じゃあ、行こうか」スッ

京太郎「はい、そうですね」ギュッ

京太郎(82か……82ってどんな数値なんだろう)

京太郎(友達か、親友か、恋仲か)

京太郎(4よりはマシなんだろうけど)

淡「なにテルーと手つないでんの!?」

京太郎「迷子防止」

照「サクサク」サクサク



カンッ