【屋上】

京太郎「あの…馬鹿野郎!なんだよ…どうしてだよ…!」

京太郎(8番目)「自分の愛する者のために死ぬ、か……見事な最期だったねい」

京太郎(9番目)「だが、そのせいで奴の世界は消えちまった訳だ」

京太郎「な……お前は!?」

京太郎(8)「やれやれ…いつからそこにいたんだい?」

京太郎(9)「お前達がここに来た時からずっといた…タコスが自分の身体にある爆弾に火をつけた時はヒヤヒヤしたぜ」

京太郎(8)「ふーん、そうかい……」

京太郎(9)「まあ、結果としては助かった訳だがな。それにしても馬鹿な奴だな1番目も…他にやり方はいくらでもあっただろうに…」

京太郎「んだと……!?」

京太郎(9)「アイツは一人のために世界を消滅させちまったのさ……それを馬鹿と呼ばずになんと呼ぶってんだ?」

京太郎「てめえ!いい加減にしやがれ!」

京太郎(9)「おっと動くなよ。こっちには武器がある事を忘れるな」チャキッ

京太郎「くっ……!」

京太郎(9)「とりあえず…それなりに数が減った訳だし、お前達にはここで死んでもらうぜ」

京太郎(8)「おっといいのかな9番目の兄ちゃん?そんな事して」

京太郎(9)「ああん?どういう意味だそれは…」

京太郎(8)「さあねい……あんたの後ろにいる12番目に聞いてみちゃあどうだい?」

京太郎(9)「なに!?」クルリ

京太郎(8)「残念!そいつァ嘘だよ!」ポイッ

京太郎(9)「しま―――!」

京太郎(8)「1番目!目をふせえぇぇぇぇぇぇ!」


カランカラン…… ピカッ!

京太郎(9)「があっ……!?目眩ましだとっ…クソが!」

京太郎(8)「上手く引っ掛かてくれて良かったぜい!やはり抜けている所があるってのが京太郎という人間だって事さね!」

京太郎(9)「く……ふざけた真似しやがって!」ダァーン ダァーン

京太郎(8)「今のうちだ1番目の兄ちゃん!さっさと逃げるぞ!」タッタッタッ

京太郎「あ……ああ!」タッタッタッ

京太郎(9)「待て!逃がすかよ!」ダァーン ダァーン ダァーン

京太郎(8)「全く、爆弾に引火するかもしれないってのによく撃つね~!」


タッタッタッ……

京太郎(9)「はぁ…はぁ…!逃げられてしまった、か……」チャキッ

京太郎(9)「だが、ほんの少しだけ寿命が伸びただけに過ぎない……結局は俺が勝つんだからな」



【麻雀部・部室】

京太郎「ふぅ……どうやら逃げる事が出来たみたいだな」

京太郎(8)「そうだねぃ……だが、まだまだ油断は出来ないってもんさ」



【グラウンド】

京太郎(5)「さあさあ!この戦いも終盤戦を迎えて参りました~!」

京太郎(5)「一体との世界の京太郎が最後まで生き残る事が出来るのでしょうか!?」

京太郎(11)「ホッーホッホッホッ!実況している暇があったら攻撃したほがいいですよ~!」パララララ

まこ(5)「ブゥッ!」

ギャラリーっB「ぐはあぁぁ!目をやられたあああ!」

まこ(5)「オラァァァ!往生せぇやああああああ!」ビシッ ビシッ ビシッ

睦月(11)「ギャラリーさーん!頑張ってくださーい!むっきーはあなたを応援しておりま~す!」

睦月(5)「何がアイドルだ!私なんか……空気が薄いって言われたのにぃ!」

睦月(5)「あなたと私…一体何が違うって言うのおおおっ!」タッタッタッ

京太郎(5)「おーっと!むっきー・サムライがアイドルむっきーに突撃したぁ~!」

京太郎(5)「むっきー・サムライを駆り立てるものはアイドルむっきーに対しての嫉妬なのだろうかぁぁ!?」

京太郎(11)「ホッーホッホッホッ!嫉妬というものは恐ろしいですね~!」パララララ

深堀(5)「むん!むん!むん!」ビシッ ビシッ ビシッ

京太郎(11)「ホホ!?いつの間に!?」バシッ バシッ バシッ

京太郎(5)「おおっ!?バルバロイ深堀のデストロイ張り手が炸裂~!これには11番目の京太郎も笑みが消える~!」


パララララ パララララ

まこ「うおっと!?なんじゃなんじゃ!いきなり別の方から攻撃されたんじゃが!?」

マホ(12)「この~!あ~たれ~!」パララララ パララララ

京太郎(12)「おうおうおう!このドン・京太郎を忘れてもらっちゃあ困るぜ!」ダァーン ダァーン

京太郎(5)「きたきた~!ドン・京太郎こと12番目の京太郎~!その風格はまさにギャング界のシロナガスクジラや~!」



【麻雀部・部室】


パララララ……… パララララ……

京太郎「もう夜だっていうのにまだ戦いは続いているんだな…」

京太郎(8)「みたいだねい……13番目の兄ちゃん…おでんでも食べるかい?」

京太郎「いや……いらない…なんだか食べる気がしないんだ…」

京太郎(8)「…まだ、13番目の兄ちゃんの事を気にしているのかい?」

京太郎「……アイツは自分の大切なもののために世界を犠牲にした…って9番目は言っていた」

京太郎(8)「ああ、そんな事を言っていたなぁ。アイツの言う事なら気にしない方がいいんじゃないかい?」

京太郎「だけど、もし…アイツの言う事が正しかったら俺達はなんのために…」

京太郎(8)「13番目の兄ちゃん。正しい答えなんてありゃあしないんだよ」

京太郎(8)「これは正しい、これは間違っているなんてもんは俺達が決めるもんじゃあないさね」

京太郎(8)「今はただ…生き残る事を考えるべきさ」

京太郎「8番目の俺……」

京太郎(8)「まぁ…今はゆっくりと休みなよ。見張りなら心配するない」ガチャン


シュウウウウウ……

池田(8)「皆の味方!華菜ちゃんの参上だし!」ボイーン

未春(8)「ちょっと華菜ちゃん…今は静かにしようよ」ボイーン

キャプテン(8)「見張りなら私に任せてください…京太郎さん」モトカラボイーン

文堂(8)「ようやく出番が回って来ました…」ボイーン

深堀(8)「…………むん」ボボボボイーン

京太郎「こ……これはまさにおっぱいいっぱい祭り……!」ゴクリ

京太郎(8)「はははは……まぁ、細かい事は気にするなや」

池田(8)「そーそー!華菜ちゃん達に全てを任せて欲しいし!」ボイーン



【食堂】

京太郎(12)「やれやれ……戦力になるアシストはこの二人だけか」

マホ(12)「すいません…あまり役に立てないアシストで…」

久(12)「仕方ないわよ…長い間戦っていたんだから」

京太郎(12)「残っている京太郎もあとわずか…気を引き締めていくぞ!」

マホ(12)「はい!頑張ります!」

久(12)「それにしてもやけに静かね……なんだか嫌な予感がするわ」

京太郎(12)「確かにそうだな……一応注意して…」


パララララ パララララ

久(12)「敵襲!?一体どこから!」チャキッ

マホ(12)「あわわわわ!弾を補充しないと!」ササッ

和(9)「……一応、須賀君の言う通りに牽制はしておきました」

京太郎(9)「ああ……ご苦労」

マホ(12)「あれは……和先輩…!」

久(12)「ええ…だけど別の世界の和みたいね…いつでも戦えるように準備しておきなさい」チャキッ

和(9)「須賀君…あなたとまた一緒に戦う事になるなんて正直驚いています」

京太郎(9)「……まだ俺の事を信用していないのか」

和(9)「いえ、別に…私はただアシストとして戦うだけです」

和(9)「だけど勘違いしないでください…私はあなたのために戦う訳ではありませんから」

京太郎(9)「そうか…なら、いい」

京太郎(12)「よし!今だお前ら!ありったけの銃弾をくらわしてやれ!」パララララ

マホ(12)「マホ!行きまーす!」パララララ

久(12)「悪いわね和!私達の世界を守るために…本気でいかせてもらうわよ!」パララララ

和(9)「――敵を発見しました!攻撃に移ります!」チャキッ パララララ

京太郎(9)「さてと……いきますかね!」チャキッ

京太郎(12)「往生しろや~!うおおおおおお!」パララララ


パララララ パララララ

和(9)「須賀君!このままではまずい事になります!撤退しましょう!」パララララ

京太郎(9)「やむを得ないか……分かった!」タッタッタッ…

マホ(12)「見てください!敵が逃げていきますよ!」

久(12)「今こそ好機ね!ドン・京太郎!」

京太郎(12)「ふはははは!このドン・京太郎に恐れをなしたか!逃がすなよ!」パララララ


タッタッタッ…

マホ(12)「あれ、見失ってしまいましたね?」

久(12)「そんなはずはないわ…いくらなんでも逃げるのが早すぎる…」

京太郎(12)「………何だこの臭いは?調べようにも暗くてよく見えんな」

久(12)「……この臭いはまさか!」


パッ

マホ「きゃっ!?眩しいです~!」

久(12)「この黒い粉は…火薬だわ!私達の周りに火薬が積まれているのよ!」

和(9)「まさかこんな簡単に引っ掛かってくれるなんて思いませんでした…」

京太郎(12)「お前ら…俺達を罠にはめたのか!?」

京太郎(9)「そういう訳だ…すまないな」シュポッ

久(12)「軽率だったわね……まさかこんな簡単な罠に引っ掛かるなんて」

京太郎(9)「その簡単な罠にあなた達は引っ掛かんですよ部長?」

マホ(12)「た…助けてください和先輩!お願いします!」

和(9)「ごめんなさいマホ…これも自分達の世界を守るためなの……本当にごめんね」

京太郎(12)「命乞いをするんじゃねえマホ!お前もギャングなら、最期まで堂々としろ!」

久(12)「ふふ……かっこいい事言うじゃないドン・京太郎……いえ、須賀君?」

京太郎(12)「……余計なお世話だ」

京太郎(9)「最期まで堂々、か……流石はギャングと呼ばれるだけある……じゃあな」ポイッ


ドカァァァァァン……


[京太郎 残り5人]



【麻雀部・部室】

池田(8)「こっちは異常はないみたいだし…キャプテンの方は?」ボイーン

キャプテン(8)「こっちの方も大丈夫よ華菜」モトカラボイーン

未春(8)「兄貴!私達が見張っていますので、その間はゆっくりと休んでください!」

京太郎(8)「悪いねい姉ちゃん達……じゃあお言葉に甘えますかい」ゴロッ

京太郎「8番目のアシストってこの5人だけなのか?」

京太郎(8)「ああ、そうだよ13番目の兄ちゃん……」

京太郎(8)「そういえば、お前さんのアシストは見ていないんだが一体誰が呼び出されるんだい?」

京太郎「……それが、俺だけアシストがないんですよ」

京太郎(8)「ないだって?そいつぁおかしな話だねぃ……他の連中はホイホイ出しているってのに」

京太郎「自分でも分からないんですよ…なんで俺だけがアシストがないのか…」ハァ…

京太郎(8)「ふーん……それは大変だねい…助けもなしに戦えってのもさ…」

京太郎(てか俺……いつの間にか敬語で話してるし…同じ姿なのに何だこの貫禄は…)

京太郎(8)「どうしたんだい13番目の兄ちゃん?」

京太郎「いや、何でもありませ……ねーよ、気にすんな」

京太郎(8)「なら、いいんだけどね~!今はゆっくりと休んだ方がいいよっと」

京太郎「ああ、わかってい…」

京太郎(8)「グー……グー……」

京太郎「寝るの早っ!?…全く頼りになるんだか…ならないんだか……」

京太郎「って、なに他力本願になっているんだ俺は。情けねえ、こんなんで生き残る事ができるのかよ」

京太郎「……よく考えてみると俺って今までの戦いで何もしてないよな…。 よく生き残れたもんだ」

京太郎「いつも誰かに助けられてばっかりで……何もしてない…」

京太郎「…本当に情けないな、俺」


こうして再び夜が明ける。残る京太郎は後5人。



【体育館】

京太郎(5)「さあ…さあ……!私にも…最期の…時が…やって…来ました……!」

京太郎(5)「最後……まで…実況…出来ないのが…誠に残念…です…!」

京太郎(9)「まだ実況できるのか…まさにプロ根性って奴か…」

まこ(5)「まだまだじゃあ……清澄…ナメんなぁぁぁ!」タッタッタッ…

和(9)「さようなら染谷先輩……あなたはよく頑張りましたよ」チャキッ パララララ

まこ(5)「くはっ……!ワシも…ここまで…か…!」バタッ

京太郎(5)「おお……っとぉ…!ついに……染谷…まこが…倒れて…しまったあ…!」

京太郎(5)「今まで…よく…頑張って…くれました…! そして…私も…ここまでの…よう…です…!

京太郎(5)「それでは……皆様…また会う日が…来たら…また…いつか…あ…いま…しょ……」バタッ

京太郎(9)「……よくやったよお前は…褒めてやる」


[京太郎 残り4人]



【広場】

京太郎(8)「うーん!昨日はよく眠れたねい」

京太郎(いびきが五月蝿くて眠れなかったぜ…)

京太郎(8)「それにしても…今まで聞こえていた銃声がぷっつりと止んだねい……嫌な感じがするよ」

京太郎「確かに……もうあまり生き残っていないんだろう……次に狙われる可能性が非常に高いって訳だ」

京太郎(8)「13番目の言う通りだね……念のためにアシストは出しているけどさ…」

未春(8)「兄貴!敵の気配はしませんよ!多分、大丈夫だと思われます!」ボイーン

京太郎(8)「ご苦労様~!じゃあ13番目の兄ちゃんよ……」


キラリーン……

京太郎「――――!危ない8番目!」ガバッ


ダァーン!

京太郎(8)「うおっと!?いきなりの銃声かい!」

未春(8)「兄貴ー!」ボイーン

京太郎(11)「ホッーホッホッホッ!まさか避けられるなんて思いませんでしたね~!」チャキッ

京太郎(8)「悪いな13番目の兄ちゃん!助かったぜい!」

京太郎「今度のターゲットは俺達って訳か…!どうする、あっちは武器持ちみたいだぞ!」

京太郎(11)「ホッーホッホッホッ!あなた達を倒せば残る敵は一人だけ!すいませんが、死んでいただきますよ!」ダァーン!

京太郎(8)「なるほどねい……どうやら残っているのは俺達を含めて4人だけみたいだなぁ」

京太郎「そんな…!もうそれだけしかいないのかよ!」

京太郎(11)「ホッホッホッ、こちらには武器がたーくさんありますよ!」

京太郎(11)「対するあなた達は武器なし……これは私の勝ちですね!」ダァーン!

京太郎「どうする8番目の俺!このままじゃやられちまう!」

未春(8)「兄貴達!こっちに来てください!見て欲しいものがあるんです!」

京太郎(8)「おう、姉ちゃん!何か面白いものでも見つけたのかい!?」タッタッタッ…

京太郎「これは…ボウガンか!」チャキッ

京太郎(8)「確かに銃には負けるけど、何もないよりはマシだねい!」チャキッ

未春(8)「やってやるぞ~!」チャキッ ボイーン

京太郎(11)「ホッーホッホッホッ!私の武器はこれだけではありませんよ~!」ガチャン


シュウウウウウ……

蒲原(11)「ワハハー!ようやく私達の出番だな~!」

ゆみ(11)「ああ、私達も世界を守るために戦わせてもらうぞ」

モモ(11)「みんなで頑張れば楽勝っす!」

妹尾(11)「はわわ……油断しないようにしないと!」

睦月(11)「みんな~!私も一緒にがーんばるよー!私なりにー精一杯!」

京太郎「まずいな……一気に敵が増えてしまった!」

京太郎(8)「やれやれ…こちらもアシストを呼ぼうかね」ガチャン


シュウウウウウ……

池田(8)「じゃーん!華菜ちゃん参上だし!」ボイーン

キャプテン(8)「みんな!頑張りましょう!」モトカラボイーン

深堀(8)「ムン!」ボボボボイーン

文堂(8)「私達の力を見せてあげましょう!」ボイーン

未春(8)「兄貴!鶴賀の連中は任せてください!」ボイーン

蒲原(11)「ワハハー!それじゃあ…いきますか~!」

ゆみ(11)「かかれ~!」


ワァァァァァ…

京太郎(8)「それじゃあ13番目の兄ちゃん!俺達は大将との戦いを始めましょうぜい」チャキッ

京太郎「あ、ああ……」チャキッ

京太郎(俺に…できるのか?自分の姿をした人間を倒す事なんて……。でも、今はやるしかない!)

京太郎(11)「ホッーホッホッホッ!私を倒せるものなら倒してみなさい!」チャキッ

京太郎(8)「そりゃ、よっと!」バシュン バシュン

京太郎(11)「ホッーホッホッホッ!当たりません当たりませんよ~」ダァーン ダァーン

京太郎「………」バシュン バシュン

京太郎(11)「ホッーホッホッホッ!一体どこを狙っているのですかあなたは!」ダァーン ダァーン

京太郎「……くそっ!」

京太郎(8)「兄ちゃん…ちょっとこっちに来い!」ガシッ

京太郎(11)「ホッーホッホッホッ!隠れても無駄ですよ~!」ダァーン ダァーン

京太郎「ごめん…………やっぱり俺にはできない」

京太郎(8)「…そうか、なら仕方ない。兄ちゃんはそこに隠れていな…後は俺がやるぜい」チャキッ

京太郎「……俺を責めないのか?」

京太郎(8)「責めたりするもんかい……13番目の兄ちゃんは今までよく頑張ったんだからさぁ」

京太郎「俺は………」

京太郎(8)「じゃあ、俺は戦いに戻るぜい!」タッタッタッ…

京太郎「…………情けねえ…本当に情けねえよ…!」

京太郎(11)「ホッーホッホッホッ!どうやら13番目はリタイアしたみたいですね~!」

京太郎(11)「やはりヘタレはヘタレだったって事ですよ!」ダァーン

京太郎(8)「へっ…そういうのも悪くはねえんじゃないかい?」バシュン バシュン

京太郎(11)「ホッホッホッ、確かにヘタレはヘタレなりの人生を歩んでいるでしょうが……全く無駄な存在ですね彼は!」ダァーン

京太郎(8)「…どんな人生にも無駄なものがあるもんかい!無駄な命なんてもんはないのと一緒さね!」バシュン

京太郎(11)「ホッーホッホッホッ!そうですか!それは素晴らしいですね~!」

京太郎(11)「だが…その無駄じゃない京太郎も私に殺される運命なんですけどね~!」ダァーン!

京太郎(8)「ぐふっ…!当たっ……ちまったか…!やっちまった…なあ…!」バタッ

京太郎(11)「ホッーホッホッホッ!それでは止めといきましょうかね~!」チャキッ

京太郎(8)「くっ…………俺も…ここまでか…」

京太郎(11)「それでは…おさらばでございます!」


バシュン グサッ

京太郎(11)「ホッ!?」

京太郎「はあ……はあ……!」

京太郎(8)「じ…13番目の兄ちゃん!あんた…なんで……」

京太郎(11)「こ……の…クソ野郎がぁぁぁ!」チャキッ


京太郎「……うわああああああああああああ!」バシュン バシュン バシュン バシュン バシュン バシュン

京太郎(11)「ホッ!ホッ!ホッ!ホッ!ゴホォー!」グサッ グサッ グサッ グサッ グサッ グサッ……バタン……

京太郎(8)「に……兄ちゃん……」

京太郎「はあ……はあ…!う……う…俺は……俺は……自分を殺してしまった……!」ガチャン……カラカラカラ……

京太郎(8)「13番目の兄ちゃん……」

京太郎「俺は……俺は!戦ってしまった!あれだけ…戦いたくなかったのに…!」

京太郎(8)「兄ちゃん……兄ちゃんのおかげで俺は助かったんだぜい……だから…気にするない…」

京太郎「だ……大丈夫か?8番目の俺……血が出ているけど…」

京太郎(8)「なーに…心配はいらねえよ…。ただ…ちょっと力を貸してくれないかい…?ちょっと…足が動かんのよ」

京太郎「あ、ああ!分かったよ」タッタッタッ…

京太郎(8)「やれやれ…これで残るは後3人って事かい……」

京太郎「ああ、最後に残っているのはおそらく9番目だろうな…」

京太郎(8)「やれやれ…一番面倒な奴が生き残ったまってるねい…」


チャキッ………

京太郎「確かに奴は一筋縄じゃあ…」

京太郎(8)「兄ちゃん危ない!」ガバッ


ダァーン!

京太郎(8)「か……は…!」

京太郎「――――えっ?」

京太郎(11)「ホッ…ホッ…ホッ……油断してはいけません…でしたねいえ……ぐっ!」バタッ

京太郎「8番目………?おい……おい!」

京太郎(8)「へへっ………兄ちゃん…勝てよ……必ず…な…」バタッ

京太郎「あ…あ…!…………うああああああああああああ!」


[京太郎 残り2人]


京太郎「なんでだよ!どうして俺なんだよ!どうして…どうして俺が生き残ってんだよ!」

京太郎「ふざけるな!間違ってる!こんなの間違ってる!ちくしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

未春(8)「間違ってなんかないよ……」シュウウウウウ…

京太郎「あなたは……!」

未春(8)「あなたが……京太郎さんが生き残った事には意味はあるんですよ…」シュウウウウウ……

京太郎「意味……?」

未春(8)「そう……きっと…意味がある…だから……自分を責めるのは止めてください…京太郎さん」シュウウウウウ…

京太郎「…………」

未春(8)「でないと…兄貴が…この人が浮かばれませんから……!」シュウウウウウ…

京太郎「吉留さん……」

未春(8)「最後まで生き残ってください京太郎さん……私達のためにも…そしてこの人の……ため…にも……」フッ……

京太郎「……………」

京太郎「ようやく分かったよ…!1番目や、8番目が俺に何を伝えたかったのかやっと分かった! 俺は…勝つ!そして…」

京太郎(9)「これで、お前と俺の二人だけになったな…」

京太郎「来たか、来ると思ってはいた」スッ…

京太郎(9)「ほう、良い面構えになったな…最初の頃とは全く違う……戦う者の面構えだ」

京太郎「俺は必ず生き残る……死んでいった奴らのためにもな!」チャキッ

京太郎(9)「まあ、そう慌てるな。今のお前はボロボロじゃないか」

京太郎「だから…なんだって言うんだよ」

京太郎(9)「それじゃあ面白くない。今から二時間後に体育館に来い…そこで全てに決着をつけよう…」

京太郎「……いいだろう。今から二時間後だな?」

京太郎(9)「ああ…お前が来るのを楽しみにしている…じゃあな」タッタッタッ…

京太郎(咲……そして皆…俺は必ず勝ってみせる!)



【体育館】

京太郎(9)「………これで全てが終わる…」チャキッ

和(9)「須賀君……」

京太郎(9)「和、お前は手出しをするなよ…奴との決着は一対一でつける」

和(9)「な…なぜですか!?私はあなたのアシストですよ!」

京太郎(9)「同じ事を二度言わせるな和。手出しをしたらお前を撃つ…いいな?」チャキッ

和(9)「須賀君!この戦いには世界が――」

京太郎(9)「俺は世界なんてどうでもいい。つまらない世界になんか興味はない」

和(9)「須賀君!」

京太郎(9)「俺はただ……自分の存在を消そうとする奴を倒す……それだけの話だ」チャキッ

和(9)「…何を言っても無駄なようですね。分かりました、あなたの戦いには干渉はしません。 ただ…絶対に勝ってください」

京太郎(9)「和に言われなくても勝つつもりだ。……奴が来たみたいだな」

京太郎「………約束通りに来たぞ」

京太郎(9)「逃げずに来たか……よく来たな」

京太郎「当たり前だ、どの道お前と戦わないといけないんだからな」

京太郎(9)「よく言った13番目…それっ」ポイッ


ガシャン……

京太郎「これは……剣?」

京太郎(9)「男同士の戦いに銃を使うのは無粋というものだろう…安心しろ、この剣は強度の割にはお前でも持てるような代物だ」

京太郎「うわっ、本当に軽いわ」チャキッ

京太郎(9)「さて、準備は出来たか?出来たなら早速始めるぞ」

京太郎「俺はいつでも準備OKさ……必ず勝ってみせる」

京太郎(9)「なら始めるとしよう…どちらが死ぬにしろ…これが最後の戦いだ…いくぞ!」チャキッ

京太郎「俺は負けない…絶対に勝つ!」チャキッ

和(9)「…………始まってしまいましたか」


チィン…チィン…ガギィン…シュッ…

京太郎「はっ!ちっ!このお!」チィン チャキッ

京太郎(9)「どうした13番目!全然動きがなってないじゃねーか!威勢がいいのは口だけか!?」ヒュン チィン

京太郎「うる……せえ!余計なお世話だ!」チィン チィン チィン

京太郎(9)「ふん!ならもっと俺を楽しませてみろよ!そらっ!」ヒュン


ガギィン!

京太郎「くうううううう…!」

京太郎(9)「むううううううううん!」


ガギギギギギギギギギギギギギ……

和(9)「鍔迫り合いが始まった……やはり私達の世界の須賀君が圧倒しているけど…」

京太郎(くそっ…!なんてパワーだ…!全然押し返す事が出来ない…!)

京太郎(9)「むうん!」


ガギィン!

和(9)「やった!私達の世界の須賀君が13番目の須賀君の剣を弾き飛ばした!」

京太郎(9)「これで終わりだ……そらっ!」ヒュン

京太郎「まだだ!まだ終わる訳にはいかない!」ヒョイ

和(9)「な…!?今のを…よけた!」


ギュッ

京太郎「まだ勝負に決着をつけるのは早いんじゃないか?」チャキッ

京太郎(9)「ふん…再び剣を握った所で同じ事だ!13番目!」ヒュン チィン チィン

京太郎「くっ!そりゃ!くらえ!」チャキッ チィン ガギィン

京太郎(9)「ほう、だいぶサマになって来たじゃないか……だがまだまだだ!」チャキッ

京太郎「てやぁぁぁ!」ヒュン!

京太郎(9)「くっ!」


ガギィン!

京太郎「ちっ…後もう少しだったんだがな……」チャキッ

京太郎(9)「貴様……中々やるようになってきたな」チャキッ

京太郎「へへ…それはどうも!」ガギィン

和(9)「もはや…どちらが勝つのか分からなくなって来ましたね…」


チィン…チィン…ガギィン…

京太郎(まずいな……!そろそろ体力が限界に近付いてきた……!)

京太郎(9)(まずいな……奴はこの戦いの最中に確実に強くなってきている…)

京太郎・京太郎(9)「次の一撃で決める必要があるな」


スゥ……

和(9)「お互いに間合いをとりはじめた……そろそろ終わりにするみたいですね」

京太郎(咲…皆…!俺に…力を!)チャキッ

京太郎(9)(ここで負ける事は俺の全てを奴に奪われる事になる…絶対にそんな事はさせん!)チャキッ


ドクン…ドクン…ドクン…ドクン…

京太郎「うおおおおおおおおおおおお!」タッタッタッ…

京太郎(9)「むううううううううううん!」タッタッタッ…


シュン ガギィン!

京太郎「………………くっ!」ガチャン

和(9)「やった…13番目の須賀君が剣を落とした!この勝負は私達の…」

京太郎(9)「…………………」

和(9)「須賀…君?」

京太郎(9)「………」ガチャン ガチャン

京太郎「この勝負………」

京太郎(9)「お前の……勝ちだ!」バタッ………

和(9)「そんな……!須賀君が…私達の世界の須賀君が負けるなんて!こんなオカルトは…オカルト…は…」

京太郎「9番目の俺……」タッタッタッ

京太郎(9)「ふっ……俺は今、満ち足りている。不思議なものだ……」

京太郎(9)「負けたというのに…心に心地好い風が流れたような感じがする…」

和(9)「須賀君!」タッタッタッ…

京太郎(9)「和……すまないな…勝つって約束したのに…負けてしまったよ……」

京太郎「和………」

和「………いいえ、あなたがなんと言おうとあなたは私の世界を守るために戦ったんです……」

和「謝る必要はありません」シュウウウウウ……

京太郎(9)「そうか……ありがとな…和…。……13番目の京太郎…」

京太郎「どうした…9番目…」

京太郎(9)「例え……俺の存在が消えたとしても……俺がお前と戦った事…そして…俺が俺である事を貫き通した事……」

京太郎(9)それらは全部…消える事はない…」

京太郎「……………」

京太郎(9)「俺は…確かに……ここに…いた……」ガクッ

和(9)「お休みなさい……須賀…君…」フッ……

京太郎「…………終わったか」


[勝者 13番目の京太郎]


シュウウウウウ………

京太郎「なんだ!?視界が急に真っ白になっていく…!」


カァァァァァァ

京太郎「う……うわああああああああああああ!」


ピカァァァァァァ……



【真っ白な世界】

京太郎「ここは……最初に見た…」

立「おめでとう、13番目の京太郎」パチパチ…

京太郎「お前は……立!」

立「あなたが勝ち残った事であなたの世界がsakiの世界となる。実に喜ばしい事です」

京太郎「……ふざけるのも大概にしやがれ」

立「なんの事ですか京太郎」

京太郎「何が喜ばしいだてめえ!てめえの腐りきった考えのせいでどんだけの人間が悲しんだと思ってんだ!」

立「……………」

京太郎「どんだけの人間が……涙を流したと思ってんだよおおおおおおおおおおおおおおおお!」

立「確かに沢山の犠牲が生まれたのは事実」

立「しかし、これも全て世界を一つにするため……その者達の悲しみは決して無駄ではありません」

京太郎「ふざけるな!そんな自分勝手な考えが!」

立「ならばあなたは消えても良いというのですか」

京太郎「……何?」

立「ようやく手に入れた自分の存在を、みすみす捨てるつもりなのですかと聞いているのです」

京太郎「それは俺を脅しているのか?」

立「そういう訳ではありません。もちろん私はあなたが勝ち取った世界をsakiの世界にするつもりです」

立「しかし――京太郎という存在はいくらでも差し替える事はできるのですよ?」

京太郎「…………」

立「せっかく守った世界なのに、その世界にあなたの存在がないなんて辛い事ではありませんか?」

京太郎「じゃあ逆に言えば、俺がいなくても俺の世界はsakiの世界になるんだな?」

立「そうなりますね―――それがなにか?」

京太郎「…………それを聞いて安心したよ」チャキッ

立「何をするつもりですか京太郎。剣などを私に向けて」

京太郎「お前の話を聞いてよく分かったよ……お前だけは絶対に許せないってな!」

立「お止めなさい京太郎。あなたは自分が何をしているのか分かっているのですか」

京太郎「うるせえ!そんなもん最初っから分かってんだよ!」

立「なら、止めなさい京太郎。今なら戯れとして許してあげますよ」

京太郎「悪いな、立…俺はお前を許す事が出来ない!」チャキッ

立「そうですか…なら仕方ありませんね。京太郎、私はあなたを修正する必要があると判断しました」

立「さあ、来なさい……京太郎。私があなたを直してあげるわ」

京太郎「絶対に守ってみせる!俺達の…………存在を!」


―――――――


チュン…チュン……

咲「ふわぁ…今日も眠くなるような天気だなぁ…」

優希「咲ちゃ~ん!見ー付けた!」ガバッ

咲「きゃっ!?ゆ、優希ちゃん!もう、びっくりさせないでよ」

優希「すまんすまん!咲ちゃんがあまりにも可愛いから、思わず襲ってしまったじぇ!」

咲「もう、優希ちゃんったら…」

優希「また居眠りをしていたのか咲ちゃん!もうそろそろ部活が始まるから早く行こうじぇ!」

咲「あっ、待ってよ優希ちゃ~ん!」タッタッタッ…



【麻雀部 部室】

優希「おーっす!優希様の登場だじょ~!」ガチャ

まこ「おっ、優希と咲も来たみたいじゃの」ジャラジャラ

和「遅いですよ二人共。早く練習を始めましょう」

久「これで全員ね…それじゃあ練習を始めるわよ~」

優希「タコスうまー!」

和「もう、ゆーきったらまた喉につまらせますよ?」

咲「ツモ、嶺上開花」

優希「うわっと!また咲ちゃんに上がられちゃったじょ!」

まこ「やっぱりまこは強いのう」ジャラジャラ

久「じゃあ今度は私も混ぜてもらおうかしら?」

和「部長が相手ですか…負けませんよ」

まこ「ほほう、やけにやる気が出とるのお和!」

優希「頑張れのどちゃーん!私の敵討ちは任せたじょ!」

和「それじゃあ宮永さん、本気でいきますよ!」

咲「うん、分かったよ原村さん」ジャラジャラ



【部活終了】
久「じゃあ今日は解散!」

まこ「お疲れ~!部長、メシでも食べに行かんか?」

優希「咲ちゃん!のどちゃん!今からタコスを食べに行こうじぇ~」

和「もう、ゆーきったらまたタコスですか?別に構いませんけど…宮永さんも行きましょうよ」

咲「うん、いいよ!私も一緒に行くよ」



【タコスショップ】

優希「タコスうま~!やっぱりタコスは美味しいじょ!」

和「だからゆーき、喉に詰まらせるって何度言えば」

咲「…………」

和「どうしました宮永さん?」

咲「ううん、なんでもないよ…ちょっと考え事をしてただけ」

優希「おおっ!?咲ちゃんに何やら悩み事があるみたいだじょ!ほれ、のどちゃん!相談に乗ってやれ!」

和「ちょっとゆーき!茶化すのは止めてください!…何か悩みがあるんですか宮永さん。良かったら私達に話してくれませんか?」

咲「悩みとかそういうのじゃないから気にしないで二人共。ただ……」

和「ただ…なんですか?」

咲「何かを忘れているような気がするの」

和「何かを忘れている…?」

優希「なーんだ!咲ちゃんが暗い表情をしてたから、何事かと思ったらそんな事か!」ムシャムシャ

和「宮永さん、その忘れているものって一体なんですか?」

咲「それが、分からないんだよ原村さん…でもなんだか知らないけどそれが気になって……」

優希「何か買い物でも頼まれて、それを忘れているだけじゃないのかー?」ムシャムシャ

和「優希の言うとおりじゃないですか宮永さん?それともただ単に思い違いか…」

咲「う~ん…そうなのかなぁ」

和「きっとそうですよ宮永さん!さぁ、タコスが冷める前に早く食べましょう」

咲「う…うん、分かったゆ原村さん」

優希「タコスをおかわりするじぇ~!」

和「もう、ゆーきったら!あまり食べすぎると太りますよー!」

咲(………やっぱり何かを忘れているような気がする。とても大切な何かを…)


咲「それじゃあ私はここで…じゃあね原村さん、優希ちゃん」

原村「はい宮永さん、また明日」

優希「のどちゃーん!早く次のタコスショップに行くじぇ~」グイグイ

和「もう、ゆーきったら…まだ食べるつもりですか」タッタッタッ…

咲「………帰ろうっと」

久「あら、宮永さんじゃない!こんな所で何をしているのかしら?」

咲「あれ、部長…どうしてここに?」

久「まこと食事に行って帰ろうとしたら、宮永さんを見かけたから声をかけてみたのよ」

咲「はあ……」

久「それよりもどうしたのかしら宮永さん?なんだか悩み事をしている様な顔をしているけど…」

咲「はい……ちょっと話を聞いてもらってもよろしいでしょうか?」

久「ええ、良いわよ。話を聞かせてちょうだい」

久「……そう、何か大切な事を忘れているけどそれが何かが思い出せないって事ね…」

咲「はい、原村さん達は思い違いだって言ってたけど……私にはそう思えないんです」

久「あら、どうしてかしら?」

咲「だって…その事を思い出そうとする度に胸が苦しくなるんです……」

咲「大切な事を忘れているのにそれを思い出す事が出来ない……私にはそれが辛いんです」

久「なるほどね…宮永さんの話は大体分かったわ。……きっと宮永さんは大切な誰かを忘れているのよ」

咲「大切な…誰か」

久「そうよ、そういうのは大体相場が決まっているのよね!…きっとその人は宮永さんにとって凄く大切な人だと思うわ」

咲「凄く…大切な…」

久「……私もね、何かを忘れているような気がするのよ。大切な…何かをね」

咲「えっ、部長もですか?」

久「そう…私もそれが何かを思い出す事が出来ないのよ…。でも、必ず思い出してみせるわ!忘れたままなんて…嫌だもの」

咲「部長……」

久「宮永さんも早く思い出せるといいわね…。じゃあ私はこれで…帰るわね」

咲「はい…さようなら部長…」



【帰り道】

咲「凄く大切な……人か。一体誰なんだろう…お姉ちゃんは……思い出す事ができるから違うし…」ピタッ…

咲「なんでだろう…なんでこんなに胸が切なくなるの?思い出す事が出来ないだけなのに…」

咲「なんで思い出せないの…?その人は私にとって大切な人じゃないの…?ずっと一緒に―――!」ハッ…

咲「そうだ…その人はずっと前から一緒にいた…!」

咲(そうだ…その人は私が泣いていた時も優しくしてくれた……)

咲(ちょっとおっちょこちょいな所があるけど、私はそんな所も大好きだった!)

咲「はぁ……はぁ…!」タッタッタッ

咲(その人は…その人は!)



【空き地】

咲「はぁ…はぁ…!ここだ…その人は確かここで住んでいた!ただの空き地かもしれないけど…私は知っている…!」タッタッタッ

咲「まだ思い出せないの?お願い思い出して私!その人の存在を!その人の名前を!」

『…………き』

咲「――ん!――ゃん!」

『……ほんとうに…トロいよな……さきは』

咲「――――ゃん!―――ちゃん!」

『咲………』

咲「きょう………ちゃん………!」

『咲、俺は………』

咲「京ちゃん……!京ちゃん、京ちゃん!」

咲「ようやく思い出す事が出来たよ!やっと…やっと京ちゃんを思い出す事が出来た!」

咲「だから……だから!出て来てよ京ちゃん!私に…私に顔を見せてよ!」


シーン……

咲「どうして出て来てくれないの!?私は京ちゃんの事を思い出す事が出来たんだよ? なのになんで!」


シーン…

咲「嫌だよ…こんなの嫌だよ京ちゃん!やっと思い出せたのに!…やっと…京ちゃんにまた会えると思ったのに…!」


シーン……

咲「こんなの辛過ぎるよ!京ちゃんがいないなんて…もう二度と会えないなんて…!」


シーン……

咲「私はどうしたらいいの?どうしたら京ちゃんに会えるの?どうしたら…どうしたら私は―――!」


ガサッ……

咲「………誰!?」クルリ


ガサッ…ガサッ…ガサッ…

京太郎「……………」

咲「京……ちゃん……」

京太郎「ありがとな、咲……俺の事を思い出してくれて…ごめんな、辛い思いをさせちまって…」

咲「ううん、私の方こそごめんね…ずっと京ちゃんの事を忘れてて…」

京太郎「咲…………ただいま」

咲「お帰りなさい……京ちゃん」

――京ちゃん!だーい好きだよ!



最終話「時を抜け出そう」・後編