アナウンサー「試合終了! 三尋木プロ まさかの初戦敗退~!」

アナウンサー「前回の試合に引き続き、三度目の初戦敗退! 今回の敗退により タイトル戦が更に遠退いてしまった~!」

解説者「今回の敗退は 三尋木プロにとって かなりキツイ状況になってしまいましたね」

アナウンサー「と言いますと?」

解説者「三尋木プロは ここ最近 全く 白星がありませんからね このままだと…」

アナウンサー「引退になりかねないと?」

解説者「えぇ… 昔のように積極性がなくなったと言うか… 何か迷いがありますね…」

アナウンサー「迷い… ですか?」

解説者「はい… いつもの彼女ならk」


ピッ

三尋木「言いたい放題言っちゃて… お前に 私の何がわかるんだよ…」バサッ

三尋木「プロだって負けるときは負けるってのに…」

三尋木「こっちの新聞には 三尋木咏 引退か なんて書かれちゃってるしねぃ」

三尋木「………」

三尋木「引退… か…」


――――
―――
――


三尋木「………」トボトボ

三尋木(気分転換でもしてこいって言われてもさー 一人で気分転換になるはずないしねぃ…)

三尋木(何か暇潰しになるところはないもんかね… )

三尋木「………」

三尋木((そういやー 藤田プロが言ってたっけか)


『藤田「何でも…千里山のレギュラーの一人を 会ってものの短時間でベタ惚れにした男が長野の清澄って高校にいるとかなんとか』


三尋木(特にやることないし…)

三尋木「よし!」

三尋木「長野行こう 長野! 道 全く知らんけど なすがまま~ ♪」


――――
―――
――


三尋木「あはははは」

三尋木「(やっべぇー 道わかんねー )ここが さっき通ったところで これが現在地…」

三尋木(うーん わけわかんねー てか地図とか必要なくね? 知らんけど… )ポイ


?「痛てっ!?」


三尋木「おおーぅ クリティカルヒ~ット! 一般人に100のダメージ!」

?「100ダメージどころか 追加で500ぐらいのダメージくらいましたよ!」

三尋木「あはははは 意外とノリいいねぃ君ぃ 手が滑っちゃてさー」

?「どうしたら地図と扇子が同時に こっちに飛んでくるんですか!?」

三尋木「ありゃりゃ? 地図を捨てたつもりだったんけど」

?「貴女 今 手が滑ったって 言ってませんでしたか?」

三尋木「」ギクッ

三尋木「き、気のせいんよ ホッホッホ~ おぉ! これは!」

?(絶対に嘘だろ…)

?「そうですか… んじゃ 俺 そろそろ行かないと 怒られるんで それ返してもらっても………って 何食べてんですか!?」

三尋木「これタコスってやつだよね? 私 一度 食べみたかったんよ♪」モグモグ

?「(な、なんて自由な人だ…)あ、あの… それ食べられると ひじょ~に 困るんですけど…」

三尋木「旨~♪」

?「(き、聞いちゃいねぇよ… こりゃ また 買いに行かなきゃ駄目だな… )はぁ…」

三尋木「うわっ 辛ッ! 水頂戴 水! 口がヒリヒリする~」

?「水ですか? ちょっと待って下さいね… って なんでやねん!」ビシッ

三尋木「ぐほっ!? セ、セクハラ!?」

京太郎「いやいや おかしいでしょ!? 物ぶつけたうえに 勝手に飯まで食べて 水 要求で 挙げ句 セクハラって… 」

三尋木「だってー 口がー 水~ 口がー 水~ 」

?「(うるせ~…)あぁ もう はい! 水ですよ! み・ず!」

三尋木「ちょ これ飲めとか マジッスか!?」

?「死にはしませんよ… 多分…(この間の水入れぱにしてたの忘れてた…)」

三尋木「うぅ… 水… 口が痛い…」ポロポロ

?「な、泣かないで下さいよ」

三尋木「だってー 口がヒリヒリして 痛いんよ…」グスッ

?「だからって泣く事じゃ…」


三尋木「私だって 頑張とるんよ… それなのに… グスッ 皆… 私が グスッ 引退する グスッ とか言うし…」

?(もはや口が痛いどうこうの話ですらねぇ… )

?「わ、わかりましたから 何があったかは知りませんけど ほら 水飲んで 元気だして下さいよ 俺で良ければ聞きますから ね?」

三尋木「あ、ありがと~ グスッ あ、あのね? グスッ 皆が グスッ 私を グスッ 生き遅れの グスッ 女 だって グスッ 馬鹿にするんよ」

?(引退がどうとか言ってなかったか? この人…)

三尋木「そんでね そんでね?」

?「はいはい 聞いてますから…」


~一時間経過~

三尋木「だから 私は言ってやったんよー 能ある鷹は爪を隠す って!」ビシッ

?「そ、そうですか…(いつまで続くんだ この話…)」


~二時間経過~


三尋木「私と一緒に解説してた ん… えっと… 誰だったか良く知らんけど その人は間違いなく 私に気があると思うんだよねー!」

三尋木「ちょ~っと 歳は上なんだけどねぃ」パタパタ

京太郎「よ、よかったじゃないですか(麻雀部の皆さん… 本当にすんません…)」

三尋木「他にも…」


~三時間経過~

三尋木「最近のプロは千里山を中心に選出されてきてっから面白みが少ないんよ…」

三尋木「他の学校にも もっと頑張ってもらわないとねぃ あはははは あ、それから…」パタパタ

京太郎「(まだ続くのかよ! 頼む 早く 終わってくれ!)ハハッ そうですね…」


~六時間経過~

三尋木「いやー 色々と愚痴聞いてもらっちゃって 悪いねー」パタパタ

?「そ、そんな事ないですよ…(や、やっと終わった…)」

三尋木「いやいや 私の話 真面目に聞いてくれたの 君が 初めてでさー? 何て言うの? ついつい 長くなっちゃって」アハハハハ

?「それは喜んでいいのか 悪いのか…」

三尋木「さぁー? 喜んでいいんじゃん? 知らんけど」

?「(どっちなんだよ!)そ、そうですか それでは 俺は この辺りで… 」ガシッ

?「!?」

三尋木「チッチッ 私から逃げようとか 無理に決まってんじゃん まだまだ 時間はたっぷりあるんだしさー」

三尋木「もうちょ~っと 私に 付き合ってもらっても罰は当たらないんじゃないかなー?」

?「なん………だと………!?」

三尋木「あははは すっげー マヌケ面! 芸人もビックリ~ 」

?「貴女の格好もビックリ~ ですけどね…」

三尋木「うぉい! それは聞きづてならないな 雑用君は 和服の素晴らしさが わかってないよだねぃ」

?「ざ、雑用君って… 俺には 須賀京太郎って 言う名前があります」

三尋木「? 砂 教卓? ギャグか何か? ん? 」

京太郎「砂 教卓じゃなくて! す・が・きょ・う・た・ろ・う!」

三尋木「あぁ~! 酢が 京太郎ね? 砂 教卓じゃなくて」

京太郎「そうです… 須賀 京太郎です…(どう聞き間違えたら 砂 教卓 になるんだよ…)」

京太郎「そもそも 何で 雑用君なんですか…」

三尋木「ん? いやー なんとなくだけど?」

京太郎(恐ろしい勘だ…)

三尋木「まぁ そんな話は どうでもいいんだけどねー」

京太郎「ひどっ!?」

三尋木「和服を馬鹿にした 雑用君には 和服の素晴らしさを たーぷりと 教えてあげないとねぃ」

京太郎「え、遠慮しときます…」

三尋木「あははは 面白い 冗談を言うねー 君」ニコニコ

京太郎「そ、そうですか? ハハッ…」

三尋木「うん♪」


――――
―――
――


三尋木「現在の和服には、大人の女性用・大人の男性用・子供用があるのは 雑用君も知ってるよね?」

京太郎「え、ええ まぁ…」

三尋木「男性用と女性用の和服のそれぞれに、正装・普段着・その間の服があって基本的に男女両用の和服はないんよ」

三尋木「和服は肌襦袢、長襦袢、長着、羽織、伊達締め、腰紐、帯、帯板、帯締、袴、足袋、草履、下駄で構成されてて……」フリフリ

京太郎(か、帰りたい…)


三尋木「ちゃんとついてきてるー? 雑用君? 」

京太郎「な、なんとか…」

三尋木「ちなみに 豪華な模様を持つものが多いのは、長着と帯! 数万円から数百万の帯まで た~っくさんあるんよ!」フリフリ

京太郎「す、数百万!? 全部 一緒なんじゃ…」

三尋木「かぁ~ これだから素人は…」

京太郎「す、すいません」

三尋木「いい? どうして こんなにも価格が違うのか? ってのを知りたいんだよね?」

京太郎「は、はい」

三尋木「帯にも色々と種類があるんよ 例えば… ん~ 丸帯とか?」

京太郎「丸帯?」

三尋木「丸帯ってのは江戸時代に創られた正装用の帯でね?」

三尋木「広幅に織った帯地を二つ折りにして片側を絎けたもので、両面共に柄が出るんで非常に豪華な帯になるんよ」

三尋木「丸帯という名称は広幅の織物を丸ごと使うことからきてるけど、それだけ重く締め難いものとなるって事」

京太郎「へぇ~」


三尋木「価格が違うのはそこ」

京太郎「? 手が込んでるか 込んでないとか ですか?」

三尋木「そそっ 高価な帯と廉価な帯はどこが違うのか?帯に限らずきものの価格は、素材と手間で決ると言って良い」


三尋木「高価な素材を使えば価格は高くなり、安価な素材を使えば価格は安くなる」

三尋木「けどね?、特殊な素材を除けば素材によって数十倍もの価格の開きはできないんよ」

三尋木価格を左右する大きな要因は主に手間。手織と機械織では手間が大きく異なる」

三尋木「手機だと横糸一本一本を手で簸を飛ばしながら通して行くから、機械よりも手間がかかり高価になるんよ」パタパタ

京太郎「色糸の数が多ければ多いほど手織り職人は 糸を選んで簸を通す手間が大変なものと成るってわけですか? 」

三尋木「おぉ~ぅ! 正解! わかってんじゃん!」ビシッ

京太郎「そ、そうですか?」テレテレ


三尋木「私 個人としてはさー 帯も着物も 手作りがいいんだけど…」

京太郎「けど?…」

三尋木「手織りはどうしても 機械で作るより 時間がかかるうえに お金も 高いから 一般受けは 余りしないんよ…」

京太郎「そりゃそうですよ…」

京太郎「今は 手間より早さを 求められていますからね… 時代の流れには 逆らえませんよ」


三尋木「」ポカーン

京太郎「な、なんですか?」

三尋木「あっ いや 意外にも 良い事 言うなー って 思ってね」パタパタ

京太郎「そうですか? なら 雑用君から 名前で呼んで下さい 」

三尋木「うーん それはちょっと無理かなー 雑用君に 慣れちゃったし 何なら セクハラ君 でも 私は いいけど?」

京太郎「雑用君でお願いします」

三尋木「おぉ~ぅ ドM だったとは… 中々やるねぃ」

京太郎「もう… 勝手にして下さい…」

三尋木「んじゃ ドM君d「お断りします! 」えぇ~っ なんで?」

京太郎「その名前だと 社会的地位を 確実に無くします」

三尋木「社会的地位ねー… いるの?」

京太郎「いりますよ! ほんと それだけは勘弁して下さい 咏さん」

三尋木「どーしてもってなら 別にいいけどさー ん? あれ? 私 君に名前 言ったっけ?」

京太郎「糞長い 愚痴の中で 何回か登場してましたよ…」

三尋木「そ、そうだっけ? 知らんけど」

京太郎「そこは知っといて下さいよ」

三尋木「いや しらんし」

京太郎(………(もう ヤダ この人…)


三尋木「あ! そうそう 連絡先教えてといくれる?」

京太郎「連絡先ですか? 別に構いませんよ」

三尋木「じゃ、この紙の、ここに名前と生年月日よろしくねー」サッ

京太郎「生年月日までいるんですか?」

三尋木「うん♪ あ 電話番号は こっちの紙に 書いて」

京太郎「? わかりました」

三尋木「それと… 判子とか 持ってるー?」

京太郎「判子? 確か持ってたと思いますけど… あぁ これだ」

三尋木「判子は ここ」

京太郎「どうでもいいんですけど 何で連絡先 書くのに 判子がいるんですか?」

三尋木「………念のため?」

京太郎「何故に疑問形なんですか…」ポン


三尋木「うひょー ありがとさん♪」

京太郎「悪用だけは 絶対にしないで下さいよ? 信頼してますからね?」

三尋木「悪用なんて しないってー♪ 」

京太郎(大丈夫なんだろうか…)

三尋木「んじゃ また 明日ー」フリフリ

京太郎「明日!?」

三尋木「今日の夜に また 連絡すっから~ よろしくねー♪」フリフリ

京太郎「え、ええ…」


~清澄 部室~

京太郎「二度も買い物に行く事になるとは…」

京太郎(戻りたくねぇ…)


ガチャ

京太郎「た、ただ今 戻りました… えっ? ど、どうしたんですか?」

咲「………」グスッ

和「………」ウルウル

久「ん? あぁ 須賀君 おかえりなさい」

京太郎「えっ? あっ はい」

京太郎「(何だ この 異様な雰囲気は… )ぶ、部長 何かあったんですか?」ヒソヒソ

久「あ~ うん ちょっとね…」

京太郎「そ、そうですか…」

久「そうそう 須賀君 」

京太郎「何でしょうか?」

久「はい これ」バサッ

京太郎「? ウィークリー麻雀トゥデイ? (凄い見覚えのある人が表紙なんだけど…)何ですか? これ?」

久「雑誌よ 雑誌 中々 面白いから 須賀君も それ読んで しっかり勉強しなさい」

京太郎「は、はい! あの 部長? この表紙の人って…」

咲・和「」ビクッ

久「表紙? あぁ~ 三尋木プロね ウィークリー麻雀トゥデイ特集で表紙を飾るくらいだから 相当な腕よ」

久「まぁ 最近は ちょっと黒星ばかりで 引退とか騒がれてるけどね」


京太郎「そう… ですか…」

久「それがどうかした?」

京太郎「へ? あぁ いや 特には…」

久「? そう? まぁ とにかく頑張ってね?」

京太郎「はい!」


――――
―――
――


京太郎「あの人 そんなに有名な人だったんだ…」

京太郎(とても信じがたいな…)ペラ

京太郎「おっ? タイトル挑戦までした事 あんのかよ あの人」ペラ

京太郎「しかも彼女にしたいランキングで一位とってんじゃん!(何が生き遅れだよ…)」

京太郎「てか この雑誌 最近のか? 最近の… ポイな…」ペラ


ピリリリリリ

京太郎(ん? 知らない番号だな?…)

京太郎「はい 須賀でs」

三尋木『ヤッホー♪ 雑用君? いやー 参った 参ったー 悪いんだけどさー?』

三尋木『今日会った場所に 今すぐ来てくれないかなー?んじゃー よろしくー♪』ピッ

京太郎(ほんとにプロなのか…?)


――――
―――
――


三尋木「おぉー 来た 来た」

京太郎「どうしたんですか? 急に?」

三尋木「いやね? 正直な話をすると 帰り道がわかんねー 状態なんだわ だ・か・ら 一晩とめてくれると助かるんだけど?」

京太郎「」

京太郎「いやいや それはマズイでしょ!?」

三尋木「親子さんには ちゃんと説明すっからさー お願い! このままじゃ 野宿なんよ」パタパタ

京太郎「親は居ないんで大丈夫なんですけど…」

三尋木「よし! 難問クリアー!」

京太郎「難問クリアー じゃないですって! そもそも 咏さん プロ雀士 じゃないですか…」

京太郎「俺の家に泊まったなんて事 バレたら大変な事になるんじゃ…」

三尋木「あちゃー バレちゃったか~ うーん でも まぁ 大丈夫! 知り合いとか何とか言えばいいしさぁ ほんと頼むよー!」

京太郎「そうは言われても…」

三尋木「よし! わかった! 泊めてくれたら 私が直々に麻雀 教えてあげるから!」

京太郎「咏さんが?」

三尋木「そそっ 何なら 夜のお相手も…」ニヤッ

京太郎「それはいいです」

三尋木「ひどっ!?」ガーン

京太郎「まぁ そうですね…」

京太郎(プロが教えてくれる事なんて 滅多にないしなぁ… ここは一つOKするか…)

京太郎「わかりました 咏さんが 教えてくれると言うのでしたらOKです」

三尋木「教える 教える! 何でも聞いて! 」


――――
―――
――


三尋木「ほぇ~ 意外と広いんだねぃ」

京太郎「まぁ そこそこ…」

三尋木「へぇー !」キラーン

京太郎「とりあえず ご飯食べてないでしょうから ご飯を食べm って~ おぃぃ!」

三尋木「ん? どしたー?」ガサゴソ

京太郎「何やってんですか!?」

三尋木「んー エロ本探し」ガサゴソ

京太郎「んな!? そんなところには ありませんから!」

三尋木「昔から 隠すなら ベッドの下って 決まってるんだよねー」ガサゴソ

三尋木「あれれ? 」スカスカ

京太郎「だから言ったでしょ? そんなところにはないって…(誰がベッドの下なんかに隠すか…)」

三尋木「」トコトコ

京太郎「今度はなんですか? トイレならあっちですよ?」

三尋木「んー これだ!」

京太郎「!?」

三尋木「はっはーん ねぇ ねぇ 辞書見ようとしたら 変な本が出てきたんだけどー?」ニヤッ

京太郎(ば、馬鹿な!? 何故 数ある カモフラージュの中から それを選び出すんだ!)


三尋木「えぇ~っと なになに? えっ? 貧乳 えっ? 和服… パラ… ダイス…? えっ?」チラ

京太郎(巨乳ばかりで飽きたから たまには 趣向を変えてみただけなのに~ 何でよりにもよって あれなんだよ!)

京太郎あ、あは、あははははは………」

三尋木「………」

京太郎「………すんません」


――――
―――
――


京太郎「(き、気まずすぎる…)ど、どうですか?」

三尋木「」ビクッ

三尋木「な、中々の う、腕前で…」パタパタ

京太郎(縮こまっちゃてんじゃん… これ… 麻雀教えてとか言える 雰囲気じゃねぇ…)

三尋木「………」


三尋木(あれって もしかして… 私を意識してんのかな? ま、まさかの一目惚れ!? いやいや それはないねー …)

三尋木(あれ? でも よく考えてみるとさー 好きでもない女 普通に家に 入れるかな?)

三尋木(しかも今日会った よくわからない女を… って事は やっぱり…)

三尋木「あ、あの…」


京太郎「は、はい(どんな罵倒だろうとも 受けきってみせる!)」

三尋木「ふ、ふつつか者ですが よ、よろしくお願いします」ペコッ

京太郎「へ? あ! こ、こちらこそ よろしくお願いします」ペコッ

京・三「「………」」

三尋木「プッ あはははは! ど、土下座って! あはははは マジっすか! あはははは 」

京太郎「ちょ 笑わないで下さいよ…」

三尋木「あはははは ごめん ごめん 余りにも 衝撃的だったもんだから」ケラケラ

京太郎「はぁ…」


――――
―――
――


~~~~~~~
※備考

萬子:1~9
索子:Ⅰ~Ⅸ
筒子:①~⑨

~~~~~~~

京太郎「(レ、レベルが違いすぎる…)」

三尋木「さってと… 打ってみてわかったんだけど 雑用君は 守りが ダメダメだねぃ」

三尋木「だから守りを重点的に学んでいかないと駄目みたいのようだねぃ」

三尋木「んじゃ まずは スジについて 教えるから」

京太郎「は、はい」

三尋木「スジって言うのは 両面待ちを前提とした、相手の捨て牌から考える守りって感じかな?」

三尋木「例えばー ん~ こんな感じの捨て牌があって 相手にリーチされたとする」


東Ⅷ②1北Ⅳ西Ⅵ←リーチ


三尋木「この相手はリーチを仕掛けたとき Ⅵ を切っとるんけど 考えてごらん?」


234 567 ④④④ ⑦⑧⑨ ⅦⅧ 南南

または

234 567 ④④④ ⑦⑧⑨ ⅣⅤ 南南


三尋木「みたいな 牌の待ちは考えられにくくない?」

京太郎「確かに… それだと 自分で捨てた牌があるんで ロンはできないですね」

三尋木「そそっ わざわざ リーチまでかけて 聴牌宣言しておいて ロンできません とか マジ馬鹿でしょ?」

三尋木「待ちで待つ事は 普通はしないよね? んじゃ 結局 何が言いたいのかと言うと…」

三尋木「ⅣⅤ または ⅦⅧ の両面待ちの可能性が低い と言う事なんよ」

京太郎「へぇ~」

三尋木「したがって Ⅵ が 捨てられているから Ⅲ Ⅵ Ⅸ で待ってる可能性が低いって事が言えるんよ!」

京太郎「な、なるほど…」


三尋木「あくまでも両面待ち前提って事を忘れないで欲しいんだけどねー」パタパタ

京太郎「はい! でも少し難しいですね…」

三尋木「そう? じゃ より詳しく 説明するねぃ」

三尋木「さっき Ⅵ が捨てられていた事から Ⅲ と Ⅸ が当たり牌の可能性がわかったけど… これをスジって呼ぶんよ」


1・4・7「(イー・スー・チー)」

2・5・8「(リャン・ウー・パー)」

3・6・9「(サブ・ロー・キュー)」


三尋木「こーんな感じで 全部で3種類のスジがあって⑤が捨てられていれば ② と ⑧ は比較的安全牌って言えるし」

三尋木「4が捨てられていれば 1 と 7 は 比較的安全牌だと予想できるねぃ」

京太郎「それじゃあ その3種類のスジを覚えていれば 言いんですか?」

三尋木「まぁ 覚えておいて損はないんだけどねー」パタパタ

三尋木「おっと もう一つ 忘れてたよ…片スジには 要注意が必要なんよ!」パタパタ

京太郎「? 片スジ?」

三尋木「そそっ」


1・4・7「(イー・スー・チー)」

2・5・8「(リャン・ウー・パー)」

3・6・9「(サブ・ロー・キュー)」


三尋木「これがスジだからと言って 1 が捨てられていれば 4 が 安全かと言うと ちょ~っと 違うね」

三尋木「少し考えればわかると思うけど 2 3 の聴牌なら 1 4 待ちになるけど 5 6 の聴牌なら 4 待ちになるよね?」

京太郎「言われてみれば そうですね」

三尋木「このように 片方 だけの スジの事を 片スジと呼ぶんよ!」ビシッ

京太郎「片スジ… 恐るべし!」

三尋木「ちなみにだけど 片スジの両方が 捨てられていれば スジは完成するからね?」

京太郎「そうなんですか?」

三尋木「ほら 1 と 7 が捨てられていれば 4 はスジとなり 比較的安全牌になるでしょ?」

京太郎「あっ ほんとだ…」

三尋木「最初は 難しいだろうけど 何事も経験がものを言うから 実践あるのみ!」パタパタ

京太郎「はい!」

京太郎「よし! 今日は徹夜だ!」

三尋木「おぉ~っ やる気だねぃ んじゃ 悪いんだけど シャワー浴びても おっけーい?」

三尋木「朝から 歩き回ったから 汗かいちゃって あぁ あと 服も」

京太郎「はいはい 服は 適当に持ってて 構いませんので… タオルは リビングにありますから」


ガチャ

三尋木「おっけーい じゃ シャワー 浴びてくるけど… 覗けよー?」フリフリ

京太郎「覗くなじゃなくて 覗け! かよ!? 」

三尋木「♪」トテトテ

京太郎「なんだか よく わからん人だ… 」

京太郎「………」


京太郎「(三尋木… 咏… か…)」


ガチャ

三尋木「やっべー お湯 でないんっスけど!? 」

京太郎「うぉーーーい!!! 前隠せ! 前!」


――――
―――
――


三尋木「いゃ~ サッパリしたー♪」

京太郎「…何で ワイシャツ 一枚しか 着てないんですか!?」

三尋木「なんて言うの? なんとなーく 着てみた みたいなー? ………興奮する?」

京太郎「スウェット貸しますんで それ着て下さい!」

三尋木「えぇ~っ 暑いから 着たくないだけど…」

京太郎「野宿と どっちがいいですか?」

三尋木「うひょー こんな ところに スウェットがあるとか! マジ着るしかないしょ!」

京太郎「最初から着て下さいよ…」


三尋木「ちょい ちょい」グイグイ

京太郎「? 何ですか? ブッ!」

三尋木「きゃっ!」

京太郎「きゃっ! じゃないですよ! 服も 自分で着れないんですか!?」

三尋木「せっかく サービスしてあげたのに それは ないんじゃないのー?」フリフリ

京太郎「サービスの度が強すぎなんですよ!」

三尋木「あちゃー… 雑用君には 刺激が強すぎちゃったかー 」ケラケラ

京太郎「もう勘弁して下さいよ…はぁ…」


~~~朝~~~

京太郎「ん… あぁ… 俺 このまま 寝ちゃったのか…」

京太郎(結局 一回も勝てなかったけど… 久しぶりに 打ちまくったな…)

京太郎「………」

京太郎(…何で この人は 俺を抱きまくら にして 寝てんだ?)

三尋木「ん…」ムニュ

京太郎「!?」

京太郎(な、なんだ… この異常な程の柔らかさは… !? おいおい この人 まさか…)ワサワサ

京太郎(ブラ着けてねぇのかよ!?)

三尋木「ん… はぅ… 」

京太郎(耐えろ! 耐えるんだ京太郎! お前なら出来るはずだ!)

三尋木「………」モゾモゾ

京太郎(? 今度はなんだ?)

三尋木「暑い…」ポイ


京太郎「!?」


京太郎(下 脱ぎやがった!?)

京太郎「(ど、どどど どうすんだよ これ! と、とりあえず 起こさないと… )う、咏さーん? 朝なんで起きて下さーい」

三尋木「んー」ガシッ

京太郎(お、俺の手が 咏さんの 股に! ホールドされた! し、しかも 下着も穿いてねぇのかよ!?)

京太郎(素数だ! 素数を数えるんだ 京太郎! 2 3 5 7 11 13 17 19…)

三尋木「ん… あ… 」

京太郎(23 29 31 37 41 43 47 53!… 頼む 起きてくれ!)

三尋木「ん… ふわぁ~… ふぅ~ あっれー? ん?」キョロキョロ

三尋木「………えっ!?」

京太郎「や、やっと 起きましたか…」

三尋木「」チラ

京太郎「できれば 離れてもr「きゃーーー!!!」ブホォッ!」バシン

三尋木「な、なんで私 下脱いでんの!?… えっ? も、もしかして… 雑用君に 無理矢理…」

京太郎「貴女が俺を抱きまくらに してたんでしょうが!」

三尋木「へ? そ、そなの? し、しらんけど」

京太郎「マジ勘弁して下さいよ…」

三尋木「え、えへへっ」


――――
―――
――


京太郎「結局 その服に着替えるんですか」

三尋木「昨日 洗って 干しといたからねぃ」フリフリ

京太郎「いつの間に!?」

三尋木「さぁー?」

京太郎「さぁーって…」


三尋木「! 何か今さ ぁ ティーン って言うか…」

三尋木「頭の中で ピピピー って 電流が流れて 私に こう言ったんよ ライオンに会いに行けー ライオンに会いに行けーって」フリフリ

京太郎「ライオンなら動物園にいるんで行って来て下さい」

三尋木「なーに言ってるかなー? 雑用君も 行くに来まってるじゃん」

京太郎「はい? 俺 これから部活なんですけど…」

三尋木「部活に乗り込んで 朝の事 バラされて信頼無くされるのと 私と動物園に行って私のご機嫌とるのと どっちがいいー?」ニヤッ

京太郎「ど、動物園で…」グスッ

三尋木「泣くほど 嬉しいかー 」ケラケラ

三尋木「んじゃー 動物園に向けて レッツゴー!」


~~~動物園~~~

三尋木「あはははは 雑用君も こっち来てごらんってー!」

京太郎「こ、今度は何ですか?」ゲッソリ

三尋木「ゾウが水浴びしとるんよ! 気持ちよさそうにー!」フリフリ

京太郎「(わからない… ゾウの水浴びで あそこまで はしゃぐ 咏さんが…)は、はぁ…」

三尋木「おおっ? 今度は 猿が餌を食べとるよ! 雑用君も貰ってきたら?」

京太郎「俺は猿ですか!?」

三尋木「あはははは 冗談 冗談だんよー! 次は ペンギン ペンギン」トテトテ

京太郎「そんな走り回らなくったって ペンギンは逃げませんよ…」

三尋木「分かってないねぃ…」バッ

三尋木「ペンギンは 動物園において 一番人気なんよ 出遅れて見れなくなったら大変 悲しいとは思わないかい?」フリフリ

京太郎(なら… 一番 始めに ペンギンコーナー 行けよ! 何で動物園にまで来て トカゲを 一番最初に見るんだよ!)

京太郎(それも 虫かごに入っるような奴を…)

三尋木「おーい 生きてるかー?」

京太郎「生きてますよ…」

三尋木「よし! それじゃあ 行こー♪」


――――
―――
――


三尋木「うひょー か、可愛いー 」キラキラ

京太郎「あれが 噂に聞く ペンギンの散歩って奴ですか…」


三尋木「ペンギンってさ 世間一般では「脚が短い」と思われてるけど」

三尋木「実際には体内の皮下脂肪の内側で脚を屈折してるって 知ってた?」フリフリ

京太郎「そうなんですか?」

三尋木「関節はこの状態のまま固定されてるから 脚を伸ばすことはできなくて 体外から出ているのは足首から下の部分のみ」

三尋木「成鳥ではほとんど脂肪に隠されていて表面上見えないんだけどー」

三尋木「 生後まもなくの脂肪の少ないペンギンではその骨格がはっきりと見てとれるんよ」フリフリ

京太郎「やたら詳しいですね…」

三尋木「一般常識ってやつ?」

京太郎(さっきから 見え隠れしてる パンフレットはなんなんだよ…)

三尋木「次は イルカを見るとしますかー」フリフリ

京太郎「咏さん… 動物園に イルカは いないと思うんですけど…」

三尋木「えぇー いないのー? んじゃー クジラで」パタパタ

京太郎「水生動物が見たいなら 水族館にでも 行って下さい」

三尋木「その手があったか!」バッ

京太郎「言っときますけど 行きませんからね」

三尋木「チッ…」

京太郎(舌打ちされたよ…)


――――
―――
――


三尋木「ひゃ~ 遊んだ 遊んだー♪ もーう 歩けねー 」パタパタ

京太郎「満足しましたか?」

三尋木「満足 満足♪」

京太郎(結局 4時間以上も 動物園 にいたのか… 部活サボって こんなところに居るのが バレたら 殺される…)

三尋木「京太郎の お陰で いい気分転換になったよ ………ありがとう」

京太郎「! い、今 名前で!」

三尋木「流石に 雑用君じゃ 可哀相かなー と 思ってねー 嫌だった?」

京太郎「全然! むしろ 嬉しいです!」

三尋木「そ、そうー?」

京太郎「当たり前ですよ こんなにも 名前で呼ばれる 事の 素晴らしさが わかったんですから!」

京太郎(これ以上 雑用 だの セクハラ だの ドMだの 言われてたまるか)


三尋木「ふ、ふーん ね、ねぃ? 一つ 聞きたい事があるんだけど?」

京太郎「? 何ですか?」

三尋木「きょ、京太郎ってさー? か、彼女とか ………いる?」

京太郎「はぃ~? 俺に 彼女なんて いたら 咏さんと こんな所に来ませんよ」

三尋木「(えっ? そ、それって…)そ、そっか…」


――――
―――
――


三尋木(さっきのって… もしかして 遠回しに 告白された? や、やっぱ そうだよね… 彼女がいたらわ、私と 動物園に 来ないって…)

三尋木(ど、どうしよう… ウィークリー麻雀トゥデイで 彼女にしたいプロ雀士で一位 取った事 あるけど…)

三尋木(実際に告白された 事なんて 無かったし… …あれ? もしかして 告白されたの 初めて なんじゃ……)パタパタ


京太郎(なんか 口挟んじゃ いけない 雰囲気を醸し出してるな 咏さん………)


三尋木(京太郎 が 沈黙を貫いてるのって 私からの 返事を待ってるからなのかなー?)

三尋木(だとしたら 返事を返さなくっちゃ… で、でも…なんて言ったらいいんよ…)

三尋木(『私も好きです!』 いや これじゃあ インパクトが足りないと思う…)

三尋木(かと言って 可愛く 『わ、私も…』 うーん 何か足りない気がするような…)パタンパタン


京太郎(さっきから あの扇子の音が 気になるな… パタパタ から パタンパタン って…)

京太郎(これは… 俺が 知らないうちに 咏さんを 怒らせちゃったか?)

三尋木(ダメダメ それだと 私が 軽い女だと 思われる! もっと 積極的 かつ 優雅に…)バシンバシン


京太郎「」ビクッ

京太郎(うわ~っ こりゃ 間違いなく 俺が 関係してそうだな… どうしよう… どうすれば 怒りを静めてもらえるだろうか…)

京太郎(やっぱ 俺に 彼女なんて いたら 咏さんと こんな所に来ませんよ って 言ったのが マズかったのか?)

京太郎(そう いや 部長が… 『例え お世辞だろうと それっぽい事を言えば 女の子は喜ぶもんなのよ』 って 言ってたような…)

京太郎「(悩んでても 始まらない! 男は度胸だ!)う、咏さん!」

三尋木「は、はい」

京太郎「先程 俺に 彼女なんて いたら 咏さんと こんな所に来ませんよ って 言った事 訂正します」

三尋木「えっ… それって…」

京太郎「本当は 俺… 咏さんと一緒に 動物園に行きたかったんです!(誘われるまで、興味すら無かったけど…)」

三尋木「えっ!?」

京太郎「けど… 中々 言えなくて…」

三尋木「で、でもさー わ、私達が会ったのって き、昨日だよね?」パタパタ

京太郎「そんなの関係ありません!(こんな感じ… か?)」

三尋木「」ビクッ

三尋木(えぇーっ! ど、どうなんてんの!?… ウジウジ考えてたら なんか凄い事に なっちゃってんですけどー!?)

京太郎「俺は… 咏さんとがいいんです」

三尋木「きょ 京太郎…」


――――
―――
――


藤田「………」ポロッ

藤田(な、なんか とんでもない 場面に 遭遇してしまった…)

藤田(あれって 三尋木プロ… だよな? んでもって 向こうは誰だ? 見た事ない顔だな…)


三尋木「わ、私も!」


藤田「」ビクッ


三尋木「雑用k  きょ 京太郎と一緒に き、来たかったんよ!」


藤田「(し、信じられん… あの 三尋木プロが… )」


京太郎「ほんとですか!? よかった~ 」

三尋木「~~~」テレテレ


藤田(一応 写真撮っておこう… )

藤田(最近のカメラ機能は便利だな 音を消せるとは… 久 にでも 見せてやるか…)


――――
―――
――


三尋木「♪」

京太郎「あ、あの~ そんなに引っ付かれると 動きにくいし 暑くありません?」

三尋木「暑さなんて 気にしてたら プロ雀士には なれないってー」ギュッ

京太郎「そ、そうですか…」

京太郎(おかしい… 何かが おかしい…)

三尋木「ね? ね? 子供は何人がいいー? 私としては 二人ぐらいが いいと思うんだけどさー?」

三尋木「京太郎が どーしても ってんなら 四人でも 五人でも 大丈夫なんだけど? どうかなー?」テレテレ

京太郎「こ、子供!? な、何の話をしてるんですか!?」

三尋木「何って? 私達の 未来についてー? きゃ!」パタパタ

京太郎「」

京太郎(や、ヤバい… これ… 松実姉妹のドラ爆 くらい続けるより ヤバい気がする…)

三尋木「おっ? それじゃあ 私は ここまで だからー 」フリフリ

京太郎「そ、そうですか…」


ピリリリリリリ~
ドアガシマリマス~ ゴチュウイクダサイ~


三尋木「京太郎は まだ16歳だし 法的に結婚は無理だからー 京太郎が 18歳になったら 結婚しようねー♪」フリフリ

京太郎「は、はぃぃぃ!?」

三尋木「毎週 顔出しに行くからー 浮気しちゃ駄目だからねぃ」

京太郎「」

三尋木「ちなみに 婚姻届の記入欄は 京太郎に書いてもらってるから 結婚破棄は無理だから そこんとこ よろしくー」ピラピラ

京太郎「!? えぇ~っ!? 俺 そんな物 書いた 覚えないんッスけど!? ………あ!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


京太郎『どうでもいいんですけど 何で連絡先 書くのに 判子がいるんですか?』

三尋木『………念のため?』

京太郎『何故に疑問形なんですか…』ポン

三尋木『うひょー ありがとさん♪』


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

京太郎「あの時かよぉ!!」

三尋木「じゃねー♪」フリフリ


プォ~~~~~

京太郎「あっ! ちょ!」


プォ~~~~~

京太郎「」

京太郎「………」

京太郎「お… 終わった…」ガクッ


~数日後~

アナウンサー「し、試合終了ー!」

アナウンサー「三尋木プロ! 決勝戦進出決定ー!」

アナウンサー「一時は 引退の危機にまで 陥っていた 三尋木プロ ですが 前回の敗北をバネに ここまで 連戦連勝ー!」

アナウンサー「しかも 二回戦、三回戦の相手は 元タイトル保持者を飛ばしての 勝利と言うから 驚きです!」

解説者「これは 非常に素晴らしい事ですね」

アナウンサー「決勝戦の相手は 注目のスーパールーキー と 現タイトル保持者 二名!」

アナウンサー「優勝するには とてつもない程の狭き門 ですが…」

解説者「いや 彼女はやってくれるでしょう…」

解説者「今の彼女には 迷いがなく ただ ひたすらに 前に向かって 打っていた頃に戻ってますから…大丈夫でしょう」

アナウンサー「なるほど…」

アナウンサー「ちなみに この決勝を制した者は 8月に行われる 世界タイトルの予選に参加する 事が出来ますが!…」

アナウンサー「一体 勝利を手にするのは誰なのか!」

アナウンサー「デビューしてから 一度も最下位になった事がない スーパールーキーか?」

アナウンサー「それとも 現タイトル保持者の二人が 他者を寄せつけづに 勝利を手にするのか?」

アナウンサー「はたまた 二回戦、三回戦と元タイトル保持者を飛ばすと いう離れ業を見せた 三尋木プロ が 栄光を手にするのか?」

アナウンサー「決勝戦のチケットはほぼ完売! 皆さんも是非 この 世紀の対決を見逃さないように!」


ピッ

久「三尋木プロ 絶好調じゃない」

京太郎「………」

咲「………」

和「………」

優希(く、空気が重すぎるじょ…)

染谷(久の奴… 珍しく ブチ切れとるの…)

久「そ・れ・で!」バンッ

京太郎「」ビクッ

久「この写真は何?」

京太郎「そ、そそそれは ですね? な、なんと 申し上げたら言いか…」

咲「………」ピクピク

和「(宮永さん…)染谷先輩 優希 少し… 付き合ってもらってもよろしいでしょうか?」

染谷「お、おぉ そうじゃの (ほれ 何 固まっとんじゃ いくぞ)」ヒソヒソ

優希「!」ハッ

優希「べ、別に か、かまわないじぇ」


ガチャ

京太郎(あぁ… 唯一の救いが…)

久「うん なーに?」ニコニコ

京太郎「は、はい!」

咲「………」

京太郎「(む、無表情の咲が一番 恐い…)じ、実はですね… 咏s み、三尋木プロが どーしても 動物園に行きたいと 言ってまして…」

久「私達が 必死になって 練習してたにも かかわらず 女の子と 遊び惚けてた… と…」

咲「………」

京太郎「はい… おっしゃるとおりです…」

久「ふ~ん だ そうよ? 咲」

咲「………」

咲「わかりました… 部長… 少しの間 外に出て もらっても いいですか?」

久「わかったわ」

久「じゃ 須賀君 頑張ってね♪」ポン

京太郎「」


ガチャ

京太郎(こ、この状況で 咲と二人かよ…)ブルブル

咲「………」

咲「阿知賀で二人 鶴賀で一人 風越で一人 クレープ屋で一人 動物園で 一人… フフッ 京ちゃん モテモテだね…」ブワッ

京太郎(何だこれ!? 前回の比じゃねぇ!?)

京太郎「あ、あの… 咲さん?」

咲「聞いた話だと 無理矢理 襲ったらしいね…」

京太郎「えぇ~っ!? してない してないって!」

咲「ふ~ん じゃあ これは?」


ピッ

アナウンサー「勝利者インタビュー 今回 ご紹介するのは この人! 三尋木咏プロ!」

アナウンサー「三尋木プロは 二回戦、三回戦で なんと! 元タイトル保持者を飛ばしてみせるという 離れ業を披露!」

アナウンサー「実力ともに 日本トップクラスの人物です それでは 三尋木プロ 今回の試合での感想をどうぞ!」

三尋木「感想ー? 感想ねぃ… うーん…」パタパタ

三尋木「!」

三尋木「京太郎ー! 決勝戦 見に来てねー♪」フリフリ


ピッ

咲「ここから先は 見てるとイライラするから切るね?」ピクピク

京太郎「」

京太郎(公共の電波でなんて事を…)

京太郎「さ、咲! これは誤解なんだ!」

咲「誤解? あはははは 面白い事 言うね 京ちゃん…」

京太郎(な、なんだよ あれ…咲の右手に 無数の渦が見える!)ガクガク


咲「京ちゃんの………」グワッ

京太郎(こ、これは!)

咲「馬鹿ーーーーーー!!!!!!」

京太郎「(コ、コークスクリュー!?)ブ、ブホォッ!」ズドーン

京太郎(い、意識が刈り取れて…)


ガラガラガラ ドシャーン

京太郎「ガフッ!」

京太郎(こんな終わり方ばかり… もう いや…)ガクッ


――――
―――
――


石戸「あら? これって…」

薄墨「どうしましたー?」

滝「………」ポリポリ

神代「? なんでしょうか?」

狩宿「この人 姫様のお気に入りの人 なんじゃ…」

神代「? 京太郎さんの事ですか? それがどうかしましたか?」

狩宿「い、いや その~ 姫様は見ない方が…」

薄墨(うわっ とんでもない 内容なのですよー )

滝(お祓い…)ポリポリ

神代「どのような 内容で あろうと 私は怒りませんよ?」

狩宿「い、いや… そうじゃ なくてですね…(霞さ~ん)」チラ

石戸「(困ってるようね…)小蒔ちゃんが 見ても 絶対に怒らないって 約束できるのなら 見てもかまわないわ」

神代「約束します! 絶対に怒りません!」

薄墨(えーっ 姫様に あれ見せちゃうんですかー!?)

狩宿(私、知ーらないっと…)

滝「準備は… できてる…」

石戸「わかったわ はい」バサッ


神代「(一体何g…)えっ!?」ゴシゴシ

神代「(そんなはずは… )」プルプル

神代「」フラッ

薄墨「! 姫様ー!? だ、大丈夫ですかー!?」

石戸(相当ショックだったようね…)

狩宿「わわわ 姫様! 大丈夫ですか!?」

滝「お祓い…」バサッ

石戸「大丈夫よ… 小蒔ちゃん? あのヘタレな子に限って こんな事 ありえると思う?」


神代「」ハッ

神代「そ、そうですね! 京太郎さんに限って ありえません!」

薄墨「そうですよー! あのヘタレに 出来るわけないですよー」

滝「…無理」

狩宿(なんか 可哀相になってきますね…)

石戸「さて 冗談は ここまでにして 練習しましょう」ニコッ

神・薄・狩・滝・「「「「はい!(…)(なのですよー)」」」」

神代(待っていて下さい 京太郎さん! 貴方をたぶらかした 女性から 必ず貴方を 助けだしてみせます!)メラメラ



後の神代伝説の始まりである


――――
―――
――


洋榎「なんや! この新聞の記事わ!」ドンッ

絹恵「お姉ちゃん? どうしたん 急に?」

洋榎「どうしたも こうしたも あるかー! 何で 京太郎が こんな けったいな女と付き合ってんのや!」

絹恵「どれどれ ………へぇ~」

洋榎「あのとき うちに言った 言葉は嘘やったんか!」

絹恵「ちょっとは 落ち着いたら どうなん?」

洋榎「落ち着いてられるか! うちが 男に騙されたって言うのに 絹恵は 落ち着き過ぎや!」

絹恵「いや お姉ちゃん? よく考えてみ? あのヘタレやで? ありえへんやろ…」

洋榎「ありえとるから! うちは 怒っとるんや! 電話も いくら かけても でんへんし!」


絹恵「でも これって このプロの人が言ってる だけなんやないの?」

洋榎「そ、それは そやけど…」

絹恵「好きなんやったら 最後まで 信じな あかんよ?」

洋榎「うっ… うん…」

絹恵「お姉ちゃんの悪いとこやで?」

洋榎「はい…」

絹恵「電話に でんへんのも マスコミ対策なんとちゃうか?」

洋榎「そう… なんかな…?」

絹恵「そうそう 気楽にやで お姉ちゃん」

絹恵(まーた めんどくさい事に なってしもうたわ…)

絹恵「はぁ~…」

洋榎「?」


――――
―――
――


姉帯「あれ? エイスリンさんだけ?」

エイスリン「…」コクコク

姉帯「そっかー 皆まだ 来てないんだー」

エイスリン「…」カキカキ

エイスリン「…」バッ

姉帯「ん? これー? 新聞だよー 見るー?」

エイスリン「」コクコク

姉帯「はいー」パサッ

エイスリン「………!? トヨネ コレ!」

姉帯「うん… もう 見たよー…」

エイスリン「…ダイジョウブ?」

姉帯「最初は ショックだったけどねー…」

エイスリン「…」カキカキ

エイスリン「…」バッ

姉帯「んー? 怒らないよー」

エイスリン「?」

姉帯「私を あの村から 出してくれた恩人を 怒れるわけないよー…」


エイスリン「ッ!」ガタッ

姉帯「? どこか行くのー?」

エイスリン「ナグリコミ!」

姉帯「えぇ~っ そ、それは駄目だよー 」アセアセ

エイスリン「ドウ… シテ?」

姉帯「殴り込み かけなくても 大丈夫だから! それに 京太郎さんも 言ってたよー? 全国大会で また会おうってー」

エイスリン「デモ…」

姉帯「エイスリンさんは 心配性だなー 皆で 全国に行ったら その時に 聞いてみるよー」

姉帯「それまでは 皆で練習あるのみだよ!」

エイスリン「…」カキカキ

エイスリン「」バッ

姉帯「そ、それだと… 京太郎さんが 死んじゃうから やめて欲しいかなー?」

エイスリン「」カキカキ

エイスリン「」バッ

姉帯「あはははは それは 言いかも知れないねー」

エイスリン「…」ニコッ


――――
―――
――


宥「く、くくくく玄ちゃん?」

玄「な、何かなぁ? お姉ちゃん?」ピクピク

穏乃(うっわっ 新聞の記事見てから すっごい事になってるよ 玄さん…)

初瀬(ねぇ! どうすれば 元の玄さんに戻るのよ!)

穏乃(わっかんないよ~)


灼「ただ今… !? えっ? 何?…」

穏乃「灼さ~ん」

初瀬「灼先輩~」

灼「どしたの… あれ」

穏乃「新聞の記事を皆で見てたら 急に… もう 何が 何だか…」

灼「新聞?」

初瀬「は、はい 何でも 知り合いの名前が出てるとかで 宥先輩が…」

宥「玄ちゃん… 落ち着いて…」

玄「わ、私は 落ち着いてるよ? お、お姉ちゃん」ピクピク

宥「」ビクッ

宥(ごめんなさい 京太郎君… 死なないで…)


玄「し、穏乃ちゃん?」ピクピク

穏乃「は、はい! 何でしょうか!」

玄「携帯貸してくれるかな?」

穏乃「携帯でありますか!? お、お待ち下さい!」ガサゴソ

穏乃「こ、これです!」

玄「あ、ありがとね? 穏乃ちゃん」ピクピク

穏乃「とんでもございません!」

玄「それじゃあ 私… 少し 空けるね?」

穏乃「は、はい」


ガチャ

穏乃「………」

初瀬「…今の感想は?」

穏乃「し、死ぬかと思った…」


――――
―――
――


久「えぇ はい… わかったわ しっかりと伝えておくわ」


ピッ

久「ふぅ~…」

咲「部長? 誰からだったんですか?」

久「ん? まぁ そのうち わかるわよ」

咲「? 」


ガチャ

京太郎「器材の買い出し たった今 戻りました~」

咲「お帰り 京ちゃん」

京太郎「おう ただいま!」


久「ねぇ 須賀君?」

京太郎「なんですか? 部長」

久「とある高校から 清澄に 遠征の申し込みが来たんだけどね?」

久「咲や和の実力は隠しておきたいの… だから 須賀君が かわりに行って来てくれないかしら?」

京太郎「俺がですか!? いやいや無理でしょ! 俺なんかが行ったところで 意味ないですって!」

久「その事なら 大丈夫 何でも 私達はおまけで 本命は須賀君らしいから♪」

京太郎「お、俺!? 一体 どこの高校なんですか?」

久「知りたい?」

京太郎「そりゃ まぁ…」

久「フフッ 貴方は一度 行った事があるわよ」

京太郎「ま、まさか!?」

久「須賀君、奈良までもう一度、遠征に行って来て頂戴」

京太郎「ええっ!?」



~三尋木咏編・完~