まこ「京太郎ちょっといいかの?」

京太郎「何ですか?染谷先輩、買い出しとかありましたっけ?」

まこ「今月の17日久の誕生日でな、17日に部室で誕生会をやるつもりなんじゃがな、もし予定がないなら参加してもらえんじゃろか?」

京太郎「え、部長の誕生日って今月の17日だったんですか?」

まこ「おぬしにはいっとらんかったか?それで参加の方なんじゃが」

京太郎「行きます!絶対に参加しますよ」

まこ「そか。部長にとっては参加するだけでも喜ぶとおもうぞ」

京太郎「じゃあ俺はプレゼントを考えたいので今日は先に帰りますね」

まこ「分かった。普段から京太郎には世話になっとったからの。プレゼントは花の一本くらいでも十分じゃからな」

京太郎「あはは、それは何も考え付かなかった時の手段にしておきますよ。それじゃ今日はお先に失礼します」

京太郎(うわ!まじか誕生日まで時間もあまりないし急いでプレゼントの準備しないと!!)

京太郎(そういえば部長ってどんな物が好みなんだろ?とりあえずアクセサリーとかが基本かな。
       お、この赤い宝石って部長に似合いそうだなってこんなにするのか!?)ジロジロ

店員「何方かにプレゼントですか?」

京太郎「そうなんです。今月知り合いの誕生日があるんですけど、それで色々と探してる最中なんですよ」

店員「でしたらこちらのトパーズはお勧めですよ。トパーズは11月の誕生石でして――

京太郎(11月の誕生石ってことは部長の誕生日と一致するな…よし!!)

京太郎「ハギヨシさんいきなりで申し訳ないんですが仕事を斡旋してもらえませんか?」

ハギヨシ『須賀君!?いきなり如何なされたのですか?』

京太郎「ある事情がありまして今月の17日までにまとまったお金が必要なんです。
       お願いです仕事を紹介してください!なんでもします!!」

久(うーん…やっと解放されたわね。大会後も今まで忙しくて須賀君の相手が満足に出来なかったけど
   これからはマンツーマンで指導できるし須賀君も麻雀が楽しくなってくれると嬉しいな)セノビー

久「あら?須賀君は今日休み?」

咲「なんか用事があるとかで今日は先に帰りましたよ」

久「へ〜珍しいこともあるものね」

三日後
久「ふーん須賀君今日も休みなんだ…最近弛んでるんじゃないの!?」ブッスー

五日後
京太郎『よっし!学校も終わったしさて今日も急いで帰るか』

京太郎(部長の誕生日も近いしチンタラしてる暇なんかないもんな)

嫁田『おーい須賀ちょっといいか』

京太郎『何だよ嫁田?俺急いでるんだけど』

嫁田『いや儀会長が訪ねて来てるんだけどお前何かしたのか?』ユビサシ

京太郎『部長が?』チラ

久『』オズオズ

京太郎『お久しぶりです部長。一年の教室に来るなんて珍しいですね。どうかしたんですか?』

久『あのね…最近…その…部活に顔を出してないじゃない?……今まで休んだことってなかったし……
   どうしたのかなーって思ってね』メセンオヨガシ

京太郎『ああその事ですか。(ブーブー)ん?ってもうこんな時間かよ!?すいません部長俺行きますね!!』ダッシュ

久『あ、ちちょっと須賀君!?』

久「」イジイジ

優希「なんか今日の部長えらく元気がないじぇ」ヒソヒソ

咲「京ちゃんと話をしようとしたら用事があるとかでまともに取り合ってもらえなかったって」ヒソヒソ

和「部長ってその辺結構ドライってイメージでしたけど意外ですね」ヒソヒソ

まこ(恐らく京太郎はプレゼントを準備するために頑張ってると思うんじゃがコレはネタ晴らししたほうがいいのかの?
   しかしそうすると頑張って秘密にしてる須賀に悪い気が…)ウーム

京太郎「純さん客室の清掃とベットメイキング、備品のチェック終わりました」

純「お、サンキューじゃあ智紀が洗濯物取り込んでると思うからそっちの方手伝ってやってくれ」

京太郎「わかりました」

一「なんか須賀君すごく頑張ってるね」

純「だな。ウチは人手が足りないから戦力としては大助かりだ」

一「旦那様が回してくれる使用人も透華が片っ端から『私が信頼できるもの以外
   傍に置くつもりはありませんわ』って片っ端から追い返してるしね」

純「男手はハギヨシさんしか居ないしこのまま続けてくれねーかな」

一「いつも男みたいな恰好してるのに自分はカウントしないんだ」

純「るっせ」

――――
ハギヨシ「須賀君短い間でしたが今日までお疲れ様でした。こちらがお給金です」

京太郎「…イキナリ言い出した俺なんかを採用してくれてありがとうございました」

ハギヨシ「いえいえ。須賀君が手伝ってくれたこの短期間私共は凄く大助かりでしたよ。もし須賀君にその気があるのなら
また声をかけてくださいね。」

京太郎「ハギヨシさん…お世話になりました」

透華「ところで須賀さん、個人的な興味からくる事なので申し訳ないのですが少し質問してもよろしいかしら?」

京太郎「俺に…ですか?透華さんにも色々とお世話になりましたし、俺が答えられる範囲なら何だっていいですよ」

透華「…須賀さんのお噂は何度か聞いたことがあります。なぜ麻雀部を続けられたのですか?」

京太郎「初めのころは楽しかったと思います。ただ、咲・・・宮永の大将を俺が招き入れてから部活の方針が変わって行きましたけど」

京太郎(そう言えば咲を入れてからだったな。俺が麻雀を打たずに雑用ばっかやらされてたのって)

透華「じゃあ何故やめなかったんですか?失礼ながら須賀さんの身辺を調べさせていただきましたが
     私には貴方が奉仕するのが当たり前のように感じてるように見えますが」

ハギヨシ「お嬢様!…いくらなんでも言い過ぎではないでしょうか?」

透華「ハギヨシ。発言を許可した覚えはありませんよ」

京太郎「辞める…ですか。そういえば考えたこともなかったです」

京太郎(何度も「ふざけんな」「なんで俺だけ」「俺はこの場所にいらないんじゃないか?」とか思ってたこともあったけど、
       結局俺は部活を続けることにしたわけだし…まてよそもそも何で俺は部活を続けようと思ったんだ?)

京太郎(俺は今いる麻雀部のみんなは好きだけど別に麻雀部にこだわる必要はないんだよな。咲とは中学時代からの幼馴染だし
       麻雀部をやめてもこのままの関係でいられると思う。優希や和も友達思いだからなんだかんだで友達でいてくれるはず。
       染谷先輩は雀荘に行けば何時でも相手にしてくれると思うし、部長だって俺が役員目指せば済む話なんだよな。
       じゃあなんで俺は部長の為に必死こいて働いてんだ?咲の誕生日でも俺はプレゼントの準備はするだろうだけど
       ここまでしないと思う。じゃあ何で俺は部長にだけこだわるんだ?)

京太郎(あの人は儀会長との兼任ですごい大変な立場にいるのにそれを苦に出さず卒なくこなして)

久『君、新入生よね?これは新入生歓迎も兼ねてるから一年生の君は先に帰っててもいいわよ』

京太郎(だけど裏じゃすっごく努力しててそれがすごく眩しく見えて…)

久『みんな清掃ボランティアお疲れ様後は私がやっておくから先に帰ってていいわよ。あとこれは地元の人達からの差し入れ』

京太郎(少しでも助けになりたいって思って、あの人が笑ってるのがすごい嬉しくて)

京太郎「…あぁそうか。俺は部長の事が好きなんだ」

透華「辛くは無いのですか?」

京太郎「惚れた弱みっていうんですか?部長に頼まれたらどんな事だって不思議と苦痛じゃないんですよ」

ハギヨシ「ところで須賀君予定の日は今日、開始時刻も刻々と迫っていると思うのですがお時間のほうはよろしいのですか?」

京太郎「えぇ!ハギヨシさん知ってたんすか!?」

ハギヨシ「それは勿論です。なんの理由もなく須賀君があんなことを言い出すとは思いませんから。
     純を待たせてあるので車庫の方へお向かいください。それと須賀君、御武運を」

透華「その恋かなうといいですわね」

京太郎「ありがとうございます。必ず振り返らせて見せますよ!」ニコ


ハギヨシ「お嬢様もお人が悪い。初めから察しておらしゃったのですか?」

透華「あら、時間が迫っているのを知っていながらあえてギリギリまで黙っていたハギヨシに言われるなんて心外ですわ」

ハギヨシ「こういった事は少し遅れたほうが盛り上がりますから」

透華「しかし竹井さんがうらやましく感じます。龍門渕に生まれた私にはあのような情熱的な恋は許されませんから」

ハギヨシ「お嬢様にもいつか現れますよ。私が保証します」

透華「ありがとうハギヨシ」


純「本当にここまででいいのか?京太郎が望むなら別に清澄まで送っても問題ないんだぜ?」

京太郎「後は電車やバスがあるんで大丈夫です。それに清澄まで送ってもらったら帰る頃には真っ暗になっちゃうじゃないですか」

純「俺はそんなの気にしねーけど」

京太郎「駄目です。11月も半ばで夜は冷え込むんですから、純さんもその辺気を付けないと。女の子に冷えは天敵ですよ」

純「バーカお前は自分の心配してろ。…頑張れよ」

京太郎「はい!!」

京太郎(さて、あの宝石はトパーズだったよな。急がないと)タッタッタ

京太郎(プレゼントは買えたけど指輪ってのはあからさま過ぎか?でもこれが一番部長に似合いそうだったし…
       まぁ渡す前からくよくよしてても始まらないか。とりあえず電車に乗って…ゲ!次の電車まで一時間もあるのかよ…
       まぁスマホでネトマやりながら時間つぶしてりゃすぐか)

京太郎(電車一本逃しただけでバスも乗り遅れるとかありえないだろ!?
       遅れるって連絡入れようにもスマホも電池切れで使えないし、この辺コンビニ無いんだよなぁ…
       こうなることなら電車乗る前に充電器買っとけばよかった)ハァ

京太郎「待ってるより直接行ったほうが少しだけ早くつくんだよなぁ…走るか」


和「…須賀君来ませんね」

咲「駄目携帯にかけても電源が切られてて繋がらない」

優希「全く!部活だけじゃなく部長の誕生会にも参加しないなんて薄情な犬だじぇ」プンスコ

久「…私はみんなが祝ってくれるだけで十分だから」

まこ(須賀には伝えておいたはずなんじゃが…何をモタモタしとるんじゃあの馬鹿者は)

まこ「のう久よ…アイツは参加しないなら必ず前もって連絡はよこす筈じゃ。
   それが無いと言う事は必ず来る。だから信じてやってくれんか」

咲「そうですよ。きっと京ちゃんの事だから携帯の充電忘れててそんな事だと思いますから」

和「先輩や咲さんの言う通りです。もう少ししたら「スイマセン遅れました」とか言いながら来ますよ」

優希「みんなのいう通りだじぇ。きょうたろの事だから今頃
    必死に誕生日プレゼント探して回ってるとかそんな事やってるに違いないじぇ」

久「その辺は私も心配してないから大丈夫よ。私が言うのも変だけど先にはじめちゃいましょう」

久(きっと大丈夫…よね?)

一時間後
久「…そろそろ時間も頃合いだしお開きにしましょうか」

まこ「し、しかしじゃな…」

久「気持ちは有難いけどみんなを遅くまで拘束するなんて申し訳がないもの。ほら、帰った帰った」

まこ「ぬしはどうするんじゃ?」

久「私?…私はもう少しだけ待ってみるわ」

まこ「そうか。久もああいっとるしみんな帰るぞ」

優希「ここまで音沙汰がないと逆に心配になってくるじぇ」

和「何か事故に巻き込まれてなければいいんですけど」

咲「私帰りにちょっと京ちゃんの家に寄ってみるね」

久(私は部長らしいこと一つもしてあげれなかったわよ)

京太郎『儀会長、球技大会で使った球の数ってこれであってますか?』

久(大会が終わっても部の引継ぎや議会の仕事が忙しくて結局麻雀の指導は出来なかったし)

京太郎『部長、残りの清掃箇所はココで最後ですか?一人でやるより二人でやったほうが早いですから手伝いますよ』

久(雑用ばかり押し付けて正直嫌われてるって自分でも思ってた)

京太郎『部長、今必要な備品ってこれであってます?あってたら買に行ってくるんで確認お願いします』

久(でも、嫌なら嫌ってはっきり言ってくれればいいじゃない)

京太郎『何言ってるんですか。俺に手伝えることなんてこれ位しかないんですから部長たちは打つ方に専念してくださいよ』

久(なのにあんな嬉しそうな顔したりさ)

京太郎『やりましたね部長!優勝ですよ優勝』

久(私の心にズカズカ入ってきたくせに少しくらい恩返しさせなさいよ)

久(須賀君のばーか)グスッ

ガチャ
京太郎「す、すいま……くれっ…した」ゼーハーゼーハー

久「須賀君!?って凄いふらついてじゃない!どうしたのよ!?」

京太郎「…の前……に水…もらえませんか?」アオムケー

久「水ね?今持ってくるから少し待ってて。…ハイこれ」

京太郎「あり…うござ…まっ」ゲホゲホ

久「そんなに急いで飲むから…須賀君が落ち着くまで待っててあげるから落ち着いて飲みなさい」サスサス

数分後
久「少しは落ち着いたかしら?それでボロボロな状態でどうしたの?…私は今日も来ないと思ってたんだけど」

京太郎「…本当はもっと早くに来るつもりだったんですけど、運悪く電車とバスに乗り遅れちゃいまして…
       バスを待ってられなかったので走って来たんですよ」

久「走ってって…まさか駅から?ウチから駅までかなりの距離があるわよ!それに須賀君の携帯はどうしたのよ?」

京太郎「それがスマホの電池切れてまして…あ、そうだ。ちょっと充電器お借りしますね……
       うわぁ何だこれ!着信やらメールがいっぱい着てる」

久「やっぱりね。咲ちゃんや優紀が何度も連絡してたのよ。私だって電話したけど繋がらないしみんな心配してたんだから。
   けど無事で安心したわ。すっぽかした原因が単なる遅刻ってのは須賀君らしいけど」フフフ

久(よかった…来なかったのは嫌われてたからじゃ無いんだ)ホッ

京太郎「部長あの・・・ですね、誕生会には間に合わなかったんですけどプレゼントってまだ受け付けてますか?」

久「いつもなら駄目だけど今日は須賀君の頑張りに免じて特別に受け付けるわよ」

京太郎「よかった…それじゃコレ受け取ってください」

久「開けてもいい?」

京太郎「ええ」

久「…指輪ってことは…そういうことって受け取っていいのかしら?」

京太郎「その…つもりです。部長俺は貴方のことが…」グギュルルル

久「ってもう本当に最後まで締まらないんだから」クスクス

京太郎「…スイマセン///」

久「まってて、まだ少し料理が残ってた筈だからそれを持ってくるわ」

京太郎「すいません。一応昼は食べてたんですけでど…その軽く済ませた程度だったので…」

久「それならお腹がすいても仕方ないわよね。駅からここまで全力疾走したんだもん。
   それと最近部活を休んでたのってもしかして…私のプレゼントを買うため?」

京太郎「そうです。プレゼントを買うのに少しお金が足りなくてハギヨシさんの所でバイトしてました」

久「私のためにここまでしてくれたのはうれしいけどさ、一言くらい言ってくれても…」

京太郎「…好きです」

久「へ?」

京太郎「さっきは言いそびれちゃいましたけど、ちゃんと言いたかったんです」

久「それならもう少しムードを考えなさいよ。さっきの方がまだムードあったわよ…バカ」

数日後

久「…んふふー」ジー

まこ「ずいぶんとご満悦みたいじゃのう。数日前まで絶望しきった顔をしとった奴とは思えんわい…
   それとアクセサリーの類は校則で禁止されとると思っとったが…ええのか?」

久「これくらい良いのよ儀会長権限なんだから」

まこ「しかし須賀に宝石関連の知識があったとは以外じゃのぉ」

久「……どういう意味よ?」

まこ「分かっとるくせに。トパーズの宝石言葉は誠実、真実の愛、さらに赤いのは情熱、じゃったか?」

久「京太郎だし単なる偶然じゃないかしら」ニヘラ

まこ(須賀君ではなく京太郎、か)

まこ「顔にはそうかいとらんぞ。さて惚気を聞かされるのもあきたしワシはそろそろ退散するかの」