姫松男子麻雀部

モブA「お、それロン」

京太郎「うへぇ、マジか」

モブB「須賀は護り弱すぎ。紙かよ」

京太郎「うっせ」

モブC「じゃあ負けた須賀が女子部の雑用に行くということで」

京太郎「うええ、めんどくせぇ……」

モブA「まぁいいじゃねぇか須賀は日曜大工とか得意だろ?」

モブB「日曜大工って何百年前の表現だよ。今はDIYってんだよ」

モブA「なんだDIYって?」

モブC「Do It Yourselfの略だ」

モブA「ああ、つまりお前がやれっと」

京太郎「はぁ、仕方ねぇ行ってくるか」

モブABC「いってらー」

姫松女子麻雀部前

京太郎「女子は全国クラスの強豪チーム」

京太郎「対してこっちは最高で県大会ベスト16の弱小チーム」

京太郎「酷い差だな……」

京太郎「……」ゴクッ

京太郎(なんか緊張してきた……)

?「そんなところでなにしてるのよー?」

京太郎「!?」ビビクン

由子「君、1年生?」

京太郎「え、ええっと。あの……」

京太郎(やっべ、3年でレギュラーの真瀬先輩!)

由子「?」

京太郎「あの、その……」

由子「あ! もしかしてお手伝いに来てくれ男子の方の子やったかな?」

京太郎「あ、そう! そうですそう!」

由子「ごめんな? せっかく来てもらったのにこんなとこで待たせしもて」ガチャ

京太郎「あ、いや、ぜんぜん待ってたなんてこと」アセ

京太郎(気後れして入れなかったなんて言えない……)

京太郎「って、」

ガラーン

京太郎「まだ誰も来てないんですね?」

由子「そうみたいやね。あ、調子が悪いんはこっちの卓なんやけど」

京太郎「あ、はい」

由子「パッと見はなんともないんやけど、動かしてると変な音がするのよー」

京太郎「音ですか? ん〜じゃあ実際に聞いてみたほうが早いかな。ちょっと動かしてもらっていいですか?」

由子「了解よー」

ウィーン……

由子「こうしてるなんもないんやけど」スッ

ジャラジャラジャラ、カコン、カコン……」

由子「この通りなのよー」

京太郎「なるほど」

京太郎「いったん停めてください」

由子「ほいほい」

京太郎「う〜ん……」パカッ

ゴソゴソ

京太郎「あー、やっぱりここのチェーンが伸びて弛んじゃってますね」

由子「そうなん?」

京太郎「はい。だから打ってるときはいいんですが洗牌のときに音が出るんですね」

由子「直りそう?」

京太郎「工業用とかならモーターの位置調整してやればいいんですが」

京太郎「こういった筐体に収まってるものだと規格で位置が決まっちゃってますので……」

京太郎「これは、モーターいったん外してチェーン切るか……」ブツブツ

由子「……」ジー

京太郎「っとなると、工具が……? どうかしましたか?」

由子「ううん。男の子やねーって」

京太郎「はい?」

由子「真剣なときの横顔。なかなかカッコええね」クスッ

京太郎「はっ? …………っ!?///」

由子「ふふふ」クスクス

京太郎「ちょ、からかわないでくださいよぉ!」

由子「ほらほろ。そんなことより早くしないと時間無くなっちゃうのよー」

京太郎「ええ、真瀬先輩が振ってきたんじゃないですか!」

由子「んーどやったかなー? って、あれ? そういえば私、自己紹介してないのよー」

京太郎「いやいや、姫松、いや大阪にいて高校麻雀に少しでも携わってれば先輩の名前は知らないはずないですよ」

由子「そうなん?」

京太郎「そりゃそうですよ。俺だって」

由子「?」

京太郎「なんでもないです」

京太郎(姫松女子麻雀部に憧れてこの学校に来たとは言えない。なんか恥ずかしいし)

由子「それで、君はどこの誰さんなん?」

京太郎「あ、須賀です。須賀京太郎」

由子「須賀君か。よろしくなのよー須賀君」ニコッ

京太郎「っ!」ドキッ

京太郎「よろしく、お願いします……」ドギマギ


その時、俺はなんとなくこの人とは長い付き合いになると、そんな気がした


カン!