prrrr prrrr prrrr…

咲「もしもし宮永ですけど 京ちゃん居ますか?」

咲「ちっ違いますよおばさん!違いますってもう…」

京太郎「はいよー どした?こんな時間に珍しい」

咲「あ京ちゃんごめん 実はちょっとお願いがあるんだけど…」

京「おーし切るぜー」

咲「ちょっちょっと待って!ホントに困ってるの!」

京「ーったく何だよ 早く言ってみ」

咲「あのね…」

京「お前の方が遅れてくるってどうなの」

咲「…ごめん…ハァ…急いで…ンッ…来たんだけど…ハァ…ハァ…」

京「息切らして」

咲「だって…夜道怖いんだもん…」

京「そいで 学校に忘れものとな 何忘れたんだよ」

咲「携帯電話と…」

京「なるほど それで固定電話にかけてお袋にからかわれてたわけだ」

咲「聴いてたんなら早く代わってよ…」

京「でケータイと何?」

咲「ん…あとちょっと」

京「今日でないとまずいもん?」

咲「うん…」

京「ん なら行くか」

咲「ありがとう」

咲「どこから入れるかな?」

京「裏門よじ登るしかないな」


京「よっと 早く来いよ咲」

咲「ちょっと京ちゃん置いてかないで!」ガシャガシャ

京「どんくさい奴 ほら」

咲「ん ありがと」

京「さて 問題はここからだな 校舎の中にはどこから入れる?」

咲「えぇと…」

京「外階段だな そこしかない」

咲「非常扉?そこも閉まってるんじゃない?」

京「たぶんな でも外階段の途中から教室のバルコニーに飛び移れるだろ?教室の窓なら開いてるかもしれない」

咲「ええ!飛び移るってそんな…」

京「大切なものなんだろ?」

咲「うぅ…そうだよ 取りに行かなきゃ」

京「おーい早く来いよ…」

咲「だってぇ…」

京「落ちたら死ぬぞ」

咲「やめてよ!」

京「ほら 目つぶって思いっきり来い 受け止めてやるから」

咲「……………んっ!」

京「よっ とぉ  到着」

咲「もうやだ…」

京「ほらここ やっぱり窓開いてるぜ」

咲「し…失礼します」

京「窓ちゃんと閉めといてやれよ 不用心な見回りの先生に代わってな」

咲「うん」カチャリ


京「ここは…」

咲「家庭科室だよ ほら壁にフックで割烹着がかかってる」

京「じゃあ俺らの教室ここから近いな」

咲「うん 行こう」

京「行こうと言って俺の後ろに回る咲」

咲「いいでしょ早く」

京「だいたい夜とは言え学校くらい一人で来いよなー」

咲「そんなの怖すぎて出来るわけないよ!」

京「しっ!静かに…」

咲「えっ…」

京「あんまり大声出すと気づかれる…」

咲「誰に…?」

京「…お化けだよ」

咲「……やめてよ…」

京「こないだ部長から聴いたんだ この学校にはお化けが居るって」

咲「……ゴクリ…」

京「何十年も前の体育祭でさ  女の子が貧血で倒れたんだって 
  それで保健室に寝かせられてたんだけどな 保健の先生も競技に出たりグラウンドでの救護につきっきりで
  誰もその女の子の容体が急変したのに気付かなくってさ

  その女の子 保健室で死んじゃったらしいんだ」

咲「……それで…?」

京「それかららしい 夜中になると白いシーツのようなおばけがひらひらと学校を巡り回って
  それを見た生徒をどこかへ連れてってちまうらしい
  一人にされた寂しさと恨みからな」

咲「うぅぅ…」

京「まぁよくある作り話だろどうせ」

咲「怖いな…」

京「大丈夫だ 俺がついてる」




京「教室到着~」

咲「私の机…あった ケータイ」

京「もひとつは?」

咲「これ 京ちゃんのお弁当箱」

京「あ…」

咲「これ忘れちゃったら明日京ちゃん私の作ったお弁当食べられないでしょう?だから…」

京「咲…」

咲「よし じゃあ帰ろう」

京「あぁ…咲」

咲「ん?」

京「手 繋ごう」

咲「うん ありがとう」

咲「?京ちゃんどこ行くの?」

京「どこって帰るんだろ?家庭科室だよ」

咲「え!帰りも外階段から帰るの!?」

京「そのつもりだけど」

咲「やだよ正面扉から帰ろうよ…もうジャンプしたくないよ…」

京「んーでもそれだと正面扉は開けたまま帰ることになっちゃうぜ?」

咲「だったら一回の教室の窓から出ようよ ジャンプはもうやだよ…」

京「仕方ないな じゃ一応家庭科室のドア閉めとこうぜ 開けっぱなしだ」

咲「うん…」




京「あーんな幅のジャンプごときがそんなに怖いかねぇ」

咲「怖いに決まってるでしょ…」

京「だからお前はいつまでたっても…」

咲「…京ちゃん?」

京「………」

咲「?………っ!」

………ヒラリ……ヒラリ………

京「白い…」

咲「…シーツ……」

京・咲「………出たぁぁぁぁぁ!!!………」

京「逃げるぞ咲っ!」

咲「うあ待ってよ京ちゃんっ!」

京「早くっ!」

咲「どこ行くの!?」

京「正面扉だよどこでもいいんだ早く出るぞ!」



咲「京ちゃん早く!早く開けて!」

京「おいこれまわんねぇ!」

咲「違う右だよ右!右に回すの!」

ガチャリ

咲「開いた!」

京「おいこれ開かねぇ!」

咲「違う引くの!引き扉!」

バタン!

京「行くぞ!」

咲「裏門!?」

京「そっちのが近い」


京「早く!早く登れ咲!」

咲「ちょっと京ちゃんお尻触んないで!」

京「言ってる場合か!」

咲「んっと!京ちゃんも早く!」

京「よっと!行くぞ!」



京「ハァ…ハァ…」

咲「ハァ…ハァ…ハァ…」

京「もう…大丈夫だろ」

咲「何だったの?…あれ」

京「さぁな とりあえず忘れ物はとってこれたんだし」

咲「うん」

京「送ってくよ」

翌日
咲「あ 京ちゃんおはよう」

京「よう咲 何だ顔色悪いぞ」

咲「京ちゃん心臓強すぎ…あんなの見て眠れるわけないでしょ…」

京「ああ昨日のアレな…」

咲「?」

京「いや 昼飯の時に言うよ」

咲「?うん あそうだ  はいお弁当」

京「おお さんきゅ」

咲「えへへ」

京「寝不足なのにお弁当はきっちり作って来る咲はやっぱり俺の嫁」

咲「何言ってんだか さぁ教室行こう」



お昼
京・咲「いただきます」

咲「で 朝言ってたの 何なの?」

京「おー昨日のアレな」

咲「うん」

京「家に着いて布団に入って冷静に考えたんだけどさ あれやっぱりお化けじゃないな」

咲「どうして?」

京「ほら 俺らが家庭科室侵入したとき見たじゃん 壁にかかった割烹着」

咲「あ…」

京「な?あれが風で翻ったのが白いシーツに見えたってだけだと思うぜ」

咲「そっか…そうだよね お化けなんてやっぱり信じられないし」

京「ま しょせん子供の作った作り話ってことだな うん」

咲「あれ…?でも窓から入った時私ちゃんと窓閉めたよ…?」

京「そういえば…」

咲「風なんてどこから……………」



京・咲「ひ」


       オワリ

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