霞「京太郎君が鹿児島県に?」

初美「来週にくるそうですよー、せっかくなので鹿児島の一番の名物を見たいとも言ってましたねー」

霞「鹿児島の…?」

初美「一番の名物ですって」

霞「(鹿児島の……むむぅ、一体なにがあるかしら

   いえ、たくさんあるといえばあるけど確かに一番自慢できるものはなにかと聞かれたら何があるかしら……)」

初美「(悩んでますねー)」

霞「はっ、ぴかーん!」

初美「(口で言った!?)」

霞「初美ちゃん…少しの間、留守にするわ……大丈夫、京太郎君が到着する頃には帰ってくるから」

初美「あ……はい、いってらっしゃーい」


…………


京太郎「お久しぶりです初美さん!」

初美「お久しぶりですねー京太郎君

   ささ、霞ちゃんが待っていますよー、鹿児島の一番の名物と一緒にね」

京太郎「霞さんが…?ああ、そういえば俺が頼んでいましたね

    一体何を用意してくれたんですか?」

初美「うーん、それが私も知らないんですよー……これしかないって断言してましたけどね」

京太郎「それは楽しみだな」


なんやかんやで指定の公園に着きました


初美「ここに来るように言われていたんですけどねー……霞ちゃんどこなんでしょう」

京太郎「…初美さん、あの枝が積まれているのは何ですか?遊具の一種?」

初美「え?…えぇ!あ、あれは……!!」

京太郎「?」

初美「まさか霞ちゃん……いえ、そんなまさか…はは、まさかねぇ…」

京太郎「??」


<チェストォォォォォォーーーーーーー!!!!!!!!!


京太郎&初美「!!??」


霞「アァァァァァーーーーーーーー!!!!!」ドドドドドドドド・・・



京太郎「ファッ!?」

初美「げげっ!?」


二人は目を疑った…
彼らがみたのは気でも狂ったのか、途方もなく長い枝を持って全力ダッシュする
永水女子のお姉さん役こと、石戸霞女史の姿であった…

そして無数に積んである枝の前まで走ると、そこで立ち止まり…


霞「キエエエェェェェェェーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」バンッッ バンッッ バンッッ バンッッ バンッッ バンッッ・・・

一心不乱に打ち始めた…

京太郎「………( ゚Д゚)」

初美「………( ゚Д゚)」


霞「キィィィエエエェェェェーーーイ!!エェェェエェェェーーーーーイィ!!!!アァァァァーーー!!!!」バンッッ バンッッ バンッッ バンッッ バンッッ・・

自顕(じげん)流剣術

薬丸自顕流、野太刀自顕流と県内で流派が分かれているが、
稽古内容などは殆ど変わらない

しなやかな強さをもつユスの木を木刀として使い、ただひたすら気合をかけながら打ち込みを続ける

鹿児島県の人間なら誰でも知っており、子供の頃に稽古を経験した人も多い

古武道の演武会には必ずといっていいほど呼ばれる、正に鹿児島の誇る名物剣術である…

あるのだが……



霞「チェェェェリアアアアアアアアアァァァァーーーーーー!!!アァァァーーーーーーーーーーーーー!!!」


京太郎「………」

京太郎は後悔していた…

変なことを言うもんじゃなかったと…

初美「………」

初美は後悔していた

あの時、霞が何をしに出かけるのか聞くべきだったと…


霞「イェェェアァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!
  (ふふっ、京太郎君たら感動で動けないでいるわね…

   初美ちゃんもあんなに泣きそうな顔しちゃって…

   二人の前でお姉さんらしくいいところ見せられて本当によかった♪)」

打ち込みはいつまでも、いつまでも続き、

二人もいつまでも、いつまでも固まっていた


バンッッ バンッッ バンッッ バンッッ バンッッ……

カンッ